12月31日、「第42回桐花賞」に入る前に2016年の古馬重賞戦線(マイル以上)を振り返ってみたい。
開幕第一弾の古馬重賞は赤松杯。ナムラタイタンが逃げ切って圧勝。2着ラブバレットに6馬身差をつけた。
続くマイルの根幹重賞・シアンモア記念もナムラタイタンが同じく6馬身差で逃げ切り勝ち。2着はライズライン。
"帝王"ナムラタイタンの牙城は揺るぎなかったかに見えたが、体調を崩して半年の休養を余儀なくされた。これで一転、オープン戦線は主役不在の時に突入した。
盛岡ダ1800m・あすなろ賞はコミュニティが貫禄勝ち。みちのく大賞典連覇へ視界良好かと思ったが、伸びを欠いて4着。その後、2ヵ月の休養に入った。
優勝したのは南関東から再転入ミラクルフラワーだった。当日は先行有利の馬場だったが、並み居る牡馬を尻目に逃げ切り、伝統の一戦を制した。
南部杯への道・すずらん賞はライズラインが優勝。赤松杯時はマイナス20キロと大幅に体重を減らし、前途に暗雲が立ち込めたが、馬体回復とともに復活。通算10個目の重賞タイトルを手にした。
南部杯トライアル・青藍賞はシークロムが逃げ切った。ラブバレット、ライズラインがけん制し合う中、マイペースに持ち込んだのが最大勝因。念願の古馬タイトルを手にした。
南部杯が終わった後の重賞は絆カップ。ナムラタイタンがついに戦列に戻ったが、転入初戦を完勝したナリタポセイドンがキッチリ交わして優勝。続く北上川大賞典でも2着アントニオピサに7馬身差をつけ、桐花賞ファン投票でも2位に支持された。
しかしレース後、脚部不安が判明。ナリタポセイドンは来期に復活を賭ける。
以上が古馬戦線マイル以上の流れ。率直に言えば有力各馬とも順調さを欠いた印象。状態をキープする難しさを改めて痛感する次第。
しかし、桐花賞の面々に注目してほしい。昨年の優勝馬ナムラタイタンを筆頭に、2着コミュニティ、3着ライズライン、4着トーホクアローがそろって登場。ある意味で奇跡かもしれない。
特にトーホクアローは5年連続で桐花賞出走。2012年4着を皮切りに3、4、4着。4年とも電光掲示板を確保しているのには頭が下がるばかり。彼の無事と健闘を祈り、拍手を送りたい。
◎①ナムラタイタン
〇⑤コミュニティ
▲⑦ライズライン
△⑥アントニオピサ
△⑨ナリタスーパーワン
ご覧のとおりテーマは既存勢力と新興勢力との戦い。昨年の1、2、3着馬を◎〇▲としたが、北上川大賞典2着アントニオピサは順調度が何よりも強み。
またナリタスーパーワンは中央ダート5勝すべて1400m戦。2000mは長い印象だが、オープン・大沼ステークス(函館1700m)3着。小回り水沢ならこなせるかもしれず、最大の惑星馬。
9頭立ては寂しい気がしない訳でもないが、予想を組み立てていく中、案外おもしろいぞと思うようになった。
結論はナムラタイタンで中心不動。絶対能力とひと叩きされた変わり身で人気に応えてくれると思うが、以下が混戦。各陣営とも好走を胸に万全の態勢で臨む。激戦を期待したい。
<お奨めの1頭>
4R ブラックスナイパー
再能力を課せられたのは軽い鼻出血が発生したから。さほど影響ないと踏んでいいはず。転入4連勝ともワンサイドで決め、ここも追いかける一手
28日(水)、園田1400mを舞台に行われたJpnIII「第16回兵庫ゴールドトロフィー」へ岩手からラブバレットが参戦した。
当日の園田は内が深く、先行馬には厳しい馬場。よりによってラブバレットは最内1枠からの発走だった。
鞍上・山本聡哉騎手はそれを意識したのだろう。スタート後、徐々に外に進路を取って先行争いをうかがったが、外から園田ランドクイーンがハナを主張。
