先週7日、盛岡ダート1800mを舞台に岩手版オークス「第36回ひまわり賞」が行われ、トーセンキャロルが10馬身差で圧勝。転入初戦を重賞初制覇で飾った。
山本聡哉騎手「体重が大きく減っていたが、またがった時は普段の調教と同じ感じだったので、それほど気にならなかった。今回は距離が長いかなと思っていたので、中団からの競馬は想定どおり。先行馬が多かったのでレースも流れるだろうと。3コーナーからの反応が鋭く、これなら大丈夫だなと確信したが、10馬身も離したのには驚いた。強いレースだったと思います。水沢へ来た当初は芝向きかなと思っていたが、ダートも問題ない。今回の圧勝で選択肢が増えたと思います」
佐藤浩一調教師「一番の気がかりは体重減だったが、これまで戦ってきたのが強豪相手。自分が思った以上に強い競馬をしてくれた。オーナーからは芝を使ってほしいとの希望でしたが、適当なレースがなかったし、南関東でダートもこなしていた。それならばオークスを使ってみようと決断したが、結果を出せてホッとしました。ひまわり賞はいろんな優先権があるが、まずはゆっくり疲れを取ってやりたい。今後のことはオーナーと相談して決めたいと思っています」
14日メインは今シーズン第一弾の2歳重賞「第23回若鮎賞」(盛岡芝1600m)。勝敗のカギはもちろん、芝1600m対応。
ケープライトはレースセンスの良さが最大セールスポイント。デビュー戦から水沢2連勝を飾った。前走は初の盛岡に加え、初芝。血統、レースぶりからクリアーできると思ったが、惜しくもアタマ差2着。同厩のレジーナに屈したが、初モノづくめなら仕方なし。今度は芝も盛岡も2度目。今回は連闘なので、当日にならないと分からないが、一戦ごとに馬体重が増えているのも強調材料。首位を奪回する。
フジラプンツェルは無敗3連勝。当初はスタートが課題だったが、レースを使うたびに解消。前走、好スタートを決め、余裕たっぷりで1秒3差で圧勝した。今度は未経験の芝。父がメイショウボーラー、兄は中央ダート3勝メイショウハナモリ。決して芝は歓迎とは言い難いが、絶対能力でカバー。仮に芝も克服できればNO.1を確定できる。
ウルフヴェローチェはデビュー2戦は凡走したが、輸送のない盛岡ダート1200mを楽勝。手応えも十分で余裕の逃げ切りを決めた。今度は初の芝だが、父がバゴ。母は芝1200m1勝。そして祖母ファストアズライトは芝1200m5勝。むしろ望むところだろう。芝血統から一躍、台風の目となった。
レジーナはデビュー2戦6着に終わったが、3戦目2着。続いて芝1600mにエントリーして9頭立て6番人気に甘んじたが、見事跳ね返して快勝。ケープライトとの叩き合いを制し、初勝利を飾った。祖母は牝馬ダートグレード6勝のトーセンジョイナーだが、芝に替わって反応が一変。適性を前面に2連勝をもくろむ。
ペルトランはデビュー戦の芝1000mタイム差なし2着。前走・芝1600m3着と盛岡芝向きは明らか。
アサップは前走、待望の初勝利で弾みがついた。芝は未経験だが、血統配合から歓迎は確実。
◎⑦ケープライト
〇⑨フジラプンツェル
▲⑩ウルフヴェローチェ
△③レジーナ
△④ペルトラン
△⑤アサップ
3R エスティフィン
デビューから4戦連続で2着はフジラプンツェル、ユウユウレラシオンが相手なら仕方なし。今度こそ首位を奪取する
8月7日に行われた3歳牝馬三冠の二冠目、ダート1800mの重賞『ひまわり賞(オークス)』は1番人気に推された転入初戦トーセンキャロル号が優勝。自身初の重賞タイトルを獲得しました。
逃げた3番人気カクテルライトを4番人気アップテンペスト、5番人気ボサノヴァが追走する展開を中団から進んだトーセンキャロル。3コーナー過ぎから他馬と共に徐々に上昇、直線に向いて粘るカクテルライトに並ぶあたりまでは先行勢・差し馬勢含めてまだ一団。しかしそこからもう一段階の脚を発揮したトーセンキャロルは後続をあっという間に置き去りに。その差が10馬身にまで拡がった所がゴール。自身初の重賞制覇はあわや大差勝ちという圧勝となりました。
8月9日のメインレースは12RのB1級ダート1600m『夢・希望 未来へ前進』。本命は(1)クレイジーエックスとしました。
