
先日、岩手県競馬組合から転入条件の緩和について通知があった。
【現行】4歳以上で格付賞金10万円未満の馬は転入出来ない。ただしJRA及び南関東からの転入馬除く。
【改正】現状の競走馬資源を鑑み、緊急的措置として第4回水沢競馬から第11回水沢競馬まで(6月27日~H28年1月11日)の間、上記規定を適用除外とする。
この緩和によって入り口が大幅に広くなった。改めて―になるが、岩手には右回り、左回り両コースがあり、さらに地方競馬では唯一、芝コースもある。
オーナーさんにお願いします。競走馬には適材適所があります。愛馬の可能性を求めて是非、岩手競馬に転厩させてみませんか。よろしくお願いします。
14日メイン(9R)はB1級・水沢1600m「ねむの木賞」、11頭立て。最大58キロから54キロまでのハンデ差も影響しそうな一戦となった。
主軸はナリタメロディ。とにかく2連勝の強さが圧巻。自慢のスピードを前面に、盛岡ダート1600m、1200mを破格タイムで逃げ切った。
ネックは1周1200mの小回り水沢対応。折り合い面に課題を残しているのも否定できず、コーナー4つをこなせるか否か。
結論は可能と見た。外枠発走だが、それでも逃げ必至。単騎逃げが打てるメンバー構成ならマイペースでいけるはず。最軽量54キロの軽ハンデも後押しする。
シャークは今年も驚異的な勝負根性は健在。2勝2着2回3着1回とすべて馬券対象を果たしている。一度3着は1800m・駒形賞。マイル以下で最大能力を発揮する。
不安は58キロのトップハンデ。過去最高は56キロで未知の負担重量を背負うことになる。420キロ台の小柄な牡馬に厳しいかもしれないが、先行馬は行き切ってしまえばおそらく大丈夫。うまく2番手をキープし、流れ込みを期待する。
リトルキングは前走8着の敗因ははっきり。JRA馬相手に加え、転入後では初めての芝。レースを見ても明らかに戸惑い、追走にも手こずっていた。
それでも直線では鋭く伸びて勝ち馬から1秒まで差を詰めたのはさすが。ベストの水沢1600mに戻り、反撃のお膳立ては整った。
コスモナダルは今季着外に沈んだのはスローに泣いた駒形賞7着のみ。他はオール連対。追い込み馬でこの安定度は評価に値する。流れ速ければ突き抜けるシーンまで。
レディアントデイズはシーズン2戦目から連勝。ムラなタイプがひと皮むけた。ここ2戦4着はJRA交流戦である意味仕方なし。地元同士の戦いなら首位まで十分。
オメガベントレーは盛岡3戦で4着最高。反応ひと息だったが、水沢は1勝2着1回と自在脚が冴え渡った。コース替わって巻き返しに意欲。
ほかにもカネツパワー、イキナヤツなど侮れず、思った以上に難解な一戦となった。
◎(10)ナリタメロディ
〇(6)シャーク
▲(9)リトルキング
△(1)コスモナダル
△(7)レディアントデイズ
△(4)オメガベントレー
<お奨めの1頭>
6R アフリカンブルー
転入初戦の強さに舌を巻いた。C2ではモノの違いが明らかだし、走破タイム1分12秒5はB級以上でも通用。迷わず追いかける手
今週13日(土)から舞台は盛岡から水沢へ。開催替わりは荒れることで定評あるが、盛岡競馬のとき馬場の砂を総入れ替えした。時計が相当かかるとの話だから、頭を完全に切り替えなくてはならない。
しかも金曜日午後から土曜日にかけて雨模様。この降雨がどこまで影響するか。正直なところ実際に走ってみないと分からない。
参考までに今シーズンの特別開催から前開催までのデータを紹介してみたい。極端に先行有利の傾向だった。
◇水沢1300m・脚質別連対率(全71R)
逃げ 54回(38%)
先行 67回(47・2%)
差し 17回(12%)
追込 4回(2・8%)
スタートして300mで1コーナーに入るため内枠、そして先行馬が有利。これが定石だが、特に今季は1番枠の連対率が54・9%!。2回に1回以上、連対を果たしているのは強烈だ。また逃げ、先行馬を合せて85%の連対率も恐ろしい。
