7月15日(月) 「第28回マーキュリーカップ」(JpnIII 盛岡ダート2000m)
内枠に入ったヒロシクン、メイショウフンジンが激しいハナ争いを演じ、ヒロシクンが先手を奪う。メイショウフンジンは一旦控えて外に出したが、その外にクラウンプライドがポジションを取って2番手をキープ。ロードアヴニールは中団インを追走し、9番手にテンカハル、ビヨンドザファザーは後方2番手からの競馬。
ペースが落ち着いた2コーナー。ヒロシクン、2番手外クラウンプライド、3番手インにメイショウフンジン、その外にグランコージー。後方ではまずテンカハルが動き始め、ビヨンドザファザーも徐々に進出する。
3コーナー過ぎ、クラウンプライドが馬なりでヒロシクンを交わして先頭に立ち、一気にピッチを上げていく。残り3ハロン12秒2-11秒4-14秒5。この数字どおり残り200mまでは独走状態に入ったかと思ったが、ラスト100mでガクンと減速。直線では内を突いてロードアヴニール、外からビヨンドザファザーが強襲したが、わずかハナ差ながらクラウンプライドがビヨンドザファザーを差してゴール。UAEダービー、コリアカップに続いて重賞3勝目、国内では初めてダートグレード競走を優勝した。
1着・クラウンプライド=横山武史騎手
「急きょ代打で騎乗したが、何とかいい結果を出せてホッとした。川田将雅騎手から万全のデキにはもう一つと聞いていたし、仕上がり途上の段階だったので接戦になったが、馬の力に救われた。個人的にはメイショウフンジンが逃げると思っていたが、どの馬が逃げようとも、この馬のリズムを大事にした。パワフルな馬で自らハミを取って押し上げる形になったが、リズム良くレースを進めることができた。最後は手応えが甘くなってヒヤッとしたが、根性で勝ってくれた。まだ成長途上なので、これからさらに良くなっていくと思う。コリアカップも強かったですし、国内外でも活躍できる馬ですから、無事に成長してほしいと思います」
新谷功一調教師
「今日は運を生かすことができて良かった。今日は7、8割ぐらいの状態。メンタル面とか競馬の仕方を試す場でもあったが、前半からハミを取っていつでも行こうとしていた。2、3番手はいいが、ロスがある競馬が避けたかった。道中で折り合った分、最後で伸びたと思う。現状でこの走りができたのは収穫。次走はオーナーサイドと相談して決めたいと思っているが、すでにコリアカップの登録は済ませている。昨年のコリアカップ後、紆余曲折があったが、勝ってくれたし、ファンの声援も聞こえましたから非常にうれしいです」
7月14日(日) 「第37回やまびこ賞」(3歳 盛岡ダート1800m)
逃げたのは大外コモリリーガル。2番手外に1番人気ラティサワー、3番手インにセイバイラック、4番手に2番人気サクラトップキッド。コモリリーガルがマイペースの逃げに持ち込んだが、サクラトップキッドが早めスパート。直線入り口で先頭に立ち、2着に6馬身差をつけて圧勝。待望の初重賞を手にした。
サクラトップキッドは重賞でも好走しながら、前半で首を上げて追走に手こずっていたが、東北優駿2着から一皮むけた印象。今回も好位追走ができるようになったのが最大の勝因。この後はJpnII・不来方賞へ向かう予定。
今週の岩手競馬
7月21日(日) メイン11R 「第4回いしがきマイラーズ」(オープン 盛岡芝1600m)
7月22日(月) メイン12R 「文月特別」(A級一組 盛岡ダート1600m)
7月23日(火) メイン11R 「スプリント特別」(オープン 盛岡ダート1000m)
7月15日に行われた今季の岩手での最初のグレードレース『マーキュリーカップ』。遠征馬10頭・地元馬4頭のフルゲートで行われたレースはJRAクラウンプライドが優勝。意外にも自身初の国内重賞制覇となりました。
逃げの手に出るのはJRAメイショウフンジンかと思われた今年のこのレースでしたがそのハナを叩いたのが地元のヒロシクン。そこにクラウンプライド、同じく地元のグランコージーも加わってメイショウフンジンは4~5番手あたりで動けない形に。
3コーナー、クラウンプライドがヒロシクンを捉えに行って先頭へ、これを合図にしたかのように後続勢も一斉に上昇開始。一足先に抜け出したクラウンプライドを目指します。
