18日メイン10RはHITスタリオンシリーズ・サトノアラジン賞「第3回OROオータムティアラ」(盛岡ダート2000m)。創設は2000年。牡馬クラシックと同様、牝馬クラシックでも三冠が必要だと判断。
それ以前は留守杯日高賞(水沢1600m)、ひまわり賞(オークス 盛岡ダート1800m)の二冠で牝馬は終了。以降は不来方賞、ダービーグランプリが既定路線だったが、OROオータムティアラができたことにより、先に行われた不来方賞を使った牝馬はなし。ここを勝ち上がるとダービーグランプリに向かうケースも考えられる。
トーセンキャロルは中央2戦目、中山芝1200mを快勝。1勝クラスで頭打ちとなり、今年3月に南関東へトレード。初戦を快勝し、2戦2着から東京プリンセス賞へ挑戦。さすがにメンバーが一気に強化され11着。続く古馬B2戦も10着に終わって岩手へ新天地を求めてきた。
当初予定は盛岡芝だったが、適鞍がなかったため岩手版オークス・ひまわり賞を選び、10馬身差で圧勝。当日の馬体重がマイナス14キロと大幅減だったが、後方待機策から鮮やかなまくりを決め、能力の違いを見せつけた。
この後の選択肢には迷ったと佐藤浩一調教師。不来方賞にもエントリーがあったが、無理せずスキップ。OROオータムティアラ直行を選んだ。課題はスローに落とされた時の対応。ひまわり賞は3歳牝馬らしからぬ超ハイペースとなり、後方待機策を取ったトーセンキャロル、マルルットゥの2頭でフィニッシュ。
しかし今度は2000m延長に加え、逃げ一辺倒の馬が不在で前半ペースが落ちるのは確実。それにどう対応できるかだが、鞍上・山本聡哉騎手は折り込み済み。ひまわり賞に続いて牝馬二冠を獲得する。
アップテンペストはデビュー2戦の水沢は2、5着に終わったが、盛岡に替わって動きが一変。圧巻の4連勝をマークした。ビギナーズカップは2着に敗れたが、続く一戦で首位を奪回。プリンセスカップは3着に終わり、その後、名古屋へトレード。梅桜賞、スプリングカップと重賞2連勝を飾った。
ただ東海クイーンカップ11着、駿蹄賞12着に大敗。岩手でもそうだったが、モロさを露呈し、3ヵ月休養後、岩手へ戻ってきた。初戦のひまわり賞は2番手から失速5着に沈んだが、2戦目のやまびこ賞を完勝。牡馬相手に0秒4差をつけてゴールに入った。
注目してほしいのは走破タイム。ひまわり賞とまったく同じ1分55秒3。馬場差を加味してもトーセンキャロルとほぼ同じ能力と見て間違いない。あとは気分良くレースを進めることができるかどうかだが、強力な先行馬が不在で自分の競馬ができるのは確実。位置取りを考えると、こちらが上位と見るのが妥当かもしれない。
マルルットゥは今シーズンも重賞路線に乗り、牝馬重賞・あやめ賞を快勝。以降も留守杯日高賞4着、イーハトーブマイル3着。東北優駿は7着に終わったが、前走・ひまわり賞2着。トーセンキャロルには離されたが、持ち味の差し脚を生かした。10馬身差は強烈だが、アップテンペスト、マルルットゥがけん制し合えば漁夫の利を得る可能性も十分。
ルスキーユは門別4戦0勝から金沢、船橋で2連勝。今年3月に岩手入りしたが、馬体重がどんどん減少。あやめ賞9着後、休養に入り、7月に復帰。本来の体重を取り戻し、重賞・やまびこ賞6着から前走2着。これで復活の手ごたえをつかんだ。父フィガロは東京ダービー馬を2頭を出し、2000m延長は望むところ。
シャローナは東海ダービー12着、前走・ひまわり賞9着に大敗したが、前後は安定した取り口を披露。
ベストフィーチャーは中央未勝利から転入3戦目以降、4連勝マーク。2戦7、5着と足踏みしたが、前走2着で復調ムード。
◎⑨トーセンキャロル
〇⑤アップテンペスト
▲⑪マルルットゥ
△④ルスキーユ
△①シャローナ
△③ベストフィーチャー
<お奨めの1頭>
2R プレストルーチェ
南関東C1から3ヵ月の休養を経て転入。1番人気に支持されたが、よもやのスタート直後に落馬。気配落ちなく、前走のうっ憤を晴らす。
9月11日に行われた南部杯トライアルの重賞『青藍賞』は2番人気の4歳牝馬ゴールデンヒーラーが優勝。自身の初めての古馬重賞タイトルを獲得しました。
