10月6日(日) 「第2回ネクストスター盛岡」(2歳 盛岡ダート1400m)
最内1番枠に入ったラポジートが逃げ、2番手にポマイカイ、3番手にピカンチフラワー、4番手にマツリダマスラオ、1番人気サウザンドマイルはその後ろを追走した。ラポジート、ポマイカイは快速で知られた2歳馬。前半35秒9は2歳馬としてはハイペースだった。
4コーナー手前まで隊列はほぼ変わらなかったが、ポマイカイが徐々にラポジートに接近。直線入り口で先頭に立ち、後続も一気に進出してきたが、前半のリードした分も味方に、2着サウザンドマイルに1馬身半差をつけて押し切った。
1着・ポマイカイ=高松亮騎手
「菅原勲きゅう舎の馬に乗るのは久々でしたから、騎乗依頼を受けて以降、レース前までは少し緊張した。ですが最高の形で勝つことができてホッとした。前半は行く馬がいたので出しすぎず置かれすぎず。ペースは速かったと思うが、2頭とも行く馬なのでリズムを大事にした。勝負どころから動こうと思っていたら、馬も反応してくれた。さすがに最後は脚が上がり気味になったが、頑張ってくれました。前走(ビギナーズカップ2着)から折り合いがつくようになったので、自信を持って臨んだ。騎乗チャンスをいただき、恩返しができました」
菅原勲調教師
「今回の追い切りも最高に良かった。課題だった折り合いも問題がなかったし、前半の貯金も大きかった。初騎乗だったが、鞍上もうまく乗ってくれた。おそらく1400mはぎりぎりの距離。1200mがベストだと思う。そうなると今後の重賞は距離が合わない。それにようやく状態が良くなってきたので無理はさせたくない。もしかすると来春に向けて休養に入るかもしれない」
ポマイカイは今年春、早池峰スーパースプリント(水沢850m)を優勝したダイセンメイトの弟。父がコパノリチャードからベストウォーリアに変わったが、2戦目から行きたがって折り合いに苦労するレースの連続。しかしビギナーズカップから精神面の進境度がうかがえ、今度は完勝。収穫の多い一戦となった。レース後の雑談で菅原勲調教師が語った。「このまま成長してくれたらいっしょに遠征してみたい。ラブバレットのように」
2着・サウザンドマイル
デビュー2戦目から2連勝を飾り、芝からダート変更の若鮎賞を6馬身差で圧勝。続くジュニアグランプリは北海道勢の壁が厚く3着だったが、自身の盛岡1600m持ちタイムを2秒更新。今回は地元同士の戦いで1番人気に支持されたが、1400mでは距離不足だったか。直線猛追したが、2着にとどまった。なおレース後、軽い剥離骨折が判明。復帰は来春になる可能性が高い。
今週の岩手競馬
10月13日(日) 「ポルックス賞」(C1級一組 盛岡ダート1600m)
10月14日(月) 「第37回マイルチャンピオンシップ南部杯」(JpnI 盛岡ダート1600m)
10月15日(火) 「スプリント特別」(オープン 盛岡ダート1000m)
10月6日に行われた2歳馬の重賞級認定競走『ネクストスター盛岡』は3番人気のポマイカイが優勝。5月に新馬戦を制してからの約5ヶ月ぶりの勝利を重賞タイトルで飾りました。
レースは戦前の予想通り2番人気ラポジートがハナに立って開幕。ポマイカイは外枠から好スタートを決めて2番手を確保します。それなりによどみのない流れ、後続は、結果的にはこの前の2頭を見ながら進む形。いわば目標になる形になった同馬でしたが鞍上・高松亮騎手は「自分の馬のリズムを大事にしていました」とあくまでも折り合い重視のスタンス。
後続が徐々に迫ってきた3~4コーナー、ここで勝負をかけて先頭を奪うポマイカイ。ロングスパートをかけた形になった同馬の脚色はさすがに徐々に衰え、一団となった後続が急激に詰め寄ってきますが、ゴールでは1馬身半、まだまだ縮まらない差がそこにはありました。
ポマイカイはこれで7戦2勝、重賞は3度目の挑戦で初勝利。次戦は「適距離が地元にないので早めの休養入りも含めて検討中」と管理する菅原勲調教師でした。
