14日、クラスターカップは笠松代表・ラブミーチャンがJRA勢を一蹴。史上3頭目の地方優勝の快挙をやってのけた。
振り返れば2年前、3.11東日本大震災後、開催すらも危ぶまれていた岩手競馬だったが、当初予定から1ヵ月半ほど遅れて再開。しかしテレトラック釜石が閉鎖。テレトラック三本木、宮古は復旧に時間がかかり、売り上げが大幅減。
しかも水沢競馬場の損害も尋常ではなく、復旧のメドが立たず盛岡競馬場1場での開催を余儀なくされた。
そんな中、ドクターコパさんこと小林祥晃さんに所有馬ラブミーチャンが盛岡に行って元気を岩手へ送りたいと話をしたという。結果は3着。ドスライスのマークがきつく、直線で一杯となった。調子も本物じゃなかった。
レース後、コパさんはこう語ってくれた。「ラブミーチャンは今年で引退をさせる予定ですが、やり残したのはクラスターカップを勝つこと。あの時の約束を果たせてホッとしました。今から引退のことを考えるだけで非常にさびしい。ですが、ラブミーチャンは神から授かった馬ですから、最後までキッチリいい競馬をしてほしいですね」
ウイナーズサークルの表彰式には多くのファンが詰めかけ、コパさんが音頭をとってみんなで万歳三唱。最高の時間を共有した。
17日メインはオープン重賞「第36回桂樹杯」(盛岡芝2400m)。主軸をマイネルファルケにするか、ロッソコルサにするか非常に迷った。
マイネルファルケは2009年のマイルチャンピオンシップでカンパニーの2着。また09年、10年と2年連続でダービー卿チャレンジトロフィー2着。通算5勝中、4勝を芝1600mでマークするなど断然の過去履歴。
ただ、南関東移籍後は大敗の連続。オグリキャップ記念6秒8差9着、大井記念10秒6差16着。前走は適距離の1600m戦も3秒7差13着とあまりにも負けすぎ。
敗因はダートが合わなかったという話だが、すでに戦意喪失した可能性もなくはない。岩手で再生できるか、関係者も不安と期待が入り混じった気持ちで臨む。圧勝か、はたまた大敗かの両極端な結果が考えられる。
よって本命はロッソコルサに落ち着く。4月のA級戦を2着にまとめ、マズマズの滑り出しだったが、その一戦を使った反動が大きかったため陣営は思い切って2ヶ月休養を選択。
満を持して伝統のみちのく大賞典へ名乗りを上げたが、3コーナーで一杯となって7着。昨年の年度代表馬だけに周囲の落胆も大きかった。
その後は短距離に活路を求めて岩鷲賞2着。これで復調の手応えをつかみ、クラスターカップ挑戦も視界に入れたが、陣営は時期尚早と判断。今度は芝に路線を替えてこの桂樹杯に駒を進めた。
昨年の桂樹杯はコパノマユチャンの0秒1差3着。超ハイペースの流れの中、ただ1頭だけ先行して馬券対象となり、敗れて強しの一戦だった。盛岡芝適性も問題なく、今季初勝利を飾り、今後に弾みをつけるか注目。
ハカタドンタクは古馬初挑戦だが、今年はひと皮むけて先行競馬を身につけた。その成果がやまびこ賞、芝・はまなす賞、前走・オパールカップと重賞3勝。3歳トップを確定させた。ここで通用すれば視界も非常に明るくなる。
ダートGウイナー(兵庫CS)エーシンブランは前回快勝でようやく復調し、芝1600mがベストの舞台リビングストンまでが争覇圏内。あとは古豪スーパーワシントンも押さえ必要。
◎(11)ロッソコルサ
○(6)マイネルファルケ
▲(2)ハカタドンタク
△(4)エーシンブラン
△(3)リビングストン
△(8)スーパーワシントン
<お奨めの1頭>
8R ティニーキングダム
前走はハイレベルのメンバーがそろって苦戦を強いられたが、2着を死守。メンバーが緩和され、首位奪回に燃える
先の8月14日。クラスターカップも注目でしたが、競馬ファン的にはそれ以上かもしれないという注目のレースがありました。山本三兄弟がついに同じレースで戦ったのです。
03年にデビューした山本政聡騎手。05年にデビューした山本聡哉騎手。そして昨年船橋でデビューした山本聡紀騎手。葛巻町出身の三兄弟が次々と騎手になって、政聡騎手と聡哉騎手の対決はもうおなじみですが、聡紀騎手が南関でデビューしたのでこれまでは三兄弟が揃って騎乗するチャンスがなかなかありませんでした。
