21日メインは恒例の騎手部会協賛によるA級二組、水沢1600m戦「忘れまい!あの日あの時あの笑顔」。ここで上位争いを演じた馬はシーズンラストの重賞「トウケイニセイ記念」(1月13日)へ向かうのは確実。翌日の白嶺賞と同様、重要な一戦となった。
主軸は転入初戦を快勝したサクラルーラー。過去の足跡は中央1勝・500万下→北海道5勝→中央4戦0勝→北海道0勝→岩手。一見すると平凡だが、東京芝1800mの2歳新馬を勝ち上がり、3戦目の京成杯1秒3差10着。
また北海道時代に5勝をマークしてブリーダーズゴールドカップ、瑞穂賞へも挑戦した実績を誇る。2011年9月以降、勝ち星から遠ざかっているが、北海道再移籍後も着外わずか2度のみ。2着3回3着1回4着5回と抜群の安定感。よって岩手初戦を2馬身半差で逃げ切ったのも納得がいく。
加えて初戦の馬体重が548キロ。これは転入前2戦と同じ体重だったが、明らかに太め残り。それで結果を出したのだから、叩かれて体が絞れてくればさらにシャープさを増すに違いない。
イーサンジャンパーは中央1000万下から転入して2勝2着1回3着2回。前走は岩手最長距離戦・北上川大賞典へ挑戦。これまでと同様、先行策に出ると思ったが、後方2番手を追走。終い勝負に賭けて5着を確保したが、不満の残る内容。できれば前で競馬をしてほしかった。
岩手2勝はいずれも盛岡1600m戦だが、水沢1600mも2着1回3着1回とコース苦はまったくなし。1枠を引き当てたことを味方にしない手はなく、好発進なら逆転首位まで。
コスモプランタンは前々走、イーサンジャンパーの逃げをマークして直線鮮やかに抜け出して完勝。夏場は精彩を欠いていたが、転入当初の勢いを完全に取り戻した。前走はサクラルーラーに水を開けられた2着だったが、2頭が競り合う形になれば単まで考えられる。
ヒシパーフェクトは北上川大賞典で見せ場もなく11着に終わったが、板垣調教師「大きなブリンカーを着用したのが逆目になった」のが敗因か。それならば見限るのは早計。これまでどおりのブリンカーでレースに集中できれば、巻き返して不思議はない。
アラマサコマンダーは転入初戦の牝馬重賞・ヴィーナススプリント2着以降は入着が精一杯だが、北上川大賞典はイーサンジャンパーと同タイム6着。距離短縮されたが、イーサンジャンパーに強い印をつけるならアラマサコマンダーもマークが欠かせない。
ピースフルアースは中央芝2勝、ダート戦でも3着1回の実績があり、通用しておかしくない実績。障害を経ての転入が気になるが、ひとまず3着には押さえたい。
◎(2)サクラルーラー
○(1)イーサンジャンパー
▲(4)コスモプランタン
△(7)ヒシパーフェクト
△(10)アラマサコマンダー
△(8)ピースフルアース
<お奨めの1頭>
5R マネタイザー
転入初戦はコーナーを曲がれず4角で外方逸走のアクシデント。それを矯正するのに成功して前回圧勝。本質的に右回りタイプでもある
今回は騎手ネタを二つ。まずは12日に園田競馬場で行われた『ゴールデンジョッキーズカップ』に出場した村上忍騎手の結果から。全国の2000勝以上の騎手が計3戦で覇を競う豪華な戦いは、総合優勝はJRAの戸崎圭太騎手、2位は同じくJRA・岩田康誠騎手、3位は高知・赤岡修次騎手で村上忍騎手は総合6位となりました。
村上忍騎手は結果的には6位ではありましたが、この辺の順位を争う中での最終的な結果は"運"の面もあります。第2戦終了時点では総合優勝のチャンスもあった・・・というのが重要で、これだけの騎手の間でそういうポジションに食い込めているのは立派です。
昨年のこのレースとかその他の騎手対抗戦、村上忍騎手は盛んに積極的なレースを挑むようになっています。それがペースを速くしすぎて・・・みたいな事もありますが、こんな全国の名手が集まったレースで差し・追込なんかそうそう狙って嵌るものではありません。自力勝負を挑んでいればいずれ結果が・・・という期待ができる戦いを続けていますから、この次、またその次の村上忍騎手の戦いぶりには注目していきたいですね。
もう一点。残念なおしらせになります。オーストラリアから期間限定騎乗で来ていた太田陽子騎手ですが、落馬負傷の怪我が癒えず、騎乗できないまま岩手を去る事になりました。
