先週24日、3歳世代最後の重賞「第27回ダービーグランプリ」は、川崎・ドラゴンエアルが鮮やかなマクリを決めて快勝した。
羽田盃3着、東京ダービー4着など実績は断然だが、唯一の不安は小回り水沢対応だった。かつて先で競馬したケースもあったが、今は典型的な追い込みタイプ。直線わずか200mの水沢で届くか心配だったが、それをアッサリ一蹴。向う正面からロングスパートを見事決めた。
鞍上・吉原寛人騎手もさすがだった。前半は後方2番手に待機し、「ライズラインが動いたのを見てスパートをかけた」の言葉どおり、一気に加速。3コーナーでファイヤープリンス、ダンスパフォーマーの2頭が早め先頭に立ったが、4角手前で射程圏。いつでも交わせる態勢に入り、直線入り口でダンスパフォーマーが抜け出したのもつかの間、ラスト100mで捕らえ、あとは一完歩ごとに突き放して2馬身差。通算2勝目がうれしい初重賞制覇となった。
1勝馬のダービーグランプリ優勝は史上初めて。南関東のレベルをマザマザと見せつけた。高月賢一調教師「前につけてほしい気持ちもあったが、吉原騎手がうまく乗ってくれた。今後についてはまったく考えていなかったが、マイルの忙しい競馬は合わない。おそらく1800m以上のレースを使うことになると思う」
父がタイムパラドックス、母父クロフネなら底力タイプ。長丁場の重賞での活躍を期待したい。
29日メインはB1級二組による水沢1600m「平庭高原レース」、10頭立て。主軸選びに迷ったが、前走内容を評価モエレベローチェに期待する。
中央0勝、南関東2勝、中央0勝・500万下から転入。初戦を逃げて2着にまとめ、続く2戦は芝で連続6着。粘りひと息だったが、ダートに替わった前走は終始インで砂を被る苦しい競馬だったが、直線でも最内から鋭く伸びて2着確保。逃げタイプのイメージが強かっただけに収穫ある一戦だった。
今回はちょうど中間の6番枠。折り合いに課題を抱えているが、大井1600m1勝、川崎1500m1勝なら距離延長も大丈夫。待望の岩手初勝利を飾るか。
ジャイアントスターは水沢1400mの3歳重賞・ウイナーカップを快勝。これでひと皮むけるかと思ったが、粘りひと息。ただ前走は2番手から4着に敗れたが、モエレベローチェとは0秒1差。復調の兆し十分なら大勢逆転まで。
ハーツコンセンサスは毎回見せ場を作りながら詰めが甘く入着止まり。歯がゆいレースの連続だが、流れが厳しかったのも事実。流れさえ落ち着けば得意条件からも首位争いに参加できるはず。
クールザヒートは前走、大外から一気に伸びてコアレスランナーの0秒1差2着。前が総崩れの展開も味方したが、メンバー的にハイペースの可能性もあり、再現まで考えられる。
シルククレヴァーは今季順調さを欠いてすべて着外。しかし昨年はA級で5勝をマークした実力馬。中間に復調の兆しがあり、一発を一考。
グランドファシナはまだ本調子ではないが、前々走2着。実力的には通用するはず。
◎(6)モエレベローチェ
○(2)ジャイアントスター
▲(8)ハーツコンセンサス
△(3)クールザヒート
△(4)シルククレヴァー
△(9)グランドファシナ
<お奨めの1頭>
5R ミナスジェライス
転入初戦をほぼ持ったままで圧勝。抜群のスピードとレースセンスを披露した。メンバー甘く、追いかける一手
11月24日・月曜日のメインレースは地方競馬の3歳馬の祭典『ダービーグランプリ』。今年も遠征馬5頭を迎えての12頭立てで争われる事になりました。2014年もそろそろラストが見えて、3歳馬の世代限定のレースは岩手ではこれが最後、全国的にも同じ日に高知で行われるレースとこのダービーグランプリが最後となります。地方の3歳トップ・ハッピースプリントはチャンピオンステークスを目指しますが、それに続くような馬がここから出てきてくれれば面白いですね。
●10Rの買い目
馬単(8)=(9)、(8)=(10)、(8)=(12)、(8)=(6)