◇水沢1400m(全93R)
逃げ 61回(32・8%)
先行 69回(37・1%)
差し 42回(22・6%)
追込 14回(7・5%)
逃げ、先行有利は変わらないが差し連対が22・6%と一気に増える。枠順の有利不利が少ないのが1400m戦。ただ1番枠は連対率23%。包まれると明らかに苦戦となる。
◇水沢1600m(全24R)
逃げ 15回(31・3%)
先行 18回(37・5%)
差し 12回(25%)
追込 3回(6%)
差し連対が1400m戦よりさらに増えている点に注目。あとは1番枠の連対率37・5%、2番枠が29・2%。昨年は外枠有利だったが、今季は内枠有利の傾向がはっきりと出ている。果たして今開催の水沢はどう出るか。
13日メインはB1級・水沢1600m戦「平庭闘牛大会つつじ場所賞」、12頭立て。コース替わり歓迎の馬が多く、難解さに輪をかけている。
主軸はロケットボール。南関東C1から転入初戦、鮮やかなまくりを決めて9馬身差で圧勝。これ以上ない岩手デビュー戦となった。
通算2勝馬だったが、羽田盃8着の実績はダテではなかった。不安点は小回り水沢への対応力。デビューが門別で南関東移籍後も大井1場のみ。つまり1周1600mの広いコースだけを使われて盛岡も同じ1600m。
これが1周1200mの水沢でも末脚をさく裂させることができるか、どうか。しかもフルゲート12頭立て。最終的に総合力でリードと判断したが、馬群をさばくのに苦労するようだと脚を余す可能性もある。
逆転筆頭はピースワントゥルー。中央7戦0勝からの転入だったが、岩手ではすべて3着以上。抜群の安定度を誇った。
しかし前走は伸びを欠いて5着。初めて馬券対象から外れたが、それでもタイム差は0秒5差。今度は6戦4勝2着1回3着1回の水沢コース。実際、水沢の方が反応が鋭く反撃に燃えている。付け加えるなら水沢1600mは内枠有利。絶好の2番枠を引き当てた。
スパンコールはシャープな切れが最大のセールスポイント。前走も直線鋭く伸びて2着を確保した。展開に左右される面あるが、メンバー構成からだと明らかにハイペース模様。
マンセイグレネードは南関東から里帰り初戦で豪快なまくりを披露。ひと皮むけて帰ってきたが、以降は展開にも泣いて3着止まり。コース替わりに活路を開きたい。
ジャイアントスターは前走9着に沈んだが、久々の1200m戦にとまどったか。今ならマイルの方が合い、反撃一考。
オーバートゥループは同型との兼ね合いがカギだが、こちらも水沢歓迎。スンナリなら軽視できない。
◎(10)ロケットボール
〇(2)ピースワントゥルー
▲(6)スパンコール
△(11)マンセイグレネード
△(1)ジャイアントスター
△(4)オーバートゥループ
<お奨めの1頭>
8R シークロム
中央未勝利から転入初戦のスプリングカップを快勝。続いて北斗盃2着にまとめて再転入し、はまなす賞2着。ここでは実績が違いすぎる
★かきつばた賞はモズが優勝
6月6日に行われたオープン・芝2400mの重賞『かきつばた賞』。人気を集める事が予想されたシルクアーネストが出走取消となって波乱含みのスタートとなりましたが、終わってみれば2番人気モズが逃げ切り勝ちを収めました。
重賞戦線で欠かせぬ存在になったモズですが、実は重賞制覇は2013年の北上川大賞典以来1年半ぶり。鞍上共々久々の美酒となりました。
★早池峰賞はデュアルスウォード
7日のオープン・ダート1200mの重賞『早池峰賞』。こちらはデュアルスウォードが差し切り勝ちを収めました。直線の攻防を制したデュアルスウォードは転入3戦目の岩手初勝利が初重賞制覇。鞍上の菅原辰徳騎手もこれが2010年のデビュー以来の嬉しい初重賞。
●10Rの買い目
