今週から水沢開催へ替わったが、さっそく楽しみな一戦を迎えた。16日メインの「第42回南部駒賞」だ。舞台は水沢1600m。今年は大井から1頭、北海道から2頭が参戦。迎え撃つ岩手6頭の計9頭で覇を競う。
我々の期待はロールボヌールに集まる。デビュー戦の水沢850mを51秒9のハイタイムで圧勝し、続く盛岡芝1000m戦も完勝した。
この時点でも相当レベルだと思っていたが、それをはるかに超える強さを見せてくれたのが2歳一冠目・若駒賞だった。
スペクトルが前半3ハロン34秒7の超ハイペースで逃げ、ロールボヌールは余裕で3番手を追走。4コーナーまでスペクトルのスピードは衰えなかったが、馬なりで4角先頭。あとは山本聡哉騎手が追い出すと後続を一気に突き放して2秒5差。実況アナウンサー・古川さんが「これは強い!」表現したのも納得。まさにけた違いの強さだった。
レースレイティングの高さを昨年の優勝馬ライズラインと比較すれば明確に分かる。当時、ダート戦線をリードしたラブバレットを退けた若駒賞だ。
前半3ハロン35秒9もハイペースだったが、以降もペースを緩めず残り600mで早めスパート。それが功を奏し、1分37秒2の驚異的タイムで逃げ切った。
ただ馬場が軽く平均より2秒5速かった。実際、JRA500万下と岩手B1交流戦の勝ちタイムが1分36秒5(リアライズナマステ)。しかもラブバレットの追撃を封じるため、ライズライン鞍上・小林騎手は最後まで一杯に追っていた。
一方、ロールボヌールが走ったときの盛岡ダートは平均より0秒6速いだけ。しかも山本聡哉騎手は強くは追っていなかった。
競馬専門紙・いわて馬テシオの馬柱には各馬ごとのスピード指数(レイティング)を入れているが、ライズライン「95」に対し、ロールボヌールは「108」。これはオープン馬でもなかなか出せないスピード指数だった。
また同日にもJRA500万下、B1交流が同じ1600mで組まれていたが、1着ムニンの走破タイムは1分39秒0。レベル差があったにせよ、ロールボヌールは1秒1も速いタイムをマークした。
以上のことからロールボヌールの強さは推して知るべし。我々の期待が大きいのもご理解いただけるだろう。どんなレースをするか注目してほしい。
コスモグリズリーは門別1200mの2歳新馬戦を勝ち、4戦1勝から南関東へ移籍。初戦のゴールドジュニアーは6着だったが、目下2連勝。状態がグングン上がっていったという。逃げにこだわらないタイプなら距離も苦にしないはず。付け加えるならロージズインメイ産駒は岩手と相性抜群だ。
スペクトルは若駒賞でロールボヌールに完敗を喫したが、初芝もモノともせず前回快勝。落ち込みはまったくないし、スピード一辺倒のタイプで平坦小回りの水沢の方が合う。スズカブレーンが逃げ宣言しているが、枠差を考えると逃げ必至。
フジノサムライはここ2戦の着外が気になるが、重賞・ブリーダーズゴールドジュニアカップ3着。強豪オヤコダカ相手に健闘が光る。展開も向き、不気味な存在だ。
スズカブレーンは遠征直前を快勝。1200mしか経験していないが、小回りなら我慢できる。同型との折り合いがカギ。
◎(4)ロールボヌール
○(9)コスモグリズリー
▲(2)スペクトル
△(3)フジノサムライ
△(8)スズカブレーン
<お奨めの1頭>
6R ナンヨールーク
転入初戦を破格タイムで圧勝。C2では明らかに地力が違いすぎる。どこまで連勝を伸ばすか楽しみ
今週から舞台は水沢。木曜日、盛岡競馬場周辺に雪が降り、冬到来を実感させている。水沢にお越しの際は防寒対策をしっかりしていらして下さい。地元民の我々も万全の冬支度で水沢競馬に臨みます。
