
まずは残念な報告から。すでに岩手競馬ニュースリリースでもあったとおり、岩手ダービー・ダイヤモンドカップを圧勝したロールボヌールだったが、レース後に屈腱炎が発症していることが判明。手術を施し、来期まで休養することになった。
ロールボヌールはデビューから圧勝に次ぐ圧勝で6戦全勝。若駒賞で見せたパフォーマンスが強烈で、全国にその名をとどろかせた。
南部杯優勝後、休養に入り5月中旬に3歳B1戦で復帰。追ったところなしで9馬身差の逃げ切りを決め、ダイヤモンドカップも10馬身差で圧勝。
次走に古馬伝統のみちのく大賞典挑戦を表明したが、レース後に脚が腫れていることが判明。屈腱炎の診断が下され、北海道で治療に専念する。
岩手競馬を30年以上かかわって、この時期の3歳馬でロールボヌールが過去最強。メイセイオペラも強かったが、彼は4歳になって急成長。現時点でいえばロールボヌールが上だと断言できる。
それほどの逸材ゆえ完治を気長に待ちたい。今の治療技術があれば、必ずや復帰できると信じている。
27日メインは3歳重賞「第39回ウイナーカップ」(水沢1400m)。岩手ダービー・ダイヤモンドカップの出走を見送ったスペクトルが復帰。仮に本調子を欠いていても主軸は動かない。
スペクトルはデビュー戦からハナを譲ったことが一度もなし。概して逃げ一辺倒は好、凡走の落差が激しいが、連対を外したのは北海道交流・知床賞5着のみ。11戦6勝2着4回と驚異的な連対率を誇っている。
前記ロールボヌールとの直接対決では若駒賞、南部駒賞と完敗だったが、不在の寒菊賞、金杯、やまびこ賞と重賞3勝をマークした。
岩手ダービー・ダイヤモンドカップは体調が整わず自重したが、ひと息入れて復帰。1400mの距離も手頃だし、メンバーが楽。絶対能力の違いを見せつける。
ヴァイキングは岩手2戦0勝から北海道1勝、大井2連勝。ハイレベル地区での3勝は価値が高い。笠松・新緑賞以来、3ヵ月ぶりだが、乗り込み十分。動きも絶好だった。
ホレミンサイヤはデビューが今年1月までずれ込んだが、走るたびに地力をつけてデビュー戦の水沢850m1勝、名古屋4勝。牝馬交流・留守杯日高賞でも見事な逃げ切りを決めた。
関東オークスは強豪相手でしんがり負けも仕方なしだったが、果敢に先行できたのが収穫。この経験を活かしてウイナーカップへ駒を進めたのが心強い。
ツクバグランディーは中央未勝利から岩手3歳最下級スタート。6戦4勝2着2回と連対パーフェクトから重賞挑戦。いきなり一線級相手は厳しいが依然、底を見せていない。加えて今の水沢はパワー決着。560キロを超す馬格を前面に上位をもくろむ。
トーホクライデンはやまびこ賞、ダイヤモンドカップ2着。いい脚を長く使えるのが最大武器。1400mの忙しい競馬向きではないが、先行馬がそろってハイペース必至。それならば出番はある。
◎(10)スペクトル
〇(7)ヴァイキング
▲(3)ホレミンサイヤ
△(8)ツクバグランディー
△(5)トーホクライデン
<お奨めの1頭>
6R クラアミーゴ
今シーズンは粘りが冴え渡り、毎回のように上位争い。メンバーが緩和され、待望の今季初勝利を飾る
★一條記念みちのく大賞典はコミュニティが優勝
昨日6月21日に行われた重賞『第43回一條記念みちのく大賞典』は2番人気のコミュニティが優勝しました。2着モズにつけた差は10馬身。昨年の同馬はスタート直後に落馬という残念な結果に終わっており、一年越しにその時の雪辱を果たした事になりました。
コミュニティ、鞍上の山本政聡騎手ともこのレースは初勝利。同馬を管理する櫻田浩三調教師は3年ぶり4度目の勝利でした。
●10Rの買い目
馬単(8)=(1)、(8)=(7)、(8)=(3)、(8)→(6)
