4日メインは地方競馬全国交流「第35回せきれい賞」。舞台は盛岡芝2400m。向正面からスタートし、コースを1周半する長丁場。必然的にスローの流れになる傾向が強いが、例外だったのがトライアル・かきつばた賞。道中ほとんど緩むことがなく、レコードに1秒9まで迫るハイタイム決着となった。
そのときの優勝馬がコスモプランタン。終始、馬群の中にいたのが功を奏したが、今回はどんな流れになるか。現時点では読みづらいところはあるが、基本的に芝2400m戦は上がりの競馬。
せきれい賞は2003年から地方競馬全国交流に昇格し、ここ4年連続で遠征馬に凱歌が上がっているが、今年はヒビケジンダイコが地元優勝をもたらす。
ヒビケジンダイコは中央時代、すべて芝1800m以上を使われて2勝2着6回。2000m、2400mでそれぞれ1勝した。その後、南関東5戦0勝から今年5月に転入。ダート2戦は精彩を欠いたが、3戦目の芝・かきつばた賞でメンバー最速の上がりを披露した。
前走は当初、芝1600m戦だったが、折からの激しい雨の影響でダート変更。関係者をがっかりさせたが、好位追走からアッサリ抜け出しを決めて快勝。今の充実度を如実に示す一戦だった。相手は強化されたが、地の利を生かして初重賞を狙う。
ハテンコウは昨年、盛岡芝に2度参戦してオパールカップ3着、OROカップ2着。芝適性の高さに定評がある。ネックは未知の2400m戦に尽きるが、鞍上・内田利雄騎手は盛岡芝の特徴を知り尽くしている男。ハテンコウとの相性も抜群で4戦2着2回3着2回。優勝請負人の本領を発揮し、岩手のファンに流し目をプレゼントする。
ピサノエミレーツは昨年のせきれい賞でイン強襲を決めて完勝。中央オープン、芝2400m2勝の底力を見せつけた。今年も大井記念を叩いて参戦だが、昨年は2着に対して今年は3秒8差7着。それがせきれい賞以来の実戦で順調さを欠いているのは否定できない。底力で連覇の可能性もあるだろうが、現状は▲評価までにとどまる。
コスモプランタンはトライアル・かきつばた賞を快勝。中央未勝利からの転入だったが、岩手の水が合い重賞も制した。その後は5、2着止まりだが、芝がベストの条件。折り合いもつくタイプで2400mは大歓迎。
ウインペンタゴンはマーキュリーカップに続いて参戦。芝は中央時代に8、10、10着と強気になれないところだが、河津調教師はせきれい賞2連覇を飾り、最初の年はコスモバルクを破ったコスモバルク。そして昨年はコスモワイルドでオパールカップを制するなど華麗な実績。盛岡芝適性があると踏んで臨んできたのが不気味。
トップチェッカーも芝適性が分からないが、目下2連勝と波に乗っているのは確か。押さえは必要だろう。
◎(1)ヒビケジンダイコ
○(9)ハテンコウ
▲(7)ピサノエミレーツ
△(12)コスモプランタン
△(4)ウインペンタゴン
△(8)トップチェッカー
<お奨めの1頭>
8R ヤマニンエミュ
ここにきて復調確か。3戦連続2着は巡り合わせも悪かった。ここではタイムが抜けており、今季初勝利を飾る絶好のチャンス
今週は通常どおり土日月(8月3日~5日)開催だが、次週の岩手競馬は中休み。8月14日(水)から5日連続での開催となりますので、お間違いのないようお願いします。
3日メインは青藍賞トライアル「第36回すずらん賞」(盛岡ダート1600m)。JpnⅠ・南部杯へと続くマイルの王道路線にコスモフィナンシェ、トーホクキングの2頭が名乗りを上げてきた。
6月23日に行われた岩手伝統のみちのく大賞典で激突。あすなろ賞2着で出走権を獲得したコスモフィナンシェが堂々、挑戦。一方のトーホクキングは今季精彩を欠いていたが、前年の覇者。シアンモア記念7着後はみちのく大賞典1本に絞って調整を進めてきた。