それが、山本聡紀騎手騎手がクラスターカップの遠征馬に騎乗できる事になり、それにあわせて当日何戦か騎乗する事に。その中で"三兄弟対決"が実現する事になったのです。
最初の対決となった3Rは政聡騎手が勝って兄貴の貫禄を見せつけました。次いで9R、クラスターカップでは聡紀騎手が兄弟の中では最先着して弟もがんばりました。
●10Rの買い目
馬単(10)=(3)、(10)=(11)、(10)=(9)、(10)=(3)、
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クラスターカップの前日13日、交流厩舎へお邪魔してセレスハントの担当・井上厩務員と話をした。まずは北海道スプリントカップ2連覇から。
「これまで内にもぐって脚を貯めて抜け出す競馬だったが、外から血から強く抜け出して収穫の多い一戦でした。セレスハントは毎年、この季節が稼ぎ時。寒い時期になると動きが堅くなって結果もひと息。どこか苦しくなるので掛かってしまって終いが伸びなくなるんです」
それで7、8月成績が<3.1.0.2>も納得。ただ1頭だけ、環境に慣れるため早々と10日に盛岡入りした。よく1頭だけでいるとレースに集中できないケースもあるが、セレスハントは別のようだ。
「その面の神経は太いので大丈夫。それに栗東にいると暑さが半端じゃない。盛岡は日中は暑いですけど、朝晩が涼しいのでホッとしました。街から離れているので人間は大変ですが、馬にはとてもいい環境ですね。早めに入厩して正解でした」
この原稿が掲載されている頃には結果が出ているかもしれないが、セレスハントは万全の態勢で臨めそうだ。
15日(木)メインはB2級馬による芝1600m戦「葉月賞」。4歳馬が5頭、5歳馬が3頭。そして7、8、9歳がそれぞれ1頭ずつエントリーしたが、この3頭はすべて格上。活きのいいメンバーがそろって好レースが期待できる。
主軸はトートアフィシオン。父サクラバクシンオー譲りのスピードで今季<3.1.1.0>。短距離路線で大活躍している。圧巻は3走前の芝1000m戦。スタートを切ったと思ったが、早々と5馬身ほどリードし、直線でも必死に追撃を図る後続を尻目に4馬身差で圧勝。コースレコードに0秒2差、58秒0の驚異的なタイムをマークした。
これはオープン馬を含めても屈指のレベル。今回は未経験の芝1600mが舞台に加え、57キロのハンデを課せられたが、小回り盛岡芝なら克服十分と見ていいだろう。
レディージャスミンは前走・ジョッキーズマッチ第2戦・輝を快勝。福永祐一騎手いわく「芝適性が非常に高い。直線でまだ余裕があり、もっと上のクラスでも好勝負できますね」。福永騎手のお墨付きをもらい、2連勝のお膳立ては整った。
シーグランディは今季未勝利ながら2着5回3着2回。一昨年12月以降、白星から遠ざかっているのがネックだが、元A級の底力で抜群の安定度を誇っている。当然だが、上位扱いが必要だ。
マツリダガッツはダートもこなせるようになっているが、本質的にはターフホース。昨年はオープン・桂樹杯でタイム差なし2着。今年も前々走のジョッキーズチームマッチでレディージャスミンの2着を確保した。7歳馬だが、流れ次第では単まで考えられる。
ソノマンマは盛岡芝5勝。好、凡走の落差が激しく信頼度はひと息だが、時に大駆けを披露するし、揉まれない外枠も今回は好材料。軽視すると痛い目に遭う。あとは盛岡芝1600m<2.2.1.0>のバクソクトレインも押さえたい。
◎(1)トートアフィシオン
○(9)レディージャスミン
▲(3)シーグランディ
△(8)マツリダガッツ
△(11)ソノマンマ
△(6)バクソクトレイン
<お奨めの1頭>
11R ホッコーキンツル
転入初戦を4角先頭の強いレースで完勝。盛岡ダート1600mを1分39秒4で駆け抜ければB2では敵はいない
14日メインはお盆の恒例行事となった「第18回クラスターカップ」(JpnⅢ 盛岡ダート1200m)。OROパーク=盛岡競馬場のオープンに合わせて創設され、第12回、13回の水沢開催以外の16回は盛岡ダート1200mを舞台に行われてきた。