今季の岩手での戦績は8戦3勝2着2回。それだけ書くと堅実な成績に思えますが、敗れた3回が水沢での12着・10着と盛岡での6着という事も触れるとちょっと印象が変わってきます。
ただ、昨年も好走後に大きく敗れ、大きく敗れた次戦にあっさり勝ちきるというレースをしていたようにムラが大きめの馬だという見方もできるでしょう。これまでのレースぶりからは左回りの方が、あるいは広いコースの方が良いのではという印象もあります。いずれにせよ盛岡マイルは力を出せる条件でしょうし大きめに負けたり立ち直ったりするのは気にしなくていい馬。であれば近走内容からみてB1級のこのメンバーなら主力視も妥当と考えます。
対抗は(8)ユキノマツシマ。サウスヴィグラス産駒だけに短距離の方が良いのかなと思っていましたがここ二戦はマイルでも好走しています。好時計を出した三走前のように短距離の方がより良いのではという印象は変わりないものの近走内容を見る限りマイルも問題なし、戦った相手関係的にもここなら力は上の評価。
三番手は(5)フェアリーモナック。今季はC1からスタートして初戦快勝、その後は掲示板を外さぬ好走を続けてA級入りも見えてきました。B1上位ではさすがに大きくちぎる勝ち方ではないものの手堅い内容はむしろ安定。ここでも勝利を狙える位置にいるはず。
以下というのはちょっともったいないですが△としてまず(6)メイショウマトイ。JRAオープン→南関A2クラスの実績は直近今ひとつでも食指が動くもの。少頭数で気持ちよく戦えれば。同じく南関のA2~B級というあたりで戦っていた(2)エイシンボールディも左回りの方が安定している戦績は魅力十分。ただ距離はもう少し欲しいところか・・・という事で今回の評価はここまでとしました。
●12Rの買い目
馬単(1)=(8)、(1)=(5)、(8)=(5)、(1)→(6)、(1)→(2)
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先週7月31日、盛岡芝2400mを舞台に地方競馬全国交流「第44回せきれい賞」が行われ、船橋代表・アトミックフォースが快勝。25年ぶりに芝2400mレコードを更新した。
山本聡哉騎手「指示は逃げか2番手でしたが、前の2頭が速かったので3番手に控えた。レースも流れていましたからね。外から馬(ロードクエスト)が来たのに合わせてスパートをかけた。あまり馬体を併せない方がいいと言っていたので早めに動きました。気性が素直で操作性も高いタイプ。OROカップの芝1700mはむしろベストだと思います。山下貴之調教師は南関東で短期騎乗した時にお世話になったきゅう舎。少しだけ恩をお返しできたと思います」
山下貴之調教師「普段は何も手の掛からない馬で調整も思った通りにできる。ダートでも強い競馬を見せてくれたが、芝ではさらに―と思わせてくれる内容だった。今後の最大目標はOROカップ。今回は盛岡の芝で戦ってみるという目的もあった。この後はいったん放牧に出し、一度レースを使ってOROカップという形を考えています」
8月2日はビューチフルドリーマーカップ・トライアル「第23回フェアリーカップ」(盛岡ダート1800m)。1番人気に支持されたマルケイマーヴェルが堂々、2連覇を達成した。
山本政聡騎手「有力馬を見る形でレースを進めたが、思った以上にスローペースだったので3コーナーから動き出しました。ただ流れが流れでしたからね。なかなか差が詰まりませんでしたが、コーナーさえ辛抱してくれれば直線勝負に賭けられると信じていた。ゼットパッションが抜け出してから、馬体を併せにいったのは気を入れるため。自分のも脚いろが一杯でしたが、もうひと踏ん張りしてくれました」
石川栄調教師「若干、夏負け気味だったが、女馬だから我慢してくれた。当初からこのレースが目標でした。前回、水沢戦を勝ちましたからね。それで余裕ができて、しっかりと乗り込んでレースへ臨めたのも勝因だったと思う。2連覇だったのは知りませんでした(笑)。元々、盛岡が合いますから達成できてうれしい。次走はビューチフルドリーマーカップ。地元代表として頑張ります」
8日メインはB2級「オーガストカップ」(盛岡芝1000m)。芝適性、1000m適性に加え、枠順も影響しそうな一戦となった。
