27日メインはオープン重賞「第47回すずらん賞」。昨年までは準重賞で実施され、青藍賞のトライアル戦だったが、今年は開催時期も10月末に移行。距離も1600mから盛岡ダート1800mへ延長された。すずらん賞が重賞へ再格上げされたのは2017年以来となった。
本命をノーブルサターン、ミニアチュールのどちらを指名するか迷ったが、ノーブルサターンを主軸視した。昨年、重賞4勝をあげて年度代表馬に選出。満場一致の結果だった。
今季も前年と同様、赤松杯から始動。4着にまとめ、マズマズの成績で2連覇を狙ってシアンモア記念へ登場。2番人気に支持されたが、伸びを欠いて3着。本来の動きではなかったため、放牧。リフレッシュに専念した。復帰まで4ヵ月半と思った以上にかかったが、ボウトロイのハナ差2着に惜敗。上々の滑り出しを切った。
ノーブルサターンは叩き良化型タイプ。昨年も赤松杯4着からシアンモア記念を優勝。秋も休み明け2戦目から北上川大賞典、トウケイニセイ記念、桐花賞と重賞3連勝。一度実戦を使われると反応が一変する。休み明け2戦目で重賞・すずらん賞制覇に王手をかけた。
ミニアチュールは昨年、牡牝馬クラシック四冠を制し、3歳最優秀馬の座を獲得。川崎・ロジータ記念以降は精彩を欠いて凡走を繰り返し、古馬の壁に突き当たっていた。今季初戦の赤松杯でも11着に大敗を喫したが、2戦目に盛岡1000mを選んで完勝。これが転換点となり、7月から快進撃。
牝馬準重賞・フェアリーカップ、牝馬交流・ビューチフルドリーマーカップと連勝。強豪遠征馬を一蹴した。前走・ヴィーナススプリントは地元牝馬が相手で圧倒的1番人気に支持されたが、よもやの出遅れ。後方2番手からの競馬を余儀なくされたが、鮮やかなまくりを決めて快勝。周囲を驚かせた。
今度は年度代表馬ノーブルサターン、今春の主役を演じたグランコージーなど牡馬一線級が相手。真価を問われる一戦を迎えたが、勢い重視。突破すれば今後も中心を演じれる。
ライアンは2歳時に船橋重賞・平和賞を制し、3歳時には南関東クラシック一冠目・羽田盃2着。その後はスランプに陥り、中央障害3戦を経て転入。赤松杯2着、シアンモア記念4着から芝からダート変更の交流・せきれい賞を快勝。続くかきつばた賞2着から2ヶ月休養に入って今回から復帰。一連の安定度から上位争い必至。
グランコージーは春から快調に飛ばしてマイル戦で3連勝。赤松杯、シアンモア記念で逃げ切りを決めた。その後は勝ち星から遠ざかり、迫力が薄れた印象もあったが、暑さもこたえたか。前走・青藍賞4着で復調の兆しがうかがえた。
サクラトップキッドはフジユージーンの陰に隠れていたが、不在だった重賞・やまびこ賞を完勝。待望の初重賞を獲得して不来方賞6着から重賞・青藍賞へ挑戦。初の古馬対戦だったが、直線鋭く伸びて3着。これで通用のメドが立った。
ゴールドギアは昨年の最優秀ターフホース。ダートでは未勝利だが、あすなろ賞2着、一條記念みちのく大賞典3着など上位を確保。ここでもマークが欠かせない。
◎⑥ノーブルサターン
〇⑤ミニアチュール
▲②ライアン
△③グランコージー
△①サクラトップキッド
△⑦ゴールドギア
<お奨めの1頭>
1R ルクスリーベン
門別から転入戦を2着にまとめて上々の滑り出し。盛岡1000m2度目で首位を奪取する
10月20日(日) 「第44回若駒賞」(2歳 盛岡ダート1600m)
外枠からシャルトルブルーが先手を主張。2番手外にステイクラッシー、3番手にコニパ。マツリダマスラオは外の動きを見ながら4番手インに控える。スタートで若干出遅れたミヤギヴォイジャーは5番手まで押し上げ、6番手ラヴェイ、その後ろにマルケイロジャー、ユウユウコラソンは前走・ネクストスター盛岡と同じく後方待機策を取った。
3コーナーでシャルトルブルーが失速し、替わってステイクラッシーが先頭。後続も一気に先団に取り付ける。残り200mで大外からユウユウコラソンが先頭に立ったが、マツリダマスラオが最内ステイクラッシー、中コニパの間を割って一瞬で抜け出す。最後は外ユウユウコラソン、内マツリダマスラオの争いとなったが、マツリダマスラオが1馬身リードしてゴール。3着はメンバー最速の上がりを使ってマルケイロジャーが突っ込んだ。