さらに外からニシケンモノノフ、ノボバカラも先行グループに取りつけ、ラブバレットは内オヤコダカの外を追走。不利だった1枠からうまく馬場の真ん中あたりに進路を取った。
3コーナー手前でランドクイーンを交わして1番人気ノボバカラが先頭。しかしその内からニシケンモノノフがスパートをかけ、馬体を併せて4コーナーを回った。
一方、ラブバレットは後方から一気に先団に進出しようとしたドリームバレンチノの動きを見てスパート。
直線入り口でニシケンモノノフが先頭に立ち、大外からドリームバレンチノが捕えにかかったが、ニシケンモノノフがクビ差封じてゴール。兵庫ジュニアグランプリ以来の重賞タイトルを手にした。
ラブバレットは終始、馬群の中でレースを進める苦しい展開だったが、直線でもジワジワと伸びて4着。3着ノボバカラに半馬身差まで詰め寄り、オヤコダカにクビ差先着したのだから健闘と言っていいだろう。お疲れさまでした。
30日メインは「スプリント特別」(オープン・水沢1300m)。この条件ならエーシンシャラクの2連勝が濃厚だろう。
シーズン最初の特別開催の水沢1400m戦を快勝。幸先のいいスタートを切ったが、以降は重賞戦線に名乗り。栗駒賞でラブバレットの2着に頑張ったが、すずらん賞8着後、脚部不安が発生してリタイア。3ヵ月あまりの休養を余儀なくされた。
しかし大事を取ったのが奏功。11月に復帰して2勝2着1回。完全に勢いを取り戻した。元々が盛岡回りより水沢回り。しかも短距離がベストの舞台。水沢1300mは長すぎもせず短すぎもせず大歓迎。連勝のお膳立ては整った。
相手筆頭にゼンザイを指名。中央ダート1400m1勝・500万下、南関東C1から転入。B1・白神賞6着のほかはすべて入着を果たし、2勝2着1回。さらには3着8回。抜群の安定感を誇っている反面、詰めの甘さが最大ネック。
ここ3戦も3着止まりに終わっているが、今回は53キロの斤量で出走できるのが強み。エーシンシャラクとは4キロ差がある。この軽ハンデを味方に3着返上に燃える。
チャイヨーは牝馬ながら540キロ前後の大型馬。水沢1400m3歳重賞・ウイナーカップを優勝した。
オープン入り後は頭打ちのレースを繰り返していたが、前走2着。村上忍騎手の好騎乗も後押ししたが、通用のメドがようやく立った。短距離も望むところ。
エゴイストは芝1000m重賞・ハーベストカップ2連覇を達成。ほかに盛岡ダート1000m1勝、水沢850mで1勝をマーク。
ただ1200m以上では一度も連対がなく、距離がネック。気分良く逃げられた時の押さえ。
スティルプリンスも同じ逃げタイプ。中央1勝2着1回はいずれもダート1000m戦。転入後は距離が合わず大敗の連続だが、1300mなら我慢ができるかもしれない。
◎①エーシンシャラク
〇⑦ゼンザイ
▲③チャイヨー
△⑤エゴイスト
△⑥スティルプリンス
<お奨めの1頭>
3R ハコダテキミコ
目下、6戦連続で連対を継続中だが、2着4回は相手が強く仕方なしの結果。このメンバーなら首位を譲れない
★オッズパーク杯「ゴールデンジョッキーズシリーズ第2戦」・坂口裕一騎手が優勝
リーディング上位12名の騎手が全3戦で覇を競う『ゴールデンジョッキーズシリーズ』の第2戦が12月25日の水沢競馬場で行われ、1番人気のイチフジキングに騎乗した坂口裕一騎手が優勝。第2戦終了時点で暫定1位に躍り出ました。
先週行われた第1戦では8着だった坂口裕一騎手でしたがここで1着・20ポイントを獲得。計24ポイントで暫定1位に。とはいえ2位村上忍騎手は23ポイント、3位の山本聡哉騎手・高松亮騎手は21ポイントと僅差であり、総合優勝が誰になるかはまだまだ分かりません。
第3戦は来年の1月8日(日)に行われます。最後にトップに立つのは、優勝賞金50万円を手にするのは果たして誰になるのでしょうか?