直線の坂にかかってもクラウンプライドのリードは3馬身ほど。このまま押し切るかと思われたのですがまだまだ決着はついていませんでした。内を突いたロードアヴニール、外から追い込んだビヨンドザファザーがクラウンプライドを追い詰め、交わしたかと見えたところがゴール。3頭一線のゴールではクラウンプライドがわずかにハナ差、リードを守り切っていました。
同馬はこれが昨年9月のコリアC以来、国内では2歳11月以来の勝利で国内での重賞勝ちも初。コリアC連覇を目指して貴重な勝利を手にしました。
7月16日のメインレースは12Rです。18時ちょうど発走の『夢・希望 未来へ前進』、B1級芝1600mの12頭立て。
先週までは開催日になってからのゲリラ豪雨のような大雨で芝のレースは取りやめになったりそうでなくても悪化した馬場状態になったりとたいへんでしたが、今週は、木曜以降ほとんど雨が降っていない事もあって良い状態での芝のレースが行われています。
この16日は8RのJRA条件交流戦とこの12Rと芝戦が2つ。ここも良い状態でのレースが楽しめそうです。突然の夕立とかなければいいなあ・・・。
さて12Rの本命は(7)アドマイヤハイジを採りました。
前走は同じB1条件の芝特別「朝顔賞」に出走して2着。自分はその時は、それ以前のダート戦での気配から評価を上げずにいたのですが、終わってみればさすが芝実績豊富な馬、2着とはいえ見せ場十分、存在感十分のレースぶりでした。
その前走時も雨が降り始めて少し緩み始めてもいた芝コースでの戦いだったのですが、それで中団からマクって2着というのは、これは本物の芝馬にしかできない芸当といっていいはず。JRA時代には札幌・函館での洋芝経験も豊富な馬。100m短縮がカギになるかもしれませんが、今度こその期待をかけてみましょう。
対抗は(1)ビルボードクィーンを。JRAから始まって各地を転戦、3歳時には一戦だけ岩手に在籍して重賞に出走したこともありましたが盛岡の芝は初めて。今回はそれがカギとなりますが、JRAに再転入した昨年は2勝クラスで勝てないまでも健闘していました。枠順も含め注目。
三番手は(8)リョウフウ。朝顔賞では4着でしたが最後方近くからまくり上げて上がり最速の脚を見せています。芝馬かどうかを計る手がかりのひとつが末脚で、芝馬はなんだかんだ言って他以上のキレをみせるもの。芝の経験はほとんどなかったこの馬でしたが前走を見る限り芝でもやれる手応えはあったと見るべき。
以下、直近の気配は決して悪くなく、芝も待ち望んでいたはずの(12)エムワンハルコ。マイルの大外はどうしても不利なので印はここまでですが軽視しすぎるのは禁物。(6)エイシンユカラは昨年の芝1000m準重賞ハーベストカップで上がり最速だった馬。前走は休み明けでしたし、100m短縮も変わる材料になり得ると考えたいですね。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(7)=(1)、(7)=(8)、(7)→(12)、(7)→(6)
岩手競馬の全レース予想を公開中!「岩手競馬・勝ちそーチャンネル」へ
<
本命は(9)クラウンプライドだ。様々な不利が重なった前走の結果はまず度外視。昨年のチャンピオンズカップから大敗が続いている形だが、同じ昨年のコリアCや帝王賞の走りを思えば近走の苦戦は力量以外の部分、運のようなところに敗因を求めて良いだろう。盛岡2000mは3歳時のJBCクラシックで当時の王者テーオーケインズと互角に渡り合った経験あり。少し間隔が開いた点も、日本と海外を股にかけて結果を出してきているこの馬なら大きな不安は無い。ここで復活の勝利を手にする。
(1)メイショウフンジンが対抗。3年連続のマーキュリーC挑戦、昨年は3着に食い込んでいてコース適性・コース経験に問題は無いと言える。前走のミトノオーのような強力同型がいないここなら本来の先行策で戦えそうだがなんとなれば番手でも競馬はできる。1枠からうまく流れを作れるかどうかがカギだろう。
三番手は(11)ギガキングを狙ってみよう。2歳時から盛岡との相性の良さをみせており遠征馬ながら盛岡での重賞勝ちが二度。一昨年のマーキュリーCでは5着を確保してもいる。その盛岡巧者ぶりは一目置けるしなにより鞍上が不気味。勝ち負けまでは過信できないにせよ馬券圏内の期待はかけてみていいだろう。