ツーエムマイスターは中央芝5勝、南関東、金沢1戦を経て一昨年転入。3連勝を飾り、芝1000m交流・OROターフスプリントを制した。以降は芝1600m1勝のみにとどまり、今年はB2へ降格。芝に合わせて6ヵ月休養から復帰。初戦は5着だったが、前走3着。外枠に入り2番手の競馬だったが、渋太く粘った。今度は内枠を引き当て絶好のチャンス。ベストのワンターンで首位を奪取する。
マリンディーヴァは今季850mで3勝。盛岡に替わっても前々走1000mで2着を確保して芝1000mへエントリー。未経験の芝だったが、内で揉まれながらも4着に健闘。これで芝通用のメドが立った。
トランプは中央芝1200m1勝。園田を経て岩手入りし、850m戦で1勝マーク。ただ強さとモロさが同居し、凡走ケースもあったが、芝1000mに替わって2着に反撃。芝短距離が合うことを証明した。前走は7着に終わったが、スタートで後手を踏んだのも敗因。巻き返しに転じて当然。
ブルートブロッサムは中央1戦から転入後、6勝2着4回。目下5連勝中と圧倒的なスピードを見せつけている。ネックは生涯初の芝。しかもC2からB2へ昇級も不安だが、勢いを重視する手も十分ある。
ワールンガは前走、マリンディーヴァとはタイム差なし5着。今年12歳だが、2勝マークして健在をアピール。芝1000mなら勝ち負けに持ち込める。
ジュンケンジーは南関東C2から転入後、2着1回3着1回。芝はデビュー戦(1400m)以来2度目だが、ノーマークにできない。
◎②ツーエムマイスター
〇⑦マリンディーヴァ
▲⑥トランプ
△⑧ブルートブロッサム
△⑤ワールンガ
△①ジュンケンジー
<お奨めの1頭>
2R マイネルバトゥータ
転入戦を好タイムで圧勝。同じ1000mが舞台なら、57キロを背負っても追いかける一手
7日メインは岩手版オークス「第36回ひまわり賞」(盛岡ダート1800m)。一昨年、OROオータムティアラを創設。牝馬クラシックも三冠路線が確立したが、それに伴い、ひまわり賞は二冠目、距離も2000mから1800mへ短縮された。
盛岡ダート1800mを舞台に、ひまわり賞が行われるのは今回で3回目。勝ちそーチャンネル・ひまわり賞データ分析にも記したが、今後、2000mを舞台にしたひまわり賞とは違った傾向が出る可能性が高い。
昨年は牡馬と互角以上の勝負を演じてきたゴールデンヒーラーという圧倒的存在がいたが、今年は一転して混戦ムード。おそらく人気も割れ、馬券的にも興味深い一戦となった。
本命はレディジャン。あえて勝負をかける。北海道デビュー戦2着から転入。ゲート難の課題がありながら破竹の4連勝中。いずれも着差以上に強い内容、スケールの大きさを感じさせた。その結果から当初、重賞挑戦の構想もあったが、北海道浦川のBTCへ移動。坂路を中心に鍛え直した。
兄は一條記念みちのく大賞典をコースレコードで優勝したハドソンホーネット、一番上の兄ワットロンクンは重賞・白嶺賞など通算15勝の強豪など、血統的背景も申し分なし。レディジャンは牝馬だからクビあたりは細かったが、BTCでどんな風に逞しく成長したか。再会が楽しみだ。
トーセンキャロルはデビュー2戦目・中山芝1200m戦を快勝。以降3戦は着外に終わり、南関東へ移籍。1勝2着2回から東京プリンセス賞に挑戦。一気に相手が強化されて11着。前走は古馬B2級で走って10着。着順だけ見れば平凡だが、古馬と対戦したのはトーセンキャロル1頭のみ。今回のメンバーならメンバー有利は明らか。転入初戦を重賞初制覇で飾るか、期待が高まる。
アップテンペストはデビュー2戦2、5着だったが、盛岡に替わって動きが一変。圧巻の4連勝を飾り、ビギナーズカップ2着から首位を奪回。プリンセスカップ3着後、名古屋へ移籍。重賞で好走し、梅桜賞、スプリングカップを連勝。一時は東海トップに君臨したが、東海クイーンカップ11着、駿蹄賞12着に大敗。3ヵ月の休養に入り、岩手里帰りした。強調材料は1800m2戦2勝。しかも盛岡を得意とし、いきなり勝ち負けに持ち込める。
シャローナは北海道1勝から笠松へトレード。ゴールドジュニア3着、転入直前のレースを快勝し、好調度を前面に岩手初戦も快勝した。先行タイプがそろって持ち味の末脚を生かせるのは確実。展開を味方に上位進出を狙う。