このときコスモフィナンシェは単勝6番人気だったが、自らハイペースを形成しながら見事な逃げ切りを決めて快勝。デビューからわずか10ヵ月半で岩手の頂点に立った。
トーホクキングはいつもどおり後方3番手の待機策から3コーナーでスパート。ずっと影を潜めていた切れがついにさく裂し、僚馬トーホクアローといっしょに大外から猛追。惜しくも1馬身差だけ届かなかったが、ついに復活ののろしをあげた。
その調子を持続したトーホクキングはマーキュリーカップへ2年連続で参戦。JRA勢にはかなわなかったが、地方最先着6着を確保した。コスモフィナンシェもエントリーしたが、全国の強豪の壁が高くしんがり12着。ただ1枠が災いしたのも事実。終始、インで揉まれっ放しで自分の競馬がまったくできなかった。
以上の2戦を経て両馬はこのすずらん賞へ駒を進めてきたが、今度の舞台は盛岡ダート1600m戦。これが勝敗に大きく影響するのは間違いない。
距離短縮を大歓迎するのはコスモフィナンシェ。みちのく大賞典で2000mもこなしたが、本質的にはマイラー。マーキュリーカップの敗戦を糧に、4歳馬が巻き返しに転じる。
トーホクキングもマイル短縮は決してマイナスにはならない。最大のセールスポイントは、どの条件、距離でも3コーナーから一気に先陣へ取りつけれる反応のすばらしさ。この点では全国でも通用するモノを持っている。
ただ難しいのはいい脚を使えるのは2ハロン。好調時にも最後で勝利を譲ってしまったのはもうひと伸びが足りないから。そのあたりは高橋悠里騎手も折り込み済み。ソロソロ美酒を味わいたいところだ。すべては仕掛けどころにかかっている。
ザドライブはみちのく大賞典5着。小回り水沢対応で2頭に離されてしまった。今回はあすなろ賞でコスモフィナンシェを子ども扱いにした盛岡ダートへと替わり、加算ポイントは大。レース間隔がちょっと開いたのが気になるが、2戦2勝の盛岡で反撃を狙う。
ディアーウィッシュは南関東A1から転入して初戦3着。実績を考えると物足りないと解釈もできるが、太め残りだったとしたらマズマズの滑り出し。おそらく520キロ台がベストだと思うが、一度叩かれて絞れるのは疑いなし。
加えて南関東7勝のうち6勝を1600mでマークし、2011年の重賞・京成盃グランドマイラーズを優勝。9歳の年齢が若干不安だが、岩手2戦目で底力を発揮する可能性も高い。
イーサンジャンパーは南関東2勝から中央入り。1000万下で勝利を飾ることはできなかったが、地方交流・笠松で1勝したほかダート戦で3着4回。岩手初戦は勝負どころで一旦下がりながら直線で盛り返して快勝。盛岡マイル1分38秒9の好タイムもマークした。
スズヨシーズンは追い込み一辺倒の脚質で展開に左右される面は大きいが、それでも早池峰賞、岩鷲賞で連続3着。流れが速くなれば伝家の宝刀"切れ"を発揮するか。
◎(8)コスモフィナンシェ
○(11)トーホクキング
▲(1)ザドライブ
△(10)ディアーウィッシュ
△(12)イーサンジャンパー
△(6)スズヨシーズン
<お奨めの1頭>
8R ペシュテルング
岩手2戦ともスピードの違いマザマザに逃げ切り圧勝。距離延長も問題なく、ここも難なくクリアーする
空梅雨かと思った梅雨がいつまでも続いて微妙な盛岡です。土曜・日曜は結局予定されていた芝レースが全てダート変更となりましたが、こうも芝→ダートの変更が続くのは過去にもあまりない話。それだけぐずついた、時に強い雨が降るような天気が長く続いている・・・という事です。今週末あたりからは雨も過ぎ、青空主体の空模様が続くとの事。これからお盆にかけて芝の重賞も連続で組まれていますし、ぜひとも回復基調で進んでいってほしいものです。
●8Rの買い目
馬単(3)=(4)、(3)=(8)、(3)=(7)、(3)=(1)、(3)→(2)
●10Rの買い目
