今回の前ネタは競馬場から少し離れてセリの話を。先の21日、札幌競馬場で「北海道トレーニングセール」が行われました。この夏のデビューを目指す2歳馬のトレーニングセールは、今年は262頭が上場されて152頭が売却される大盛況。開始から終了まで見ていましたけども、朝から晩まで馬が途切れず行き来する様は壮観でしたね。
そんな中、岩手競馬では今年も10頭の補助馬を購買。セリの中では高額といえる700万円台の価格の馬もおり、今回もまた楽しみな馬が揃った・・・と言っていいでしょう。
このトレーニングセールの出身馬からは、例えば昨年のマンセイグレネードのように2歳重賞勝馬はじめ2歳戦線の上位で活躍する馬が多数登場しています。今年の10頭の中からもそんな活躍馬が出てくれる事を期待しましょう。
●10Rの買い目
馬単(4)=(1)、(4)=(5)、(4)→(10)、(4)→(11)
岩手競馬の全レース予想を公開中!「岩手競馬・勝ちそーチャンネル」へ
26日メインは伝統の一條記念・みちのく大賞典トライアル「第14回あすなろ賞」(盛岡ダート1800m)。今年から重賞へ格上げされた。
興味深いのはシアンモア記念組はトーホクアロー(4着)、キングスリージョン(10着)の2頭のみ。レース間隔も詰まっているのも要因だが、マイル以下路線、芝路線、そして2000m路線と住み分けがはっきり。今年は転入馬が例年以上に多く、層がかなり厚くなったことを象徴している。
本命はスーブルソー。ネオユニヴァースの2世代目でデビュー2戦目のダート1800mを勝ち上がったが、その後、骨折が判明。1年の長期休養を余儀なくされた。しかし戦列復帰後はトントン拍子で出世し、4勝マーク。準オープンまで駆け上った。
ただ、以降は鼻出血、心房細動、去勢などのアクシデントが発生し、3月・鳴門ステークス12着を最後に岩手入りし、圧倒的な1番人気に応えて初戦を完勝した。道中は中団をキープして勝負どころから徐々にスパート。直線を向いてアッサリ抜け出し、まさに非の打ち所のない内容で完勝した。
左回りも経験が多く、まったく問題ないし、中間の動きも絶好だったと水沢トラックマン。みちのく大賞典へ向けて好発進を決めたいところ。
ザドライブは中央ダート1600m1勝、1400m3勝。こちらも準オープンに在籍した。南関東では精彩を欠いたが、岩手初戦を直線抜け出しで快勝。初の1800m戦を難なくクリアーした。
元JRA馬に初コースも関係ないだろうが、ザドライブの強みは前走で盛岡ダート1800mを使って勝っていること。逃げるのがコスモフィナンシェが1頭のみで流れが落ち着きそうだが、そうなると自力で動けるタイプが有利。スーブルソー、ザドライブは中団キープから早めにスパートをかけそうだ。
ヒカルジョディーは守備範囲を越える1800mでも思い切って狙ってみた。昨年10月、OROターフスプリント6着後、早々と休養。今年4月に戦列に復帰して水沢1400m2着。ハイペースの流れから馬なりで4角先頭。早め先頭に立ったのが裏目に出てスズヨシーズンの大外強襲に屈した。
続く赤松杯は逆にスローペースに落とされて先行2頭で決着。インの経済コースを進んで直線猛追したが、3着止まり。両レースとも流れに泣いた印象があり、評価ダウンにはまったくならない。
盛岡戦も早池峰賞優勝で適性は問題なく、あとは1800mの距離だけ。コーナーが4つあり折り合いが課題だが、うまく乗り越えれば直線でスパッと切れ脚を発揮するシーンまで十分。
シルクドルフィンは中央芝2勝、1000万下から転入。水沢2戦は凡走したが、盛岡に替わって豪快なまくりを披露。勝利はザドライブに譲ったが、脚色は優勢。位置取りの差で△評価としたが、展開はまれば一気突き抜ける。
スズヨシーズンは初戦でヒカルジョディーを並ぶ間もなく交わして7馬身差で圧勝。周囲の度肝を抜いた。赤松杯はスロー落とされて5着だったが、これは展開のアヤ。
あと気になるのは4連勝中の上がり馬コスモフィナンシェ。主導権を握るのは間違いないし、スローに落とすことも可能だが、いきなりオープン馬相手。勢いは認めるが、現状は押さえまで。
◎(11)スーブルソー
○(10)ザドライブ
▲(6)ヒカルジョディー
