4日メインは今シーズンの2歳重賞第二弾「第34回ビギナーズカップ」(水沢1400m)。
創設は1983年。創設当初は旧盛岡競馬場(緑ヶ丘)1100mで行われ、その後は水沢開催に替わったり盛岡に戻ったりしたが、2007年以降は震災の年(2011年)を例外として、水沢1400mが舞台で固定されている。
歴代勝ち馬の代表馬はスイフトセイダイ、ユキノビジン、サカモトデュラブ。最近では3年前のラブバレットが記憶に新しい。
ラブバレットは2歳時に寒菊賞、金杯を優勝。3歳時はスランプに陥ったが、昨年見事に復活。さきたま杯4着、クラスターカップ3着、笠松グランプリ優勝。
今年もクラスターカップで60キロを背負って優勝したダノンレジェンド相手に直線まで食らいついて3着に健闘した。
ビギナーズカップが2歳ダート路線のスタート。2歳3冠・若駒賞、南部駒賞、金杯にもつながる重要な一戦となる。
余談だが、今回は連闘もあって回避したベンテンコゾウの名前を記憶してほしい。8月27日、水沢850mを50秒5の今季一番時計で勝ち上がった。しかも余裕を残してコースレコードに0秒7まで迫った。
父はダートで大ブレイク中のサウスヴィグラス。祖母は朝日チャレンジカップなど重賞5勝、通算9勝をマークしたヌエボトウショウ。470キロ台で均整の取れた馬体に惚れ惚れ。いずれ重賞へ顔を出すのは確実だ。
主軸はニードアフレンド。北海道5戦2勝の成績を引っ下げてトレードされ、若鮎賞へ名乗り。父スズカコーズウェイ、母父サザンヘイローの血統から芝も問題ないと思ったが、失速9着。案外の結果に終わった。
敗因は初芝以外にもいくつか考えられる。プラス17キロの体重増。初の左回り。入れ込みが激しかったこと。
それを踏まえて水沢1400m戦へ臨み、入れ込みは相変わらずだったが、後続を突き放して圧勝。北海道2勝の底力を見せつけた。
当日は時計のかかる馬場だったにもかかわらず、1分30秒1の好タイムをマーク。これでは他陣営は追走できないのも当然だった。
今回も同じ水沢1400mが舞台なら中心不動。順当に重賞を手にする。
相手は前走でニードアフレンドの2、3着ミスターシーバス、ココロヲコメテ。ミスターシーバスは芝1000m・新馬戦を勝ち、ダートに替わっても2着確保。レースセンスの良さがセールスポイント。
一方、ココロヲコメテは初輸送、初水沢のハンデの中で3着。コース2度目は間違いなくプラス材料となる。デビュー2戦目をアッサリ逃げ切り、2着に2秒1の大差で圧勝したスケールからミスターシーバスに先着も十分。
サンエイリシャールはデビュー戦から2、3、1、2着。堅実な差し脚を武器に完成度の高さを見せている。前崩れになれば台頭のシーンまで。
トーホクコルトは兄トーホクアロー、ウマノジョーなどで岩手になじみの血統。兄弟を考えるとダート向きのイメージが強かったが、芝デビュー戦を快勝。ダートに替わってさらに上積みが見込めるはず。
◎⑤ニードアフレンド
〇③ミスターシーバス
▲①ココロヲコメテ
△②サンエイリシャール
△④トーホクコルト
<お奨めの1頭>
3R ファンシークイーン
前回快勝で待望の初勝利を飾った。弾みつけてもう一丁いける。相手はサムライ1頭
先週28日、ビューチフルドリーマーカップ勝敗の分かれ目は、向正面の駆け引きだった。
地元期待のミラクルフラワーはよもやの出遅れを喫し、手をしごいて4番手まで押し上げた。逃げたのはノーノーイエース。後続を引きつけてスローの流れに落とした。
1番人気タイムビヨンドは中団外を追走し、その内にジュエルクイーンがいる。互いをけん制し合いながらレースを進めた。
坦々としたペースで流れた中、それを断ち切ったのはタイムビヨンドだった。宮崎光行騎手「一か八かの勝負に出た。門別1600mの内回りでジュエルクイーンに負けたように、小回りコースで器用に立ち回れる馬ではない。向うはスピードタイプ。こちらは馬力型」のコメントがすべて。
