
11日メインは岩手牝馬クラシック二冠目「第38回ひまわり賞」(盛岡ダート1800m)。岩手生え抜きはセイバイラック、ティーエスフェアリ、プリズムスペクトルの3頭のみ。
また13日にある3歳準重賞・はまなす賞は芝1600mからダート1600mへ変更。春の牝馬路線の主役を演じたレッドオパールが距離適性を考えて、はまなす賞へエントリー。さらにオパールカップ5着ラブショックも同レースに出るため、結果的に出走メンバーが分散化された。
本命は金沢から転入初戦リケアマロン。中央ダート1400m以下で入着3回の実績から金沢・条件交流2着から金沢入り。初戦を0秒5差で完勝し、北日本新聞杯を圧勝。1番人気リメンバーアポロが向こう正面で競走中止のアクシデントがあったにせよ、2着に1秒1差をつけて重賞を手にした。
石川優駿はトライアル・北日本新聞杯の内容から1番人気に支持されたが、ナミダノキスに完敗2着。距離2000mが長かった感じだった。そのうっ憤を晴らすかのように牝馬重賞・加賀友禅賞を逃げ切り勝ち。今回のトレードはひまわり賞狙いは明らか。鞍上に手慣れた吉原寛人騎手を指名し、万全の態勢で臨む。
逆転筆頭はコモリリーガル。2歳時に園田・プリンセスカップ、プリンセスカップ(盛岡)と牝馬交流プリンセスカップを連勝。"GRANDAME-JAPAN2023"2歳シーズン第2位に入った(優勝はシトラルテミニ)。東京優駿牝馬15着後、園田へ移籍。姫路を一度使って門別へ帰郷。1勝3着2回の成績から今度は水沢へ移籍。初戦のやまびこ賞は逃げ一杯5着に終わった。しかし評価ダウンは禁物。やまびこ賞を叩いて動きが一変。陣営も変わった手応えを十分感じ、前走より強気の発言も心強い。
セイバイラックはデビュー4戦まで芝を使われて2着2回。5戦目は当初予定が芝1600mだったが、ダート変更。これが功を奏して初勝利を飾り、重賞の常連。寒菊賞2着、金杯2着など上位を確保し、着外は4走前・イーハトーブマイル8着のみと抜群の安定感を誇っている。やまびこ賞でもコモリリーガルに先着3着を確保した。最大ネックは勝ち味に遅いことだが、ここでも上位扱いが当然。
コンバットスプーンはネクストスター盛岡2着、ビギナーズカップ3着(1着はいずれもフジユージーン)。南関東から再転入後もイーハトーブマイル2着、ウイナーカップ2着と粘りを発揮した。気になるのは1800m対応だが、牝馬同士なら克服十分。
ノースビクトリーは南関東2勝2着1回3着3回から転入。転入戦の3歳B1戦4着だったが、3ヵ月半ぶりの実戦がこたえたか。変わり身を見せれば実績からアッサリまで。
ルボートンは京都芝1600m・2歳新馬戦3着。転入初戦は出遅れたが、字堯なまくりを決めて快勝した。その後もJRA条件交流(芝)2着など実力一目。一発の可能性を秘めている。
◎⑩リケアマロン
〇⑤コモリリーガル
▲⑨セイバイラック
△⑥コンバットスプーン
△④ノースビクトリー
△⑦ルボートン
<お奨めの1頭>
1R エルビエントソプラ
能力検査で盛岡1000m・1分1秒6の破格時計をマーク。満を持して出走し、好発進を決める
12日メインはJpnⅢ「第29回クラスターカップ」(盛岡ダート1200m)。現在、台風5号が北上中。東北地方を直撃する可能性もあり、岩手競馬公式ホームページ等で開催情報をご確認ください。
ドンフランキーはデビュー2戦で芝を使って2、5着。3戦目の阪神ダート1400mを逃げ切って初勝利。以降はアーリントンカップを除き、すべてダート戦のみを使われてきた。重賞初制覇は4歳7月、プロキオンステークス。1番人気はリメイクに譲ったが、鮮やかな逃げ切りを決めた。
続くクラスターカップでは逆にリメイクの末脚に屈したが、東京盃をコースレコードで逃げ切り。2011年、スーニが保持していた大井1200mレコードを0秒1を更新した。重賞2勝目を手にした。
