笠松所属の浜口楠彦騎手が亡くなられた。
浜口騎手といえばラブミーチャンだが、個人的には2006年、盛岡で行われたスーパージョッキーシリーズ第一戦を思い出す。
14番人気の最低人気だったゴールドシャトーで見事1着。後方待機策から馬群を割って抜け出してきたノリノリワカサマ=菅原勲騎手(当時)の追撃をアタマ差封じ、単勝10310円、3連単118万8820円の超ビッグな配当を演出した。
それを目の前で見たふじポンが浜口騎手の大ファンになり、長い間、ふじポンの携帯待ち受け画面は浜口騎手の表彰式写真だった。本番ワールドスーパージョッキーズシリーズでも第3戦を快勝。最高の笑顔を振りまいていた。
謹んでご冥福をお祈りします。
16日(土)から舞台は水沢競馬場へ替わり、年明け1月13日までの約2ヶ月間、ノンストップで走り抜ける。初日メインはB2級「ノベンバーカップ」(水沢1400m)。破竹の進撃メジロオマリー、ホッコーアムールの無敗対決。開催替わり初日から楽しみな一戦を迎えた。
主軸はホッコーアムールとした。中央0勝3着2回からB2へ編入。初戦から圧倒的な強さで3連勝マーク。前走は16頭立ての多頭数で馬群をさばくのに苦労するかと思ったが、好位キープから直線で力強く抜け出して圧勝。一戦ごとに凄みが増している。
前回、もう一つ不安点があった。1800mをこなせるかどうか。マイル戦でも折り合いを欠くシーンがあり、それが中央未勝利の要因だったが、スムーズなレース運びを見せて陣営が一安心した。
今回の1400m短縮は、以上のことからも大歓迎。2歳新馬(京都ダート1400m)3着の実績も光り、若さと成長力を前面に古馬を一蹴する。
メジロオマリーは中央ダート3勝・1000万下から転入。昨年の東京カップけやき賞(JRA1000万下、岩手A級以下交流)でも3着の実績を残した馬が岩手の格付け方式で最下級C2スタート。
相手が大幅弱化され、現在まで岩手6戦6勝。前走は内に包まれて一瞬ヒヤッとさせたが、直線でアッサリ突き抜けて5馬身差。依然、底を見せていない。
中央3勝もダート1400m2勝、1200m1勝と適性はホッコーアムールより上。水沢コースを2度経験して圧勝しているのも心強く、逆転首位まで十分。
オーバーザレインボは典型的なダートスプリンター。5走前の水沢1300m・セプテンバーカップで鮮やかなイン強襲で快勝した。前走も得意の短距離(盛岡ダート1200m)で2着確保し、1400mも守備範囲。前記2頭が激しくやり合うようだと自慢の末脚がさく裂。
ギシアラバストロは中央4勝・準オープンから転入。慢性的な脚部不安に悩まされているが、今年8月、11ヵ月ぶりぶりの美酒を味わい、前走で今季2勝目。元A級の底力を発揮し、復調をアピールした。水沢1400mが微妙だが、スプリント適性では引けを取らない。
フジノチーターは前走10着。これはホッコーアムールに早めに交わされたのが痛かった。今季3勝をマークしただけではなく、一連のレースに成長の跡がはっきり。軽視すると痛い目に遭う。
ウイントゥヘヴンは前走、盛岡1200m3着。今季1勝にとどまっていたが、短距離適性の片りんを見せた。1400mは名古屋、岩手含めて通算7勝。ベストの舞台で一発を狙っている。
◎(8)ホッコーアムール
○(3)メジロオマリー
▲(4)オーバーザレインボ
△(7)ギシアラバストロ
△(10)フジノチーター
△(2)ウイントゥヘヴン
<お奨めの1頭>
8R クロワッサン
ひと頃、伸びを欠いた時期もあったが、無理をしなかったのが功を奏して反撃。前走2着ながら1800m克服が価値高い。得意のマイルに戻って首位を奪回する
5月からのべ10開催にわたって行われてきた盛岡開催もいよいよ今日で今季ラストとなりました。3つのグレードレースを始め芝の重賞、地方競馬の交流重賞などなど様々なドラマがありましたが、つい先日盛岡競馬が開幕したような気がしていたのにもう11月、盛岡閉幕。早いものです。
そもそも今季の岩手競馬もあと2ヶ月ほどという事で"クライマックス感"も強くなってきました。来週は2歳の南部駒賞、再来週は3歳のダービーGPとそれぞれ世代の頂点を競うクライマックス的レースが行われますし、1ヶ月もすれば桐花賞、今季の総決算となる戦いもやってきます。あと2ヶ月ほどですがシーズンの間で一番慌ただしい時期でもありますね。
そして、来年11月には盛岡競馬場でJBCが行われます。先日の金沢JBCを終えて盛岡JBCもカウントダウンがスタート。早くも来年のJBCに向けた施策の話なども聞こえてきます。
盛岡では12年ぶりに行われるJBC。前回のJBCの華やかな雰囲気も未だ忘れがたいですし、その日の朝は霜が降りるほどで非常に冷え込んだのも思い出されます。来年11月3日のJBCはどんな日になるのでしょうか?