12月26日のメインレースはB1級一組・ダート1600mの『震災復興 子ども達に夢と笑顔を』。直近の何戦かで度々戦っている馬たちの再戦模様というのが前提、着順にかなり大きい数字が並んでいる馬もいるのですが、ケイジースワローやデルマオカルといった"抜けて強いだろう馬"が不在になった事で変化はあるはず。そんな強豪強敵が抜けて変身しそうな馬も見落とさないようにしたいもの。
なお、今週の開催から1日10R編成、メインレースは9Rとなっております。お買い間違えの無いようお気を付けください。
このレースの本命は敢えて(4)ウインミラージュを狙ってみます。夏に芝1000mで好レースを演じてからは芝ダ共に短距離路線中心で戦ってきた同馬ですが、春先はダートの2000mを使ってみたり、また昨年はダートマイルで3勝を挙げていたりとマイルが"長い"という事は無いはずの馬です。
冬の水沢開催に来てからの不振は恐らく力のいる馬場に苦戦していたもの。少しでも軽い、速い時計の決着になる馬場でなら近走とはひと味違う競馬ができていいのではないでしょうか。
相手は(3)フジノピューマ。B1級の短距離戦をメインに走ってきて堅実な成績。必ずしも連勝ではないですが、普通のB1級よりは一枚上手のメンバーと戦ってきていた印象があるだけに、「ここなら」の感があります。距離はどちらかと言えば1400mがベストでは?と思うのですがマイルでも問題はないでしょう。
三番手も思い切って(8)ラブトゥーマッチをピックアップ。転入後は掲示板もない状況、というかJRA時代から南関時代を含めまだ未勝利なのであまり強気にもなれないのですが、右回りの水沢に来て良化うかがえる点、なにより頭数が少ない分、すんなり捌けたなら面白いのでは?という事で、そこに変身を期待しての狙い。
(6)アクシアは後方から来るだけにどうしても展開に左右されるし今の馬場はあまりこの馬の味方ではない感じ。ただこの馬にとっても軽めの馬場になってきたのは好材料。(1)メイショウテンロウはもう少し動けていい感じなのですが。昔から人気の逆を行くタイプだったように見え、人気しすぎるようだと逆に不安視・軽視して、というポジションかもしれません。
●9Rの買い目
馬単(4)=(3)、(4)=(8)、(4)→(6)、(4)→(1)
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★オッズパークLOTO 5重勝/12月26日(対象6R~10R)
6R/評価A: 4番 評価B: 8番、 3番 穴:5番
7R/評価A: 6番、 1番 評価B: 9番
8R/評価A: 7番、 4番 評価B: 6番、 8番
9R/評価A: 4番、 3番 評価B: 8番 穴:1番
10R/評価A: 2番 評価B: 3番、 5番
28日(水)、園田1400mで行われるJpnIII「第16回兵庫ゴールドトロフィー」へラブバレットが遠征する。
今年のラブバレットは積極的に交流レースへ参戦。黒船賞7着、かきつばた記念6着、さきたま杯7着と上半期は苦戦を強いられたが、クラスターカップでダノンレジェンドに真っ向勝負。直線で突き放されたが、見せ場を作って3着を確保した。
続く青藍賞2着後、テンコートレセンへ移動。英気を養って笠松グランプリへ。1番人気オヤコダカの追撃を封じ、見事な逃げ切りを決めて完勝。2連覇を果たすとともに笠松1400mレコードを更新した。
昨年も兵庫GTへの登録があったが、体調が整わず自重。今年はリベンジがテーマとなる。JRAの壁は当然厚いが、53キロのハンデ差が魅力。通算13勝のうち5勝が1400m戦。園田は未経験だが、小回りの時計かかるダートは間違いなく合う。朗報に期待したい。
25日メインはオッズパーク杯「ゴールデンジョッキーズシリーズ第2戦」(B2 水沢1600m)。第1戦は1位・山本聡哉騎手、2位・高松亮騎手、3位・陶文峰騎手という結果だったが、8番人気→3番人気→7番人気で決着。3連単549250円の大波乱。果たして2戦目も荒れるのか、それとも人気サイドとなるか。
本命はマックスキュア=齋藤雄一。2歳11月に北海道2勝から転入したが、強さとモロさが同居。大きく出遅れながら一気マクリを決めたかと思うと、今度は馬群に沈んで大敗。信頼度ひと息だった。
しかし名古屋から里帰りすると一変した。馬群に包まれても怯まず、インを強襲。再転入後、<5.4.3.0>とすべて馬券対象。完全にひと皮むけた。
目下2連勝中。馬体重も410キロ近くをキープして、パワーアップ。ひと息入れたのも間違いなくプラスに作用するはず。
イチフジキング=坂口裕一の良化ぶりは目を見張るものがある。9歳の転入で登り目は薄いと思っていたが、4走前2着を前後して6勝。前走・ディセンバーカップでは初の1900mもアッサリ克服して完勝。