1着・マツリダマスラオ=村上忍騎手
「今日は1600mだったので流れが落ち着くだろうと思っていた。すんなりなら逃げてもいいし、外の馬が行くなら控えてもいいと思っていたが、結果的に内側で脚を貯めることができたのも勝因だった。どこかで行くところを考えていたら何とか1頭分だけ開いたので、そこを選んだところすごく反応が良くてボク自身も助けられた。これまで重賞でも健闘してくれたが、勝てなくて歯がゆい思いをした。ですが、今回ようやく勝ってくれて感謝している。この馬はどんなパターンの競馬にも対応ができるので、これからの成長が楽しみ」
菅原勲調教師
「いつも調教ではいい動きをするが、なかなか結果が出なかった。馬っ気が強くてレースに集中できない感じだったが、今日は弾けてくれていい内容だった。来年はさらに良くなってくれると思う。次走予定は南部駒賞。北海道勢が強いのは分かっているが、現時点での馬のレベルを知る格好のレースになるはずです」
マツリダマスラオはニシケンモノノフ産駒でデビュー2戦目を完勝。重賞・若鮎賞でも2着を確保したが、菅原勲調教師のコメントどおりムラなタイプ。ビギナーズカップで7着に凡走した。今回は内に入れたのも好走要因。馬群をこじ開ける競馬に持ち込んでレースに集中させた。ネクストスター盛岡でも報告したが、ポマイカイは短距離路線へ、サウザンドマイルは剥離骨折で休養。南部駒賞はマツリダマスラオが地元大将格で臨むことになる。
2着・ユウユウコラソン
ネクストスター盛岡と同じく後方待機策。3コーナー手前からスパートをかけ、直線は外から鋭く伸びてきた。最後は甘くなったが、ネクストスター盛岡3着が伊達ではなかったことを証明した。
今週の岩手競馬
10月27日(日) メイン11R「第47回すずらん賞」(オープン 盛岡ダート1800m)
10月28日(月) メイン12R「スプリント特別」(オープン 盛岡ダート1200m)
10月29日(火) メイン11R「YJSトライアルラウンド盛岡第2戦」(C1級 盛岡ダート1600m)
10月20日に行われた2歳馬の重賞『若駒賞』は2番人気のマツリダマスラオが優勝。自身四度目の重賞挑戦で待望の初タイトル獲得となりました。
ここまでの2歳重賞勝ち馬が不在で混戦ムードが濃かった今年の若駒賞。レースはスタート直後の様子をうかがい合うかのような先行争いを経て3番人気ステイクラッシーがじわっとハナへ。マツリダマスラオを含む人気上位馬はその後ろで塊になっているような展開になりました。
内内でロス無く進もうとしていたマツリダマスラオはなかなか進路が開けずにいたものの、直線半ばでわずかに開いた隙間を突いて抜け出すと一気に加速。その時には大外からユウユウコラソンも伸びてきていましたが、ここはマツリダマスラオの瞬発力が優りました。
同馬は今年の岩手競馬の最初の2歳新馬戦でデビュー、その後も世代上位の一角として戦ってきましたが重賞では一歩及ばずの結果が続いていました。重賞での"四度目の正直"で見事重賞制覇達成です。
10月22日のメインレースは12Rの『夢・希望 未来へ前進』、ダート1600mの12頭立てです。
一気に寒さが増し、季節が進んだ印象になった今週の盛岡競馬。特に日没後は寒いなと感じるようにもなってきました。
ですが、日中は、10月下旬としては暖かいですよね?改めて調べてみたら去年も最高気温は高めが続いていましたが朝晩は、10月も最終週の頃は最低気温ひと桁の、それも下の方が当たり前になっていました。今年もこれから寒くなっていくんでしょうが、何かまた少し様子が違う秋ですね。
さてレースの予想に行きましょう。本命は(2)ウイニングライブとしました。