タイムビヨンド=宮崎光行騎手は早めに動いてセーフティリードを取り、そのまま押し切る形に持ち込みたかった。
これがジュエルクイーンに幸いした。レース前は先手も考えていたそうだが、中団からの競馬。しかも外にタイムビヨンドがつけ、動くに動けない厳しい場所へ押し込まれた。
しかし、吉原寛人騎手はあわてなかった。「タイムビヨンドが動いてくれたから結果的にレースがしやすくなりました」と勝利騎手インタビューで語ったが、必ず相手が先に動くと確信していたに違いない。「ボクが動くか、宮崎さんが動くか駆け引きがあった」と続けた。
この日、吉原寛人騎手は8月末で早くも地方競馬全場(ばんえいを除く)踏破を果たしたが、それを重賞制覇で花を添えた。さすがという他はない。緻密なプレーに改めて感服した。
3日メインは「セプテンバーカップ」(水沢1300m)。当初、モズフウジン、マックスキュアの登録もあったが、2頭とも自重。一転して波乱含みの一戦となった。
主軸にファイブタブレットを指名する。昨年はA級でも勝ち負けを演じ、今季はB2へ降格。8戦連続で馬券対象となり、3勝2着3回3着2回。抜群の安定度を誇っていた。
ところが前走(盛岡ダート1800m)は伸びを欠いて1秒9差6着。まったく"らしさ"が見られず、前開催を自重。
回復に専念し、1300m戦で復帰を果たした。果たして本来のシャープさを取り戻したか否か。陣営は万全を期して得意の短距離戦へエントリーした。
水沢1300m戦は今季3戦目にハイタイムで完勝。多少、本調子を欠いていても適性でカバーすると判断したと思う。それに賭けてみたい。
逆転筆頭はコスモロングソード。中央未勝利ながら2歳新馬戦(東京芝1600m)で2着の実績はダテではなく、岩手初戦の水沢1400mを快勝。
続いて芝交流・オパールカップへ駒を進めて5着後、JRA条件交流へ。一戦目は4着だったが、2戦目は0秒1差2着。直線半ばで先頭に立ち、あわやのシーンを作った。今回のB2戦はくせものぞろいだが、3歳の若さと成長力で十分突破できる。
スマイルリリーは前走、水沢850m戦で大外に入りながらも好ダッシュを決めて逃げ切った。今季2勝はいずれも850mで1300m延長が微妙だが、自分の競馬ができれば持ち前の粘り発揮。ここも逃げの一手。
ランデックアロマは当初、精彩を欠いていたが、徐々に立ち直り気配。前走4着でメドが立った。
以下、久々を叩かれて得意の1300m戦を迎えたテイケイフロックス、スンナリでオーミアリエルの残り目が押さえ。
◎①ファイブタブレット
〇③コスモロングソード
▲④スマイルリリー
△⑧ランデックアロマ
△⑤テイケイフロックス
△②オーミアリエル
<お奨めの1頭>
6R ブラウンヴィーヴォ
転入初戦をハイタイムで快勝。地力の違いを見せつけた。相手は同じく初戦1着ピタゴラステッキ
★重賞・ビューチフルドリーマーカップ/ジュエルクイーンが優勝
遠征馬3頭を迎えて行われた牝馬の重賞『ビューチフルドリーマーカップ』。遠征のジュエルクイーン・タイムビヨンド対地元ミラクルフラワーの構図になりましたが、その中で3番人気だったジュエルクイーンが優勝しました。
昨年のこのレースでは2着だった同馬ですが、これで2年越しの制覇を達成。GRANDAME-JAPANのポイント争いでもトーコーヴィーナスらを抜いてトップに立ちました。
なお、2着には地元の伏兵ユッコが食い込み、タイムビヨンドは3着。ミラクルフラワーは8着に終わりました。
しかし今回の本命は(3)メテオライトを採りました。ある意味休養明けのコミュニティを控えめに評価して・・・ではあるのですが、メテオライト自身もみちのく大賞典2着はじめオープン・A級特別で好走しているのだから力量に不足はないはず。長い脚が使えるタイプではないように見えるので、水沢コースに替わる点もプラス材料と見ての本命視です。
相手は(4)コミュニティ。これまでのシーズン中にはあまりやったことがない2ヶ月余りの休養の影響がどちらに出るか?これは一度実戦を経てみないと分からない面だと思います。良い方に出れば当然勝ち負け。さてどうなるか。
