8月25日に行われた2歳馬の地方競馬全国交流重賞『ジュニアグランプリ』は門別のキングミニスターが優勝。このレース4年連続の北海道勢の制覇となりました。
同じ北海道の遠征馬クリムゾンジュエルが逃げ、それをやはり遠征馬キングリーエアーがや地元岩手のサウザンドマイルが追う形の先行争いを序盤は少し離れた位置から見ていたキングミニスター。向こう正面半ばでペースが緩んだところで前との差をグッと縮めると3~4コーナーではするすると3番手まで接近。ですが、ひと足先に抜け出したキングリーエアーの脚色もなかなか鈍らず、そのままの形で流れ込むかと思われました。
しかしじりじりと差を詰めていったキングミニスターはゴール寸前で並びかけ、そしてわずかに抜け出したところがゴール。結果的には競り合いを力強く制した形で自身初の重賞タイトルを獲得しました。
同馬はデビュー戦以来の白星が重賞制覇に、山本聡哉騎手は意外にもこれが初のジュニアグランプリ制覇。そしてキングミニスターを管理する田中淳司調教師は調教師としてこのレース3連覇・5勝目を達成です。
8月27日のメインレースは9Rに組まれている岩手B1・JRA1勝クラスの条件交流戦『フレンドリーカップアンタレス賞』です。発走時刻は16時30分ですのでお間違えなく。また台風10号の影響で徐々に雨にもなる予報。天候の変化、馬場状態の変化にもお気を付けください。
このレースの本命は(5)ラジエーションとしました。
自身はこれが5戦目、勝ち星を挙げたのはやはり名古屋での条件交流戦でした。1勝クラスでの前走は11着に終わっていますが東京のダート1600mで直線坂下まで先頭を争うくらいの先行力を見せていた点には注目したいところ。名古屋で大差を付けて破った相手も現地で6勝を挙げていた実力馬でした。それを思えば、そして先行力を計算できるという事なら、ここでもっとやれていい・・・という評価になるでしょう。
対抗は(3)ゴールドクレストでどうでしょうか。前走は終いの切れ味を発揮しての直線差し切り勝ち。馬場傾向や展開が向いた分があったとしても、それだけとも思えない強さだった印象です。元々はJRA未勝利から地方に転出した馬ですがその後は南関B級、岩手でもA級である程度戦える位の経験を積んできています。ここでも互角と言いたい存在。
三番手は(11)オランジー。昨年7月に3歳未勝利の条件交流戦で盛岡マイルを戦っておりその時は3着でした。その後はいったん笠松に移籍、2勝を挙げてJRAに復帰して、1勝クラスでは勝ち星が無いものの大きな差もないと言える戦績。ここではコースに好走経験ありという事がアドバンテージになっていいはず。
以下はちょっと穴目を選んで(9)ホワイトパス、(10)アーバンキッドを。いずれも近走のデキは安定していますし、必ずしも過信はできないとしても意外性もある馬。雨馬場になって展開もつれれば出番あり・・・とみます。(横川典視)
●9Rの買い目
馬単(5)=(3)、(5)=(11)、(3)=(11)、(5)→(9)、(5)→(10)
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約2ヵ月半にわたって行われた盛岡開催も次週9月3日(火)でひとまず終了。9月8日(日)から1ヵ月の水沢開催へ移る。そうなると盛岡で積み重ねたデータはいったんクリアー。頭を水沢競馬に切り替えなければならない。その意味で今週、来週で勝負をかけたいところ。どうやら今週は良馬場の可能性が高く、時計はかかると見ていいだろう。
26日メインは岩手県調騎会騎手部会協賛「夢・希望 未来へ前進」(B2級二組 盛岡ダート1600m)。時計比較でも分かるが、実力伯仲のメンバー構成。有力各馬にチャンスありの一戦となった。