ヒモは3頭。まず(3)テンカハル。地方交流重賞では中団から攻めることもできるし左回り実績も豊富。気持ちよく流れに乗れれば上位に食い込んでくる。
(13)ビヨンドザファザーは展開に注文がつきやすい印象が否めないが盛岡のような適度に広くてタメが作れるコースは戦いやすいはず。
そしてもう一頭は(8)ケイアイパープル。前走を見る限り地方に転じても力の落ち込みはないし、であればこの春までメイショウフンジンらと互角に戦えていた馬。地方所属となって盲点になるようならむしろ狙い目にも。
★印
◎9
○1
▲11
△3
△13
△8
★買い目
3連単フォーメーション
1,9→1,3,9,11→1,3,8,9,11,13
ワイド
1-11、9-11、3-11
(横川典視)
岩手競馬の全レース予想を公開中!「岩手競馬・勝ちそーチャンネル」へ
15日メインは今シーズン第一弾のダートグレード競走「第28回マーキュリーカップ」(JpnIII 盛岡ダート2000m)。今年はマーキュリーCを皮切りに、4ヵ月連続でダートグレードが楽しめる。位置づけは帝王賞で上半期の中~長距離が終了。このレースから秋以降のダートグレードが始まる。
クラウンプライドはダート3戦2勝からUAEダービー(ドバイ)へ遠征。2着に2馬身以上の差をつけて完勝し、ケンタッキーダービーにも挑戦した。帰国後、日本テレビ盃を2着にまとめ、JBCクラシック(盛岡)はテーオーケインズの2着、チャンピオンズカップはジュンライトボルトの2着。
翌年も遠征を敢行してサウジカップ5着、ドバイ・ワールドカップ5着。帰郷初戦の帝王賞でハナ差の僅差負け。惜しくもJpnIタイトルを手にできなかったが、コリアカップ(ソウル)を圧勝。海外2勝目を飾った。
しかし、以降はチャンピオンズC11着、2度目のサウジカップ9、かしわ記念12着。着外が続いているが、かしわ記念は1コーナーで前がカットされて躓くアクシデント。それが最後まで尾を引いた。最大ネックはダメージからどこまで回復したか。影響がないとすれば、今回のメンバーでは断然の実績。GII(UAEダービー)1勝で負担重量57キロだが、久々の勝利を飾り、復活の舞台としたい。
メイショウフンジンはデビュー3戦目を勝ち上がり、4歳6月、3勝クラスを快勝。直後にマーキュリーカップへ挑戦して得意の逃げ戦法に出たが、テリオスベルが強引にまくられたのが致命傷。7着に沈んだ。その後も2勝をマークし、ダイオライト記念2着などの成績からマーキュリーCへ再び挑戦をしたが、またもやテリオスベルにペースを乱されて3着。
以降、白山大賞典2着、佐賀記念3着。前々走はブリリアントステークスを快勝し、GIII・平安ステークスでも3着に健闘。パワーアップを確実にした。その後はマーキュリーC1本に絞って調整を進め、テーマはもちろんリベンジ。今回は"天敵"テリオスベルが引退したため不在。今年も54キロで出走できるのは強味。3度目で重賞初制覇なるか、期待が高まる。
ロードアヴニールはデビュー戦の阪神芝1800m11着に敗れ、以降はダート路線へシフト。5戦4勝、目下3連勝中と成長一途。しかも3連勝とも1番人気に支持された。前走・中山3勝クラスでは終始インに包まれる苦しい競馬を強いられ、直線でも周囲が壁となったが、一瞬だけ空いた馬群をついて快勝。着差以上に強さが際立っていた。レースは粗削りだが、破壊力抜群。今年1月以来がネックだが、重賞初挑戦で制覇のシーンまで。
テンカハルの母ジンジャーパンチはアメリカGI6勝、通算12勝の強豪牝馬。姉に重賞4勝、オークス2着ルージュバック。兄にGI・大阪杯を制したポタジェがいる超良血馬。芝で3勝をマークし、5歳2月からダート路線へ変更。日本テレビ盃2着、浦和記念(いずれもJpnII)3着を確保したが、東京大賞典7着。休み明け後もブリリアントS9着、平安ステークス13着。マーキュリーCへ活路を求めてきた。
