28日、最終10レースで鈴木麻優騎手(伊藤和厩舎所属)が待望の通算10勝目を飾った。
1枠を引き当てたヤマニンロゴス=鈴木麻優騎手が好ダッシュから逃げを主張。マイペースに持ち込んで外強襲オーバーザレインボ(関本淳騎手)の追撃をハナ差封じ、デビュー当時から目標だった二ケタの勝ち星を達成した。
鈴木麻優騎手「あと1勝がなかなか決めることができませんでしたが、ようやく10勝できました。先生方がいい馬に乗せてくださいますし、先輩騎手からもいろいろとアドバイスをいただいた結果。とても感謝しています。今後の目標は馬の力を引き出すこと。あとは今シーズン15勝をあげることです」
ちなみにヤマニンロゴスはJBC当日、大観衆の中で勝利を上げた馬。縁あって節目の10勝もプレゼントしてくれた。
個人的な感想だが、デビュー当時と現在では騎乗技術が飛躍的に伸びていると思う。スタートセンスの良さは最初から目についたが、レースの流れを読む点が成長著しい。今後さらに伸びることを期待する。
30日メインはA級二組「節季特別」(水沢1600m)。強豪が翌日の桐花賞へ出走するため手薄なメンバー構成。中央1000万下から転入ベルラピエルで間に合う。
ベルラピエルは中央ダート1700m、ダート1400mでそれぞれ1勝。ほかに2着1回3着5回と堅実さを発揮した。
移籍直前の東京ダート1300m戦で落馬のアクシデントがあったが、その影響もなく順調に乗り込まれてきた。
中央ダート2勝・1000万下に在籍した馬がA級通用は過去にも多数。好発進を決める。
ダノンボルケーノは今季前半に4勝マーク。夏場に2ヶ月リフレッシュさせ、戦列に戻ったが、伸びひと息で入着止まり。
ただ3走前から差し競馬に転じて上位争い。新境地を切り開いた。前走も3着を確保し、久々の連対を果たしたいところだろう。
ザドライブも同様、無類の堅実さを発揮しているが、詰めの甘さがつきまとい今季未勝利。最後の爆発力が足りないが、相手が楽になっているのは事実。悲願のシーズン初勝利なるか。
レオパルドゥスは芝・かきつばた賞2着など芝で活躍。切れる末脚を披露したが、ダートでは3着最高。パワー勝負に手こずっているが、鞍上に村上忍騎手を指名。どんな面を引き出すか注目。
スーパーワシントンは赤松杯後、5ヶ月の休養から復帰。芝1000m・ハーベストカップで6着ながら0秒3差にまとめ、古豪健在を誇示した。
その後は後方のままに終わっているが、前走は4番手からの競馬。前に行ける脚がよみがえり、復調の兆し十分。
フラッシュモブは4戦連続で重賞挑戦。さすがに相手が強く大敗を繰り返していたが、前走・白嶺賞で6着ながら一瞬の切れを見せた。ここに入るとタイムはそん色なく、軽視できなくなった。
◎(9)ベルラピエル
○(6)ダノンボルケーノ
▲(10)ザドライブ
△(8)レオパルドゥス
△(4)スーパーワシントン
△(2)フラッシュモブ
<お奨めの1頭>
8R ランドグローリー
一度6着に敗れたが、セイントローズバドと超ハイペースで逃げ争いを演じたため。その後は軌道修正して3連勝。再び勢いを取り戻した。ここは自身の連勝を伸ばすのみ
大晦日恒例の岩手版グランプリレース「第40回桐花賞」が2日後まで迫った。ファン投票1位はもちろんナムラタイタン。2位がモズ、3位がコミュニティ。
おそらく当日の単勝人気も以上の順となると思うが、地元馬に敵なしナムラタイタン陣営は負けられない一戦。管理する村上昌幸調教師もプレッシャーを感じているという。
詳しくは12月30日公開のテシオ特集をご覧になってほしい。初めてナムラタイタンと出会った印象、夏場に休養した理由、そして桐花賞へ臨む意気込みをインタビューした。
インタビューは1時間以上にも及んだ。実は話が脱線して騎手時代の話にもなった。デビュー3年目から10年連続でリーディングジョッキーに輝いた村上昌幸元騎手。
数々の一流馬に騎乗したが、一番話題を呼んだのは天皇賞馬テンメイだった。当時、週刊誌などで物議をかもし出したが、最後はハッピーエンドで引退。生まれ故郷の藤沢牧場で種牡馬生活に入った。
その頃が小生=松尾康司が競馬の世界に入り始め。本当にポツンと最後方ポジションから旧盛岡競馬場の3コーナー頂上からスパート典型的な追い込み馬だった。
あるとき、村上昌幸騎手は先行させたこともあったが、最後の伸びが甘くなって着止まり。最後方待機策以外の戦法は無理だったそうだ。
