
5日メインは岩手クラシックへ直結する「第40回スプリングカップ」。昨年はロールボヌールが衝撃の4連勝。若駒賞、南部駒賞を驚異の末脚で圧勝した。
特に若駒賞では2着スペクトルに2秒5の大差をつけ、過去最高のレースレイティングを記録。久々の超大物誕生で全国に名をとどろかせた。
現在、ロールボヌールは休養中。岩手ダービー・ダイヤモンドカップ(6月1日)で復帰を目指している。まずは完全回復に専念し、再びシャープな切れを見せてほしいと切に願っている。
そうなると俄然、クローズアップされるのはスペクトル。ロールボヌールがリタイア後、終盤に3連勝。寒菊賞、金杯と重賞2連勝を決め、貫禄の違いを見せつけた。
金杯後は宮城のトレセンでリフレッシュして再度、鍛え直して帰厩。さらにパワーアップしたスペクトルに会えるのを楽しみにしている。
トーホクライデンの成長力にも目を見張るものがある。デビュー当時は大きく出遅れて気性難を抱えていたが、実戦を使われながら成長。まともなスタートを切り始めるとともに安定感がグッと増した。
休み明け戦も2着にまとめ、上々の滑り出し。金杯が0秒3差2着だったが、今回のトーホクライデンはひと叩きされた強みがある。流れ速くなれば一気突き抜けるシーンまで。
レジェンドロックはトレーニングセールで1260万円の高額で落札された期待馬。仕上がりに若干手間取ったが、4戦目の水沢1400mでインを鋭く突いて快勝。待望の白星を飾った。
寒菊賞は無念の除外。その後、休養に入ったが、能力検査で使われて気配アップ。出走態勢はほぼ整ったとみていいだろう。距離延長を味方に素質を一気に開花させるか。
転入組で注目一番手はシークロム。昨年11月、京都ダート1400m・2歳新馬戦5着。2戦目は結果8着だったが、果敢に先手を主張。中央でこの芸当ができれば実力も推して知るべし。仕上がりの良さも目についた。
コスモノビリスは中央未勝利ながら川崎交流戦を快勝。力の要る地方ダートが合う可能性は十分にある。
カミングオブエイジは北海道1勝後、名古屋から転入直前のレースで2勝目をマーク。いきなり一線級相手で通用は微妙だが、馬体は一目置ける。
◎(1)スペクトル
〇(9)トーホクライデン
▲(7)レジェンドロック
△(3)シークロム
△(6)コスモノビリス
△(8)カミングオブエイジ
<お奨めの1頭>
6R コスモプランタン
前走2着に敗れたが、勝ったアミーカが強すぎた。気配落ちはまったくなく、メンバー比較からも今回は負けられない
4月4日(土)が岩手競馬の2015年度開幕日。すでに特別開催でスタートを切っているが、新たな気持ちで当日を迎える。
昨年度はJBC盛岡開催で久々に活気を取り戻したが、翌年度が真価を問われる年。今年度も岩手競馬をよろしくお願いします。
さっそく3歳重賞を2日連続で実施。これも意欲の表れと見ていいだろう。まず4日は3歳牝馬による重賞「第40回あやめ賞」(水沢1400m)。4月27日、グランダム・ジャパン20153歳シーズン「第15回留守杯日高賞」トライアル戦で1~3着馬に優先出走権が与えられる。
主軸はグッドギアー。北海道1勝から転入して快進撃。すでに4勝をマークし、唯一の2着は寒菊賞。翌日5日、スプリングカップで1番人気に支持されるスペクトルが相手なら大健闘。牡馬相手にも互角以上の勝負を演じている。
特別開催の3歳A級戦も乗り込み不足をモノともせずに完勝。叩かれてさらに気配アップした。今回は牝馬限定戦。初重賞制覇も目前に迫った。
逆転筆頭はクリールジェニー。昨年10月、北海道1勝2着4回の成績を引っ提げて北海道、岩手交流・知床賞2着。勝ったミラクルフラワーはその後、牝馬全国交流・プリンセスカップを優勝。クリールジェニーの能力も推して知るべし。
