8日メインは岩手競馬で唯一の2500m戦「第36回北上川大賞典」。興味深いのは連覇達成が多いこと。2001年、グローバルゴット以来は連覇した馬は出現していないが、古くはスリーパレード、ボールドマックス(3連覇)、グレートホープ(3連覇)、トウケイニセイ、モリユウプリンス、メイセイオペラが連覇を達成。実力どおりに決着するケースが多かった。
最近は毎年、勝ち馬が替わり、混戦のまま北上川大賞典を迎えているのは正直、さびしい面は否定できないが、その流れに歯止めをかけるスターホースの出現を切に願っている。
水沢で行われるのは今年で8回目。スタート手前100mにスタート地点があり、コースを2周。昨年を除いてほとんど超スローの流れで推移し、折り合いが最大ポイントとなる。歴代勝ち馬にも共通すること。コーナーワークの器用さとラスト800mから上がり勝負に対応できる馬が勝利をモノにしている。
以上のことを踏まえて主軸にローレルカンタータを推す。岩手初戦はイーサンジャンパーの2着だったが、2戦目から連勝。3番手キープから直線でスパートをかけると鋭く反応。2戦とも完勝といっていい内容だった。
今回が初の水沢戦だが、調教で乗りなれている地元コース。主戦の村上忍騎手が騎乗停止中で山本聡哉騎手に乗り替わったが、前開催まで112勝をマーク。今、最も勢いがある同騎手なら2500mも難なくこなしてくれるだろう。
ヴェリイブライトは2歳時に南関東重賞・ハイセイコー記念2着。東京ダービー13着から南関東代表で芝交流・オパールカップへ参戦して6着後、そのまま岩手に残ってトレード。当初は芝のみを使われて桂樹杯5着、OROカップ8着に終わったが、ダート2000mの3歳重賞・不来方賞でコウギョウデジタルの0秒1差2着。これで通用のメドが立った。
続いてダービーグランプリに駒を進めたが、全国の強豪3歳の壁が厚く6着。しかし岩手最先着を果たし、水沢2000m2分7秒6をマークできればマズマズ。古馬でも十分通用するタイムだった。ジリ脚タイプで距離延長はむしろ歓迎。
ミキノウインクは南関東から再転入し、牝馬重賞・フェアリーカップを優勝。ビューチフル・ドリーマーカップは5着に終わったが、新設重賞・ヴィーナススプリントを貫禄勝ち。続いて牡馬相手のA級も快勝して2連勝。絆カップは前半34秒4の超ハイペースにとまどって10着だったが、元々がゆったりと流れる1800m以上がベストの舞台だ。
ニホンピロララバイはローレルカンタータと同様、中央1千万下から転入。5戦2着3回3着2回と安定度一目。最後の詰めに課題を残すが、それならば2500mは望むところ。父ホワイトマズル、母父アフリートの血統も後押しする。
イーサンジャンパーはティンバーカントリー産駒。2007年を優勝したテンショウボスも同産駒で岩手の長距離戦は合う血統。岩手2勝はいずれもマイル戦だったが、瞬発力勝負というよりセーフティリードで押し切ったもの。長距離向きと見ていいだろうし、引き続き好調キープ。
あとはブリーダーズカップ・クラシック、ドバイワールドカップを制したプレザントリーパーフェクト産駒ヒシパーフェクトも不気味な存在となる。
◎(2)ローレルカンタータ
○(3)ヴェリイブライト
▲(4)ミキノウインク
△(7)ニホンピロララバイ
△(10)イーサンジャンパー
△(6)ヒシパーフェクト
<お奨めの1頭>
9R コスモフレイム
慢性的な脚部不安を抱えながら岩手では連対パーフェクトを継続。ここ2戦2着止まりが気になるが、軸としては信頼度が高い
先週2日(月)、水沢1400mを舞台に行われた"GRANDAME-JAPAN2013"2歳シーズン第5弾「第30回プリンセスカップ」は、北海道代表・カクシアジが見事な逃げ切りを決めた。
ラブミーブルー、アイアンガールの競走除外により、カクシアジが1番人気に支持。その期待に応え、園田プリンセスカップ、笠松・プリンセス特別に続いて交流重賞3連勝。2歳プリンセス重賞『三冠』?を達成した。