年が明けてフェブラリーステークスは距離が長かった上、前が総崩れの展開にも苦しみ9着に沈んだが、ドバイ・ゴールデンシャヒーンでは逃げ粘って2着。リメイク(4着)に先着を果たした。今回は帰国初戦で4ヵ月半ぶりの実戦。仕上がりがカギだが、大型馬でもテッポーが利くタイプ。秋のビッグレースへ向けて弾みをつける。
クロジシジョーはデビュー戦の芝1200m8着後、ダート短距離にシフト。4戦目の阪神ダート1400mで未勝利を脱出し、以降も安定。昨年、芝1200mを2度使って8、14着に終わり、再びダート短距離路線へ戻って2勝マーク。前走・東京スプリントが初の地方ダート戦だったが、出遅れを喫しながらもメンバー最速の上がりを披露してジャスティンの2着に突っ込んだ。1200mのスペシャリストぶりを存分に発揮する。
コスタノヴァはビュー戦の芝1600mは11着に大敗を喫し、2戦目からダート路線へ変更。5勝2着1回と連対パーフェクトを続け、目下3連勝中。出遅れながらもすぐに回復して余裕でゴール。スケールの違いを見せつけている。距離最短は前走の欅ステークスだが、タレースレコードタイの1分21秒9をマーク。今回のクラスターカップの結果次第ではダート短距離界に新風を吹き込める。
ジレトールはデビュー戦の新潟芝1400m5着から2戦目、中京ダート1400mを完勝。以降もダート1400mで3勝をマークしてオープン入りを果たした。今年2月、小倉芝1200m8着後、ダート1200m戦へシフト。3、1、1着と再度上昇ムード。母サンビスタはGⅠ・チャンピオンズカップ、JpnⅠ・JBCレディスクラシックを含めて重賞6勝をマークした強豪牝馬。素質開花の期待がかかる。
ケイアイドリーはデビュー当初はダート中距離を使われていたが、4歳4月から短距離メインにシフト。昨年6月、JpnⅢ・北海道スプリントカップを快勝した。続く東京盃9着、JBCスプリントは9着に終わったが、兵庫ゴールドトロフィーで2着に反撃。59・5キロの酷量を克服した。今回は中東遠征帰りで4ヵ月半ぶりの実戦。仕上がりがカギを握る。
◎⑦ドンフランキー
〇⑪クロジシジョー
▲⑫コスタノヴァ
△②ジルトール
△⑨ケイアイドリー
<お奨めの1頭>
1R リッチアロマ
名古屋、南関東900m以下で4勝マーク。最高格付けが南関東B3なら格付け有利は明らか
8月4日(日) 「第26回岩手県知事杯OROカップ」(地方競馬全国交流 盛岡ダート1600m)。
当初予定は芝1700mだったが、芝走路の悪化によりダート変更は決定済み。他地区から5頭が参戦し、迎え撃つ岩手7頭の計12頭で実施する予定だったが、第8R終了あたりから盛岡周辺はゲリラ豪雨と激しい風が吹き荒れ、第9、第10Rは天候不良による視界不良及び馬場状況悪化のため取り止め。メイン11R、第12Rは天候不良による馬場状況悪化のため取り止めの措置が取られた。
8月6日(火) 「第25回フェアリーカップ」(牝馬オープン準重賞 盛岡ダート1800m)
逃げたのは単勝1番人気に支持されたミニアチュール。外枠に入ったが、後述するとおり予定どおりの戦法だった。2番手にオンザブロッサム、3番手インにエルフィンドール、その外にビッグタマテルーフの隊列。
ミニアチュールは後続を3馬身ほどリードし、マイペースに持ち込む。道中は余裕たっぷり。直線を向いても鞍上・佐々木志音騎手の手は動かず持ったまま。残り200m手前でゴーサインを出すと鋭く反応。あと余力を残して7馬身差でゴール。佐々木志音騎手は準重賞だったが、初のタイトルを獲得した。