馬単(9)=(8)、(9)=(1)、(9)=(12)、(9)→(5)
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先週は3歳馬による「第1回ハヤテスプリント」、芝交流「第14回オパールカップ」が行われ、それぞれリュウノタケシツウ、ハカタドンタクが優勝。そして今週28日は3歳牝馬による岩手版オークス「第27回ひまわり賞」。これは今の3歳戦線の充実差を如実に物語っている。選択肢が増えるのは基本歓迎。適性が何よりも大事だからだ。
今年のひまわり賞はほぼ三つ巴模様と見ていいだろう。ウイナーカップ優勝で重賞ウイナーの仲間入りしたコウギョウデジタル、菊花賞馬ソングオブウインド産駒のラブソング。そして中央未勝利から3連勝を飾り、格下から挑戦するボンジュールノゾミ。3頭とも個性が違い、2000mの距離も大きく影響しそうで非常に興味深い一戦となった。
コウギョウデジタルは昨年9月デビュー。3戦2着2回から2連勝を飾り、プリンセスカップ12着、金杯5着でシーズン終了。今季は牝馬特別・あやめ賞から始動。明らかに仕上がり途上で7着に終わったが、一度叩かれて反応が一変。牝馬交流・留守杯日高賞で岩手最先着3着に善戦した。
続いて初の芝・はまなす賞へ駒を進め、ハカタドンタクのタイム差なし2着。父アグネスデジタルの血を受け継いで芝ダート兼用のタイプを証明した。
岩手ダービー・ダイヤモンドカップは守備範囲を超えた2000mが舞台だったため6着に沈んだが、3コーナーで一旦先頭に立って見せ場。リュウノタケシツウがレースを引っ張り、2000m戦にしては思った以上に流れが速くなったが、これが貴重な経験となった。
そして前走はベストの水沢1400m・ウイナーカップで2番手追走から4角先頭。そのまま押し切って待望の重賞制覇を果たした。
実績はメンバー中一番。あとは2000mへの対応に尽きるが、ダイヤモンドCでメドは十分に立った。うまく折り合いをつけて重賞2勝目に王手をかけた。
ラブソングはハイレベル北海道で3勝。その片りんは冬休み明け初戦の1着で披露してあやめ賞はクビ差2着。最優秀2歳馬ブリリアントロビン相手に互角の勝負を演じた。
春の大目標だった留守杯日高賞は案外の7着に終わったが、これは407キロまで落ちた体重の影響。元々、神経質なタイプで飼い葉食いが細く調整が非常に難しい。それがモロに出た感じだった。
以降は調整に細心の注意を払いながらレースを使い重賞3戦連続で4着。ダイヤモンドカップではコウギョウデジタルに0秒9先着して4着を確保した。前走・ウイナーカップ4着は適性の差。門別1800mで1勝マークしていることも強調できる材料だ。
ボンジュールノゾミは中央5戦0勝からアッサリ3連勝。いずれもワンサイドで決めてきた。現在は3歳C1条件。牝馬同士とはいえ、いきなり3歳一線級相手は苦しいと見るのが妥当だろうが、通用する裏づけは十分にある。
それは前走、盛岡ダート1400mの走破タイム1分26秒8。これは古馬オープンにも匹敵するもので昨年、ミキノウインクがまったく同じタイムで勝った後、ひまわり賞を圧勝した。
今年のひまわり賞のメンバーは昨年より一枚上だが、それでもお釣りがきる前走タイム。首位の資格を間違いなく備えている。
以上の三つ巴と見るが、割って入るとすればシルバーストリーク。転入初戦のオパールカップは4着止まり。後方から差を詰めただけに終わったが、北海道、南関東で強豪相手と戦ってきた実績は軽視できない。本質的には芝がベストだろうが、ダートも問題なくこなす。
◎(5)コウギョウデジタル
○(10)ラブソング
▲(6)ボンジュールノゾミ
△(2)シルバーストリーク
<お奨めの1頭>
7R ヤマタケハーディ
ここ2戦の強さは本物。実戦を叩かれながら素質が開花したと解釈していいだろう。迷わず主軸視