(7)ツクバコガネオーが三番手。この馬も転入2戦いずれも2着ながら力のあるところは見せています。大型馬なりの叩き良化という事もあるでしょうし、今回が"三度目の正直"になる可能性は十分。課題があるとすればやはり小回りコースではないでしょうか。
ヒモは水沢の方が相性が良い(1)マウントマズル、ダートの中距離で地元馬同士なら大きく崩れていない(6)マイネルコランダム。印上位3頭だけの競馬で終わるとも思えませんし、いくらかは他の馬にも手を拡げておきたいものです。
●11Rの買い目
馬単(3)=(4)、(3)=(7)、(4)=(7)、(3)→(1)、(3)→(6)
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★オッズパークLOTO 5重勝/8月29日(対象8R~12R)
8R/評価A: 8番、1番 評価B: 2番 穴:4番
9R/評価A: 6番 評価B: 9番、4番 穴:10番
10R/評価A: 1番 評価B: 8番、7番 穴:3番
11R/評価A: 3番 評価B: 4番 穴:7番
12R/評価A: 3番 評価B: 1番、9番 穴:2番
28日メインは牝馬オープンによる地方競馬全国交流「第42回ビューチフルドリーマーカップ」(M1 水沢1900m)。
創設当時は牝馬特別で実施され、2000年から重賞へ格上げ。そして2010年から"GRANDAME-JAPAN2016"古馬シーズンへ組み込まれた。
その2010年は岩手代表・マイネべリンダが逃げ切って優勝。1番人気エレーヌの追撃を見事封じた。しかし、翌年以降は北海道4勝、船橋1勝。すべて他地区勢が1、2フィニッシュを決めている。
今年も北海道2騎が強力。ノースクイーンカップ1、2着タイムビヨンド、ジュエルクイーンが人気を集めるのは確実だ。
主軸はタイムビヨンド。牝馬ながら北海道クラシックへすべて出走して北斗盃3着、北海優駿2着、王冠賞2着。水沢・ダービーグランプリでも羽田盃馬ストゥディウムの2着に善戦した。
直後に南関東へ移籍して今年5月に里帰り。初戦はジュエルクイーンの2着に敗れたが、2戦目から連勝。ノースクイーンカップではジュエルクイーンに0秒5差をつけて圧勝。
以降はほかのレースに見向きもせず、Bドリーマーカップ1本に絞って調整。万全の態勢で臨んでくる。
ジュエルクイーンとの実力比較は甲乙つけがたい感じだが、ノースクイーンCの内容を見れば地力上位は明らか。無理のないローテーションにも好感が持て、最右翼に位置する。
ジュエルクイーンも実績申し分なし。2歳時にJpnIII・エーデルワイス賞2着から東海地区の重賞3勝。昨年もBドリーマーカップへ参戦してサンバビーンの2着を確保した。
ノースクイーンCはタイムビヨンドに完敗だったが、JpnIII・ブリーダーズゴールドで地方最先着の4着に健闘。ここ一番で強さを発揮するタイプで、仮に優勝すればポイント28ポイントを獲得して暫定1位に浮上。その意味でも陣営の意気込みは半端ではないと解釈して間違いないだろう。
地元の期待を集めるのがミラクルフラワー。元々は北海道所属馬で2歳時に知床賞、プリンセスカップと岩手の交流重賞2勝。
昨年暮れに岩手へ転入して2勝マーク後、南関東2戦を使って再転入。あっさり4連勝を飾り、伝統のみちのく大賞典、BドリーマーCトライアル・フェアリーカップも快勝した。
実績はタイムビヨンド、ジュエルクイーンに劣るが、地元の利が最大の強み。しかも単調なスピードタイプから脱却して成長一途も見逃せない。期待を込めて見守りたい。
ミトノレオは北海道、名古屋、南関東と転籍して転入。3歳交流・留守杯日高賞(水沢)でホレミンサイヤの2着を確保した。
初戦・フェアリーCは8着凡走したが、叩かれながら調子アップ。前走A級戦3着で今後のメドが立った。左回り実績もあるが、主戦場は右回り。コース替わりを味方に一泡ふかすか。
