今週5(火)、6日(水)と栗東に行ってきた。もちろん10月11日、南部杯の出走予定馬を取材するため。昨年に続いて2度目の栗東だが、今回は"岩手のアイドル"ふじポンも合流した。彼女は5日、東京でグリーンチャンネル「地方競馬最前線」の収録後、新幹線に乗ってそのまま京都、草津へ移動。翌日は早朝から栗東入りする強行軍を敢行した。
ところがバテていたのは小生の方だったようだ。5日朝から栗東で取材し、朝から晩までトレセンを走り回った結果、ふじぽんと合流した6日朝、「顔が白い」と言われてドキッ。でもトレセンの入場口『凱(かちどき)門』を通過したら、どんどん赤味を帯びてきたそうだ。
なるほど。これが競走馬で言う「気合いが入った」ことだと納得。確かに指摘され、戦闘モードにスイッチが入ったのが自分でも分かった。要は馬も人も同じ。今年も南部杯の季節を迎え、気合いの入り方も半端ではない。
9日(土)メインはA級三組・B1一組の混合戦「二戸市 金田一温泉レース」(盛岡ダート1600m)。上位3頭トーホウライデン、ポアントゥブルボン、モンセルバンは実力伯仲だが、マイルで抜群の強さを披露するポアントゥブルボンを主軸視する。
冬休み明けから2連勝を飾り、秘めた素質が開花。オープンまで突っ走るかと思ったが、その後は足踏みが続いて歯がゆいレースを繰り返していた。敗因は相手よりも自分自身と距離。なかなかレースに集中することができなかったし、1800mもちょっとばかり長すぎた。
しかし今はムラさも解消。2番手キープから直線抜け出す理想的なレースで2連勝を飾った。今回はメンバーが強化されたが、マイルなら持てる能力を存分に発揮できる。加えて有力馬がいずれも差しタイプだけに、先行力があるポアントゥブルボンには絶好の流れ。マイペースの逃げ切り有望。
逆転首位まで十分がトーホウライデン、モンセルバン。トーホウライデンは元A級の格を前面に、常に上位争い。オープン馬相手の早池峰賞でもベルモントシーザーの2着を確保した。その半面、勝ち運に恵まれず2着6回。最後の詰めがネックだったが、前走は自力で3角から動いて快勝。ようやく両目を開けた。
おそらく人気はトーホウライデンに集中しそうだが、前走は前の2頭が着外に失速。先に記したようにスローペースになる可能性が高く、その点でポアントゥブルボンに若干分があると判断した。
モンセルバンは中央500万下から転入。初戦は体が太く後方から差を詰めただけの7着に終わったが、ひと叩きされて気配が一変。あっさり2連勝をマークし、その後も白神賞3着、前走はトーホウライデンの2着。直線で確実に台頭できる差し脚が最大の武器。
カギを握るのは当日の馬体重。510キロ台だと切れが鈍る印象があり、前走の510キロがギリギリの範囲。それを超えるようだと割り引きが必要で、理想は505キロ以下。輸送のない地元競馬だけに、仮に絞れていないようだと不安材料となる。
ヤマトスピリットは昨年、オープン特別・白嶺賞で競走中止。6戦連続で連対中だっただけに、残念無念だった。しかし阿部騎手が早めに下馬したのが好判断。大事には到らず9ヵ月半の休養を経て戦列に戻ってきた。
それゆえ前走は恐る恐るの騎乗だったが、それでも直線ではジワジワと伸びて1秒差6着。改めて底力のあるところを見せてくれた。この一戦を叩かれて上昇必至。今度は勝ち負けに持ち込めるに違いない。
センリグランピーは近走、もたつき気味だが、水沢1600mを舞台に2連勝。後方タイプが一転、積極策に出て連勝した。同様のレースができれば3着1回が最高の盛岡ダートでも怖い存在となる。
◎(9)ポアントゥブルボン
○(5)トーホウライデン
▲(7)モンセルバン
△(1)ヤマトスピリット
△(6)センリグランピー
3連単は9、5、7の3頭ボックスが本線。あとは1、6を3着押さえ
馬複は 5-9、7-9、1-9、6-9
<お奨めの1頭>
11レース ローランダイキチ
前走はマークがきつく厳しい競馬を強いられたが、それでも2着確保。今回はメンバーも楽になり、首位を奪回
4日の盛岡競馬場で行われるSJT(スーパージョッキーズトライアル)はWSJS出場権をかけた地方のリーディングジョッキーの戦いです。
全国から集まった14人の名手がたったひとつのイスを目指して戦うわけですが、まずはこの盛岡での前半2戦、そして来週の門別競馬場で行われる後半2戦の計4戦のポイントで最上位となった者がその権利を得る事になります。