開催替わりは荒れることで定評。盛岡データを一度クリアーして馬券検討に入ってほしい。特に馬場状態は要チェック。中間の雨で軽い走路は間違いなさそうだが、先行有利か差し有利か。はたまた内が有利か外が有利か。当のジョッキーも手探り状態でレースに臨むのでいち早く傾向を掴みたいところ。参考までに今年の水沢競馬のデータを紹介します。
今シーズンの水沢競馬(4月5日~9月15日)
水沢1300m(全131R)
脚質別連対
逃げ=85回(32・3%)
先行=134回(51%)
差し=36回(13・7%)
追込み=8回(3%)
馬番連対率TOP3
①4番枠 131回出走16勝2着22回(連対率=29・0%)
②7番枠 126回出走16勝2着17回(連対率=26・2%)
③2番枠 129回出走21勝2着10回(連対率=24%)
水沢1400m(全166R)
脚質別連対
逃げ=87回(26・2%)
先行=143回(43・1%)
差し=88回(26・5%)
追込み=14回(4・2%)
馬番連対率TOP3
①1番枠 166回出走28勝2着28回(33・7%)
②6番枠 163回18勝2着17回(21・5%)
③8番枠 164回17勝2着18回(21・3%)
③4番枠 164回17勝2着18回(21・3%)
水沢1600m(全79R)
脚質別連対
逃げ=36回(22・8%)
先行=76回(46・8%)
差し=41回(25・9%)
追込み=7回(4・4%)
馬番連対率TOP3
①8番枠 75回出走8勝2着14回(29・3%)
②7番枠 78回出走15勝2着5回(25・6%)
③2番枠 78回出走9勝2着8回(21・8%)
③4番枠 78回出走9勝2着8回(21・8%)
水沢1800m(全15R)
脚質別連対
逃げ=8回(26・7%)
先行=13回(43・3%)
差し=9回(30・0%)
追込み=0回
馬番連対率TOP3
①4番枠 15回出走5勝2着4回(60%)
②7番枠 14回出走3勝2着3回(42・9%)
③2番枠 15回出走0勝2着4回(26・7%)
あくまでもデータだが、最高になれば幸いです。開催替わり初日(15日)メインはB2「ノベンバーカップ」(水沢1400m)。コース替わり、ハンデ、距離1400mなど考えるファクターが多くひと波乱の可能性も十分にある。
主軸にヒノモトイチバンを指名。南関東C1から転入し、2戦目の盛岡ダ1400mで鮮やかな直線一気を決めて圧勝。走破タイム1分24秒4はレコードに0秒8迫る好時計だった。
不安はコース替わり。小回り水沢対応が最大ネックだが、転入初戦の1800m戦で3番手キープから2着確保なら問題ないと見た。
リトルキングは中央未勝利からスタートして早くも7勝マーク。実戦を使われながら成長一途をたどり、3歳伝統の不来方賞でも5着に健闘した。
加えて水沢1400mは3戦3勝とパーフェクト成績。持ちタイムで若干見劣り、負担重量が1キロ増が不安点だが、今の勢いなら突破十分。
トーホクスマイルは相手なりに駆ける堅実さが身上。その半面、詰めの甘さが課題だが、今回はハイペース必至のメンバー構成。終いしっかりとした脚が脅威となる。
ファーストメジャーは自分の競馬に持ち込めないとモロい面があるが、1400mは望むところ。同型いても攻めあるのみ。
ラブチェリーは大外が痛かったが、芝1000m・もみじ賞を優勝し目下絶好調。うまく流れに乗りたい。
ヴェルシュナイダーは伸び悩み気味だが、前走は1200m戦で0秒6差4着。現状は短距離がベストかも。
◎(6)ヒノモトイチバン
○(10)リトルキング
▲(1)トーホクスマイル
△(3)ファーストメジャー
△(12)ラブチェリー
△(5)ヴェルシュナイダー
<お奨めの1頭>
7R キッズアベリア
転入初戦は勝った馬が強すぎた。前走をハイタイムで圧勝して弾みついたのは確実。1300mも守備範囲
★JBC開催!