今回の勝利により15ポイントが加算され、合計47ポイントを獲得。2位以下に27ポイント差をつけ、東京2歳優駿牝馬を前に総合優勝を確定させた。田中淳司「笠松遠征後は水沢へ移動して調教を積んできた。使い詰めでしたし、遠征の疲れもあるだろうから一旦休養させ、今後についてはじっくり決めたい」。
確かに400キロそこそこの体で、目に見えない疲労も貯まっていたはず。まずはリフレッシュに専念してほしいと思う。またカクシアジのローテーションは2歳牝馬に新たな指針を作ったことも大きい。できれば3歳交流・東京プリンセス賞も制し、プリンセス・グランドスラム達成をひそかに期待している。
7日(土)メインはC1・水沢1800m戦「錦秋湖賞」。岩手転入後、7戦7勝と破竹の進撃ブリスで中心は動かないだろう。土付かずもすばらしいが、一連の走破タイムも圧巻。
さらに前走は1枠に入って致命傷とも言えた出遅れを喫し、中団で内に包まれる不利がありながらも3角まくりを決めて完勝。小林騎手が砂をかぶらせないようにうまく乗ったが、それにしても強さが際立っていた。その時の不安点は未知の1600m延長だったが、この芸当ができれば1800mも苦にしないはず。
相手は迷った。10頭立てにしては逃げベストの馬がそろって先行激化の可能性が高い。1枠からアスタプロント、ブリス、ファウヌス、ショウナンカルマン。またケイビイテルマ、サクラウィンビートも前につけたいところだし、人気を集めるブリスがどの位置につけるかで次位候補は大きく変わる。
それでもファウヌスは逃げタイプとは言え、岩手7戦6勝3着1回と成績抜群。前走1400mからいきなり1800mへ延長され、距離対応も課題だが、勢いを重視した。
アスタプロントは前回、マイペースに持ち込んで逃げ切り快勝。うれしい両目をあけた。たぶんにペースに助けられた感もない訳ではないが、中央時代にダート1800mで4着1回。この距離延長を最も歓迎するのがアスタプロントと見ていいだろう。
ハイペース必至ならボウシュの台頭が妙味。B2から降格初戦の前走、ロングスパートから2着確保。いい脚を長く使えるのが最大の武器。距離延長も望むところ。
ケイビイテルマの前走10着をどう評価するか。園田から転入戦、8ヶ月ぶりの実戦を3着にまとめ、2戦目2着。走り頃の休み明け3戦目で期待を集めたが、3番手から失速しんがり負けを喫した。それでも気配落ちはなく、馬場に泣いたと解釈。巻き返しに転じても不思議はない。
ショウナンカルマンは前走、スローに落として快勝。好調をアピールした。大外が気になるが、外から被せられなければ控える競馬も大丈夫。やはり軽視はできない。
◎(2)ブリス
○(5)ファウヌス
▲(1)アスタプロント
△(8)ボウシュ
△(3)ケイビイテルマ
△(10)ショウナンカルマン
<お奨めの1頭>
5R グッドフューチャー
岩手3戦2着2回3着1回と安定度一目。勝ち切れなかったのは相手が強すぎたからだが、今回はメンバー的に初勝利のチャンス。相手はベストリッジライン
本日月曜のメインレースは2歳牝馬の重賞・プリンセスカップ。『GRANDAME-JAPAN2013』の2歳シーズンの一戦として全国の強豪が集まりました。
と書き出すのですが、実は月曜朝の段階で北海道のラブミーブルー・アイアンガールの2頭が競走除外となって大幅に状況が変わりました。予想も仕切り直しとなりましたので。あらかじめご了承ください。
こうなると本命は(2)カクシアジという事になります。ここまでにも園田プリンセスカップ、笠松プリンセス特別と『GRANDAME-JAPAN2013』の重賞を2勝していてシリーズのポイントリーダー。もちろんそれだけでなく、北海道の重賞でも上位の戦いを演じてきただけに、強敵がいなくなったここなら強気の戦いができるはず。