ビヨンドザファザーの父はカーリン。3歳時にブリーダーズカップ・クラシック、プリークネスSを優勝。翌年にドバイワールドCなども制し、2年連続でエクリプス賞年度代表馬に選ばれた歴史的名馬。母父は大種牡馬ガリレオ。新潟ダート1800m・2歳新馬戦を快勝し、8戦目に2勝目をマーク。GIII・レパードSで4着を確保し、その後も2勝をあげた。以降はオープンの壁が厚かったが、前回・アハルテケSを鮮やかな直線一気を決めて快勝。上昇ムードが心強い。
アラジンバローズはデビュー2戦目を快勝したが、脚部不安が発生して1年3ヵ月の長期休養。そのため出世は遅れたが、4歳8月に3勝クラスを卒業。以降もオープンで2着1回3着2回と堅実さを発揮し、昨年8月に園田へトレード。5戦3勝2着1回。前走7着に敗れたが、5ヵ月半ぶりの実戦に加えて太目も影響した。ひと叩きされて変わり身どこまで。
◎(9)クラウンプライド
〇(1)メイショウフンジン
▲(5)ロードアヴニール
△(3)テンカハル
△(13)ビヨンドザファザー
△(7)アラジンバローズ
<お奨めの1頭>
1R ガーデンアイル
今回は7ヵ月ぶりの実戦だが、B1から最下級へ降格。メンバーが大幅に緩和された。
先週は7日、盛岡芝2400m・地方競馬全国交流「第46回せきれい賞」は激しい雨の影響で芝走路が悪化。ダート2000mへ条件変更となった。また9日はダート走路の整備により第8、9Rは取り止め。第10Rから再開された。今は梅雨の季節真っただ中。雨の影響を相当受けている。今週の開催3日間は14日(日)は降水確率30%、15日(月)も30%、16日(火)は40%。あくまでも予報だが、天候、馬場状態の変化は欠かせないチェック項目となった。
14日メインは3歳重賞「第37回やまびこ賞」(盛岡ダート1800m)。今年からJpnII・不来方賞トライアルへ昇格。1着賞金が500万円へ増額され、1着馬には不来方賞の優先出走権が与えられる。
主軸はコモリリーガル。昨年、6戦3勝2着2回3着1回から交流・プリンセスカップへ参戦。2着に0秒3差で完勝し、園田・プリンセスカップに続いて牝馬交流2連勝を飾った。そしてグランダムジャパン総合優勝を目指して東京2歳優駿牝馬に挑戦したが、3コーナー過ぎに早々と失速。相手が大幅強化に加え、内2番枠に入り、終始揉まれたことが致命傷となった。
その後、姫路で1度使って北海道へ帰郷。復帰戦を逃げ切り、2戦目から3歳牝馬重賞・フロイラインスプリント(1200m)3着、フロイラインカップ(1700m)3着。直後に岩手入りを果たした。
目指すのは岩手版オークス・ひまわり賞。今回は1800m対応、牡馬相手がネックだが、プリンセスカップで盛岡コースを経験して完勝。前走で1700m戦で3着なら距離もこなせる範囲。各馬が死角を抱える中、総合力でリードと見ていいだろう。
サクラトップキッドはデビュー2連勝から重賞路線に名乗り。まだタイトルは手にしていないが、2着2回3着1回。すべて入着を果たし、東北優駿でフジユージーンの2着確保。前半で首を上げて追走に手こずっていたが、好位をキープできたのが収穫。今回もペースが落ち着くのは確実で楽に追走できるのも強み。逆転首位まで十分。
バウンスライトは中央3戦未勝利から転入後、2連勝を飾って下級条件から強気に重賞へ挑戦。イーハトーブマイル3着、ウイナーカップ3着、東北優駿4着。トップ相手にも通用を証明した。タイプ的に忙しい競馬よりゆったりペース向き。1800mはおあつらえの距離と言えそう。
ラティサワーは門別3戦1勝から今年4月に転入。休み明けも問題にせず3連勝。いずれも完勝の内容だった。メンバーが一気に強化されたが、タイム的にもそん色なし。いきなり重賞制覇のシーンまで。
セイバイラックはデビュー2戦目の芝・若鮎賞2着を皮切りに寒菊賞2着、金杯2着。着外は3走前・イーハトーブマイル8着のみ。芝ダートを問わず堅実さを発揮している。詰めが課題だが、マーク欠かせない。
シンプロレタリアトは東京芝2000m・2歳新馬戦で0秒4差5着。その後、門別2戦1勝から転入し、初戦の芝2400mで2着に突っ込んだ。今度はダート戦だが、一発を秘める。
◎⑩コモリリーガル
〇⑥サクラトップキッド
▲③バウンスライト
△④ラティサワー
△①セイバイラック
△⑤シンプロレタリアト
<お奨めの1頭>
6R ラブショック
一戦ごとにレース勘を身につけ、岩手5戦3勝2着1回3着1回。前走でノイバラ相手に完勝し、もう一丁いける