転入後3戦を3着→2着→1着ときて前走がその初勝利。とはいえそれが恵まれたものという印象はありません。そもそもJRA時代は芝のみの戦績でダートは岩手で初めて。コース慣れ、岩手の水に慣れながら力を発揮できるようになってきていたと考えるのが妥当でしょうし、左回りが良かったという見方もできるはず。相手強化感はありますがこちらもまだ伸び代があると見ました。
対抗は(5)メイショウメイスイを。前走は得意の雨馬場が味方になった分と、夏を過ぎて調子を上げてきた分との勝利だったでしょう。例年秋口頃に涼しくなった頃、湿った馬場で好走し始めるタイプ。そろそろこの馬のシーズンに入ってきたと判断。
三番手は(11)ドリームキャッチ。古馬編入初戦だった前走は6番人気ながら2着。今日の11Rのメンバーと互角に渡り合えているのですから力は足りると考えていいはず。今開催はその日の後半のマイルが差し決着になりやすい印象で、なんとなれば後方からでも戦えるこの馬には今の馬場は合うのでは、という期待も。
以下、もう少し外枠が良かったですが今の勢いを軽視できない(7)ビッグタマテルーフ、馬体重増加傾向が気になりますが力量は遜色ない(10)ケープライト。思い切って後方から来るタイプが穴になるかも。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(2)=(5)、(2)=(11)、(5)=(11)、(2)→(7)、(2)→(10)
岩手競馬の全レース予想を公開中!「岩手競馬・勝ちそーチャンネル」へ
「第37回マイルチャンピオンシップ南部杯」のミックファイアについて補足報告をしてみたい。レモンポップ、ペプチドナイルの稀にみるマッチレースに沸いたが、ミックファイアも積極的に攻め続けた。3番手にサヨノネイチヤがつけたが、その内を追走。終始、追い詰めだったが、前2頭に接近を図った。
レース前、吉原寛人騎手が「負かしに行く競馬をしていいですか」と聞いたところ、渡邉和雄調教師は「もちろん。勝つために来たんだから」と答えたそうだ。結果4着だったが、着狙いではなく負かしに行った結果。「5ヵ月ぶりの実戦だったが、体が立派になって逞しくなった。しっかり競馬をしての4着だったので納得」のコメントは以上のことから。
ペプチドナイル、藤岡佑介騎手のコメントではないが、ミックファイアは真っ向勝負に出た。この日、渡邉和雄調教師の父・和泰さんも盛岡競馬場にやってきた。渡邉和泰元調教師は第1回南部杯を優勝グレートサーペンを管理した調教師だった。
ミックファイアは最後のダービーグランプリを制して以降、白星から遠ざかっている。古馬の壁に突き当たっているが、東京大賞典8着、フェブラリーステークス7着、かしわ記念5着、そして今回、南部杯で4着。着実に着順がアップしている。また「プラス15キロは成長分」と吉原寛人騎手も語っていた。無敗で南関東三冠馬になったように、再び大仕事をやってくれると信じている。
21日メインはB2級「オクトーバーカップ」(盛岡ダート1600m)。前開催から3歳馬が古馬編入したが、各レースで3歳馬の活躍が目につく。この特別も3歳馬を重視した。
ジェイエルジェティは中央ダートで8戦2着2回3着1回。1番人気2回、2番人気3回と期待の大きさがうかがい知れる。転入戦でいきなり3歳牝馬重賞・オータムティアラに名乗りをあげて6着に終わったが、自己条件のB2級を0秒8差で完勝。待望の初勝利を飾った。レース内容も2番手キープから4角先頭と文句なし。B2クラスは単なる通過点。2連勝を飾り、B1編入へ弾みをつける。
カウネウスは中央芝で2着1回3着1回から転入。初戦の3歳C1戦を快勝し、オータムティアラに駒を進めて5着。ジェイエルジェティに先着を果たした。前走はアッサリ逃げ切りを決め、こちらもB2卒業は時間の問題。逃げにこだわるタイプではなく、逆転2連勝を狙う。
キタノコンドルは今年5月、中央未勝利から岩手入りして3勝2着2回3着4回。着外は3走前の3歳A級6着一度のみ。他はすべて入着を果たし、前走もカウネウスの0秒1差2着。相手なりに駆ける堅実さを身上とする。勝つまではどうかだが、流れ次第で2頭に割って入るシーンも十分考えられる。