逃げたマイネルアストリアの2番手に付けたゴールデンヒーラー。スタートで少し出遅れた影響もあってのこの位置でしたが、結果的には有力馬の一頭を前に置く形になる悪くないポジションになりました。直線は粘るマイネルアストリアをしっかり捉えて突き放したところがゴール。昨年8月のひまわり賞以来の重賞勝ちを果たすと共に青藍賞史上3頭目の牝馬Vも達成。そして鞍上の山本聡哉騎手はこのレース3年連続優勝と、人馬共に記録に残る勝利ともなりました。
9月13日のメインレースは10Rになります。古馬による芝1000mの準重賞『ハーベストカップ』です。
秋を迎えて日没が早くなり、芝を使ったレースの時間帯も早めになっています。今開催は10Rに組まれましたがこの後は9R、8Rと早くなっていきます。レース番号・発走時刻には十分ご注意ください。
さて本命は(10)リンシャンカイホウとしました。
前走で久々の勝ち星を挙げた同馬でしたが、芝のマイル・1700という距離もこなしますがやはり1000m、短距離が合うのだと再確認。実際、昨年の勝利はこのハーベストカップ、岩手で勝っているのはつまり2戦とも芝1000mなのですから"この距離ベスト"の評価で良いと思われます。
6月に始動した今季はなかなか調子が上がらず、前走なども正直まだ物足りない印象でしたが、それでもしっかり勝ち切ってこれで勢いにも乗った感。昨年に続く連覇を期待しましょう。
(9)セイペイシェンスを対抗に。地方のダートで頑張ってきた同馬でしたが三走前、芝1000mを使って58秒7のタイムで勝ちました。短距離適性は高いと感じますし父ベーカバドなら芝の短距離が合うのも納得できます。
三番手もちょっと穴っぽいですが(11)エイシントゥランを狙ってみます。ハヤテスプリントでは地元最先着となる4着確保と短距離は合うし1000mもベストと言って良さそうな戦績。芝実績はなんとも言えませんがこなせて良い血統背景でもあります。一発あるならこの馬。
以下、(4)ツーエムマイスターは一昨年のこのレースを勝った時の勢いはさすがに薄れた今季ですが、とはいえ芝1000mで常に58秒台を出せるスピード能力は軽視できないもの。また(7)トミケンキルカスはJRA時代の末期には芝の短距離でオープン入りした馬です短距離での変化には注意が必要でしょう。
●10Rの買い目
馬単(10)=(9)、(10)=(11)、(9)=(11)、(10)→(4)、(10)→(7)
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先週4日、岩手クラシック三冠目「第54回不来方賞」が行われ、グットクレンジングが三冠制覇にチャレンジしたが、前半ハイペースもたたって8着。勝ったのは北海道から転入初戦のマナホク。後方待機策から鮮やかなまくりを決めた。
高松亮騎手「門別で距離も経験していますし、レースも全部見て、乗っていた落合騎手にも話を聞いていましたから、僕は馬を信じて乗るだけでした。テンにあまり前に出していくと、良い脚を使わないという事も聞いていたので、馬のリズムで行くことを心がけました。マナホクは操縦性が高くて展開に左右されない、どこからでも脚を使ってくれるような馬ですから、全国の強敵を迎え撃つ形で頑張っていきたいですね」
佐藤雅彦調教師「ある程度は門別の関係者から聞いて...の調整だったが、順調さを欠いた部分もあって試行錯誤しながらだった。どんなレースになるかはやってみないと分からないと思って挑んでこの結果なら100点以上ですね。次はダービーグランプリ。まだどれくらい走るか分からないし、やってくる相手も強いでしょう
が、次戦も頑張ります」
6日は南部駒賞トライアル「第40回ビギナーズカップ」。単勝1・2倍の圧倒的1番人気に応えてフジラプンツェルが圧勝。前回同様、出遅れながらも金色のたてがみをなびかせて、無敗5連勝を飾った。
山本政聡騎手「スタートを決めたかったんですが、今日も出遅れました。ただ、外目の枠なので少し外に回していけば大丈夫だと思った。今回は初対決が多かったので分からない面がありましたが、(フジラプンツェルは)モノが違う。同世代では完成度が違いますし、時計もすごい。やはり課題はスタート。これから強い馬と走るとき、出遅れは致命傷になりますからね。今回である程度、工夫の仕方が分かった気がします」
瀬戸幸一調教師「今日はゲート内は落ち着いていましたが、ちょうど立ち上がったときにゲートが開いて出遅れました。それでも大差で圧勝しましたから、改めて強いなと思いました。次走はエーデルワイス賞、南部駒賞の両にらみ。どちらを選ぶかは、状態とオーナーと相談の上で決めたいと思っています」