ネックは知床賞以来の実戦。6ヶ月ぶりでレース勘を取り戻しているかどうかだが、能力検査を叩かれたのが強み。盛岡ダート1400mで1分26秒8のタイムを出せる馬もそうそうはいない。
トリプルクロッシュは北海道2勝後、南関東へトレード。白星こそ飾れなかったが、5戦とも入着を果たして2着1回3着1回。ハイレベル南関東でのキャリアを前面に逆転を狙う。
トーホクフェアリーはレース運びのうまさに定評があり、2歳三冠目・金杯でスペクトルの3着に善戦。前走はグッドギアーに0秒7差と水を開けられたが、距離1400mがベストの舞台。前が速くなれば直線で確実に台頭する。
リュウノヒカルは北海道1勝、園田を経て転入。能力検査でアッサリ好タイムで1着。仕上がりの良さなら引けを取らない。
クインオブザナイトはまだ一線級で結果を残していないが、いい脚を長く使えるのが武器。前崩れになれば侮れない。
◎(4)グッドギアー
〇(9)クリールジェニー
▲(2)トリプルクロッシュ
△(5)トーホクフェアリー
△(7)リュウノヒカル
△(1)クインオブザナイト
<お奨めの1頭>
1R グレイスフルライフ
A級から最下級へ降格した前走2着。これは勝った馬を誉めるべきで今回はメンバーが大幅緩和された。順当勝ちを収める
29日メインはA級一組による水沢1600m戦「弥生特別」。このレースに今年一番の注目馬ケイジータイタンが出走する。
父メイショウボーラー、母父テイエムオペラオーの異色血統。初勝利まで7戦を要したが、中京ダート1800m戦を逃げ切って完勝。3戦置いて2勝をマークしたが、その後は500万下、1000万下を行き来。自分の型に持ち込むと強さを発揮するが、先行できないと大敗もままあった。
昨年は福島で1勝をあげ、東京ダート2100mを強じんな粘りを発揮して1着。ついに1000万下の壁を破ったが、準オープン入り後は初戦6着が最高。続く3戦は二ケタ着順に終わり、岩手へ新天地を求めてきた。
セン馬だから気性は相当激しそう。移籍直前の金蹄ステークスでタイムオーバーをくらい、能力検査を課せられたが、余裕たっぷりで好時計をマーク。
さらに中間に追い切り2本をこなして動きも絶好。赤松杯から始動予定の同じ村上昌幸きゅう舎ナムラタイタンの最大ライバルになる可能性大。その意味でも今回のレースぶりは重要となる。好発進を決めて重賞戦線で台風の目となるか熱い視線を浴びる。
モズは一昨年暮、中央オープンから転入。いきなり北上川大賞典を逃げ切った。続く桐花賞でも2着確保。順風満帆だったが、翌年、盛岡開催に合わせて左回りで調教をやる予定だったが、激しく拒否。それで一度、北海道へ転籍。3戦1勝から再び岩手へ戻ってきた。
里帰り戦を順当勝ちし、北上川大賞典2連覇を狙って出走。ナムラタイタンにはかなわなかったが、最後まで渋太く粘って2着。桐花賞で2番人気に支持された。
しかしナムラタイタンの執ようなマークに遭い、6着失速。結果ナムラタイタンも2着に沈み、コミュニティが漁夫の利を得て優勝した。
元々、モズは常識にかからないタイプ。全幅の信頼を置けないが、逆に久々の方がレースに集中できるはず。マイル、大外などの課題はあるが、地力から次位筆頭は譲れないだろう。
スーブルソーは一昨年、モズを退けて桐花賞制覇。悲願の重賞タイトルを手に入れた。昨年も2、1着と順調なシーズン入りを果たしたが、みちのく大賞典5着後、無念のリタイア。
JBCクラシックで復帰を果たしたが、本来のシャープがが見られず着止まり。不本意な1年となったが、冬休みで回復に専念しえ巻き返しを図る。
活躍の場は水沢に限られ、初戦からエンジン全開。前記2頭が激しく競り合う展開になれば自慢の末脚をさく裂させる。