馬単(2)=(4)、(2)=(8)、(2)=(5)、(2)=(6)
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7日メインは短距離重賞「第41回早池峰賞」(盛岡ダート1200m)。ここからクラスターカップへの道が始まるが、すでに先日のさきたま杯で4着に健闘したラブバレットが挑戦を表明している。
続いて名乗りを上げる可能性が高いのがライバル・ライズライン。今回の早池峰賞の結果次第では、矛先を短距離路線に替えるかもしれない。
今回、ライズラインについて詳しく紹介してみたい。スクリーンヒーローの初年度産駒で栄えある重賞勝ち馬第一号。
スクリーンヒーローは今年の日本ダービーにグァンチャーレ、ミュゼエイリアンと2頭を送り出し、今日の安田記念でも人気の一角を形成するモーリスが出走。スクリーンヒーロー産駒がブレイク中だ。
ライズラインはデビュー当初、ラブバレットの後塵を拝していたが、若駒賞で逆転。盛岡ダート1600mをレースレコード1分37秒2で逃げ切り、周囲の度肝を抜いた。
参考までに先日の岩手ダービー・ダイヤモンドカップを圧勝し、無敗6連勝中ロールボヌールは若駒賞1分37秒9だった。
ライズラインは続いて南部駒賞を制し、2歳三冠がかかった金杯はラブバレットの2着。その直後に南関東へトレードされ、雲取賞11着、京浜盃13着。
その後、牧場で2ヵ月ほど休養して水沢へ里帰り。再び勢いを取り戻してやまびこ賞、岩手ダービー・ダイヤモンドカップ、芝交流・オパールカップと重賞3連勝。完全復活を遂げた。
3ヶ月の夏休み明け初戦は古馬A級2着だったが、ひと叩きされて不来方賞を優勝。2歳に続いて二冠を達成した。
ダービーグランプリは全国の壁に阻まれて6着。以降はマイル路線に切り替え、白嶺賞優勝、トウケイニセイ記念2着。大井A2下でも3着に粘って帰郷。
赤松杯は出遅れが響いて3着に終わったが、続くシアンモア記念で見事雪辱。今度は短距離にターゲットを向けた。
ライズラインのすばらしさは芝ダート、距離の長短を問わずに結果を出してきたこと。今では珍しいオールラウンドホースに成長した。
果たして短距離適性があるのか。これが最大ネックだが、レース内容を詳細に見ればマイルでも折り合いを欠くシーンも多々。それを考えると1200mはさらに合うかもしれず、新たな才能が発揮させるか。馬券を抜きにしても興味深い。
ちょうどいい尺度となるのが同厩のランドオウジ。こちらは盛岡の鬼。昨年3重賞を制したが、いずれも盛岡戦。今季初勝利も盛岡ダート1000m戦で飾った。
あすなろ賞3着は距離の壁。マイルまでが守備範囲だが、1800mは若干長すぎた。昨年の早池峰賞が記念すべき初重賞制覇。連覇とともに後輩ライズラインに貫禄を見せつけるか。
アフリカンハンターは中央4勝・準オープンから転入したが、裂蹄に悩まされ、なかなか体を絞ることができなかった。それが凡走の最大理由だったが、あすなろ賞では514キロまでシェイプアップ。結果4着に善戦した。
今度は勝ち星すべてあげているダート1200m戦。持てる能力をフルに発揮できる舞台を迎えた。
デュアルスウォードも同様、中央5勝のうち4勝がダート1200m戦。転入後、短距離で2戦2着。ベストの条件で初タイトルを狙う。
コウギョウデジタルはあすなろ賞連覇はならず8着に沈んだが、今季初戦の水沢1300mでラブバレットの3着に善戦。現状は短距離が向くかもしれない。スズヨシーズンは追い込み馬で展開に注文つくが、前崩れになった際に浮上する。
◎(4)ライズライン
〇(10)ランドオウジ
▲(3)アフリカンハンター
△(7)デュアルスウォード
△(1)コウギョウデジタル
△(2)スズヨシーズン
<お奨めの1頭>
11R レオナビゲート