2着争いは2番手追走オンザブロッサムの外で終始プレッシャーをかけたビッグタマテルーフが積極策から2着を確保。3着は後方3番手を追走したコリコはバードハズフロウンを交わして先着。単勝1・4倍の圧倒的1番人気に応えてミニアチュールが優勝したが、2着に9番人気、3着に8番人気が入り、馬単4120円、3連単55420円の好配当となった。
1着・ミニアチュール=佐々木志音騎手
「競馬の前はいろいろな作戦を考えて悩んだが、ゲートを出たときは思い切っていこうと決めた。自分の競馬ができて負けたら仕方がないと思った。道中は折り合い重視。今回は1800m戦なので馬の行く気を優先させてレースを進めたが、距離が少し長いかなと思っていたので強さにびっくりした。ミニアチュールは実習の時から乗っていたし、普段も調教をつけていますから、準重賞ですけどタイトルを取ることができてすごくうれしいです」
佐藤祐司調教師
「昨年、牡馬二冠、牝馬二冠を取ったあと、ロジータ記念に挑戦したが、背伸びしすぎたかもしれない。いま振り返ると、もう少し段階を踏んでからの方が良かったかなと思う。今年春も苦戦の連続だったので、試しに1000mを使ったら強い競馬をしてくれた。これできっかけをつかんだと思う。次の目標はビューチフルドリーマーカップ。相手は強いが、岩手代表として挑戦しようと思っています」
今週の岩手競馬
8月11日(日) 「第38回ひまわり賞(オークス)」(3歳牝馬 盛岡1800m)
8月12日(月) 「第29回クラスターカップ」(JpnⅢ 盛岡1200m)
8月13日(火) 「「第28回はまなす賞」(3歳 盛岡1600m)
8月4日に行われる予定だった重賞『岩手県知事杯OROカップ』そして同じ日に予定されていた九州騎手交流戦『M&Kジョッキーズカップ』はいずれも直前の豪雨によるコース状態悪化のために取り止めとなりました。
10R・12Rが『M&Kジョッキーズカップ』、11Rが『岩手県知事杯OROカップ』の予定だったのですが、8R後から降り始めたいわゆる"ゲリラ豪雨"のために9R以降がすべて取り止めに。あとになってみれば1年の間でもめったに遭わないような豪雨だったわけですが、いずれにせよ非常に残念な結果でした。
『M&Kジョッキーズカップ』も九州の騎手を招いて行うのは16年ぶりだったのでファンの皆さんも楽しみにしていましたよね。今期中の再戦は難しいとの事で、次回、来年度以降の改めての機会を待つ事にしましょう。
8月6日のメインレースは11Rです。OP牝馬による準重賞『フェアリーカップ』。1着馬から3着馬までに『ビューチフルドリーマーカップ』の出走権が与えられるトライアル競走には10頭が出走します。
本命は(9)ミニアチュールです。
今季当初はマイル路線でスタートしたミニアチュール。赤松杯までの敗戦を見て短距離に進んだところが1000mのスプリント特別快勝、850mの重賞でも4着と高いスピード能力を発揮して見せました。マイルに戻っての前走がそして8馬身差の圧勝。これが勝つ味を思い出した勢いなのか、あるいは3歳"変則四冠馬"の地力なのか、昨年の強さを取り戻したと感じさせています。
もう少し振り返ってみれば同馬は実は盛岡では5戦5勝と負けていません。3歳時だけならともかく、古馬になってもマイルと1000mという別々の距離で勝っているのですからコース適性の高さは相当なものと考えるべきでしょう。そして距離に関しても昨年のひまわり賞で1800mを、OROオータムティアラで2000mをいずれも圧勝。この実績であればここでも中心の期待をかけるのにふさわしいと言えるでしょう。
対抗には(6)ユウユウレラシオンを。◎と同世代の牝馬で対◎ではひまわり賞4着・OROオータムティアラ2着の結果があります。どちらも勝った◎との差は大きく着順の数字だけで過信はできませんが、近走の気配も悪くないようですし、A級通用の力量を見せている点も魅力に。