1番人気サウザンドマイルは最後追い詰めてきましたが及ばずの2着。3着は一団の中から10番人気ユウユウコラソンが食い込んできて馬番3連単は19万3240円の波乱の結末となりました。
10月8日のメインレースは12Rです。B1級ダート1600mの『ハダル賞』、12頭立てです。
"10月8日"というとカレンダーの位置的には例年南部杯が行われている頃。大体概ね8日~10日頃に行われますからね。しかし今年はカレンダーの配列上一週間ずれた形になって南部杯は来週14日の開催。先週あたりまではまだ残暑残暑と愚痴をこぼしていましたが、10月も中旬が見えてくるとさすがに寒さも感じるようになってきました。来週も朝晩の冷え込みがはっきりしてくる模様。秋を飛び越えて冬が来るのではないかと戦々恐々です・・・。
さて予想に行きましょう。ハダル賞の本命は(11)トーセンカタリーナを採りました。
3歳の昨年は芝の方が良いのかという印象もあった同馬ですがマイルくらいの距離ならダートでも問題なく、直近では4戦して2勝3着1回の安定した成績を挙げてもいます。前半戦は勝ち星がなかったのですが、それにしてもB1級の上位組で、ほとんどが勝ち馬から1秒圏内だったのですから、やはり地力はあるという評価だ妥当でしょう。
他の馬が作った展開に左右されがちなタイプゆえに人気を背負う方になると不発にもなりやすい。地力接近で人気も割れるここくらいの方がむしろ戦いやすいし、力量を発揮できると見ました。
対抗は(7)カミノカガヤキ。転入後4連勝、非常に安定した戦いぶり・安定して強さを発揮する走りは古馬編入のここであっても魅力的なもの。戦績から距離にまだ課題があると考えて対抗に留めましたが勢いは軽視できないものです。
三番手は(2)エラボレート。近年は長めの距離に特化したような戦績ですが少し前はマイルが主戦場。軽い馬場ですんなり前に行ければ・・・の怖さは今でもあるはず。
ヒモはまず(8)ツルマルベル。先の盛岡開催時は外捲りがハマるコース傾向を味方に連続好走していました。今開催はそこまで極端な傾向ではないのですがワンターンのコースが戦いやすいタイプなのは確か。もう一頭は(3)モールを。A級やB1で戦っていた馬の中では頭打ち感を感じさせる近走ですが、夏頃は古馬の今回位のメンバー相手に勝ち負けしていましたし実際時計も互角。人気の盲点、穴狙いならこの馬。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(11)=(7)、(11)=(2)、(7)=(2)、(11)→(8)、(11)→(3)
岩手競馬の全レース予想を公開中!「岩手競馬・勝ちそーチャンネル」へ
前日6日から舞台は盛岡競馬場へ替わったが、もう一つ大きな変更がある。今開催から3歳馬がすべて古馬へ編入。未対決のケースが一気に増え、馬券検討に新たなファクターが加わった。
過去のセオリーは古馬B2クラスまでなら3歳馬が優位。もちろん例外は多くあるが、一つの基準として頭に入れてほしい。ただ、今シーズンの3歳戦線は総じてタイムが速い傾向にある。また中央からの転入馬が例年以上に能力の高さが目につく。これから修正をかけながら予想を組み立てていくが、以上のことを参考にしてほしい。
余談だが、8日メインの「ハダル賞」(B1級一組 盛岡ダート1600m)の本命は3歳馬カミノカガヤキとした。上記セオリーから外れるが、中央未勝利から転入後、ハイタイム連発で4連勝中。レースパフォーマンスも文句なしだった。果たして古馬B1級も突破できるか、興味深い。
7日メインは岩手県調騎会騎手部会協賛「夢・希望 未来へ前進」(B1級三組 盛岡ダート1600m)。各馬が一長一短のメンバー構成で、どの馬にもチャンス十分の一戦となった。