現在、岩手競馬の短距離路線が充実している。特に芝1000m戦は毎回、迫力満点のレースが続出。しかも今年は特別だけではなく一般レースでも実施され、これも重賞・OROターフスプリントの創設効果(今年で3回目)と見ている。
OROターフスプリントの道は5月27日、「石桜杯」(C1:優勝・ライフハッカー)を皮切りに、7月27日メイン「姫神賞」(B2)→9月23日、「FM岩手杯」(B1)→10月14日、ハーベストカップ(オープン)。そして最強スプリンター決定戦=10月26日、「第3回OROターフスプリント」へと続く。
その意味でも今回の「姫神賞」は目が離せない一戦となったし、実際、有力候補の1頭トートアフィシオンが出走する。
トートアフィシオンは昨年9月、中央2戦0勝から転入。最下級C2から4勝をマークしてC1でシーズンを終了。芝1000m・五葉山賞を優勝した。
今季はB2へ昇級したが、適性を重視して短距離路線1本に絞って出走。2勝2着1回3着1回とすべて馬券対象。圧巻は前々走、格下から挑戦したB1・芝1000m戦だった。
例によって短距離のスペシャリストが顔をそろえたが、スタート直後から後続を離して一人旅。直線を向いてもスピードは衰えず58秒0の破格タイムで駆け抜けた。このタイムはコースレコードに0秒2差というだけではなく、昨年のOROターフスプリントを優勝したライトマッスル=58秒1を上回るもの。
元々、天性のスピードに定評があったが、これほどのタイムをマークしたのにはビックリ。父サクラバクシンオーの素質が一気に開花した瞬間となった。しかも今回は自己の条件B2。勝つお膳立てはほぼ整った。
とはいえ死角がない訳ではない。サクラバクシンオー自身がそうだったように重馬場になって持てる能力を発揮できるかどうか。おそらくだが、時計がかかる芝なら持ち味半減。
依然、岩手は梅雨明け宣言が出されず、ずっと雨が続いている。それによって芝はかなりの水が含んだ状態で当日までに回復するか不安。トートアフィシオンが負けるとしたら重馬場に泣いたときだろう。
ソヴリンは520キロ前後の大型馬で距離もこなすが、短距離がベスト。特にハイペース模様になった場合は豪快なマクリを披露する。その典型が3走前のジューンカップ(芝1700m)。道中、後方2番手を追走し、直線大外一気を決めた。また昨年の姫神賞でもメンバー最速の上がりで快勝。随一の決め手を誇る。
不安はトートアフィシオンが楽に逃げ、先行競馬となったとき。他の有力馬が2着狙いに徹してペースが落ち着くと切れが不発に終わるケースもある。
シーグランディは昨年までA級格付け。冬場に名古屋へ転籍して4戦を経て再転入。B2へ降格してメンバーが大幅に弱化。2着4回3着2回と抜群の安定感を誇っている。その反面、詰めの甘さがつきまとい依然未勝利。最後の爆発力がほしいところ。
ビュレットライナーはサンデーサイレンス産駒。現役では園田のダークドーンと2頭のみとなったが、今季すでに3勝。11歳馬だが、まったく衰えを見せていない。
トートアフィシオンとの直接対決で4着。今回と同じ芝1000mが舞台だったが、1秒2差4着に完敗した。これをどう評価だが、深追いしたとも解釈できる一戦。ぴったり折り合いをつければ2着争いに参加できるはず。
ビジュアルサポートは芝1000mは未経験だが、盛岡芝4戦2勝と適性はまったく問題ない。1枠を引き当て、包まれない展開に持ち込めれば好走の可能性は十分にある。
◎(6)トートアフィシオン
○(10)ソヴリン
▲(7)シーグランディ
△(4)ビュレットライナー
△(1)ビジュアルサポート
<お奨めの1頭>
5R アメリカンアイドル
C2スタートとメンバーに恵まれて2戦とも圧勝。スピードが冴え渡っている。今回は1400mへ距離延長だが、絶対能力が違う