勝負は後半2戦、かもしれませんが、前半でどれだけポイントを稼いでおけるか?も非常に重要。最後は数ポイントの差で順位が変わったりしますから、例え優勝争いではなくともひとつでも順位を上げ、1ポイントでも多く奪い取っておく事が最後に効いてきたりします。
もちろん、競うのは全国の名手。ポイント争いはそれとして、ただその手綱捌きを、名手同士のぶつかり合いを見るだけでも、十分にいつもと違った見応えがあると思いますよ。
本命は(6)オヤマハリケーンで良いのではないでしょうか。今季はさすがは元A級という戦いぶりでここまで掲示板を外すことなくやって来たのですが、先行だけでなく控える形の競馬でも格好をつけるあたり、よほど好調サイクルに乗っているのでしょう。
盛岡競馬場は依然として先行有利の状況だけにこの馬の思い切った先行が嵌る可能性は大。鞍上の荒尾・杉村騎手も盛岡での騎乗経験があって心配は特になし。
●10Rの買い目
馬複 (6)=(14)、(3)=(6)、(3)=(14)、(6)=(8)、(8)=(13)
★ゴールデンホイップ賞(11R・盛岡ダート1600m/発走16時45分)
こちらの本命は(3)オンワードアコールに期待します。岩手のダートでは8戦して連を外していない超堅実派。わりと最近C級から上がってきたばかりですが格下感は全くなく、ここでもむしろどこまでやれるか楽しみです。
対抗は素直に(4)サクラアーバンで。前走では圧勝、牝馬のオープン級でも好走しているように能力は格上のものがある馬。流れが激しくなりそうな14頭立てをうまく捌けるかどうか?そういう馬かどうか?にちょっと疑問符をつけて対抗評価としましたが、鞍上は南関のトップジョッキー、全くの杞憂になることでしょう。
三番手には(7)ジーアイジェーンを抜擢します。日曜からの雨は月曜も続く予報。こうなるとこの馬向きのコース状態になるのはほぼ確定。軽い馬場で走るタイプだけに注目。
押さえは(8)(5)あたりでしょうか。ここは10Rのような引っ張り役はいないし、ある程度先行できつつ末も使えるタイプで固めておくのがベターでは。
●11Rの買い目
馬複 (3)=(4)、(3)=(7)、(4)=(7)、(3)=(8)、(3)=(5)
3歳以上の盛岡芝1000m戦がスタートしたのは08年、水無月賞、セプテンバーカップ(いずれもB2級で実施)から。それまで同条件で行われたのは2歳戦のみ。条件クラスの芝レースは1600m以上だったが、ファンの要望に応えて試験的にだが、実施に踏み切った。
普段は見ることができない1000m戦に加え、しかも盛岡芝が舞台。スピード満点のレースと意外な適性馬が勝ち上がり(水無月賞はタイキランデヴー、セプテンバーCはオンワードリリカ)、2戦とも高配当が飛び出し、ファンから熱烈な支持を得た。
それを受けて翌年、古馬による芝1000m戦を強化。B2・姫神賞。B1・FM岩手杯、ハーベストカップ。そしてオープン・きんもくせい賞と同条件レースを一気に充実させた。
このような背景から1頭の個性派が誕生した。ウメノレイメイである。08年末、中央1勝500万下から転入し、初戦こそ逃げ切りを決めたが、以降は距離の壁に泣いて入着するのが精一杯。次第に我々の視界から外れてしまったが、09年の立夏賞(B2)で見事によみがえった。
立夏賞はダート1000mが舞台だったが、超ハイペースをモノともせず楽々と2番手を追走し、4角先頭。そのままゴールまで押し切って単勝1310円の高配当を叩き出した。ウメノレイメイの勢いは止まらず、今度は芝1000mを舞台にFM岩手杯、姫神賞、ハーベストカップと連戦連勝。さすがにオープン・きんもくせい賞では相手が一気に強化されて7着に終わったが、1000mのスペシャリストぶりを存分に発揮した。
今季もFM岩手杯で貫禄勝ちを収め、芝1000m5戦4勝とし、今回のハーベストC連覇に勇躍登場。迷うことなく◎にするべきだろうが、気になるのが前走・白神賞の大敗。確かにメンバーも強く、自分の競馬ができなかったにしても9・2秒差しんがり11着はあまりにも負けすぎ。
心配になって千田知幸調教師に話を聞いてみたところ「夏負けがひどかった」とのこと。それで1ヶ月ほどレース間隔を開けたそうで、ちょっと安心したが、仮に回復できたとしてもFM岩手杯の迫力を取り戻せるかどうか。