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今年で43回目を数える岩手伝統の「一條記念 みちのく大賞典」。さすがに第1回優勝・ヤマトハナ(千葉次男騎手 千葉忠一きゅう舎)は人づてにしか聞いたことがないが、第10回(1982年)・ダイドウスター(小竹清一騎手 佐々木豊きゅう舎)以降はすべて見ている。鮮やかな流星と4長白、栗毛のきれいな馬体だった。
ということは小生、33回目のみちのく大賞典。先輩からみちのく大賞典、3歳・不来方賞、2歳・南部駒賞が岩手競馬の根幹レース。時代がどんなに変わってもレース体系がどんなになっても以上3レースは別格。しっかりと襟を正して臨みたいと思っている。
昨年優勝したナムラタイタンは赤松杯後、休養に入り、岩手ダービー・ダイヤモンドカップを優勝したロールボヌールも挑戦意志を表明したが、脚部不安のためにリタイア。改めて無事で走ることの大変さを実感する次第。出走全馬には、みちのく大賞典に恥じないレースを期待する。優勝馬名前は馬運車に記され、〇〇号と称される。果たして今年はどの優駿が名前を刻むのか。
今年はコミュニティ、ケイジータイタン、モズの三つ巴模様が色濃い。それぞれタイプがまったく違い、それもおもしろさに輪をかけている。
コミュニティは中央未勝利から大出世。昨年ついにオープン入りを果たし、重賞3勝。さらには岩手版グランプリ・桐花賞でナムラタイタンを破る金星。悲願の打倒を果たした。
今季入着止まりは条件が合わなかったのが敗因。赤松杯、シアンモア記念はマイルの忙しい競馬が合わなかった。またケイジータイタンとのマッチレースで2着に敗れたが、0秒1の僅差。
そのうっ憤をトライアル・あすなろ賞で晴らした。今度はベストの水沢2000mが舞台。道中ゆったりと流れる競馬で最大能力を発揮し、桐花賞と同じ条件で古馬頂点に立つか注目。
ケイジータイタンは今年の目玉。中央ダート4勝・準オープンからアッサリ転入2連勝を飾った。シアンモア記念は明らかに距離不足。逃げたライズラインの2番手を追走したが、直線伸びを欠いて3着に敗れた。
その後はみちのく大賞典1本に絞って調整。中央4勝を1700m以上にマークし、2000mは待ちに待った条件。待望の初重賞に王手をかけた。
モズは芝2400m・かきつばた賞を逃げ切り勝ち。小回り1400mの盛岡芝で1周目ゴールで走るのをやめるハプニングがあったが、高橋悠里騎手は折り込み済み。1コーナーから再度加速し、後続の追撃を断ち切った。
また凡走する可能性あるのは確かだが、今季はレースに集中しているのが収穫。無類のタフさとスピードを前面に重賞2連勝するか。
ワットロンクンは南関東から昨年暮れに再転入。2戦目の桐花賞で3着に善戦した。今季始動は5月までずれ込んだが、自らハイペースを形成して逃げ切り勝ち。叩かれて気配さらにアップした。
◎(6)コミュニティ
〇(8)ケイジータイタン
▲(5)モズ
△(1)ワットロンクン
<お奨めの1頭>
6R ラッキーゴールド
前走がうれしい今季初勝利。これが村上忍騎手の通算2500勝目となった。距離延長も問題なく連勝濃厚
先週13日から舞台が水沢に替わったが、前開催(4月4日~4月27日)までとはガラリ一変した。
盛岡開催の期間中、馬場を改修した影響で時計が1秒から2秒もかかるようになった。それにより逃げ馬天国だったが、逆に逃げ馬が苦戦。差しタイプでも十分に届く馬場になった。
加えて水はけが非常によくなり、多少の雨では影響なし。ジョッキーたちも非常に乗りやすくなったと異口同音に話していた。
