今年もこの日がやってまいりました。年末大晦日の大一番・重賞桐花賞です。伝統の一戦として関係者みな力が入りますし、結果次第では今季の岩手の年度代表馬争いにも影響が出てくる重要な戦い。どんな結末になるのでしょうか。
ざっと過去データをおさらいしておくと、まず1番人気・2番人気馬が安定しています。過去10回の1番人気馬の成績は(6-1-1-2)。2番人気馬は(2-2-1-5)。4番人気馬も(1-4-1-5)と堅実で、結局1番人気・2番人気・4番人気馬が過去10回中9勝2着7回という事ですね。
一方で3番人気馬はなんと(0-0-0-10)。「桐花賞は意外に荒れる」という印象がありますがそれはその通りで、人気上位馬が堅実だけどもそれだけでは決まらず、どこかに人気薄が飛び込んでくる事が多いためにそういうイメージになるのでしょう。「人気馬+手頃な人気薄」を上手く組み立てるのが馬券戦略のカギです。
31日に行われる大晦日恒例の「第39回桐花賞」で、ファン投票1位に選出されたのはモズ(佐藤祐司厩舎所属)だった。今年は7日が投票開始日だったが、翌日の北上川大賞典を勝ったことも支持を集めた要因。中央時代も芝1800m以上をメインに活躍していたが、その長距離適性をマザマザと見せつけられた。
恥ずかしながら北上川大賞典は無印だった。中央オープンに在籍し、結構前から担当厩務員に「モズという馬が入ったよ。ぶっつけで北上川大賞典に行くけど、楽しみにしているんだ」と。
ところが肝心の攻め馬で内馬場はひとまず大丈夫だったのだが、本馬場に入るのを拒絶したり、ビッタリ止まったり。何とかしようと牝馬を前に置いて追い切りをしようとしたが、モヤ(当日は激しい霧が水沢競馬場に立ち込めていたそうです)からモズだけが出てこなかった。
追い切りで騎乗したのは高橋悠里騎手だったが、「手前を替えたとき、激しく頭を振って止まってしまった」とのこと。まともな攻め馬をまったくできずに北上川大賞典へ臨んだ。
その結果、前走・アンドロメダステークスからプラス20キロの大幅増。装鞍所で初めてモズを目の当たりにしたら明らかに太め残り。いや、はっきり太すぎた。これなら水沢トラックマンの評価も低かったのは当然。ひと叩きされてからだな、と思った。
しかし中央オープンは役者が違った。外からハナを奪って大逃げを打ち、快調に飛ばす。3コーナーでエバーオンワードに馬体を併せられ、一瞬ヒヤッとさせたが、直線を向くともうひと伸び。今度は外からローレルカンタータが襲ってきたが、1馬身差封じ、見事逃げ切り勝ちを飾った。桐花賞でも再現あるか。陣営はやれる手応えをしっかりつかんでいた。当日が待ち遠しい。
30日メインはB1二組「子供達に夢を!復興に加速を!!」(水沢1600m)。恒例の騎手部会協賛レースで進上金の一部がいわて学びの希望基金へ寄付される。
本命はエクセラン。中央500万下から再転入後、オープン挑戦の4着以外はすべて馬券対象。5勝2着3回3着3回と信頼度絶大。2戦2着を受けた前走も早め先頭に立ったヴェルシュナイダーをきっちり捕らえて水沢1600m3戦3勝とした。ただ「9月ごろがピーク。徐々に疲れが出始めているが、何とか前走時を維持した」と晴山調教師。適性を前面に連勝をもくろむ。
前々走、エクセランにハナ差2着に惜敗したのがヴェルシュナイダー。4コーナーで前が詰まったのが痛かったが、復活ののろしをあげた。ハイレベルメンバーがそろった前走・銀嶺賞でも3着に気を吐き、ようやく軌道に乗った印象。今なら逆転首位も十分可能だろう。
レディアントデイズは多少、気難しい面も抱えているが、前々走でエクセラン、ヴェルシュナイダーの0・4秒差3着。勝負付けは済んだかもしれないが、2頭が互いを意識して早めに動くようだとチャンス。展開次第の注文つくが、割って入るシーンまで。