三番手は(5)バードハズフロウン。連続好走とはいえB級でのもの、ここでどうか?はまだ未知数ですが、実質B1レベルのメンバーが多いのなら大きな差はないでしょう。忙しい流れになると動けませんがじっくり・ゆったり動ける形なら別にハナにこだわるわけでもない。ここはその希望が叶う展開になるとみての▲評価。
以下、まず(8)オンザブロッサム。前走時は逃げ馬がかなり優勢だった日という点は考慮が必要ですが、好走続く近走の勢いならダート1800mの条件でも力を出せるはず。(1)アドマイヤハイジは実績通りに芝がベストなのは確かでしょうが、転入初戦・二戦目はB1ダートで健闘しています。距離が大きな問題になるとは思えない、むしろ長めの距離の方が動きやすそうな印象もありますし、芝専用と決めつけずに押さえておきたいですね。(横川典視)
●11Rの買い目
馬単(9)=(6)、(9)→(5)、(9)→(8)、(9)→(1)
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5日メインは「スプリント特別」(オープン 盛岡ダート1200m)。次開催にJpnIII・クラスターカップが控えており、スプリント戦線の上位組はスキップ。それでも距離に自信ありのスペシャリストがそろった。
本命はスターオブケリー。門別2勝から南関東へトレードされ、2着4回から3歳交流・ハヤテスプリント(盛岡ダート1200m)に参戦。5番人気ながら鮮やかな逃げ切りを決めた。また芝1000m交流重賞・OROターフスプリントにも参戦して4着。
その後、金沢、南関東などを転籍して今年6月に転入。初戦は11着に大敗したが、2戦目の岩鷲賞(盛岡ダート1200m)で3着に逃げ粘った。前走・いしがきマイラーズは芝にとまどったというより、1600mが長かった印象。逃げ失速7着だったが、仕方なしの結果。今度はベストの1200m戦に替わって岩手初勝利のチャンスを迎えた。
レディブラウンは門別1勝後、南関東へ移籍。浦和・桜花賞で3着の実績があり、B2へ在籍。一度、門別に戻り、昨年12月に岩手入り。これまで6勝2着2回3着1回。馬券対象から外れたのは4走前6着一度のみ。抜群の安定感を誇り、A級入り後も2戦連続2着にまとめている。
脚質は自在だが、基本は差しタイプ。いい脚を長く使えるのが持ち味で今回の大外11番枠は問題なし。盛岡1200mも2戦1勝2着1回と連対パーフェクト。今回もしっかりと馬券対象を果たす。
アブシンスは今年8歳の牝馬だが、1勝2着2回3着1回と健在を誇示している。マイルまでならどんな距離もこなすが、今季は徹底して1200m以下を使われて、特に盛岡戦は通算11勝。盛岡1200mでも2勝2着2回の好成績を収め、絶好の1番枠を引き当てたのも強調材料となる。
ユニコーンはドゥラメンテ産駒。デビューは3歳6月まで遅れたが、門別1勝から高知へ移籍。5勝をマークした。続いて佐賀へ転籍して2勝マーク。B級から岩手入りし、いきなり重賞・岩鷲賞へ挑戦。出遅れながらも6着。スタートに課題を抱えているが、前走1000mより1200m向きは明らか。
セイシークエンスは今シーズン3着2回が最高だが、いずれも盛岡戦でマーク。その2戦を含めて盛岡5勝2着7回3着3回。対して水沢は2着1回にとどまり、典型的なサウスポーと見ていい。前走3着に巻き返して上昇ムードも心強い。
トキノパイレーツは主戦場が1600mだが、3走前の盛岡1200m6着ながら好タイムをマーク。条件2度目で上位進出。
◎(2)スターオブケリー
〇(11)レディブラウン
▲(1)アブシンス
△(7)ユニコーン
△(6)セイシークエンス
△(4)トキノパイレーツ
<お奨めの1頭>
3R ガイストフォル
出走取り消し後の前走2着だったが、タイム差は0秒1。今度はメンバーが大幅に緩和され、順当に首位を奪取する