レコードは3年前、サマーウインドが同レースで樹立した1分8秒9。結論を先に言うが、本命にしたタイセイレジェンドは昨年、1分9秒2をマーク。史上2番目のタイムで圧勝した。
今年はGⅠホルダー(JBCスプリント)のハクをつけ、負担重量が昨年より5キロ増の59キロ。しかもドバイ帰り初戦で4ヵ月半ぶりの実戦だし、目標がもっと先にあるのは当然のこと。
不安要素が多いのは百も承知だが、盛岡ダート1200mは絶対能力がモノをいう舞台。加えて5番の枠順も絶好でタイセイレジェンドの逃げ切りに賭ける。
セレスハントは北海道スプリントカップ2連覇を決め、重賞4つ目を制覇。昨年はタイセイレジェンドに6馬身差2着と完敗を喫したが、スタートで出遅れたのも敗因。また昨年はセレスハント56キロに対し、タイセイレジェンドが54キロ。今年は立場が逆転したし、何よりも順調度が強みとなる。
ラブミーチャンは一昨年はドスライスの3着。エイシンタイガー、ドスライスのマークがきつく直線一杯となった。あれから2年が過ぎ、さらにパワーアップ。昨年の東京盃(JpnⅡ)でタイセイレジェンドの追撃を封じて優勝。前走・習志野きらっとスプリントでは3連覇の偉業を達成した。今の充実度なら盛岡坂も難なく克服。第5回のゴールデンチェリー、第13回(水沢)のプライドキムに続く地方所属馬3頭目の快挙を果たすか注目。
ノーザンリバーはデビュー3戦目からダート1400mで2連勝を飾り、続いて芝重賞・アーリントンカップを優勝。皐月賞、日本ダービーにも駒を進めたが、1年10ヶ月の長期休養を余儀なくされた。
戦列復帰は今年3月、なにわステークス。休み明けでも0秒3差6着にまとめ、2戦目はタイム差なし2着。そして前々走の京都ダート1200m戦を快勝して復活宣言をした。
前走は福島芝1200m戦6着。陣営はプロキオンステークスを使いたかったが、残念ながら選モレとなった。以上の足跡から勝ち負けは必至。この結果次第ではダートスプリントの台風の目になる可能性もある。
同じ意味がスノードラゴンにも言える。地方初遠征だが、前走はハイレベルメンバーがそろったプロキオンステークスで8着ながら0秒4差。通算6勝をダート1400m以下でマークし、54キロのハンデも魅力。重賞ウイナーの仲間入りを果たすか。
◎(5)タイセイレジェンド
○(2)セレスハント
▲(13)ラブミーチャン
△(10)ノーザンリバー
△(7)スノードラゴン
<お奨めの1頭>
3R チャイ
笠松B2から転入後、一戦ごとに着順アップ。前走は見事な逃げ切りを決めて岩手初勝利を飾った。弾みついて2連勝濃厚
騎手リーディング争いが熾烈です・・・という話をしようと思っていたら、村上忍騎手が貫禄を見せつけましたね~。
先週終了時点で騎手リーディング1位の村上忍騎手が60勝、2位の山本聡哉騎手も60勝と勝ち星で並び、順位を分けるのは2着の数のみという状況になっていました。
ちょっとスランプに陥っていた村上騎手が足踏みするところに追いつけ追い越せで迫ってきた山本聡騎手。ついに並んでさあここからどうなるか・・・?だったのですが。
3日の土曜日。山本聡騎手が先に1勝を挙げてリード。しかし村上騎手も2勝を追加して逆転。
4日。1Rで山本聡騎手が勝ってまたもや追いつきますが、村上騎手は2R・3Rと連勝。7Rで山本聡騎手が勝つと今度は9R・10Rと村上騎手が連勝。
結果、土・日の2日間で山本聡騎手が4勝に対し村上騎手は6勝を挙げこの2日間だけで2勝差をつけました。
今日・月曜は山本聡騎手の方が騎乗馬が多く有力馬も多いですし、また追いつくかもしれませんが、"追いつかれてもあっさりリードする"村上騎手はやはりベテランの力というか貫禄というか、凄いですね。
そろそろSJTの出場騎手争いもかかって来る時期。1位なら本戦へ、2位ならワイルドカードへ。どちらがどちらに出るのかまだ目が離せません。
●10Rの買い目
馬単(1)=(4)、(1)=(2)、(1)=(6)、(4)→(2)、
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