以上のことから主軸をビュレットライナーとした。中央1勝から北海道B2を経て転入。ダート戦で4勝をマークしたが、芝1000mで新境地を切り開き、FM岩手杯はウメノレイメイの0・1秒差2着。自己の条件に戻った姫神賞を逃げ切って快勝。芝1000m適性を如何なく発揮している。今回は珍しく追い切りを消化したそうで、陣営は意欲満々。打倒ウメノレイメイに燃えている。
ウィンエヴリーは淡白なところがあり、白神賞、OROカップと連続10着に凡走。しかし先のFM岩手杯で3着、そして格下からの挑戦・桂樹杯(オープン芝1600m)でも3着に気を吐き、高配当の片棒を担いだ。すんなり好位追走できれば連対の可能性も十分ある。
一発ならヒドゥンアジェンダあたりか。ここ3戦とも着外に沈んでいるが、FM岩手杯で0・3秒差4着。この時は内枠3番に入り、ちょっと窮屈なレースを強いられた印象だった。むしろ大外11番枠の方が自分の競馬に徹することができ、前半で脚を貯めて直線一気を狙う。あとはメンバー中2番目の最高タイム58秒4を持っているタカノグラディウスも押さえが必要。
◎(7)ビュレットライナー
○(5)ウメノレイメイ
▲(4)ウィンエヴリー
△(11)ヒドゥンアジェンダ
△(10)タカノグラディウス
ここは3連単ではなく3連複。7、5、4、11の4頭ボックスがお奨め。あとは10を押さえ少々
馬複は 5-7、4-7、7-11、7-10
<お奨めの1頭>
5レース バトルドミナ
目下3連勝中と勢い止まらない。競りかける馬も不在ならアッサリ逃げ切りのシーン
岩手競馬最大のイベント「第23回マイルチャンピオンシップ南部杯」が、いよいよ次週11日に迫った。今年最大の注目馬はもちろん、エスポワールシチー。昨年以上に熱い視線を集めているのは、ダートで世界最高峰の「ブリーダーズカップ・クラシック」へ向けた最終調整レースに指名したからだ。
アメリカでエスポワールシチーの参考VTRで南部杯が放映されることを想像すると、今からワクワクドキドキ。向こうのファンが盛岡競馬場のダートコースを見て、どんな感想を持つのだろうか。しかも今年の開催場所は最も伝統あるチャーチルダウンズ競馬場だ。南部杯を見ずしてエスポワールシチーのことを語れなくなった。次週、その取材で栗東へお邪魔しようと思っている。再会が今から楽しみで仕方がない。
10月2日(土)メインは「二戸トリコロールフェスタレース」(B1 盛岡ダート1600m)。人気はスクリームイーグル、エムアイルシェルが分け合うが、主軸にスクリームイーグルを指名する。
中央ダート1勝500万下から今年6月に転入し、アッサリ2連勝マーク。3戦目の初盛岡戦は2着に敗れたが、ハナ差の惜敗。巻き返しに意欲満々だったが、猛暑のあおりを受けて2ヶ月近くの休養を余儀なくされた。
仕切り直しの前走も盛岡ダ1600m戦。まだ動きが重い印象もあったが、それでも果敢に逃げて2着。改めて底力を誇示した。もちろん、その一戦を叩かれて良化疑いなし。叔父がイギリス、アイルランドダービーを制し、ブリーダーズカップ・ターフを史上初めて2連覇したハイチャパラル。その血が開花するか、期待を込めて注目したい。
エムアイルシェルは今がまさに旬。セプテンバーCで3着に敗れ、連勝が3でストップしたが、55キロのハンデ増に加え、サクラカムイオーに早めに交わされたが、内で驚異の粘りを発揮。敗れてなお強しの一戦だった。今回は牝馬の定量53キロに戻り、逆転首位も十分ありえる。
以上のラインは非常に強力だが、以下の序列にちょっと迷った。3番人気になりそうなのはハルサンヒコだが、セプテンバーCの失速ぶりが不満。距離短縮もそれほど有利になると思えず、キングバッハを▲評価に採った。
水沢6勝に対し、盛岡は1勝のみであとは3着4回。成績的には水沢向きの印象だが、持ち味の末脚を生かせるのは間違いなく盛岡。好、凡走の落差が激しいのは追い込み馬の宿命だが、キングバッハの魅力はコンスタントに上がり38秒台の脚を使える点。前走と同様、3着に食い込む。
あとは小林騎手とのコンビで2勝バンドマスター、盛岡ダ1600mがベストの条件モエレアンドロメダを連下押さえ。
◎(8)スクリームイーグル
○(5)エムアイルシェル
▲(2)キングバッハ
△(9)バンドマスター
△(3)モエレアンドロメダ
3連単は8、5の1、2着折り返しから2、9、3へ3着流し
馬複は 5-8、2-8、8-9、3-8