11月3日、盛岡競馬場で12年ぶりのJBCが開催されました。雨&寒いというあいにくの空模様となりましたが、そんな中でも競馬場まで来ていただいたたくさんのファンの皆さんのおかげで競馬場は1日盛り上がりました。
JBCクラシックでは岩手競馬の「1レースの売上げレコード」を、また1日の売上金額でも前回2002年を上回る成績を残しました。
※前回との比較・数字左が2002年、右が2014年
JBCスプリント/5億9941万円 → 6億2000万円
JBCクラシック/ 8億1833万円 → 11億8300万円
(JBCレディスクラシック 5億8100万円)
1日発売額/21億8448万円 → 29億3300万円
レースの方でもレディスクラシックのダート1800m、クラシックのダート2000mでそれぞれ新レコードが誕生。スプリントもレコードに0.1秒に迫る好タイム。『2014年11月3日』は様々な所に刻み込まれる、まさに歴史的な1日となりましたね。
数字の詳細はまだ見ていませんが、2002年の時はまだネット投票がほとんど無いと言っていい時期で、売上げの多くも競馬場あるいは付帯の場外発売所で積み上げられた物でした。
しかし今回は1日売上げの2/3近くがインターネット投票からのもの。これもまた歴史的な転換点だったのではないでしょうか。
競馬場で、そしてインターネットで、JBC競走にご参加いただいた皆様に改めてお礼申し上げます。
●10Rの買い目
馬単(8)=(7)、(8)=(9)、(7)=(9)、(8)→(3)
岩手競馬の全レース予想を公開中!「岩手競馬・勝ちそーチャンネル」へ
9日(日)メインはC1「五葉山賞」。舞台は盛岡芝1000m。このレースが今シーズン最後の芝競走で見納めとなる。
今年も芝を舞台に数々の激戦が繰り広げられてきた。頂点は地方競馬全国交流へ昇格した10月25日、「第4回OROターフスプリント」。芝短距離を求めて遠征馬4頭、迎え撃つ岩手9頭(コスモアックスは出走取消)の計13頭で覇を競った。
優勝はダブルスパーク。トライアル・ハーベストカップに続いて芝1000m重賞を連勝。新たなターフスプリント王が誕生した。
小生の本命はライトマッスルだった。3連覇の偉業達成に期待したが、善戦及ばず6着。実はこれが熊谷昇調教師の最後の重賞挑戦だった。
熊谷昇調教師は10月31日をもって勇退された。アラブでは紫桐杯を制したキングケニー、サラブレッドでは2011年、伝統のみちのく大賞典が個人的な思い出の馬。そして個性派で多くのファンの心を掴んだライトマッスルだった。
数々の強豪を送り出した熊谷昇さんの労をねぎらうとともに、感謝を伝えたい。ありがとうございました。お疲れ様でした。
当初、(9)センターヒロインを主軸視していたが、前日に出走取り消し。 改めて予想をやり直したのでご了承ください。
ゲンパチオブラヴは前哨戦・五葉山賞ターフチャレンジ0秒2差3着。これは1枠が災い、包まれるのを嫌って一旦最後方に下げ、直線猛追したが届かなかった。今回の10番枠は望むところ。うまく流れに乗って豪快に突き抜ける。
ヤマニンアドーレは前哨戦を快勝し、芝で2連勝中。ただ小柄な牝馬でトップハンデ56キロが微妙。アッサリか、凡走かの極端なケースが考えられる。
コスモケリアが一番計算できるかもしれない。前走はヤマニンアドーレの0秒1差2着。ただうまく流れに乗れた印象もあり、内2番枠がどう出るか。
アクロコリントスは前走しんがり負け。物足りない結果となったが、5走前の芝1000m2着。適性は間違いなくあり、この一戦で見限るのは早計。
ビュレットライナーはさすがに年齢的な衰えを隠せなくなったが、芝1000mは2勝2着2回。貯めることを心配しなくていい短距離で息を吹き返すかもしれない。
◎(10)ゲンパチオブラヴ
○(8)ヤマニンアドーレ
▲(2)コスモケリア