問題は遠征続きのローテーションですが、前走後はそのまま水沢に入厩して調整しており大幅な疲れはないでしょう。勝てばシリーズ優勝がほぼ確定。その点でも力が入ります。
相手は(7)ターントゥタイドを抜擢します。実績的には芝の方が良い・・・という内容ですが、芝とはいえ重賞・若鮎賞を勝ちジュニアGPではプレイアンドリアル・ライズラインに次ぐ3着。その計算で行けばここでも足りるはず。今の軽い馬場では芝馬の好走も目につきますし、なんとかダートでも・・・と期待したいところ。
三番手は(5)ヨシノミカエルか。北海道時代の戦績ではちょっと強気になれませんが、さしあたり前走の4着は評価して良いでしょう。先行力を活かす形に持ち込めれば。
以下、最内枠から前に行き切るなら粘り込みも・・・の(1)ポアント、水沢二戦目でもう少しやれそうな(6)ドナータあたり。この辺まで来ると手掛かりが薄いですが、強豪2頭が抜けた間隙を埋めるチャンスはどの馬にもありそうです。
●10Rの買い目
馬単(2)=(7)、(2)=(5)、(2)→(1)、(2)→(6)、、
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早いもので師走、12月を迎えた。岩手競馬も約1ヶ月半で冬休みに入り、11月29日には盛岡地区で積雪があった。これから雪との戦いが待っているが、この季節に意外な活躍を見せるのが芝適性がある馬たち。
凍結対策のため、コースに融雪剤がまかれると単純な不良馬場ではなくなる。表面的には水が浮いているが、粘り気が出てくると芝コースと同じような状態になるらしい。冬の岩手競馬は芝実績も要チェック。これが勝利への鉄則だ。
12月1日メインはB1「ひいらぎ賞」、水沢1900m。賞金ハンデ戦で最高58キロ、最軽量54キロと4キロのハンデ差も勝敗に影響。コパノツイテルがトップハンデ58キロ、シルククレヴァー、スノウプリンス57キロをどう判断するかが、まずポイントとなる。
主軸はシルククレヴァーとした。中央0勝、南関東3勝・B3から転入。A級へ格付けされ、初戦、3戦目、5戦目に白星をマークし、重賞路線に乗るかと思ったが、以降は白星なし。芝・かきつばた賞6着以外はすべて入着を果たして堅実さを誇示したが、最後で伸び切れなかった。
しかし、B1へ降格した2戦目の前回を3馬身差で圧勝。これでようやく吹っ切れたと解釈して間違いない。好走要因は相手弱化とコース替わり。盛岡もこなすが、水沢5戦3勝3着2回の成績が示すとおりだった。
ハンデは57キロに増えたが、530キロ前後の大型馬で斤量泣きはほぼ考えられないし、ジリ脚で距離が伸びれば伸びた方がいいタイプ。村上忍騎手は南関東時代に一度騎乗経験があり、クセも分かっているはず。
コパノツイテルはB1ですでに7勝を荒稼ぎ。普通ならば卒業してもおかしくないが、格付け賞金で今回もB1据え置き。その分、58キロの負担重量が課せられたが、それが微妙。前々走・白神賞で58キロで4着。積極的に攻めたが、直線で伸びを欠いた。これが負担重量の影響だった。
とは言え、実績では群を抜く存在。山本政聡騎手もそれは意識しているだろうし、前走はA級馬相手に完勝。引き続き好気配を保ち、当然アッサリ首位まで。
ブラックタイガーは盛岡コースを苦手としていたが、レースを使いながら徐々に克服。白神賞ではコパノツイテルに先着2着を確保した。これが3歳の成長力だろうし、今度は待ちに待った水沢が舞台。過去、水沢は<3.3.2.1>と絶対の自信を持っている。ハンデ差も味方にして大勢逆転を狙う。
ノーティカルスターは中央芝2000mで1勝。2012年、1年1ヶ月の長期休養を余儀なくされ、今年4月に復帰したが、8月の函館ダート1700m戦6着後に岩手へ新天地を求めてきた。