リュウノアンは中央2戦0勝から転入。8戦5勝、前々走は芝準重賞・はまなす賞で逃げ切りを決めた。交流・オパールカップ8着の評価が微妙だが、ダートに戻って反撃に転じる。
ボサノヴァは北海道1勝、金沢2勝・牝馬重賞シンデレラカップを優勝から転入。初戦を圧勝し、続くあやめ賞2着、留守杯日高賞3着。前走・ウイナーカップも3着と詰めが課題だが、安定度一目。着外一度のみという堅実さが身上。父ノボジャック、母父デュランダルと1800mは歓迎ではないが、それなりにこなせるはず。
◎④レディジャン
〇③トーセンキャロル
▲⑨アップテンペスト
△⑧シャローナ
△⑫リュウノアン
△⑤ボサノヴァ
<お奨めの1頭>
6R オンラインボス
転入初戦のハヤテスプリント5着は南関東のスプリンター相手で仕方なし。3歳B1なら地力の違いを見せつける
7月31日に行われた芝2400mの地方競馬全国交流重賞『せきれい賞』。遠征馬6頭を迎えてフルゲート14頭で行われたレースは1番人気アトミックフォース号が優勝。勝ちタイム2分28秒5は従来のレコードを25年ぶりに更新しました。
JRA時代は新潟大賞典2着など芝重賞でも白星に迫った実績を持つアトミックフォース。しかし以前は自ら逃げていた同馬でしたが今回は「他の馬が思った以上に速かったので3番手(山本聡哉騎手)」と控える競馬を選択しました。実際、ペースはこのレースにしては速く最終的にはレコードになるほど、そんな中で後続の仕掛けも意識して早めに動いたアトミックフォースは直線の後続の追撃も振り切ってゴール。管理する山下調教師が目標というOROカップに向けて好発進を決めました。
8月2日のメインレースは12Rに行われる牝馬の準重賞『フェアリーカップ』。1着馬から3着馬までにはビューチフルドリーマーカップの優先出走権が与えられるトライアルレースです。大きく見た構図は"昨年のこのレースの上位馬"対"力を付けてきた4歳馬"になるでしょうか。このあとの古馬牝馬路線の行方を占う上でも重要な一戦です。
本命は(2)ユノートルベルです。水沢開催の頃は思うように成績が上がってこなかった同馬でしたが盛岡に変わる頃から体調に上昇感が出、レース内容にも同様に上昇感が出てきています。前走も勝った馬の強烈な末脚の前に目立たない2着になってしまいましたが、厳しい位置から力強く抜け出してきた決して悪くない内容のレース。これなら春先の不振は脱したと考えて良さそうです。
昨年のこのレースでは2着。その後は青藍賞でヒガシウィルウィンの2着と牡馬相手にも健闘する活躍を見せました。今季もここからさらに上昇・・・を期待してみましょう。
対抗は(11)マルケイマーヴェルを。昨年のこのレースの覇者であり、今季も白星先行ではないもののA級一組戦で連続好走。勢いに問題はありません。この馬の場合は1400~1600mあたりがベストで2000mとなると長い感じが出てくる。1800mのここは力が入る所。
(12)ホワイトブライドが三番手。この馬も春先は結果を出せませんでしたがゴールデンヒーラーやスカイサーベルといった強豪とぶつかった故という点は考慮が必要でしょう。相手関係が緩和された近走はこの馬本来の持ち味である強気の競馬も決まって2連勝。大外枠から自分の形に持ち込めるか?の分でここまでの印としましたが、揉まれずに行ける方がむしろ良いのかも。
(8)ファイントリックは直近の着順こそ振るいませんが春先はマルケイマーヴェルやホワイトブライドと大きな差のない戦い。牝馬同士ならばの期待をしても良いでしょうし、昨年がそうだったように夏場から調子を上げてくるタイプという点にも注意しておきたい所。もう一頭は(7)バーントシェンナを。現状は盛岡コースに苦戦していますが転入初戦の水沢戦ではマルケイマーヴェルと3/4馬身差。決して調子が悪くは見えませんし、牝馬同士なら・・・の狙いを。
●12Rの買い目
馬単(2)=(11)、(2)=(12)、(2)=(8)、(11)→(12)、(2)→(7)
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