スペースクラフトは中央ダート3勝、高知B級を経て昨年6月に岩手入り。A級では荷が重かったが、C1~B1で2勝2着3回3着3回。8戦連続で馬券対象を果たした。今季はクラスもきつかった上、水沢が合わず凡走の連続だったが、3走前にB1からB2へ降格。2戦2着から前回快勝。待望のシーズン初勝利を飾った。時計比較では若干劣るが、復調度合いを重視。冒頭にも記したように盛岡とはしばらくお別れ。コース替わる前にもう1勝を稼ぎたい。
モールは今季2戦目を快勝したが、これが転入後の初勝利。以降も勝ち星を重ねて4勝2着1回3着1回。C1級特別を勝ってB2昇級戦は5着だったが、前々走3着から前回完勝。好タイムもマークした。再び上昇カーブを描き、あっさり2連勝まで十分。
ミユキザストロングは中央未勝利、笠松2戦2勝から再度、中央入り。1勝クラス・ダート1700mで2着3回を確保した。その後、南関東へ移籍して2着1回から転入。岩手B2編入は恵まれた格付け。先行力あるのも魅力で初戦から狙いが立つ。
メイショウメイスイは一昨年、南関東C1から転入。6勝をあげ、オープンでも3勝をマークした。昨年は1勝のみにとどまったが、今季初戦を快勝。幸先のいいスタートを切ったが、以降は2着2回が最高。好、凡走の落差が激しいが、前々走2着。前走も8着ながら1着馬とは0秒8差なら見限るのは早計。
サムズアップは大井2勝、門別2勝から昨年6月、園田B1から転入。長らく苦戦が続いたが、3走前4着から徐々に体調アップ。前々走2着、前走・オーガストカップ3着に健闘した。展開はまれば待望の岩手初勝利まで。
ピースワンパルフェは先行粘りが身上。好調馬がそろったが、好枠からマイペースに持ち込めば残り目一考。
◎(6)スペースクラフト
〇(7)モール
▲(5)ミユキザストロング
△(3)メイショウメイスイ
△(1)サムズアップ
△(2)ピースワンパルフェ
<お奨めの1頭>
1R リッチアロマ
南関東C1から転入初戦を1秒1差で圧勝。岩手C2では地力の違いを見せつけた。同じ1000mが舞台なら2連勝もらった。
25日メインは2歳・地方競馬全国交流「第26回ジュニアグランプリ」。過去25回はすべて芝1600mで行われたが、既報のとおり今年はダート変更。ジュニアグランプリでは初めて盛岡ダート1600mで実施する。
キングミニスターはデビュー戦の門別1700mを快勝。以降2戦も1700mを使って4着、2着。前々走は後に重賞・ブリーダーズゴールドジュニアカップを制したリコースパロー、前走は同レース2着ソルジャーフィルドが相手だった。
1700m戦を専門に使われているのは、おそらく血統背景による。父はシニスターミニスター、母父はキングカメハメハ、三代母の父がサドラーズウェルズ、四代母の父シャーリーハイツ(英ダービー馬)と現代では珍しくステイヤーの血が脈々と流れている。キャリア3戦で初輸送、初の左回りなど不安要素は少なくないが、激戦区・門別2歳戦線で鍛えられてきた。田中淳司きゅう舎3連覇に王手をかけた。
サウザンドマイルは2歳新馬・水沢850mは距離が短すぎた上、砂を被ったのもこたえて2着だったが、2戦目から余裕の2連勝。ダート1600m重賞へ変更した若鮎賞を1秒差で圧勝した。実戦を使われながら成長一途。地の利も生かせれば、北海道勢を相手にも好勝負を演じれる。
キングリーエアーは門別1100m・2歳新馬戦を快勝。2戦目は1700m延長にもとまどって7着に終わったが、3戦目は4着に反撃。ジュゲムーンが3馬身差で圧勝したが、2着とはハナ、クビ差と僅差だった。母はゴールドアリュール産駒で大井4勝ゴールドハーモニー。500キロを超す馬格を前面に上位争い必至。