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11月24日(月)は「第27回ダービーグランプリ」。復帰して今年で5年目。地方競馬のダービー馬による祭典を目指し、1986年に創設。
年を重ねるごとにグレードアップして1996年には中央馬にも門戸を開放し、皐月賞イシノサンデーが参戦。同年、新盛岡競馬場=OROパークも完成し、新時代の到来を象徴する『出来事』となった。
その後もゴールドアリュール、ユートピア、カネヒキリなどダート界の強豪が優勝。自他ともに認める3歳ダート頂点競走に君臨した。
しかし岩手競馬に陰りが見え始め、存廃問題に揺れた2007年、馬インフルエンザが全国にまん延。地元馬のみの開催を余儀なくされ、翌年には休止。岩手競馬の歴史と歩調を合わせるかのようだった。
ファンは本当にありがたいと思った。ダービーグランプリ休止を惜しむ声が各方面から上がり、3年の休眠を経て2010年に再開。
原点回帰し地方競馬交流レースで復活した。それを祝福するかのように地元のヒーロー・ロックハンドスターが見事優勝。岩手三冠を制し、大喝采を浴びた。
付け加えるならスタンドは同窓会の様(さま)。旧友との再会を喜び、ロックハンドスターの快挙を称えあう風景をあちらこちらで見かけた。
そして昨年はジェネラルグラントが余裕の逃げ切りを決めて完勝。東京ダービー2着馬の実力をマザマザと見せつけた。
時代は変わり、そして巡り巡る。今年はどんなドラマが待っているのか。ダービーグランプリに注目期待してほしい。
23日メインはC1「区界賞」(水沢1600m)。大本命エントラールが勇躍登場する。
中央6戦0勝から転入初戦、プラス29キロと大幅増だったが、出遅れながらも見事なマクリを決めて圧勝。以降も圧勝の連続で目下6連勝中。現在、連勝をどこまで伸ばすか、注目の的となっている。
ゴールドアリュール産駒の大型馬は岩手と相性抜群。共通するのは先行力とパワーにモノを言わせて押し切る豪快さ。ここも単なる通過点。距離がマイルへ延長されたが、むしろ望むところ。非常に楽しみな1頭だ。
相手筆頭はバラノカオリ。中央未勝利から3戦2着1回の成績を収めて笠松へ転籍。3戦未勝利に終わり、今年4月に里帰り。なかなか波に乗れなかったが、夏に2ヶ月休養させたのが奏功。4戦2勝2着1回と完全にひと皮むけた。
前走も余裕の好位抜け出しを決めて完勝。盛岡で初勝利を飾り、得意の水沢に替わったのも心強い。
パレントゥチェリは目下3連勝中。前回は東京ダービー馬サイレントスタメンの追撃を封じ、見事逃げ切った。同型多いが、願ってもない1枠を引き当て身上の粘りを発揮する。
キルデビルヒルズは前々走、7番人気の低評価を覆して逃げ切り快勝。前走も0秒1差2着にまとめ、好調をアピールした。
マルヒアもひと頃のスランプから立ち直り今季2勝目。マイルは気持ち長いが、コース適性で相殺。無理なく追走できれば連対圏に位置する。
タケデンエビスは相手なりに駆ける堅実さが最大の武器。メンバーは強化されたが、コースも合う。
◎(5)エントラール
○(9)バラノカオリ
▲(1)パレントゥチェリ
△(4)キルデビルヒルズ
△(2)マルヒア
△(8)タケデンエビス
<お奨めの1頭>
4R ナイスクオリア
3ヶ月ぶりの実戦となるが、休養前は強豪相手に好走。メンバーが甘く、久々でもアッサリ十分
先週月曜日に報告があったように16日(日)、2歳交流「第42回南部駒賞」はロールボヌールが圧倒的1番人気に応えて6馬身差で完勝した。
これでデビューから無敗4連勝。いずれも圧勝だったが、南部駒賞は収穫の多い一戦となった。外枠に入ったスズカブレーンが戦前から逃げ宣言。一方、岩手のスペクトルもハナを譲ったことが一度もなし。結果、ハイペースで推移したが、想定どおり。
ただロールボヌールが4番手インからの競馬に一瞬、不安がよぎった。前走・若駒賞を含めてすべてポジションは外。2歳馬が砂を被ってやる気をなくすケースを数多く見てきただけに正直、大丈夫かなと思った。
しかし山本聡哉騎手はそれも折り込み済み。「実戦で砂を被ったことがなかったのでレースを覚えさせるいい機会だった」