アカリロンドンは中央ダート1勝2着4回。500万下でいきなりA級通用は微妙だが、これから成長期を迎える4歳馬。岩手で一変の可能性がある。
イグゼキュティヴは北海道2勝から中央へ移籍。京都2歳ステークスを勝ち、皐月賞、菊花賞への出走経験を持つ。
今年9歳。登り目は見込めないだろうが、1000万下なら岩手A級通用は当然。久々の地方ダートで復活を賭ける。
ダノンボルケーノは昨年、特別開催2着から3連勝マーク。通算5勝をあげた。A級一組では若干荷が重い印象もあるが、春が得意な季節。仕上がりの良さで上位を狙う。
◎(1)ケイジータイタン
〇(10)モズ
▲(2)スーブルソー
△(6)アカリロンドン
△(3)イグゼキュティヴ
△(7)ダノンボルケーノ
<お奨めの1頭>
8R コスモプランタン
B1からC2降格で相手が大幅に緩和。貫禄勝ちを収めて好発進を決めた。相手は園田から転入初戦を快勝したアミーカ
先週から再開した岩手競馬。格付け再編成で大幅にクラスが変動。必然的に降格馬が圧倒的に優位だったかというと、決してそうでもなかった。
全体的に言えることだが、仕上がり状態がカギ。格下でも調子が良ければ好走ケースも多かった(冬毛が残っていた馬が穴をあけることもあったが)。画面越しでもパドックの気配をしっかりチェックしてほしい。
続いて水沢1300mの3日間のデータ
◆脚質別連対数
逃げ=8回(40%)
先行=7回(35%)
差し=5回(25%)
追込=0回
◆馬番別連対率トップ3
① 1番枠 10回中4勝2着5回(90%)
② 6番枠 10回中3勝(30%)
③ 3番枠 10回中1勝2着2回(30%)
*逃げ先行有利はこれまで同様だが、何よりも顕著だったのは1番枠の活躍。これは逃げに限ったことではなく、内で脚を貯めた馬が好走したのも要因だった。
水沢1400mの3日間データ
◆脚質別連対率
逃げ=12回(42・9%)
先行=6回(21・4%)
差し=8回(28・6%)
追込=2回(7・1%)
◆馬番別連対率トップ3
2番枠=14回中3勝2着3回(42・9%)
3番枠=14回中2勝2着3回(35・7%)
8番枠=14回中2勝2着1回(21・4%)
4番枠=同
6番枠=同
*1400mで目立つのは逃げ馬の活躍。あとは2、3番枠に入った馬が活躍した反面、1枠は苦戦。1300mとはまったく逆。これはチェックしておきたいこと。果たして今週はどんな傾向になるのか―。
28日(土)メインは「東風特別」(A級二組 水沢1600m)、11頭立て。
まずは転入馬3頭の評価から。最注目はジョウノムサシ=(〇)。京都芝1800mの2歳新馬戦で2着を確保し、2戦目の京都芝2000m戦1着。
以降は凡走続きだったが、矛先を変えて笠松へ遠征。生涯初のダート戦だったが、A級2着と好走。ダートもこなせることを証明したのが心強い。
リアリティー=(▲)は福島芝1200mの2歳新馬戦を勝ち上がり、2戦目のダリア賞3着。その後も芝短距離をメインに使われて新潟芝1000mで2勝目を飾った。
気性面に難しいところがあり好、凡走の落差が激しいタイプ。ダートは転入前3戦を使っていずれも着外。未知数の部分が多いが、潜在能力は高そう。1600mも小回り水沢なら問題ない。馬体の良さを前面にいきなり激走も十分。
マイネルナタリス=(無印)は中央芝2勝2着1回3着6回。この実績があればA級通用だが、ダートはまったく経験なし。無難にこなす可能性もあるが、一戦は様子を見たいところ。
主軸はシグラップロードとした。昨シーズンは春一番の3歳重賞・スプリングカップを快勝。初タイトルを手に入れ、その後も3歳クラシック戦線で活躍した。