今回はフルゲート12頭。道中で脚を溜めたいタイプゆえ、できれば前につけたいところだが、大外12番枠。これが微妙だが、勢いでカバーするか。
アキツシマ=関本淳は東京ダート1300m戦3着1回から転入初戦を快勝。続く2戦凡走で評価が下がったが、前々走を逃げ切り、前走は7馬身差で圧勝。自分の型に持ちこめると強さを発揮する。強力な同型はトウショウパシオン1頭のみ。展開を味方に3連勝を狙う。
ヤマタケデュック=陶文峰は叩かれながら調子を上げて夏場に5連勝。水沢でも期待を集めたが3、5着。陣営も首をかしげていたが、前回1着でもやもやが吹っ切れた。自在脚質でここも好勝負必至。
キャンディッド=村上忍は成績安定しないタイプだが、前回快勝したように水沢1600mがベストの舞台。引き続き警戒を怠れない。
サクラインペリアル=阿部英俊は相手なりに駆ける堅実さが身上。常に人気以上の結果を出し、マークを欠かせない。
◎⑦マックスキュア
〇⑫イチフジキング
▲④アキツシマ
△⑤ヤマタケデュック
△⑩キャンディッド
△⑪サクラインペリアル
<お奨めの1頭>
8R コスモタウルス
好メンバーがそろった錦秋湖賞を完勝。これで岩手6戦5勝2着1回。どこまで成長を続けるか楽しみ
12月31日大晦日に行われる「第42回桐花賞」のファン投票結果が発表された。
1位・ナムラタイタン
2位・ナリタポセイドン
3位・コミュニティ
4位・ライズライン
5位・ラブバレット
6位・チョイワルグランパ
7位・エンパイアペガサス
8位・ユッコ
9位・ダイワマッジョーレ
10位・マツリダアンバター
以上がベスト10だが、2位・ナリタポセイドンは北上川大賞典圧勝後、脚部不安が判明し休養に入った。5位・ラブバレットは当初の予定どおり兵庫ゴールドトロフィー(12月28日)へ向かい、7位・エンパイアペガサスはダービーGP2着後、浦和へ移籍。初戦20日、浦和・けやき賞(A2以下)を4馬身差で圧勝。幸先のいいスタートを切った。9位・ダイワマッジョーレは11月5日、スプリント特別後、休養。
替わって繰り上がりでアントニオピサ、トーホクアロー、シャーク、サプライズハッピーが選ばれ、報道推薦でナリタスーパーワン、メテオライトが選ばれた。
ナリタスーパーワンは岩手未出走で桐花賞へ選ばれたのは初のケース。実は初戦で白嶺賞を使う予定だったが、降雪のため競馬開催を取りやめ。しかし開催取り止めだったため1出走とみなされ、晴れて桐花賞へ出られる運びとなった。当然だが、既成勢力とは未対決。最大の惑星馬となるかもしれない。
24日メインはB1・水沢1600m「銀嶺賞」。注目は3歳馬2頭。岩手実績ではウインバーニングがリードしているが、デルマオカルの逆転も十分考えられる。
ウインバーニングは中央未勝利ながらダート1800mで3着2回。ほかに大井遠征2着1回から転入。
初戦の盛岡ダート1600m戦でロングスパートを決めて4馬身差で圧勝。続く3歳重賞・不来方賞でも2着確保。ダービーグランプリは相手が一気に強化され8着に沈んだが、地元B1に戻って快勝。オープン入りはいずれ時間の問題だろうと言われている。
デルマオカルは福島芝1200m・2歳新馬戦1着。すずらん賞12着後、エーデルワイス賞へ参戦して9着。その後も500万下で頭打ちで岩手へ新天地を求めてきた。
初戦の不来方賞7着、ダービーGP10着は明らかに距離の壁。2000mが合わなかったが、転入2戦目の盛岡ダート1600m戦を8馬身差で圧勝。
また前走は大本命ケイジースワロー相手に逃げ切って完勝。2キロ(牝馬だから実際は4キロ)のハンデ差はあったが、直線で突き放して3馬身差で逃げ切った。
今回の舞台は水沢1600m。ウインバーニングは1800m以上が合い、デルマオカルは本質的には短距離向き。ちょうど分岐点の一戦で、どちらが勝っても不思議なし。外目11番枠を引いたが、スンナリなら逆転首位まで。
タフガイはなかなか連勝できないが、それでもB1で3勝。ほかもJRA交流10着、前々走・ひいらぎ賞8着以外は堅実に着を拾っている。前記2頭がもつれれば割って入るシーンもあり得る。
むしろ怖いのはセカンドユウゼンかもしれない。北海道、佐賀、浦和でそれぞれ1勝。南関東C1から転入し、初戦を0秒5差4着にまとめた。道中でもたつきながらも直線の伸びはマズマズ。水沢2度目もプラス材料となる。
あとは前走3着で復調のメドが立ったアクティブボス、ここにきて上昇気配アサクサニッポンも軽視できない。
◎⑥ウインバーニング
〇⑪デルマオカル
▲①タフガイ
△②セカンドユウゼン
△⑧アクティブボス
△⑨アサクサニッポン
<お奨めの1頭>
7R ゴールドアラシ
前回、好位抜け出しを決めて完勝。待望の初勝利で弾みがついた。走破タイムも抜けており、同じ1300m戦ならば連勝濃厚