早いもので今開催の11日(月)で今シーズンの盛岡競馬もひとまず終了。南部杯を頂点に数々の好勝負が繰り広げられてきた。
今年、特に目についたのが芝の充実。各クラスで芝競走が実施され、適性を求めて芝で実績を残してきた転入馬が非常に多かった。9日メイン「オッズパーク杯」(盛岡芝1600m)もその典型的なレースとなった。
今季の芝レースも「絆カップ」、10日(日)、第1R。2歳(芝1000m)、11日のメイン10R・五葉山賞(C1 芝1000m)を残すのみ。順当に決まるか、それとも波乱で幕が閉じるのか。熱い視線を送りながら注目している。
主軸はヒビケジンダイコ。中央2勝・1000万下で頭打ちで南関東へトレード。5戦とも着外に終わり、岩手へ新天地を求めてきたのがズバリ。南関東の成績と同様、ダートでは苦戦の連続だったが、芝に替わって反応が一変。芝2400m・かきつばた賞で2着を確保し、本番の地方交流・せきれい賞を優勝。中央2勝を芝2000m、2400mで上げたが、その適性を存分に発揮した。
その後、一戦置いてGⅡ・京都大賞典へ挑戦。さすがにスピードについていけず13着に終わったが、帰郷戦のダート1600mで3着。遠征疲れのないことを確認できてホッとした。
血統的にも芝長距離向きでマイル短縮が不安材料だが、それは盛岡芝適性がカバー。積極的なレース運びを見せれば距離も克服できると判断した。
ケニアブラックは中央4勝・準オープンから転入。2戦とも8着止まりだったが、これが生涯初のダート戦。条件があわなかったと解釈したい。今回は盛岡芝1600mが舞台。中央時代は芝1600m3勝、芝1800m1勝と待ちに待った一戦。2戦のうっ憤を一気に晴らすか。
マイネルエデンも準オープンからの転入。近4走は順調さを欠いて二ケタ着順。これをどう評価するかだが、ここ2戦は明らかに太め残り。馬体重が520キロ台まで落ちていれば芝4勝の実力を見せることができるはず。
グリッドマトリクスは初戦・OROターフスプリント9着。これは初の芝1000mの速い流れに戸惑ったのが大きかった印象。中央時代は芝1600m、1800m、2000mで3勝。距離延長はもちろん望むところだろう。
アラマサコマンダーも芝1000mの忙しい競馬が合わなかった。芝1700m交流・OROカップで0秒9差5着にまとめたように、適距離に替わって巻き返しに転じる。
コンプリートは展開次第だが、スンナリの流れになれば渋太さを発揮。ハーベストCが0秒4差、OROターフスプリントが0秒6差5着。流れは向かなかったが、今回はペース落ち着きそうで持ち味を発揮するシーンまで。
◎(6)ヒビケジンダイコ
○(3)ケニアブラック
▲(10)マイネルエデン
△(2)グリッドマトリクス
△(9)アラマサコマンダー
△(7)コンプリート
<お奨めの1頭>
8R ファウヌス
前走はハイペースがたたって3着。連勝4でストップしたが、これは展開のアヤ。首位奪回に燃えている
メインレースの前に月曜の10Rのお話を。このレースの頭数は「16」。JRAや南関東では珍しくない頭数ですが岩手で16頭立てが行われるのは実に希。「おや?」と思った方もおられるのではないでしょうか。
盛岡競馬場で16頭立てのレースが行われるのはこれが二度目です。前回は2002年の6月10日、ダート1400mと1600mで16頭立てのレースが設定されました。
目的は、その年11月に行われる事になっていたJBCの予行でした。設計上は16頭立てにも対応している盛岡のダートコースですが実際にやってみるとどうなるのか?フルゲート16頭が予定されていたJBCの前に各所の流れを確認するために行われた物でした。
結果的にその年のJBCは最大15頭になって、本番での16頭立ては実現しませんでした。その後は交流競走で最大14頭(南部杯のみ15頭)、地元の重賞・特別では12頭という事にもなって、「フルゲート16頭」はお蔵入り状態になっていました。