プリンセスポケットは中央未勝利から岩手入りして4勝2着2回。実戦を使われながら地力アップは明白。岩手版オークス・ひまわり賞で出遅れながらも3角まくりを披露。あわやのシーンを作って2着に健闘した。この勢いは見逃せない。
◎④タイムビヨンド
〇⑤ジュエルクイーン
▲⑨ミラクルフラワー
△②ミトノレオ
△⑩プリンセスポケット
<お奨めの1頭>
4R ローズサクラ
転入後、1勝2着4回と連対パーフェクトを継続中。どんな流れにも対応できるのが最大の強み。メンバーに恵まれて絶好の勝機
先週21日(日)、ふじポンといっしょに岩手競馬場外施設『テレトラック山本』で出前トークショーをやってきました。
実はテレトラック山本を訪れたのは今回が初めて。昨年開設した『Dikk秋田』(2度行きました)を含め、岩手競馬の場外施設はすべて踏破していたが、タイミングを逃して行けず終い。今回、ついに実現した。
場所は男鹿半島を北東に向かい、能代市の手前にある秋田県山本郡三種町。干拓で知られる八郎潟の地図右上と言えばいいだろうか。
すぐ近くには美肌効果で有名な森岳温泉があり、保養を兼ねて行くと二倍おいしい。また惣三郎沼公園が隣接されており、自然に囲まれた子どもの遊び場所も充実。
肝心のテレトラック山本は木々をメインに造られ、周囲にはベランダが張り廻られている。まさに癒しの空間だった。
のんびりと一日、過ごすには格好の場所。出迎えてくれた皆さんも暖かさがにじみ出ていた。チャンスがあればまた訪れてみたい。
27日メインはC1「田瀬湖賞」(水沢1600m)。"根性娘"マックスキュアに期待する。
マックスキュアの母クルセイズは2008年、岩手県知事杯OROカップを優勝。当時、盛岡芝で絶大な強さを誇っていたボスアミーゴの追撃を封じ、グランドスラムの夢を打ち砕いたので名を馳せた。
グランドスラムとは芝重賞を全制覇すること。ボスアミーゴは2歳・ジュニアグランプリを皮切りに、3歳・オパールカップ、せきれい賞と軒並み制覇。グランドスラムに王手をかけたが、OROカップでコスモバルクに2度敗れ、芝4連勝で臨んだ2008年はクルセイズのハナ差2着。OROカップだけ手にすることができなかった。
マックスキュアはそのクルセイズの第2仔。北海道2勝から一昨年12月に転入して2勝。さほど目立つ存在ではなかったが、その後、南関東、名古屋と転籍して再転入。
相変わらず400キロを大きく割る小粒だったが、初戦を快勝。続いて2戦3着から2着にまとめ前回1着。馬群に揉まれても怯まず、最内を突いて快勝。すばらしい根性を見せてくれた。
昨年までは小柄な牝馬ゆえもまれ弱い面があったが、精神面の成長一目。今回はメンバーが強化されたが、一皮むけて突破十分。
パルミエも叩かれながら成長一途。現在3連勝中だが、実戦を使われながら凄みを増している。前走、マックスキュアとレースは違ったが、盛岡1600mを同じ1分39秒5で完勝。追ってからの反応が鋭く4連勝にまい進する。
マイネルボンドは前走マックスキュアに0秒3差3着。完敗を喫したが、相手なりに駆ける堅実さは健在。2頭がもつれた際に割って入るシーンまで考えられる。
パープルキングは南昌山賞しんがり11着に敗れたが、初芝に完全にとまどった。今度は実績のあるダートに戻って反撃必至。あとはリズムが狂ってしまわなかっただけが不安材料。
エーシンプローストは強烈なマクリ脚が武器。成績安定しないが、前走鮮やかな直線一気を決めてマークを欠かせない。
カネツパワーは思い切った待機策で直線で確実に台頭。ペースの注文つくが、前崩れなら連対まで。
◎①マックスキュア
〇⑧パルミエ
▲⑤マイネルボンド
△⑥パープルキング
△④エーシンプロースト
△⑪カネツパワー
<お奨めの1頭>
7R シンキングカミユ
転入初戦をハイタイムで快勝。今度は舞台が水沢1300mに替わったが、先行力があれば難なくクリアーできる