主軸にソロムコを指名する。今シーズンはエンジンのかかりが遅く、最高3着までが続いていたが、前々走のB1・B2級(盛岡ダート1600m)を快勝。待望の勝利を手にした。前走は3着に終わったが、スローに落とされたのが致命傷。自身はいい脚で伸びてきたが、流れに泣いた一戦だった。今度は3勝2着2回3着5回と盛岡で馬券対象をすべて果たしてきた盛岡マイル戦。前走のうっ憤を晴らす。
ウイニングライブは新潟芝2000m1勝から転入。ダート未経験が不安だったが、水沢2戦3、2着で問題ないことを証明した。前走ではソロムコに先着2着も評価材料。懸念は当日輸送による競馬でテンションが上がらないかだが、克服ならあっさり首位まで十分。
メイザーキックは中央芝2着3回、東京ダート1400m2着1回から岩手入り。初戦3着から3歳牝馬重賞・オータムティアラに挑戦したが、1900mが長く早々と失速。11着に終わった。今度は1600mへ短縮されて本領発揮。東京1400mで2着なら左回り=盛岡は望むところ。
バードハズフロウンは南関東C1から転入3戦は苦戦したが、4戦目のB2特別・ジューンカップを完勝。距離延長を味方にした。以降は本来の動きを取り戻して2戦連続2着。前走は9着だったが、レース間隔が開いたことも影響。ひと叩きされて反撃に転じる。
アーバンキッドは今季未勝利ながら2着1回3着3回で健在を誇示。近走は入着一杯だが、メンバーが甘くなった。
ロッキータイタンはB1昇級戦で3着を確保して通用のメドが十分立った。
◎(7)ソロムコ
〇(8)ウイニングライブ
▲(6)メイザーキック
△(5)バードハズフロウン
△(2)アーバンキッド
△(10)ロッキータイタン
<お奨めの1頭>
4R マウリノ
転入戦2着は3ヵ月ぶりの実戦も影響した。ひと叩きされて上昇確実。今度は首位奪取のシーン濃厚。
今週から舞台は盛岡競馬場へ替わり、10月14日(月)、「第37回マイルチャンピオンシップ南部杯」(JpnI 盛岡ダート1600m)で最大イベントを迎える。開催替わり初日6日メインは2歳重賞「第2回ネクストスター盛岡」(盛岡ダート1400m)。昨年はフジユージーンが圧勝し、以降の活躍も周知のとおり。今年は絶対的王者は不在だが、フジユージーンに続く大物誕生を期待したい。
サウザンドマイルはデビュー戦、850mが短すぎた上、距離不足と砂を被る競馬にもとまどって2着に終わったが、ひと叩きされて反応が一変。2戦目は好位からあっさり抜け出して快勝。芝からダート変更された重賞・若鮎賞を6馬身差で圧勝した。前走、地方競馬全国交流・ジュニアグランプリは3着に敗れ、北海道勢が1、2着を独占。サウザンドマイルは若鮎賞のタイムを2秒詰めたが、地区レベル差は如何ともしがたかった。その後はネクストスター盛岡に合わせて調整を進めて態勢万全。地元同士なら主役は譲れないだろう。
ラポジートはデビュー戦から非凡なスピードを披露。サウザンドマイル相手に1秒3差をつけて逃げ切り圧勝。2戦目も1秒2差で逃げ切ったが、3戦目は7着に大敗。気難しい面をのぞかせ、今後に課題を残す一戦だったが、ビギナーズカップを完勝。前半は2番手に控えて3コーナー手前で先頭に立ち、そのまま押し切って完勝。軌道修正に成功した。最内1番枠が微妙だが、勢いに乗った今なら重賞2連勝まで十分。
ポマイカイは重賞・早池峰スーパースプリント(水沢850m)を優勝したダイセンメイトの弟らしく、デビュー戦の盛岡ダート1000mを1秒8差で圧勝。血の優秀さをアピールしたが、2戦目は道中で掛かりっ放しで2着。3戦目は1600m延長もこたえて6着。前途に暗雲が立ち込めたが、1400mへ短縮されて反撃。2戦連続で2着を確保し、ビギナーズCでは折り合いついたのが最大収穫だった。
ラヴェイは門別1000mの2歳・新馬戦を完勝。4戦目にはJRA札幌・クローバー賞(芝1500m)へ挑戦後に岩手入り。初戦はサンカリプソに敗れたが、2着を確保。この一戦と叩いてネクストスター盛岡は当初の予定どおり。左回りは未経験だが、盛岡は地元コースなら問題ない。