左回りが課題だったが、前回快勝で克服。走破タイムもすばらしかった。中央4着2回がダート1800m戦ならマイル延長は望むところ
まずは6月1日、盛岡ダート2000mで行われた「第35回岩手ダービー ダイヤモンドカップ」の報告から。
期待どおり単勝元返し100円の圧倒的1番人気に支持されたロールボヌールが圧勝した。2着トーホクライデンに10馬身差。前走と同様、持ったままで2分8秒5の好タイムをマークした。近年では2012年、アスペクトとロッソコルサ2頭のマッチレースとなった2分7秒3に次ぐ走破タイムだった。
山本聡哉騎手「スタートセンスのいい馬なので先手は予定どおりだが、前回は気負っていましたからリラックスさせるよう心がけた。
大事には乗ろうとは思っていたが、抑えていくよりリズムを重視しました。
3、4コーナーでササり気味でステッキを入れたら鋭く反応。独走でしたが、いいタイムをマークしてくれました。
ロールボヌールは全国に羽ばたける馬だと思っていますので、今後も楽しみです」
一方、管理する千葉幸喜調教師「期待したどおりの結果を出してくれた。今回は優勝が最優先。派手はパフォーマンスはいらないとジョッキーに支持しました。
これから古馬と戦ってみて強くなっているかを試してみたい。状態が良ければみちのく大賞典に挑戦しようと思っています」
今後のスケジュールはすべて6月21日、みちのく大賞典の結果次第。ロールボヌールの動向に注目してほしい。
6日メインは3歳以上オープン、盛岡芝2400m「第18回かきつばた賞」。1、2着馬には地方競馬全国交流・せきれい賞の優先出走権が与えられる。
主軸はシルクアーネスト。昨年9月、中央芝6勝・オープンから転入初戦のOROカップを快勝。過去最強のメンバーがそろったが、2番手キープから1番人気カリバーンの追撃を封じた。
続いてJBC当日、地元同士の秋嶺賞を貫禄の逃げ切り勝ちを収めて連勝。この2戦で最優秀ターフホースの座を射止めた。
白嶺賞はダートに手こずって12着大敗を喫し、それシーズンを終了。4ヵ月半の休養を取って盛岡ダート1600m戦で戦列に復帰。ダート苦手の印象もあり、5番人気にとどまったが、好位抜け出しを決めて1着。
当初からダートを叩いてかきつばた賞が青写真。最高の形でかきつばた賞を迎えた。残る課題は馬場を1周半する盛岡芝2400mだが、折り合いに問題ないタイプならおそらく大丈夫。新興勢力がいても主役は譲れない。
ヒラボクビクトリーは中央芝2000m2勝、芝1800m1勝、芝2200m1勝の計4勝。準オープンから船橋2戦を経て転入。地方のダートに手こずっていたが、芝1700mに替わった前走を完勝。鮮やかなまくりを披露し、芝適性の高さを誇示した。
距離延長は望むところ。弾みついたのも心強く一気に重賞制覇なるか、注目が集まる。
モズは評価に迷うが、中央3勝のうち2勝は函館、札幌と盛岡と同じ洋芝でマーク。札幌2歳Sで2着の実績も光る。
気性難を抱え、好、凡走の落差が激しくアテにしづらいのは確かだが、前走・あすなろ賞では4角で一旦3番手に下がりながらも内から差し返してコミュニティのクビ差2着。芝は久々だが、自分の競馬ができれば距離も問題なし。実際、北上川大賞典(水沢2500m)を逃げ切っており、最大の惑星馬となった。
ユウキソルジャーは菊花賞3着馬。初の盛岡芝は8着に終わったが、あくまでも試走。もちろん長丁場は望むところ。
あとは先行力と粘りが身上マイネルナタリス、格下でも転入初戦の芝でヒラボクビクトリーの2着コスモミレディーも押さえ必要。
◎(2)シルクアーネスト
〇(3)ヒラボクビクトリー
▲(7)モズ
△(9)ユウキソルジャー
△(8)マイネルナタリス
<お奨めの1頭>
6R ネクストロード
前走は7カ月半ぶりの実戦に加え、大幅な馬体重増だったが、きっちり白星。C2ではモノが違うことを証明した。叩かれて変わり身必至