シゲルヒカルダイヤは中央ダート2勝、園田1勝・B2から転入。C2スタートにも恵まれてあっさり2連勝を飾った。3戦目は後方のまま7着に終わったが、B2昇級の前回快勝で軌道修正。ここでも上位争いの一角を形成する。
エイシンガネーシャは中央ダート1勝、園田5勝、南関東0勝、笠松1勝と転籍して転入。A級で3着4回の成績を収め、3走前からB2へ降格。夏負けの影響もあって2戦着外だったが、前走3着で復調ムード。マークが欠かせない。
ベアビリーブは水沢0勝だが、盛岡は2勝2着3回。典型的なサウスポーで前走も2着を確保した。有力馬がもたつけば軽視できない。
◎⑨ジェイエルジェティ
〇④カウネウス
▲①キタノコンドル
△⑧シゲルヒカルダイヤ
△⑤エイシンガネーシャ
△②ベアビリーブ
<お奨めの1頭>
6R ヴェロクオーレ
圧巻の手応えで転入初戦を圧勝。走破タイムも破格だった。同じ1200m戦なら追いかける一手
20日メインは2歳重賞「第44回若駒賞」(盛岡ダート1600m)。1着馬から3着馬まで11月17日(日)に行われる地方競馬全国交流・南部駒賞(水沢1600m)の優先出走権が与えられる。
当初、ネクストスター盛岡を快勝したポマイカイの登録もあったが、レース回顧で報告したとおり出走を見送った。距離1600mが長かったことと、成長期に入ったので無理をさせたくないとの判断。今後、2歳重賞はすべて1600mが舞台。来期の短距離重賞へ向けて休養に入る可能性が高い。
またサウザンドマイルは1番人気2着に入ったが、レース後に剥離骨折が判明。幸い経度で済んだので骨片を除去して休養に入り、復帰は来春になる模様。そのため現2歳トップ2が不在の若駒賞となった。
本命はミヤギヴォイジャー。デビュー戦はステイクラッシーに惜敗2着だったが、2戦目を完勝。3戦目6着、続く一戦2着、ジュニアグランプリ6着。2度の着外はいずれも自分のポジションが取れなかったため。前回快勝で軌道修正に成功した。2勝は水沢が舞台。盛岡は2着1回が最高だが、コースの苦手意識はない。ルーラーシップ産駒でセレクションセール出身馬の期待馬。重賞挑戦2度目で初タイトルを手にする。
マツリダマスラオは芝からダート変更となった今シーズン第一弾の2歳重賞・若鮎賞でサウザンドマイルの2着。能力の高さを証明したが、ビギナーズカップで2番人気に支持されながら、出遅れを喫して後方のままに終わった。しかしネクストスター盛岡で4着に巻き返して上昇ムード。馬っ気が強く集中力を持続できるか否かがカギだが、あっさりの潜在能力を秘めている。
ステイクラッシーはデビュー戦を快勝直後、遠野馬の里へ移動して放牧。若鮎賞は初戦850mから一気に1600mへ延長されたが、強じんな粘りを発揮して3着。続く一戦をミヤギヴォイジャー相手に逃げ切りを決め、うっ憤を晴らした。気になるのはビギナーズカップ10着、ネクストスター盛岡11着に大敗したことだが、今度は揉まれる心配のない大外10番枠。一転して首位奪取のシーンまで。
ラヴェイは門別1000m・2歳新馬戦を4角先頭で完勝。4戦目のJRA札幌・クローバー賞へ挑戦8着後、岩手入り。初戦を2着にまとめたが、ネクストスター盛岡は後方のまま10着。評価に迷うところだが、重賞挑戦2度目で反撃に転じる。
マルケイロジャーは実戦を使われながら成長を続け、3戦目から2連勝。控える競馬を身につけて前走も2着。メンバーは骨っぽくなったが、相手なりに駆ける堅実さで上位進出を狙う。
ユウユウコラソンは2勝目快勝後、2戦凡走したが、ネクストスター盛岡で10番人気ながら3着。ペース速くなれば再現まで。
◎⑤ミヤギヴォイジャー
〇②マツリダマスラオ
▲⑩ステイクラッシー
△⑥ラヴェイ
△④マルケイロジャー
△①ユウユウコラソン
<お奨めの1頭>
8R マムティキング
A級でも勝ち負けを演じ、B2降格後はアッサリ2連勝。今回はB1昇級だが、もちろん格上の存在。3連勝を決める。