マツリダマスラオはデビュー戦2着から2戦目を快勝。以降も2着1回3着2回にまとめ、若鮎賞2着にまとめたが、前走・ビギナーズCで7着。出遅れを喫した上、見せ場すらも作れなかった。敗因はレースに集中できなかったこと今回が真価を問われる戦いとなる。
ピカンチフラワーは今シーズン第一弾の2歳新馬戦を4馬身差で圧勝。幸先のいいスタートを切ったが、2戦目は2着に敗れて戦列離脱。ビギナーズCは3ヵ月ぶりの実戦ながら3着確保。ひと叩きされてさらに良化確実。
◎⑫サウザンドマイル
〇①ラポジート
▲⑩ポマイカイ
△⑪ラヴェイ
△③マツリダマスラオ
△⑦ピカンチフラワー
<お奨めの1頭>
2R メイショウハコブネ
デビュー2戦で芝を使って前走ダート1700m6着から転入。先行力もあり、初戦からいける
9月29日(日) 「第11回ヴィーナススプリント」(牝馬オープン 水沢1400m)
単勝130円の圧倒的1番人気に支持されたミニアチュールがよもやの出遅れ。まったく予期しなかった後方2番手からの競馬となった。逃げたのはトーセンキャロル。これも意表を突かれたが、盛岡3勝2着2回に対し、水沢は3着すらなし。本質的には切れ勝負型だが、山本聡哉騎手はコース特性を考えて思い切った戦法に出た。
2番手には前走OROターフスプリント5着からそのまま岩手入りしたジュランビル、3番手にグットフォーチュン、4番手インにケープライト。続いてラッピングカラーズ、ルチルクォーツの隊列。ミニアチュールは腹をくくり、後方待機先を取り、コースロスなくレースを進めた。
向こう正面でミニアチュールが満を持して前へ進出。先行グループも隊列は変わらず、逃げトーセンキャロルの外でジュランビルが馬体を併せにかかる。一方、2番人気グットフォーチュンは手応えが怪しくなって徐々に離されていき、その外からミニアチュールが外を回って進出する。直線はトーセンキャロル、ジュランビルの戦いに持ち込まれたが、直線半ばからミニアチュールが猛追。外から一気に伸びて2頭をまとめて差し切った。
1着・ミニアチュール=佐々木志音騎手
「レース前は外グットフォーチュンの動きを見ながら進めようと思っていたが、ゲートの中で態勢が悪くて出遅れてしまった。でも以前に盛岡1000mで砂を被っても怯まなかったので、慌てることはない。コーナーをロスなく回った方がいいと頭を切り替え、後方に待機して3コーナーからスパートをかけた。直線を向いても前の2頭とは離れていたので途中まで怪しいかなと心配したが、最後伸びてくれたので届いてくれると思いました。春先とは状態が全然違いますし、勝つたびに良くなっている感じがします」
佐藤祐司調教師
「ビューチフルドリーマーカップで力の差は分かっていたから、指示は出していない。勝ち負けする位置につけると思っていたが、まさかの出遅れ。ゲートを出た瞬間は(きゅう舎へ)帰ろうかなと思いました(笑)。あのポジションは想定外だったが、今回のような競馬もできて改めてビックリしている。鞍上が慌てず乗ったことも勝因だったと思う。次走については悩んでいるところ。南部杯の可能性もない訳ではありませんが、ローテーション的にきびしいので、次走はすずらん賞になるかもしれません」
ミニアチュールは昨年度の最優秀3歳馬だが、ロジータ記念以降はスランプが続き、古馬オープンの壁にも突き当たっていたが、今シーズン3戦目の盛岡1000m戦を完勝して壁を突破。これで4連勝をマークした。鞍上はずっと佐々木志音騎手。前走・ビューチフルドリーマーカップで初重賞を手にし、今回は痛恨の出遅れを喫しながらも快勝。佐藤祐司調教師のコメントにもあるとおり、慌てず馬の能力を信じてじっくり構えたのが最大の勝因。同騎手はミニアチュールとともに成長の階段を上っている。
今週の岩手競馬
10月6日(日) メイン11R「第2回ネクストスター盛岡」(2歳 盛岡ダート1400m)
10月7日(月) メイン12R「夢・希望・未来へ前進」(B1級三組 盛岡ダート1600m)
10月8日(火) メイン12R「ハダル賞」(B1級一組 盛岡ダート1600m)