今回の16頭立ても前回の実施時と同様、1年後に迫った盛岡JBCに向けての試行という事で、以前行われなかった1800m、1400mや1600mと違いコースを一周・コーナーを4度回る形での多頭数の確認なのだそうです。
南部杯が15頭になったことも一度しかないし、確かにスタンド前を通過する16頭の馬群・・・は見応え十分だと思えますし、各所のポジション争い・直線の攻防も楽しそうです。
ちなみに前回の16頭立て時は、1400mでは枠で言うと7-8、1600mでは1-7で決まっていました。内か外の枠が戦いやすくて3,4,5,6枠の真ん中あたりの枠が苦戦した・・・という感じの結果です。今回の10Rも各馬の力や脚質を見ると内目の枠と外目の枠の馬が優勢に見えますが、さてどうなりますか。
3日メイン、「知床賞」は北海道、岩手の人馬交流を促進する目的で創設された2歳交流戦。第1回は門別で開催された「岩手山特別」で1着・クラフィンライデン(北海道)、2着・センリグランピー(岩手)。
2回目=知床賞は水沢で開催し、1着・ダンストンルティー(岩手)、2着・ダークライ(岩手)。
3回目は門別、4回目は盛岡と交互に実施されたが、昨年から知床賞は重賞へ格上げ。地方競馬全国交流・南部駒賞トライアルとなり、1着馬には優先出走件が与えられる。
毎年、悩まされるのがレベル比較。基本は層の厚さも含めて北海道上位だが、岩手所属馬には地の利があり、過去3回の知床賞は岩手2勝。果たして今年はどちらに軍配が上がるか。
迷った末の結論は北海道・ワイルドソウル。デビュー戦・フレッシュチャレンジは2番人気に支持されたが、ハッピースプリントの4着。以降も1200mの忙しい競馬が合わなかったのか3、8、4着だったが、距離1700m延長された5戦目を快勝。待望の初勝利を飾り、サファイア特別2着から重賞・サンライズカップへ挑戦。
さすがにメンバーが大幅強化され、中団のままハッピースプリントの6着だったが、一度でも厳しい競馬を経験すると今後の糧になるケースも多々。岩手勢は若駒賞1、2着馬が不在なら首位奪取の可能性は高い。あとは輸送をうまくクリアーできるかが課題。
カーネルキッスは2勝馬。特に3走前のレース内容がすばらしかった。前走、トーセンホマレボシ賞は5着だったが、初の1700mを果敢に攻めて前半3ハロン36秒台のハイペースを自ら形成。直線入り口で一杯となったが、これは当然のこと。鞍上がリーディングジョッキー・桑村騎手に戻り、大駆けに期待した。
シグラップロードは岩手の期待を集めて出走する。凡走は初芝に戸惑った若鮎賞7着のみ。ダート戦での完成度は相当と見て間違いない。前走・若駒賞も3着ながらレースレコードで駆け、相手が強すぎただけ。走り慣れたコースを味方に逆転を狙う。
リメンバーキングはデビュー戦から3、2、1着。実戦を使われながら成長を成績でも表している。特に今週は中間の動きが絶好。さらに良化を見せて自信の登場。相手は強化されたが、地力アップ目覚しくどこまで通用するか楽しみ。
アベニンレジーナは目下2連勝中。姉が牝馬特別・あやめ賞を逃げ切ったサブリナラッシュで岩手にもおなじみ。先行力と強じんな粘りを武器とする。
ワタリキングオーは若駒賞3秒6差5着。キャリアの差が出てしまったが、ワイルドソウルと同様、貴重な経験になったはず。ハイペースになれば台頭のシーンまで。
◎(4)ワイルドソウル
○(6)カーネルキッス
▲(7)シグラップロード
△(8)リメンバーキング
△(1)アベニンレジーナ
△(9)ワタリキングオー
<お奨めの1頭>
7R メジロオマリー
中央1000万下の地力を前面に、岩手5戦5勝の快進撃。昇級戦も難なくクリアーし、連勝をどこまで伸ばすか注目