△(3)シルクドルフィン
△(8)スズヨシーズン
<お奨めの1頭>
10R ミウラリチャード
転入2戦目から破竹の進撃を開始。目下5連勝と格の違いを見せつけている。57キロのトップハンデはご愛嬌。自身の連勝を伸ばすのみ
25日メインはオープン芝1700m戦「盛岡市職員 盛駿会会長杯」、11頭立て。まずは全馬の芝成績に注目してほしい。
ラスリーズ 中央芝<0.1.4.6>
アロマンシェス 北海道1勝 中央芝<3.5.5.38>
ドリームクラフト 中央芝<3.5.3.21>
ティムガッド 中央芝<2.4.4.30>
エプソムアルテマ 中央芝<4.4.6.42>
シュヴァルツシルト 中央芝<0.0.0.5>
アトミックデザイン 中央芝<0.0.2.3> 盛岡芝<0.1.1.1>
リュウノヒーロー 盛岡芝<3.5.5.5>
メスナー 北海道1勝 中央芝<2.3.4.33>
トレジャーハント 中央芝<3.4.8.23>
コスモプランタン 中央芝<0.1.2.13>
岩手生え抜きのリュウノヒーロー以外はすべて中央在籍し、ほとんどが芝で好成績を収めている。しかも昨年暮れ、もしくは今年に転入した馬が11頭中10頭。明らかに盛岡芝に活路を求めてきた。
アトミックデザインは盛岡芝レースを3度使ったが、これは園田からの遠征結果。今年4月に転入してダート3戦とも着外に終わり、B1馬だが、適性を考えてあえてオープンへ挑戦した。
余談だが、エプソムアルテマは2009年4月11日、中山1600m万下・湾岸ステークス以来、実に4年1ヶ月ぶりのレース。自分の記憶に間違いがなければ史上最長の休養明けではないか。過去に5歳デビューとかはあるが、実戦を使った馬では記憶にない。超、長久明けでどんなレースを見せるのか。これも興味深い。
主軸はドリームクラフト。デビューから一貫して芝路線を歩んで芝1600m2勝、芝1200m1勝。ダート戦は移籍前2戦で一度だけ使って16頭立て10着。当初はダート合うかが不安だったが、初戦の水沢1800m戦を快勝。
その結果から赤松杯で1番人気に支持されたが、逃げたコンプリート、2番手スーパーワシントンの行ったきりで決着。ドリームクラフトも早めに動いたが、大外を回る不利もあって4着止まり。
交流重賞・シアンモア記念は逆に先行馬が総崩れの超ハイペース。ドリームクラフトは先行激化の3頭を見ながら離れた4番手を追走し、4コーナーで先頭。手応えも良く、そのまま押し切るかと思った矢先、大外からトウホクビジンが鋭く伸びて1着。両レースとも巡り合わせが悪かった。
今回は得意の芝に替わって反撃必至。小回りも水沢でのレースを見る限り問題なく、ここ2走の雪辱を晴らす絶好のチャンス。
メスナーは芝1600mで2勝。ひと頃は準オープンでも3着1回4着2回と善戦して成績がある。岩手2戦4、8着に終わったが、敗因はダートと解釈。芝を狙いたいがための岩手入りで、今回こそエンジン全開といきたい。
ティムガッドは転入2戦目、重賞・トウケイニセイ記念と2連勝。鮮やかな逃げ切りを決めた。当初、北海道へ戻る話もあったが、盛岡芝を使ってみたいとの意向から在籍。時計のかかるダートで今季2戦とも大敗を喫したが、芝で反撃をもくろむ。
アロマンシェスは芝1600m2勝、芝1500m1勝。古い話になるが、2歳時に京王杯2歳ステークス2着。また1600万下に在籍して転入。岩手2戦7、8着に終わったが、芝で巻き返しなるか正念場を迎えた。
以上の5頭は盛岡芝が初めて。リュウノヒーローは過去18回と経験も豊富だが、中身も文句なし。オープン特別・桂樹杯2着など華麗な足跡。前走・新緑賞は見せ場なく7着だったが、時計のかかる馬場が敗因。脚抜きのいい得意の芝で一発を秘める。あとは中央未勝利だが、前走快勝して弾みついたコスモプランタンを押さえ少々。
◎(3)ドリームクラフト
○(9)メスナー
▲(4)ティムガッド
△(2)アロマンシェス
△(8)リュウノヒーロー
△(11)コスモプランタン
<お奨めの1頭>
11R ニシノアイリス
岩手転入後、圧巻の5連勝。前走はハナ差の僅差だったが、当時は逃げ馬が絶対有利の馬場。きっちり差し切って周囲の度肝を抜いた。マイル延長も望むところ
