今年で43回目を数える岩手伝統の「一條記念 みちのく大賞典」。さすがに第1回優勝・ヤマトハナ(千葉次男騎手 千葉忠一きゅう舎)は人づてにしか聞いたことがないが、第10回(1982年)・ダイドウスター(小竹清一騎手 佐々木豊きゅう舎)以降はすべて見ている。鮮やかな流星と4長白、栗毛のきれいな馬体だった。
ということは小生、33回目のみちのく大賞典。先輩からみちのく大賞典、3歳・不来方賞、2歳・南部駒賞が岩手競馬の根幹レース。時代がどんなに変わってもレース体系がどんなになっても以上3レースは別格。しっかりと襟を正して臨みたいと思っている。
昨年優勝したナムラタイタンは赤松杯後、休養に入り、岩手ダービー・ダイヤモンドカップを優勝したロールボヌールも挑戦意志を表明したが、脚部不安のためにリタイア。改めて無事で走ることの大変さを実感する次第。出走全馬には、みちのく大賞典に恥じないレースを期待する。優勝馬名前は馬運車に記され、〇〇号と称される。果たして今年はどの優駿が名前を刻むのか。
今年はコミュニティ、ケイジータイタン、モズの三つ巴模様が色濃い。それぞれタイプがまったく違い、それもおもしろさに輪をかけている。
コミュニティは中央未勝利から大出世。昨年ついにオープン入りを果たし、重賞3勝。さらには岩手版グランプリ・桐花賞でナムラタイタンを破る金星。悲願の打倒を果たした。
今季入着止まりは条件が合わなかったのが敗因。赤松杯、シアンモア記念はマイルの忙しい競馬が合わなかった。またケイジータイタンとのマッチレースで2着に敗れたが、0秒1の僅差。
そのうっ憤をトライアル・あすなろ賞で晴らした。今度はベストの水沢2000mが舞台。道中ゆったりと流れる競馬で最大能力を発揮し、桐花賞と同じ条件で古馬頂点に立つか注目。
ケイジータイタンは今年の目玉。中央ダート4勝・準オープンからアッサリ転入2連勝を飾った。シアンモア記念は明らかに距離不足。逃げたライズラインの2番手を追走したが、直線伸びを欠いて3着に敗れた。
その後はみちのく大賞典1本に絞って調整。中央4勝を1700m以上にマークし、2000mは待ちに待った条件。待望の初重賞に王手をかけた。
モズは芝2400m・かきつばた賞を逃げ切り勝ち。小回り1400mの盛岡芝で1周目ゴールで走るのをやめるハプニングがあったが、高橋悠里騎手は折り込み済み。1コーナーから再度加速し、後続の追撃を断ち切った。
また凡走する可能性あるのは確かだが、今季はレースに集中しているのが収穫。無類のタフさとスピードを前面に重賞2連勝するか。
ワットロンクンは南関東から昨年暮れに再転入。2戦目の桐花賞で3着に善戦した。今季始動は5月までずれ込んだが、自らハイペースを形成して逃げ切り勝ち。叩かれて気配さらにアップした。
◎(6)コミュニティ
〇(8)ケイジータイタン
▲(5)モズ
△(1)ワットロンクン
<お奨めの1頭>
6R ラッキーゴールド
前走がうれしい今季初勝利。これが村上忍騎手の通算2500勝目となった。距離延長も問題なく連勝濃厚