思い出の馬は...と聞いたら第6回みちのく大賞典を優勝したジムパーナ。この馬も追い込み馬で4コーナー大外強襲。ファンの視界に入らず、ゴール直前にいきなり現れて周囲の度肝を抜いた
オールドファンもジムパーナが思い出の1頭と語る人は結構多い。小生は生で観たことがなかったが、400キロ以下の小柄な牡馬で極めつけの個性派だったそうだ。古きよき時代の話だ。
29日(月)メインは「銀嶺賞」(B1 水沢1600m)。各馬が一長一短で波乱の要素も含んでいる。
ドナアヴィードは中央未勝利から転入後、岩手4戦目の前回快勝。後方待機策から一気にまくりを決めて4角先頭。ユナイテッドボスとの叩き合いを制して待望の初勝利を飾った。
追い込み馬は今の水沢の馬場が厳しいが、ドナアヴィードは自分で動けるのが強み。しかも先にいきたい馬がそろい、おあつらえの展開となりそう。
テイケイフロックスは中央1勝を芝1600mでマーク。岩手初戦は4ヵ月半ぶりの実戦、プラス33キロと大幅増だったにもかかわらず見事な逃げ切りを決めた。
今回は1400mから1600mへ延長されたが、ひとまず守備範囲。あとは同型をどうさばくかがカギとなる。
レディアントデイズは足踏みが続いているが、B1の安定勢力。あとひと押しが欲しいところだが、芝向きの馬は今の馬場は歓迎。2頭に割って入るシーンまで。
ヒシラストガイは前走、ゲート内で暴れてもぐり突進。放馬のアクシデントがあったため競走除外となった。しかし後遺症もなく、順調そのもの。マイル実績がない点が気がかりだが、状態そのものは上位の存在。
ムニンは岩手、JRA交流・プロキオン賞を勝ってそのまま転入。そのときの馬体重が433キロで前走が452キロ。体が絞れてくれば勝ち負けに参加できるはず。
コスモナダルは重賞・絆カップで3着に気を吐いたが、B1降格後は入着止まり。ただ水沢2着1回は1600m戦。流れ速くなれば巻き返しに転じて不思議はない。
◎(5)ドナアヴィード
○(9)テイケイフロックス
▲(8)レディアントデイズ
△(3)ヒシラストガイ
△(10)ムニン
△(6)コスモナダル
<お奨めの1頭>
8R サクラハナフブキ
転入後、アッサリ5連勝をマーク。C2では絶対能力が違いすぎる。クラス据え置きなら連勝もらった
28日メインはB2級馬による水沢1600m戦「ゴールデンジョッキーズシリーズ第2戦」、12頭立て。
第1戦は20日に行われたが、出走回避馬が相次いで10頭立てで実施。結果は1位・高橋悠里騎手(20ポイント:以降=P)、2位・村上忍騎手(15P)、3位・坂口裕一騎手(13P)。以下、陶文峰騎手、南郷家全騎手の順だった。
今回はフルゲート12頭で行われ、大坪慎騎手、菊池康朗騎手が加わる。気になるポイントだが、規定により2Pを付与(最下位騎手と同じ扱い)された。奇跡の逆転なるか、期待を込めて見守りたい。
主軸は関本淳(6P)=リトルキング。中央未勝利から3歳最下級スタート。初戦は4着だったが、叩かれながら良化一途。岩手の水も合い、これまで8勝2着3回。前走も好位キープから4角先頭に立ち、2馬身半差で完勝。5戦ぶりの白星で再び勢いがついた。
全マイル成績4戦2勝2着2回と連対パーフェクト。ベストの舞台で絶好の1枠を引き当てたのも心強い。
齋藤雄一(5P)=インフラレッドレイも岩手で素質開花。岩手版オークス・ひまわり賞でも3着に健闘した。その後は伸び悩んだ時期もあったが、前々走を逃げ切り再び上昇ムード。前走・ひいらぎ賞は距離1900mに泣いたと解釈。マイル短縮で反撃を期待する。
木村暁(3P)=ステージアートも前記2頭と同じく3歳馬。揉まれると弱い面があるが、自分の競馬ができれば直線で再加速できる。ここ2戦も連続2着にまとめたのは流れも向いたから。常識的には外枠は不利だが、ステージアートはむしろ歓迎。
高松亮(4P)=ファーストメジャーは自慢のスピードにモノを言わせて1400m戦2連勝。マイル延長が若干微妙だが、マイペースの逃げに持ち込めれば克服十分。
菊地康朗(2P)=ヤマニンティグルは堅実な差し脚が武器。ムラさが気になるが、前走は勝負どころでもたつきながら直線盛り返してインフラレッドレイの2着を確保した。
大坪慎(2P)=コスモリオは詰めの甘さがネックだが、大崩れしないタイプ。ハイペースになれば終いの脚が活きる。
◎(1)リトルキング
○(5)インフラレッドレイ
▲(10)ステージアート
△(6)ファーストメジャー