△(12)アクロコリントス
△(6)ビュレットライナー
<お奨めの1頭>
7R ビューロクラート
前走は芝で5着。トリッキーな盛岡芝が合わなかったか。転入初戦のダート戦を破格タイムで圧勝し、芝の雪辱を果たす
3日、JBCデーは最高の盛り上がりを見せた。朝から雨が降ったりやんだりしてグズつき気味だったが、第8Rのレディスクラシックが始まるあたりから雲の隙間から光が差してきたのは神がかり的だった。レースをご覧になった方も多いと思うので、いくつかのコメントを紹介してみたい。
「第14回JBCクラシック」
1着・コパノリッキー
田邊裕信騎手「
これといった逃げ馬がいなかったし、スタートが上手だったので行こうと思った。帝王賞のときは折り合いを欠いたが、今回は感じよく走っていた。ここまで直線でも伸びて完勝してくれるなら、これからも楽しみです」
村山明調教師
「当初、南部杯から秋始動を考えていたが、夏負けの影響が心配だったのでJBCへ切り替えた。気のいいタイプなのでマイルがベストかなと思っていたが、ジョッキーがうまく乗ってくれた。次の目標はチャンピオンズカップ。今回の勝利で改めて潜在能力の高さを実感したが、もっと強くなれる。ワンランク上のパワーがあるかもしれない」
「第14回JBCスプリント」
1着・ドリームバレンチノ
岩田康訓騎手
「馬場が締まっていたので、この馬のスピードを生かして強気の競馬をした。イメージは4角先頭。内でサトノタイガーが渋太く粘っていたが、併せ馬の形に持ち込めたのが勝因。
今日はGⅠ2連勝ができたが、自分ができることは競馬で勝って喜んでもらえること。これからも東北へできる限り足を運びたい」
加用正調教師
「オーナーがダート変更を理解してくれた。厩舎初のGⅠなのでとてもうれしい。今後の予定は馬の状態を見ながらだが、今後は追われる立場。しっかし調整を積んで万全の態勢で臨みたい」
「第4回レディスクラシック」
1着・サンビスタ
岩田康訓騎手
「レディスプレリュードと同じような位置取りは理想的なポジション。ワイルドフラッパーが動いたのを見て仕掛けたら反応がすばらしかった。高速決着の馬場も合ったようです。これで賞金を加算できたので、どんなレースにもいけます」
角居勝彦調教師
「これほどまで成長してくれるとは。次走予定は船橋のクイーン賞。以降も牝馬ダートグレードを歩んでいきたい」
8日(土)メインは「立冬特別」(A級二組 盛岡ダート1600m)。前走の強さを見せつけられたらイキナヤツの中心は動かない。
中央1勝、南関東1勝・B2から転入。通用するか半信半疑のところがあったが、豪快なマクリを決めて完勝。展開に恵まれた感もあったが、それでも走破タイムが優秀。同じ盛岡ダート1600mが舞台なら連勝もらった。
ザドライブは結果的にイキナヤツをアシスト。差し競馬から一転、積極策に転じて4角で早々と先頭。前半で脚を使って直線一杯となったが、それでも3着に粘ったのはさすが。今季未勝利でも安定度抜群。ここでも上位争いを演じる。
ダノンボルケーノは春先から好調度を前面に4勝マーク。夏場は無理をせずリフレッシュに専念して9月に復帰。まだ本来の粘りを取り戻していないが、けやき賞はJRA相手では7着も仕方なかったし、距離も長かった。得意のマイルで反撃に転じる。
同じくドラゴンロックスはけやき賞は8着だったが、転入初戦は果敢に攻めて0秒4差3着。地元同士なら好勝負必至だろう。
トーホクアローは前々走1着。追い込み有利の展開がズバリ。今季2勝目をマークした。流れに左右される面あるが、ペース速くなれば一気突き抜けるシーンまで。
◎(2)イキナヤツ
○(4)ザドライブ
▲(7)ダノンボルケーノ
△(9)ドラゴンロックス
△(8)トーホクアロー
<お奨めの1頭>
8R ユキノハリケーン
2戦3、2着と2戦足踏みだったが、前走は明らかに重め。連闘で臨み、雪辱を果たす