キエティスムは門別1000mの新馬戦を2番手キープから抜け出しを決めて快勝。続く重賞・栄冠賞は後方のまま10着。前々走も最後方からの競馬からメンバー最速の上がりを使ったが、0秒9差4着。前走は後方2番手から7着と1000mの忙しい競馬が合わなかった印象。常識的には1000mのみから、いきなり1600m延長はマイナス材料だが、この馬の場合は例外。うまく流れに乗れれば侮れない。
ミヤギヴォイジャーはデビュー戦の850mは逃げたステイクラッシーを捕らえ切れず2着だったが、2戦目を0秒9差で圧勝。3戦目は初の盛岡にもとまどって6着だったが、コース2度目で2着確保。盛岡左回りにも慣れた。
クリムゾンジュエルはデビュー戦の門別1000mを逃げ切ったが、以降は5頭立て5着、6頭立て6着。ハナを楽に奪えた際に残り目があるかも。
◎(6)キングミニスター
〇(2)サウザンドマイル
▲(3)キングリーエアー
△(1)キエティスム
△(5)ミヤギヴォイジャー
△(8)クリムゾンジュエル
<お奨めの1頭>
6R エムティリラ
転入戦は2着に敗れたが、以降はハイタイムで逃げ切り2連勝。前走と同じ1400mが舞台なら、もう一丁いける
8月18日(日) 「第14回OROターフスプリント」(オープン・地方競馬全国交流 盛岡ダート1000m)
昨年は豪雨の影響で芝からダート変更。今年は走路悪化のため2年連続でダート1000mを舞台に行われた。最内1番枠からマッドシェリーが好スタートを決めて先手を採ったが、グットフォーチュンもハナを主張。2頭が競り合ったが、200mを過ぎて隊列が落ち着いた。3番手外にダイセンメイト、その外にスターオブケリー。イッツクールは前を見ながらレースを進め、5番手外を追走した。
マッドシェリーは終始、グットフォーチュンにプレッシャーをかけられ、何度か交わされそうになったが、ハナを譲らず4コーナーを回った。直線入り口でグットフォーチュンがクビほど抜け出したが、ラスト200mからマッドシェリーがもう一伸び。最後は半馬身差をつけてゴールに入り、ダート変更のOROターフスプリント2連覇を飾った。
1着・マッドシェリー=神尾香澄騎手
「この子は逃げ馬ですし、先生(山田質調教師)からも逃げてほしいと。枠も良かったのでゲートを出てからグットフォーチュンが楽に並んできた。もっと前へ出してくるようならハナを譲らないつもりでしたが、2頭で折り合いがつきました。道中でも何度か越されて、めっちゃしんどかったけど、結果、自分の方がハミを取ってグンと伸びてくれました。昨年の優勝が(自分の)初重賞でしたが、2連覇できて嬉しいです」
山田質調教師
「去年、遠征した時に輸送などもうまくクリアできていたので、芝なら芝でも良いしダートでも問題ないので、またこのレースを考えていた。枠も良かったので鞍上にもスタートを決めて、と話した。暑い時期だが、勝負根性もしっかり発揮してくれた。もう4年目ですが、長い間厩舎を支えてくれていて本当にありがたい馬です」
8月20日(火) 「第26回かきつばた賞」(オープン準重賞 盛岡ダート1600m)
マツリダワールドが枠差を利して強烈にハナを主張。それを見て同じ逃げタイプのグランコージーは2番手に控える。3番手外にスズカゴウケツがつけ、4番手インにファルコンビーク、5番手ライアン。スタートで後手を踏んだゴールドギアは気合いをつけて3コーナーでは3番手まで押し上げる。
3~4コーナー中間でグランコージーの手ごたえが怪しくなり、替わってスズカゴウケツが先頭。あとは直線を向いても脚いろは衰えず、そのままゴール。2着には仕掛けを遅らせて直線勝負に出たライアンが確保した。
1着・スズカゴウケツ=菅原辰徳騎手
「前に同厩(きゅう)のグランコージーがいたので3番手をキープして折り合いを重視。後ろから馬が来たら動こうと思って追い出したら、今日は反応が素晴らしかった。強いレースだったと思います」