太田騎手自身もなんとか騎乗を再開したい、水沢で一度戦いたいと願って治療に専念していたのですが、結局、免許期間中に騎乗ができるまでに治る目処が立ちませんでした。岩手では通算10勝。もっと活躍する姿を見たかったのですが残念ですね。またいつか次の機会に、岩手で、水沢競馬場で騎乗する姿を見たいものです。
また、太田騎手の活躍で他のオーストラリアの日本人騎手が岩手で期間限定騎乗をする話も出てきています。来年の、あちらの競馬のオフシーズンに・・・という事になるのでしょうが、期待して待ちたいですね。
●10Rの買い目
馬単(8)=(3)、(8)=(2)、(3)=(2)、(8)→(6)、(8)→(10)
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今週木曜日から岩手は雪に見舞われている。まさに冬将軍が到来した感じだが、レースにも少なからず影響。岩手競馬公式ホームページ等で当日の開催状況をご確認ください。
15日メインは2歳重賞「第12回寒菊賞」、水沢1600m。出走予定メンバーを見てあれッと思う方も多いかもしれない。当初、若駒賞、南部駒賞を連勝したライズラインの登録があったが、出走を見送った。状態的にはまったく問題がなく、年明け1月5日の伝統重賞・金杯へ直行する模様。ラブバレットとの対決を心待ちにしてほしい。
ライズラインが不在なら俄然、ラブバレットは負けられない一戦となった。南部駒賞のレース後、ライズライン鞍上の小林俊彦騎手「まだ勝負付けが済んだとは思っていない」と語ったが、若駒賞で0秒4差つけた着差がタイム差なしのクビ差。ラブバレットはあと一伸びで交わす勢いもあった。
ラブバレットは盛岡も問題なしだが、反応の良さは地元水沢。タイプ的に1600mがベストで寒菊賞を順当に制し、金杯に向けて弾みをつけたいところだろう。
これは余談だが、若駒賞、南部駒賞ともライズラインは逃げの手に出るしかなかったが、今回はラブバレットが3枠。仮にライズラインが出走していれば10頭立て8番枠だった。もし枠順が逆になったら両陣営はどんな戦法を採るのか。これも金杯のお楽しみだ。
相手は実績を考えればシグラップロードだが、アオチャンを対抗とした。岩手4戦3勝3着1回。その3着は初の水沢に戸惑った印象。コース2度目の前走を快勝し、シグラップロードの追撃を封じたのが大きい。
まだ成長途上だが、一戦ごとに力をつけているのは疑いのないところ。ラブバレットには適わないにしても2着確保で今後にもつなげたい。ちなみに馬名の『アオチャン』は毛色の青毛から命名したそうだ。
シグラップロードはデビュー2戦目の芝重賞・若鮎賞7着以外はすべて4着以上。2勝2着2回と抜群の安定感を誇り、一連の重賞でも上位入着を果たしている。その反面、勝ち味の遅さがネックとなり、ライズライン、ラブバレットとは完全に水を開けられた格好。
前走も追い比べでアオチャンにハナ差負けを喫したのが気になるが、重賞で強豪メンバーと戦ってきた実績は貴重。その経験を生かしたい。
トーホクスマイルは現A級トーホクアローの全妹。これまで2勝2着4回。グランダム・ジャパン2歳シーズン「プリンセスカップ」でも4着に善戦した。結果的に先行2頭で決着し、後方タイプには苦しい流れだったが、ロングスパートをかけて入着を果たした。シグラップロードと同様、この経験が見逃せない。
リュウノハヤテは北海道1勝から転入し、初戦を快勝。通算2勝目を飾った。すでに16戦のキャリアを誇り、11度が5着以内を強調したい。
◎(3)ラブバレット
○(1)アオチャン
▲(8)シグラップロード
△(7)トーホクスマイル
△(4)リュウノハヤテ
<お奨めの1頭>
5R スズカノジェリコ
一戦ごとに地力アップは誰の目にも明白。目下2連勝中でレース内容も走破タイムもすばらしい。どこまで成長するのか楽しみ
現在、12月31日に行われる岩手版グランプリ「第39回桐花賞」のファン投票を募集中だが、9日時点での中間発表があった。
1位・モズ
2位・ハカタドンタク
3位・ロックハンドパワー
4位・トーホクキング
5位・コウギョウデジタル