△(4)ヤマニンティグル
△(9)コスモリオ
<お奨めの1頭>
6R クールアンジュ
前走は2番手の理想的な競馬から完勝。レースセンスの良さが目を引き、2連勝濃厚
★桐花賞ファン投票結果発表
12月31日に行われる重賞、岩手競馬グランプリ「桐花賞」のファン投票の結果が発表されました。(結果掲載ページはこちら)
概ね予想通りというか、1位はナムラタイタン(806票)、2位はモズ(521票)、3位はコミュニティ(509票)でした。4位ライズラインと5位クロワッサンは他のレースに回るため、票数の次点は5位タイのワットロンクン177票。ちょうど北上川大賞典の結果のように、ナムラタイタンが明確にリードして2位・3位は接戦、以下は離れている・・・という形ですね。
ファン投票も、戦前の下馬評的にも"三強"ムードですが、しかしこの桐花賞は意外に人気どおりに収まっていないというレースでもあります。もし3着までが1番人気~3番人気で決まれば1999年以来15年ぶりの快挙(?)。逆にいえば15年近くにわたって人気サイドだけの決着では終わっていないという事です。
桐花賞の枠順決定は29日。レースは31日・第9Rです。
★ゴールデンジョッキーズシリーズ第1戦結果
23日の「ゴールデンジョッキーズシリーズ第1戦」、結果は以下の通りとなり、高橋悠里騎手が幸先良く優勝。20ポイントを獲得しました。
高橋悠里騎手 1着 20点
村上 忍騎手 2着 15
坂口裕一騎手 3着 13
陶 文峰騎手 4着 11
南郷家全騎手 5着 10
関本 淳騎手 6着 6
齋藤雄一騎手 7着 5
高松 亮騎手 8着 4
木村 暁騎手 9着 3
山本政聡騎手 10着 2
大坪 慎騎手 - 2
菊地康朗騎手 - 2
※大坪騎手・菊地騎手は第1戦の騎乗馬が無かったため、規定により最下位と同点
12名中2名が騎乗できなかったりもして、下位の方の騎手からははや"終戦ムード"なコメントも出ていましたが、他の騎手対抗戦の傾向からすれば1戦の結果だけではまだなんとも言えません。29日に行われる第2戦の結果ではじめてだいたいの流れが見えてくるのではないでしょうか。
このゴールデンジョッキーズシリーズでは毎回の1・2着騎手あてクイズ、シリーズ総合優勝騎手あてクイズの2種類のイベントが行われています。前者は水沢競馬場のみでの応募、後者は岩手競馬の競馬場・テレトラックのみでの応募ではありますが、豪華賞品がかかっていますので競馬場等におこしの際はぜひご参加ください。
●9Rの買い目
馬単(1)=(4)、(1)=(9)、(1)=(6)、(1)=(3)
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★ゴールデンジョッキーズシリーズ シリーズの説明と変更点
この22日からスタートする『ゴールデンジョッキーズシリーズ』は、岩手のリーディング上位12名の騎手たちによる"腕比べ"の戦いです。シリーズは全3戦。22日のメインと28日のメイン、そして来年1月11日のメイン。それぞれ1400m、1600m、1900mと条件が異なる中でどういう風に騎乗馬を導くか?が騎手の腕の見せ所になります。
各レースでは順位に応じて1着20点から12着1点までのポイントが与えられ、全3戦の結果、総合1位の騎手には50万円、2位の騎手には30万円、3位の騎手には20万円の副賞が贈られます。先日の園田競馬場で行われたゴールデンジョッキーカップのそれは1位100万円、2位50万円、3位30万円でしたから、岩手の中だけで50万円の副賞は大きいですよね。騎手たちも当然力が入る戦いです。
変更点は、「リーディング上位12名」ということになっていますが、2位の山本聡哉騎手と8位の菅原俊吏騎手が負傷欠場のため、大坪慎騎手・菊地康朗騎手が繰り上がり出場となります。
そしてさらに、ですが、月曜の第1戦が12頭予定のところ10頭立てになったために、大坪慎騎手・菊地康朗騎手はここには出場せず規定によりそれぞれ1ポイントを与えられる・・・という事になりました。
なんというか非常にややこしい形でのスタートになりましたが、まずは以上のような状況でのシリーズ開幕です。
●10Rの買い目
馬単(10)=(6)、(10)=(7)、(10)=(9)、(10)=(5)、(10)→(4)
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