千葉幸喜調教師
「暑い夏ですが、ずっといい状態を保っていた。3番手外は勝ったあすなろ賞と同じポジション。展開も向いたと思う。今回は準重賞だったが、2つ目のタイトルを取ることができて嬉しい。次走予定は青藍賞。ローテーションを考えても、それがベストだと思います」
8月18日に行われたダート1000mの地方競馬全国交流重賞『OROターフスプリント』。当初の芝1000mからダート1000mに変更して行われたレースは川崎・マッドシェリーが逃げ切り勝ち。同馬および鞍上の神尾香澄騎手は昨年に続いて連覇達成となりました。
芝からダートに変わっても問題なしという快速自慢が揃っただけあって1000mの戦いは序盤から激しい先行争いに。なかでもマッドシェリーと岩手・グットフォーチュンは2頭で先頭を奪い合いながら直線に飛び込み、そこでもさらに一進一退の攻防を繰り広げます。
手応えはグットフォーチュン優勢かと見えたゴール寸前、しかし盛り返したのはマッドシェリーの方。ゴールでの着差は半馬身でしたが力強く、決定的な勝利でした。
マッドシェリー、同馬を管理する山田質調教師、そして鞍上の神尾香澄騎手はいずれも昨年に続いての連覇。昨年はダート1000mのレコードタイムとして、今年はレース史上2頭目の連覇達成として、歴史に名を刻みました。
8月20日のメインレースは11Rの『かきつばた賞』。先に触れたOROターフスプリントしかり、先週取り上げたはまなす賞しかりで、このレースも本来は芝の準重賞だったものがダート1600mで実施されます。メンバー的には取り止めになったOROカップからの転戦組が約半数。ここから青藍賞を目指す馬も少なくなさそうな顔ぶれです。
さてこのレースの本命は(8)グランコージーです。
マーキュリーカップ後はダート変更になったOROカップに進んでというローテーションだった本馬でしたが、それが取り止めになってここに矛先を変えた形。結果的には1ヶ月ほどレース間隔が開いて、ローテーションに余裕ができたようにも見えます。
直近の二戦は良い結果になりませんでしたが春からシアンモア記念までの3連勝、それもいずれも逃げ切り勝ちは見事な戦績でした。ここも、同型がいたとしても逃げあるのみというレースをするでしょう。通常なら先行争い激化で・・・という話にもなるわけですが、今週の傾向は"少々先行争いが激しくなっても行ききってしまった方が有利"と言える状況です。パワーがある先行タイプのこの馬にとっては絶好の条件になったのでは。
対抗は(4)ゴールドギア。芝専用ではないとはこの馬が出てくるレースを予想する度に書いてきた事。そして末脚がもの凄く切れるタイプではないのでむしろ今週のようなパワータイプ向きのダートも悪くないはず。
(5)ライアンが三番手。小回りの水沢よりは盛岡の方がスピードに乗りやすい印象で、実際前走は2000mのせきれい賞でしっかり勝ちきっています。状態安定、コースも手の内に入っており勢い注目の存在。カギはやはり距離。シアンモア記念、同じ盛岡マイルのレースではグランコージーの逃げ切りを許しています。パワーを要求してくる馬場ももうひとつなのかも、と考えて▲の評価。
(7)ファルコンビークは前走で見せた直線の伸び脚に見せ場あり。その前走より歯ごたえが増した相手で同じ形になるかどうか?ですが、侮れなくなったのは確か。そして(2)マツリダワールドも、理想は単騎逃げですが揉まれず行ければ番手でもレースはできる馬。馬場傾向も味方になる可能性あり。この2頭を△としてピックアップします。(横川典視)
●11Rの買い目
馬単(8)=(4)、(8)=(5)、(4)=(5)、(8)→(7)、(8)→(2)
岩手競馬の全レース予想を公開中!「岩手競馬・勝ちそーチャンネル」へ