コスモグリズリー鞍上の森泰斗騎手も「本命馬(ロールボヌール)を内に閉じ込めることができた」と思ったという。
それをまったく問題にせず、3コーナー手前で外に出し、あとは逃げたスペクトル、後ろを追走フジノサムライの脚色(あしいろ)を測って直線スパートをかけた山本聡哉騎手の度胸にも感服したが、その指示に応えたロールボヌールのレースセンスもすばらしかった。
残り100mでスペクトルを交わすとアッと言う間に6馬身差。この抜け出した脚に鳥肌が立つほど興奮した。
今までは能力の違い、瞬発力の違いで連勝してきたが、全国が相手となると厳しいレースを強いられることは確実。その意味でも収穫は計り知れない。
「全日本2歳優駿も視界に入ったが、あくまでも状態次第。まだ時間があるのでオーナーとジックリ相談の上、今後を決めたい」と千葉幸喜調教師。次走決定を見守りたい。
22日メインはオープン馬による「スプリント特別」(水沢1400m)。大物転入ケイアイアストン、ケイアイボルトの動向が気になるところ。仮にここを勝てば冬の重賞に新風を吹き込むかもしれない。
主軸はドリームクラフト。今季は脚部不安のため赤松杯後、4ヶ月の休養を余儀なくされ、9月に復帰。仕上がり途上だったが、いきなりタイム差なし2着にまとめ、続く青藍賞でも2着確保。改めて底力を誇示した。
続いて南部杯に挑戦する予定だったが、態勢が整わず自重。JBCスプリントには駒を進めたが、コース適性低い盛岡もあって15着に沈んだ。
しかし今度はベストの水沢1400m戦。マイルもこなすが、陶騎手いわく「脚を貯めることを考えなくていい1400mが一番合う」とのコメントどおり、昨年、岩鷲賞、栗駒賞と重賞2勝。JBCスプリントを叩き台とすれば好走条件がそろったと見ていいだろう。
ランドオウジは南部杯、JBCスプリントとも10着。JBCでは自己タイムを大幅更新したが、さすがに相手が強すぎた。
今年、盛岡ダート重賞3勝をマーク。4度の骨折を乗り越え、8歳にして素質開花した。輸送のない地元水沢だと闘志に火がつかない傾向あるが、それでも総合力上位。次位は譲れない。
ケイアイアストンは中央芝5勝。転入直前の福島民有杯(芝1200m)でも12着ながら1秒1差。また4走前の京都・鞍馬ステークス0秒4差6着。この実績があれば初戦から狙えるが、小回り水沢に対応できるかが最大ネック。ダート経験5度(うち大井で1勝)なら大丈夫とも思えるが、今回は▲評価が妥当だろう。
ダイワスペシャルは芝短距離重賞で上位争い。あとひと押しが足りず重賞に届かなかったが、鋭い末脚を披露した。ダートも栗駒賞(盛岡ダ1200m)4着なら問題なさそう。
チェリービスティーも惜しいところで重賞タイトルを逃がしたが、短距離戦なら芝ダートを問わないタイプ。マークは欠かせない。
◎(2)ドリームクラフト
○(4)ランドオウジ
▲(6)ケイアイアストン
△(11)ダイワスペシャル
△(9)チェリービスティー
<お奨めの1頭>
3R ミナスジェライス
中京ダート1200mで1分12秒0をマーク。不良馬場だったにせよ、このタイムがあればフリーパス
★南部駒賞・ロールボヌール完勝
昨日の16日・日曜日、水沢競馬場で行われた2歳重賞「南部駒賞」は地元岩手のロールボヌールが6馬身差を付けて完勝、その強さを見せつけました。
次戦はまだ検討段階ですが、川崎の全日本2歳優駿も当然選択肢のひとつに入っており、この後の動向には一層の注目が集まる事になりました。
ここ何年かの岩手の2歳馬のなかでも間違いなくトップクラスという逸材の今後に、全国の競馬ファンの皆さんもぜひご注目ください。
月曜日メインはB1級の短距離戦『清水の湧口レース』。レース名の読み方は「しずのわっくち」なんですってね。陸前高田にあるわき水なのだそうです。初見ではとても読めない・・・。
●10Rの買い目
馬単(6)=(2)、(6)=(7)、(6)=(4)、(6)=(5)
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