11レース リュウノヒーロー
好レースを披露しながら勝ち星に恵まれなかったが、前走は同じ芝1700m戦を快勝。これで完全に吹っ切れた
日曜日に行われた重賞・岩手県知事杯OROカップは川崎所属コスモヴァシュランが制して終わりました。同馬は7月のせきれい賞も勝っており、これで今季行われる古馬芝重賞の2つを両方とも制した事になります。
さて、振り返ってみると今年は3歳のオパールカップを船橋リュウノボーイ、2歳のジュニアGPを北海道スクランブルエッグに勝たれており、各世代の芝重賞計4戦すべてを他地区勢に持っていかれた事になりました。
実は昨年も同様の結果になっていて(せきれい賞:コスモヴァシュラン、オパールC:エイブルインレース、ジュニアGP:ボヘミアン、OROカップ:コスモバルク)、なんと丸2年間、盛岡の芝重賞で岩手の馬が勝っていない、という事になっております。
かつては「盛岡の芝は走り慣れた岩手の馬が強い」といわれ、独特のコース形態に戸惑うのか、他地区からの遠征馬がなかなか力を発揮できない事も多かったのですが、最近は他地区勢の活躍の報が目立ちますねえ・・・。
岩手としては「ポスト・ボスアミーゴ」を早く育てないとなりません。今回5着と健闘したボスアミーゴ(実績を考えると"健闘"なんて言っちゃいけませんが、状態を考えると・・・)ですが来季は7歳。そろそろキャリアも終盤です。
その期待をかけていたリュウノボーイは移籍してしまったし、マルブツコンバットあたりが成長してくれればいいのですが。ゲンパチオブラヴではまだちょっと小粒かな・・・。
さしあたりの問題は今季の「最優秀ターフホース」がどうなるか。昨季は「来季の活躍を期待する」ってな理由をつけつつボスアミーゴに与えられましたが、今年の現状ではそういう理由をつけられる馬すらいない。
オープンの芝戦はまだもう一つ残ってはおり、それをゲンパチオブラヴ、マルブツコンバットの世代オープン級の芝特別を勝った馬が制してくれればともかく、もしそうでなければ・・・。いよいよ「該当馬無し」も念頭に置かなくてはならないのでしょう。
月曜の盛岡メインレースはJRA交流「東京カップけやき賞」です。OROパーク開場を記念して設定されたレースで1999年からJRAとの交流競走になり、以来11回中10回をJRA勢が優勝。フレンドリー競走のように掲示板を独占される事は少ないとは言え、1・2着をJRA勢が占めるのはごく珍しくなく、基本JRA勢中心に考えなくてはならないレースです。
そして今年もJRA勢が強そうです。本命はJRA(7)ダンサーズブロンドを推しましょう。7月以降の3戦を2着-5着-1着、ローカル開催とはいえ手堅くまとめています。先行してうまく流れ込む走りが板について、前走などは逃げ馬を捉えて押し通すという悪くない勝ち方。ダート中距離・左回りにも苦手感無し、鞍上はウチパクこと内田博幸騎手。本命の期待をかけて良さそうです。
対抗は(10)シャーペンエッジでどうでしょうか。好結果が出ず苦しんでいるとはいえ舞台は中央場所の特別戦、それで大きく崩れているわけではないのですからそれなりの評価は必要。うまく流れを掴めれば先行・差しどちらの展開にも対応できるでしょう。課題があるとすれば直線に坂のあるコースとの相性か。そこがちょっと未知数かも。
(6)クリストフォルスも特別戦で逃げて粘っているのだから好調感は明らか。すんなり逃がしてしまえばうるさい存在になるのは間違いありません。
ただ、ちょっと脆い。逃げても競られたら止まる、ハナ奪えなかったらどこにもいない。典型的過ぎるほどの逃げ馬。あくまでも「すんなり単騎逃げ出来た時」の単穴まででしょう。
なんとか岩手勢の活躍も・・・という事で、レントゲンとか気になる馬はいますが以下は敢えて岩手勢から。
まず(8)マルブツワイルド。マイルもこなしつつありますが基本は1800m以上が合う馬。実際、今季一番強い勝ち方をしているのは盛岡の1800mです。
そして(11)アドマイヤサムライ。嵌った時の末脚のキレは自他共に認めるもの。ここのところコース状態等に恵まれずなかなかそんな脚を使えずにいますが、◎や▲のような先行馬がいるここはこの馬向きの流れを期待出来るのでは?
この2頭、近走は着順ほどには状態は悪くないはず。そこに希望を繋ぎます。
★買い目
馬複 (7)=(10)、(6)=(7)、(6)=(10)、(7)=(8)、(7)=(11)