12日メインはいしがきマイラーズ・トライアル「第45回桂樹杯」(盛岡芝1700m)。11月3日、JBC当日に1着賞金3000万円で行われる「第24回OROカップ」への道がスタートする。
ソロフレーズは中央芝4勝・オープンから転入。昨年12月に転入したが、降雪などの影響で開催取り止め。今年3月から始動したが、ダートに手こずって2着1回。しかし芝に替わって反応が一変。かきつばた賞を4角先頭で圧勝し、芝適性を存分に発揮した。
続く芝交流・せきれい賞は2400mが長く4着。前走は降雨のため芝からダート変更されて5着。消化不良のレースが続いたが、今度はかきつばた賞と同じ芝1700m戦。うっ憤を晴らす格好の舞台を迎えた。
ノーチカルチャートは中央ダート1勝、芝2500m1勝、芝2600m1勝。転入初戦のせきれい賞はドンピシャの条件2400m。メンバー最速の上がりで0秒1差2着に惜敗した。前走は芝からダートへ変更されたが、それでも3着確保。芝ダート兼用を証明した。カギは芝1700m対応だが、今の流れならアッサリまで十分。
リッジマンは2018年のステイヤーズステークスを優勝し、同年のダイヤモンドステークス2着。芝長距離で活躍し、障害1勝を経て転入。半年ぶりの実戦がハンデだが、能力検査を叩いて態勢は整った。
ホウオウラフィットは中央未勝利を脱出できなかったが、2着2回3着2回。しかし盛岡芝で余裕の2連勝。ディープインパクト産駒が素質を開花させた。今度は一線級が相手だが、成長続ける4歳馬。3連勝のシーンまで。
ブラックバゴは昨年のOROカップを優勝。今年6月、盛岡芝を求めて転入。芝ダートで2着2回3着2回と安定度を発揮。古豪健在を誇示した。芝1700mは望むところ。
ハイアーグラウンドは中央芝2勝。芝1600mを最も得意とし、2ヵ月半ぶりでも軽視できない。
◎③ソロフレーズ
〇④ノーティカルチャート
▲①リッジマン
△⑩ホウオウラフィット
△⑪ブラックバゴ
△②ハイアーグラウンド
<お奨めの1頭>
11R マイネルイヴィンス
中央2勝クラスからA級へ編入して2着1回3着2回。今回のクラス再編成でC1へ降格は恵まれた。順当の勝機をつかむ
今週は11日、マイルチャンピオンシップ南部杯トライアル「第30回青藍賞」、12日、いしがきマイラーズ・トライアル「第45回桂樹杯」、13日、OROターフスプリント・トライアル「第22回ハーベストカップ」とトライアル競走3連発。岩手勢にとっては重要な3日間を迎える。
まず11日、盛岡ダート1600mを舞台に行われる「第30回青藍賞」だが、出走見送りが相次いで8頭立て。一條記念みちのく大賞典を含めて転入3連勝中ステイオンザトップの回避は残念な限り。みちのく大賞典で2000mもこなしたが、中央芝1600m2勝、ダート1700m1勝が示すとおり、本質的にはマイラー。青藍賞でどんなパフォーマンスを見せるか興味深かった。
それでもゴールデンヒーラー、セイヴァリアントの初対決が見られるのは楽しみ。本命選びにまよったが、ゴールデンヒーラーが若干上位と判断した。
昨年、ゴールデンヒーラーは牡馬三冠へ果敢に挑戦。ダイヤモンドカップ2着、東北優駿(岩手ダービー)4着、不来方賞2着とタイトル獲得はならなかったが、一方の主役を演じた。ほかにひまわり賞(岩手版オークス)、不来方賞トライアル・やまびこ賞を完勝。最優秀牝馬に選出された。
今季は3月から始動。初戦を1秒3差で圧勝し、岩手頂上を目指してシアンモア記念へ勇躍登場。1番人気に支持されたが、ヴァケーションの0秒4差3着に敗れた。
続いて一條記念みちのく大賞典へエントリー。シアンモア記念完敗から5番人気に甘んじたが、果敢に逃げを主張。最後はステイオンザトップの外強襲に屈したが、クビ差2着。負けて強しの内容だった。
一息入れて前走は金沢・読売レディス杯へ挑戦。南関東2騎が強力だったが、3着を死守して帰郷。以降は青藍賞へ照準を合わせて追い切りを3本消化。古馬初タイトルに王手をかけた。
セイヴァリアントは中央2勝クラスながら2着6回3着6回と抜群の安定度を誇り、昨年8月に南関東へトレード。1勝2着1回3着1回から岩手入り。転入初戦、そして青藍賞トライアル・すずらん賞を完勝した。
特にすずらん賞で披露したパフォーマンスは文句なし。直線ではほぼ持ったままで0秒7差。相手が甘かったにせよ、一戦ごとに上昇一途をたどっている。勢いに乗って青藍賞も制するか注目。