しかし古馬A級では2着止まりの連続。壁に阻まれていたが、桐花賞5着できっかけを作り、最終戦のA級・B1混合戦を逃げ切り圧勝。いい形で冬休みを迎えた。水沢1600mもベスト。好発進を決めて重賞戦線に殴り込みをかける。
ブラゾーハリーは南関東7勝・B2から転入。アッサリ3連勝を飾った。終盤2戦は3、7着とひと息だったが、体調が落ちていたのも事実。3か月の休養は間違いなくプラスに作用するはず。
ユナイテッドボスはエンジンのかかりが遅く、惜しいところで重賞タイトルを逃がしたが、終盤2、1着。スムーズなレース運びを見せてひと皮むけた。4歳を迎えてさらに成長を期待する。
◎(5)シグラップロード
〇(8)ジョウノムサシ
▲(3)リアリティー
△(2)ブラゾーハリー
△(7)ユナイテッドボス
<お奨めの1頭>
10R イーサンヘモス
今季はA級からC2へ降格。能力検査を叩かれた強みも生かして余裕の逃げ切り勝ち。長期休養から復帰した阿部英俊騎手に白星をプレゼントした。ここももらった
地方競馬通算3788勝、JRA5勝。菅原勲元騎手とし烈なリーディングジョッキー争いを演じてきた小林俊彦騎手が17日、調教師免許を取得。4月開業に伴い、騎手免許を返上する。
小林俊彦新調教師
「昨年5月の落馬で腰を骨折。復帰を目指していましたが、思った以上に長引いてしまいました。
現在は調教で馬に騎乗するまで回復しましたが、自分自身が納得のいく騎乗ができないのであればファンに迷惑をかけてしまう。これまで万全の体調で乗ってきた自負がありました。今の中途半端な状態では乗りたくないので、このまま騎手引退を決断しました。
元々、昨年一杯で引退を考えていましたし、騎手としてやり切った。自分でもよくここまで来たなという思いがあるので悔いはありません。
ただ騎手として復活した姿をファンにお見せることができなかったのが心残りですけどね」
3月29日、水沢競馬場で小林俊彦騎手の引退セレモニーが行われる。胴緑・袖桃/胴桃星ちらしの騎手服を見られるのはこれが最後。岩手の二枚看板を背負った小林騎手にエールを送ってほしい。
22日メインはB1級一組による水沢1800m戦「春光競走」、8頭立て。総合力でリード、ザドライブを主軸に推す。
ザドライブは一昨年、中央4勝、南関東A3から転入。重賞・あすなろ賞を制した。昨年も無類の堅実ぶりを発揮。着外が一度もなしと抜群の安定感を誇った。ただ勝ち切れないレースの連続で未勝利で冬休みに突入。陣営は消化不良でシーズンを終えたに違いない。しかし今回からB1へ降格して相手有利。しかも通算4勝とベストの1800mと久々の勝利を飾る絶好機を迎えた。
コスモイフリートは中央3勝、南関東B1から昨年転入。2戦目に白星をマークした。その1勝のみにとどまったが、重賞でも2着4回と健闘。こちらも1800mがベスト。特に水沢戦はすべて3着以上と馬券対象にもなっている。
レディアントデイズは芝ダートを問わないオールラウンドホースだが、気性難が災いして取りこぼしも多かった。それでもレースに集中した時の強さは一目。1月11日のB1・ゴールデンジョッキーズシリーズ最終戦を勝利で締めくくった。
リトルキングは岩手で本格化。実戦を使われながら成長一途を遂げ、9勝をマークした。本来ならもっと強い印をつけるのが妥当かもしれないが、不安は距離。マイルまでなら信頼度絶大だが、あと1ハロンをどう克服するかがカギ。
ロードロックスターは転入4戦目の水沢1600m戦で3着。こちらもA級から降格した。
◎(4)ザドライブ
〇(5)コスモイフリート
▲(3)レディアントデイズ
△(1)リトルキング
△(7)ロードロックスター
<お奨めの1頭>
6R コスモリボン
前々走、A級戦で果敢に逃げて2着確保。今季は最下級へ一気降格し、相手が大幅に弱化した。