GWからスタートした盛岡競馬も2開催目に入り、芝レースがスタートして第二の"開幕"を迎えました。
今季最初の芝レースは日曜日に行われた3歳の芝重賞・はまなす賞。勝ったのはハカタドンタク、2着はコウギョウデジタルという結果でしたけども、勝ったハカタドンタク、3着オールマイウェイ、5着セラミックガールはいずれも盛岡芝1600mで好成績を収めた経験を持つ馬で、やはり芝実績のある馬はきっちり力を発揮する・あるいは芝で変わり身を見せる・・・という、ある意味芝レースのセオリー通りの結末だったと言えます。
この月曜はJRAとの芝の条件交流戦、来週は2歳新馬戦や芝オープンの一般戦も行われて芝シーズンは開幕からいきなりクライマックス。ダートだけでなく芝でも、盛岡競馬をお楽しみください。
●9Rの買い目
馬単(8)=(9)、(8)=(4)、(9)=(4)、(8)や(11)、(8)→(10)
岩手競馬の全レース予想を公開中!「岩手競馬・勝ちそーチャンネル」へ
盛岡開催も3週目に突入。待ちに待った盛岡芝が解禁され、こけら落としは19日(日)メイン9R「第18回はまなす賞」(盛岡芝1600m)。毎年、このはまなす賞を皮切りに芝競走がスタートするが、翌日にはJRAとの条件交流「フレンドリーカップ・アンタレス賞」(盛岡芝1700m)、B2・芝1600mが組まれ、一気にバリエーションが増えた。
岩手競馬の強みは水沢(右回りフラット)、盛岡(左回りバンケット)と真逆のコースに加え、地方競馬ではたた1ヵ所だけ芝コースがあること。特に芝は直線の上り坂がダートよりきびしく、ゴール前で一気に馬順が変わるケースも多々。最後の最後まで目が離せない。
さすが芝重賞らしくはまなす賞に実績ある馬、芝未経験でも血統的に合いそうな馬たちが名乗りを上げてきた。
主軸はハカタドンタク。過去、盛岡芝<2.1.1.0>。重賞タイトルには縁がなかったが、切れる末脚が冴え渡った。またJRA移籍後、芝を2戦使って一度は2番手の積極策に出て見せ場を作った。
スプリングカップから岩手再始動して2着。ロックハンドパワーをどうしても破ることができなかったが、それならばとやまびこ賞で意表を突く逃げ。この戦法がずばり当たり、後続を尻目に見事な逃げ切りを決めた。
勝ち味が最大の妙薬とはよく言ったもの。重賞制覇で弾みついて得意の芝を迎えたのが何よりも心強い材料。重賞2連勝に自信の登場。
逆転筆頭はセラミックガール。北海道1勝から芝交流・テシオ杯ジュニアグランプリに挑戦。6番人気の低評価を覆し、上田健人騎手とのフレッシュコンビで鮮やかなイン強襲で優勝した。
南関東移籍後は精彩を欠き、今年3月に岩手入り。初戦は出遅れて3着、2戦目・あやめ賞は打撲のアクシデントで競走除外と不運続きだったが、牝馬交流・日高賞で5着を確保した。今回のトレードは明らかに芝狙い。調子の方も上がっており、能力をフルに発揮できるお膳立ては整った。
オールマイウェイもはまなす賞から逆算してレースを使い、ひと叩きされて本番に臨んできた。その裏づけは盛岡芝4戦3勝。ダートでもソコソコのやれるようになったが、本領発揮はもちろん芝。2頭をまとめて負かすシーンまで。
リアンクイーンはデビューが2歳11月までずれ込んだが、2勝2着3回と連対パーフェクトで牝馬特別・あやめ賞へ挑戦して3着。続く交流重賞・日高賞でも4着に善戦。まだまだ伸びシロがありそう。盛岡も芝も今回が初めてだが、父ゼンノロブロイなら大丈夫。あとは初輸送がどう影響するかだけ。自己の競馬ができれば勝ち負けに持ち込める。
コウギョウデジタルはあやめ賞7着。久々の実戦がこたえたが、日高賞で岩手最先着の3着確保。牝馬ながら490キロ前後の雄大な馬格を誇り、初芝もパワーで乗り越えそう。ここで好勝負なら今後の選択肢も一気に広がる。あとは切れ味勝負で芝が合いそうなラブソングも若干押さえたい。
◎(9)ハカタドンタク
○(11)セラミックガール
▲(8)オールマイウェイ
△(6)リアンクイーン
△(4)コウギョウデジタル
△(3)ラブソング
<お奨めの1頭>
5R キョウワティアラ
ここ2戦3着は相手が強すぎたし、マークもきつかった。今回はマイペースの逃げが打て、反撃に転じる