果たして今週はどのような馬場なのか。岩手はゲリラ豪雨に見舞われたところも多かったが、水沢は影響があったか。まずは第1レースからしっかりチェックして、馬場傾向を把握してほしい。
20日メインはC1級「焼石岳賞」(水沢1600m)、10頭立て。活きのいい4歳馬がそろい非常に楽しみな一戦となった。
主軸にレオナビゲートを指名。中央5戦0勝ながらダートで4着2回の実績を引っ提げて転入。初戦は5ヵ月ぶりの実戦だったが、2着に6馬身差をつけて圧勝。
2戦目はハイペースがたたって2着に敗れたが、3戦目を完勝。C2をアッサリ卒業した。
続いて舞台が盛岡に替わってヒライズミナンバーに水を開けられた2着。移籍直前の東京ダート2100mを大敗。左回りに課題を抱えていた。
しかし盛岡2戦目で山本聡哉騎手はうまい騎乗をした。終始、外に馬を置いて壁を作ってレースを進め、直線勝負に持ち込んで快勝。前走も同様な形で道中を進め、直線一気に突き抜けて7馬身差で圧勝。盛岡を克服できたのが最大の収穫となった。
今度は安心して見ていられる水沢コース。先行馬の動向を確認しながら直線抜け出し、3連勝に王手をかけた。
モルフェワインは北海道2勝、浦和1勝、北海道2勝、川崎0勝から転入。当初2戦は2、3着止まりだったが、マイル延長を味方に目下2連勝。距離延びて本領を発揮した。
コース替わりもおそらく大丈夫。レオナビゲート=菅原勲調教師、モルフェワイン=小林俊彦調教師。騎手時代に続いて宿命のライバルが調教師として雌雄を決する。
このラインに割って入るのがミナスジェライス=板垣吉則調教師。中央から再転入後、6戦5勝3着1回。自慢のスピードが冴え渡っている。
今回は同型の出方、距離延長など条件厳しいが、逃げの手に出れれば驚異的な粘りを披露する。
インピースは前回勝ち上がって焼石岳賞に臨んできた。追い込みタイプながら、盛岡より水沢向き。特にマイル戦での安定度抜群。ペース速くなれば一気突き抜けるシーンまで。
アルファジニアスは相手なりに駆ける堅実さが身上。4戦連続で2着にまとめている。最後の詰めに課題を残すが、一連の安定度からマーク欠かせない。
テンショウティアラも好調キープ。前走、ペースにも恵まれたが、見事な直線抜け出しを決めた。軽視すると痛い目に遭う。
◎(10)レオナビゲート
〇(4)モルフェワイン
▲(7)ミナスジェライス
△(9)インピース
△(6)アルファジニアス
△(2)テンショウティアラ
<お奨めの1頭>
2R マリノエトワール
前走は半年ぶりの実戦だったが、元B2の底力を見せて圧勝。叩かれてさらに気配アップし、連勝もらった
★村上忍騎手 地方競馬通算2500勝達成
6月14日の第1レースにおいて、村上忍騎手が地方競馬通算2500勝を達成しました。岩手競馬では菅原勲騎手・小林俊彦騎手(いずれも引退)に次ぐ歴代3人目の記録。現役騎手の中では単独トップの勝ち星数となります。
同騎手は1994年デビューで今年が22年目。岩手歴代1位の菅原勲元騎手は地方通算4127勝、同2位の小林俊彦元騎手は地方通算3788勝の記録を残しましたが、それぞれの「21年目終了時点」の勝利数は菅原勲元騎手が2551勝、小林俊彦元騎手が2127勝。村上忍騎手のペースは『菅原勲元騎手よりやや遅く、小林俊彦元騎手より速い』といえます。
しかしながら菅原勲元騎手・小林俊彦元騎手とも、キャリア終盤までコンスタントに年間150勝を挙げ続けました。村上忍騎手が先の2騎手にどこまで迫る事ができるか?はこの先の活躍にかかっています。
●10Rの買い目
馬単(5)=(4)、(5)=(3)、(4)=(3)、(5)→(1)、(5)→(10)
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