6位以下はアスペクト、トーホクアロー、ローレルカンタータ、スーパーワシントン、ミキノウインクの順となった。投票スタートが7日なので開始直後の重賞・北上川大賞典をモズが逃げ切り快勝。そのインパクトが強かったことも投票に影響したと思うが、確かにモズの逃げ切りは見事。中央オープンの底力に、完全に脱帽だった。
投票締め切りは22日まで(インターネットは同日正午まで)。まだまだ時間がありますので、ふるってご応募ください。超豪華な奥州牛、白金豚、海宝漬けが待っております。よろしくお願いします。
14日(土)メインはB1級「銀嶺賞」(水沢1600m)。賞金によるハンデ戦で最高58キロ(コパノツイテル)、最軽量54キロ(ラブソング)の4キロのハンデ差がついた。
主軸は実績を重視してコパノツイテル。3走前、今回と同じ58キロを背負って白神賞へ出走。鞍上・山本政聡騎手もそれを意識して早めに仕掛けたが、最後は伸びが甘くなって4着。それゆえひいらぎ賞も負担重量が懸念材料だったが、見事はねのけて快勝。価値ある勝利となった。
今度の舞台は水沢1600m。マイル特有の忙しい競馬に若干不安が残るものの、B1ですでに8勝マーク。やはり主軸は譲れないだろう。
マイルを舞台に逆転を狙っているのがシルククレヴァー。前走・ひいらぎ賞は3番手インをキープしたが、勝負どころの3コーナーで前がふさがる不利。一度下げて外に持ち出すロスがあり、3着に敗れた。水沢1600mはA級在籍時に4戦2勝3着2回。相手関係を考えれば当然首位まで。
ブラックタイガーは成績が示すとおり水沢は鬼的存在といっても過言ではない。これまで水沢<3.4.2.1>と抜群の安定感。ひいらぎ賞でも中団インをキープした3角でスルスルと進出。直線も内を突いて2着を確保した。どんな競馬にも対応できる自在脚が最大の武器となる。
以上3頭がひとまず抜けているが、マイル短縮で反撃に転じるのがスノウプリンス。ひいらぎ賞2秒1差4着は力負けもあったが、1900mも長すぎた。守備範囲の1600mなら自慢のマクリがさく裂するか。
ヴェルシュナイダーは久しく鳴りを潜めていたが、前走は強豪エクセラン相手にハナ差2着に惜敗。ようやく復活の手応えをつかんだ。好、凡走の落差が激しく全幅の信頼は置けないが、逆に一発の怖さを秘めている。あはひと皮むけたテンショウリバイヴも軽視できない。
◎(5)コパノツイテル
○(1)シルククレヴァー
▲(9)ブラックタイガー
△(6)スノウプリンス
△(7)ヴェルシュナイダー
△(8)テンショウリバイヴ
<お奨めの1頭>
6R タイセイスカイ
転入2戦目に初勝利を飾ったが、以降は足踏み。しかし相手も強かったのも事実で、メンバーが手頃になった今回は2勝目のチャンス
12月2日の水沢第7レースで、山本政聡騎手が地方競馬通算500勝を達成しました。
山本政聡騎手は03年のデビューで今年11年目。08年に通算100勝を達成し、今回はそれからちょうど5年で500勝を達成。「6年で100勝」から「5年で400勝」ですから大幅なペースアップですよね。今季も既に100勝に到達していて2年連続100勝突破。この勢いなら通算1000勝は問題なく射程圏に入る計算ですから非常に楽しみになりました。
弟の山本聡哉騎手は05年にデビューして08年に100勝、通算500勝も今年7月に達成しており、兄よりも少し早いペースで勝ち星を増やしてきました。山本政聡騎手がシーズン後半に入って勝ち星を伸ばし、今年中に500勝を達成したのは、兄の意地だったのかもしれませんね。
山本聡哉騎手がリーディング2位、山本政聡騎手がリーディング3位、その間10勝ちょっとの差で競り合っている事で分かるとおり、いまやこの"山本兄弟"は岩手競馬に欠かせない存在です。
兄弟揃って同シーズンに500勝到達。兄弟揃って年間100勝ペースで勝ち星を量産中。となると次は「どちらが先に1000勝を達成するか?」ですよね。また弟が先か、それとも兄が逆転するか?順調ならあと4~5年の内の出来事になるはず。その日が楽しみです。
●10Rの買い目
馬単(5)=(2)、(5)=(4)、(5)→(3)、(5)→(12)、
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