それがずばりはまり、転入初戦で出遅れながらも豪快にまくって2着。芝・秋嶺賞は9着に終わったが、ダートに替わった前回でも鮮やかな3角まくりを決めて快勝。5歳馬だが、レースキャリアが少なく伸びシロは十分。ここでも目が離せない1頭となって。
ラブソングは前走5着だったが、1400mの忙しい流れにとまどったため。切れ勝負型だが、距離が伸びた方が持ち味を発揮。ハイペースなら一気台頭する可能性もある。スノウプリンスは1900m克服がカギだが、前走はコパノツイテルの3着確保。押さえ必要か。
◎(5)シルククレヴァー
○(6)コパノツイテル
▲(7)ブラックタイガー
△(1)ノーティカルスター
△(11)ラブソング
△(3)スノウプリンス
<お奨めの1頭>
3R ニイタカヤマ
一戦ごとに迫力増は明らか。目下2連勝もすばらしいが、競り合いに強いのが魅力。同じ1300mが舞台なら追いかけて損なし
30日、メインはB1級一組、水沢1600m戦。レース名の「前へ!前へ!前へ!」は調騎会騎手部会協賛によるファン公募から。キーワードが隠されているかと思ったら、ワタリルーブル、ドラゴンオサム、トートアフィシオンと快速馬が3頭エントリー。
ワタリルーブル、ドラゴンオサムは再転入後、精彩を欠くレースが続き、可能性があるとしたらトートアフィシオンだろう。今シーズンはダート短距離、芝に絞ってローテーションを組んで6勝。FM岩手杯までは飛ぶ鳥を落とす勢い。
目標だった芝1000m重賞・OROターフスプリントでも有力候補の1頭になるはずだった。ところがトライアル・ハーベストカップ(オープン)でライトマッスル、トートアフィシオンが激しく競り合い、漁夫の利を得てスーパーワシントンがイン強襲を決めて快勝。
トートアフィシオンは4着に終わり、優先出走権を獲得できず。ひとまずOROターフSに登録はしたが、賞金順位で抽選モレ。陣営も落胆を隠せなかったが、そのうっ憤を晴らすかのように芝1700m・秋嶺賞(B1)を逃げ切り勝ちを果たした。
今回は久々のダート戦ぬ加え、同型がそろって△止まりとなったが、絶好の1枠を引き当てたのが好材料。自分の競馬ができれば首位奪取の可能性もある。
水沢1600mが舞台なら本命はエクセラン。中央から再転入後、<4.3.3.1>と抜群の安定感。ここ2戦は2着だったが、これはファーストメジャー、クリスティラビットが思いもよらない激走に遭ったため。勝負の運としか言いようがなかった。水沢マイル2戦2勝とパーフェクト成績を誇り、今度こそ首位を奪取する。
エクセランに死角があるとすれば、やはり最後の爆発力勝負になったとき。負けて強しの評価ができる反面、詰めが甘いのも事実。マイネルゴスホークが逆転を狙う。中央0勝に終わったが、ダート1600mと1700mで2着。転入当初は伸びを欠いたが、移籍5戦目を快勝。弾みついた前走は元A級馬で翌日12月1日、メイン・ひいらぎ賞でも人気を集めるシルククレヴァーの2着。上昇ムードに乗っている。
レディアントデイズは中央芝で2着2回。初戦の盛岡ダート1600mを快勝し、芝2戦2、3着。この成績から前走も2番人気に支持されたが、中団から退いて9着。まったく"らしさ"が見られなかったが、初輸送と初の水沢にとまどったか。父がニューイングランドで気性の激しさがマイナスとなったかもしれない。勢い止まるのか、それとも巻き返しなるか。正念場を迎えた。
ヴェルシュナイダーは昨年、ロックハンドパワーと双璧をなし、2歳戦線をリードしてきたが、名古屋から帰郷後は1勝のみ。こちらも気性難が出世を妨げている印象だ。ただ、それだけにレースに集中できれば地力の高さでアッサリまで。いずれ復活が待ち遠しい。
◎(3)エクセラン
○(6)マイネルゴスホーク
▲(7)レディアントデイズ
△(1)トートアフィシオン
△(4)ヴェルシュナイダー
<お奨めの1頭>
11R メジロオマリー
前走・ノベンバーカップはホッコーアムールとのマッチレースを制して完勝。自身の連勝を6に伸ばした。どこまで連勝続けるか楽しみ