マイネルアストリアは昨年、中央2勝クラス、岩手A級との交流戦・東京カップを圧勝。その実績を引っ提げて転入後、赤松杯、あすなろ賞と重賞2勝。前走もあっさり逃げ切りを決めた。
外から被せられなければ水沢でも実力を発揮するが、跳びの印象から盛岡向きの印象。しかも8頭立て7番枠ならほかを気にせずレースに集中できるのが確実。重賞3勝目を手にするか。
バスカヴィルは中央ダート1400m~2100mで4勝をあげ、オープンへ出世。昨年8月に南関東へ移籍して芝交流・OROカップ3着。その後の2戦は着外に終わり、7ヵ月の休養を経て転入。すずらん賞は7ヵ月ぶりの実戦だったが、3着にまとめて上々の滑り出し。叩かれた変わり身を見込めば不気味な存在となる。
ホワイトパスは南関東B1から再転入戦を快勝。この勝利で盛岡6戦6勝。マイルも合い、マーク欠かせない。
スパイスマジックは転入初戦を2着にまとめたが、前走7着。大敗を喫したが、今回はレースに集中させるためブリンカーを着用して臨む。
◎①ゴールデンヒーラー
〇⑧セイヴァリアント
▲⑦マイネルアストリア
△⑥バスカヴィル
△②ホワイトパス
△③スパイスマジック
<お奨めの1頭>
3R ガーレ
転入戦を圧巻のタイムで逃げ切り圧勝。前走は大外だったが、今度は最内1番枠。これも連勝を後押しする
9月4日に行われた3歳馬の重賞、3歳三冠最終戦の『不来方賞』。1番人気に推されたのがグットクレンジングでしたが制したのは2番人気のマナホク。岩手転入初戦を重賞制覇で飾りました。
これも転入初戦だったノンロムがハナを奪ってグットクレンジングは2番手、一方のマナホクは最後方あたりという各馬のポジションのまま隊列は3コーナーへ。ピッチが上がり後方のマナホクも外から捲り始めた勝負所、グットクレンジングは2番手のまま抜け出せないでいるばかりか後続の馬群に並びかけられるような手応え。
直線に向いて横一線になった馬群から抜け出してきたのはマナホク。同様に後方から追い上げてきた馬が次々飛び出してくる中で1馬身以上のリードをとるとそのままの勢いでゴール。自身初の重賞制覇を、そして旧地門別では届かなかった3歳クラシックのタイトルを盛岡で手にしました。
2着は上がり最速の脚を繰り出したコイビトサンタ、3着には積極的に立ち回ったオンラインボスが凌ぎきってここまでがダービーGPの優先出走権を獲得。1番人気かつここまでの二冠を制していたグットクレンジングは8着に終わっています。
9月6日のメインレースは12Rの2歳重賞『ビギナーズカップ』。不来方賞は秋の決戦・ダービーGPにつながる重要な一戦でしたがこのビギナーズカップも10月16日南部駒賞あるいはその先へとつながっていく2歳馬にとっての重要な戦いです。2歳重賞戦線もここから本格的にスタートという事になりますね。
本命は、ここは(5)フジラプンツェルで断然と見ます。
前走は2歳馬の最初の重賞となった若鮎賞。当初は芝1600mで行われる予定でしたが降雨による馬場状態悪化でダート変更。ただ本馬にとっては決して都合が悪い話ではなく実際2着以下に10馬身という圧倒的な差をつけて勝利しました。
ここまで4連勝、特にここ2戦は後続に大きな差をつける勝ち方。世代最上位の評価は妥当ですし、ここも近走同様の強い勝ち方を期待して当然といえます。
対抗は(4)フユノソラ。こちらもデビューから3連勝というだけでなく走る度にレース内容が良くなっている点にセンスの高さを感じる馬。小柄な馬だけに1400mで戦えるのも好材料といえるのでは。◎に迫るとすればこの馬でしょう。
三番手は(1)ローズトレミエでどうでしょうか。若鮎賞は3着とはいえ2秒の差は現状ちょっと決定的。ただレースの中での立ち回りには安定感があり上位争いは可能なはず。
(3)ユウユウレラシオンもダート1400mという条件であればひけは取らないと見ていい戦績。ここはいわゆる同型が強力な点をどう乗り切るか。もう一頭は(7)マルケイヴェラ。まだ一戦だけですがその内容はなかなかのものだったと言えます。相手強化・距離延長は厳しい条件でしょうけども未知の魅力に一票。
●12Rの買い目
馬単(5)=(4)、(5)→(1)、(5)=(3)、(5)→(7)
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