ノーティカルスターは3走前、鮮やかな直線一気を決めて快勝。ひいらぎ賞、銀嶺賞は着外に終わったが、先行有利の競馬に持ち込まれたのが痛かった。多少でも流れが速くなればおもしろい存在となる。
テンショウリバイヴはイーハトーブマイルで重賞ウイナーの仲間入りを果たしたが、ここ2戦とも8着。相手も強かったが、ほとんどレースに参加できなかった。とは言え、元々が気ムラなタイプゆえ一転して劇走あり、マーク欠かせない。
◎(3)エクセラン
○(5)ヴェルシュナイダー
▲(1)レディアントデイズ
△(4)ノーティカルスター
△(6)テンショウリバイヴ
<お奨めの1頭>
8R コミュニティ
岩手入り後、圧勝に次ぐ圧勝で8戦8勝。いずれオープン入りは疑いのない逸材で、どこまで連勝を伸ばすか楽しみ
29日メイン「ゴールデンジョッキーズシリーズ第2戦」はB2級・水沢1600mを舞台に争われる。
先週23日、第1戦目が行われ、圧倒的1番人気に支持されたカバードブリッジ=村上忍騎手が1着。2着に5番人気ヤマニンリンクス=山本政聡騎手、3着に9番人気アカリボサノバ=高松亮騎手が入り、それぞれ20ポイント、15ポイント、13ポイントを獲得した。
全3戦の総合優勝騎手にはボーナス50万円、2位・30万円、3位・20万円が支給され、優勝ボーナスは1着賞金1000万円に相当。どの騎手も着順を意識してスタートからゴールまで緊張感たっぷり。白熱したレースを披露した。
第1戦1着、村上忍騎手。「1番人気の馬が当たってラッキーだと思った。レースを見てても強かったので自信がありました。まだ2戦が残っているので気を抜かないで臨みたい。ジョッキーみんな気合いが入っていた。これからもいいレースを期待している」
同2着・山本政聡騎手。「ペースが速いのは分かっていたが、有力馬に差しタイプが多いから攻めていくしかないと腹をくくったら最後まで粘ってくれた。今の馬場も合ったみたいですね」
同3着・高松亮騎手。「(アカリボサノバは)道中、フワフワしたところがあるのでハミをかけて乗った。前半が速かったが、直線でもうひと踏ん張りしてくれました」
第2戦で幸運を引き当てたのはルタドール=山本聡哉騎手。中央2歳新馬(芝1600m)2着の実績。岩手初戦で3歳重賞・不来方賞を選んだが、スタートで出遅れ。守備範囲を超えた2000mもこたえて6着に終わったが、2戦目から連勝。2着に4馬身、6馬身をつける圧勝劇を演じ、周囲の度肝を抜いた。
その2連勝の内容からディセンバーカップで1番人気に支持されたが、スローの流れに終始折り合いを欠きっぱなし。それで最後は伸びを欠いたが、3着確保が底力。適距離のマイルなら持てる能力をフルに発揮する。
ガラパは陶文峰騎手が引き当てた。ディセンバーカップはルタドールと同様、距離が長すぎたのは敗因。転入初戦の水沢マイルを完勝し、走破タイムも優秀。先行タイプがそろって展開も味方につけた。あとは仕掛けどころを間違えなければ上位争い必至。
キングサーベルは目下2連勝。水沢1800m、そしてディセンバーカップでは前記2頭を完封して快勝。距離伸びて自慢の切れが冴え渡っている。その反面、流れが速くなるマイル戦は取りこぼしが多く、その点は割引きが必要。関本淳騎手がどう御すか、注目。
ワタリエナジー=斎藤雄一は7戦連続で馬券対象を果たし、信頼度絶大。前走は早め先頭から4馬身差で圧勝した。決め手勝負になると見劣るが、先行しての粘りには定評がある。
サダチカガーベラ=高松亮は前走がうれしい今季初勝利。最後の詰めに課題を抱え、届かないケースが多かったが、ようやく吹っ切れた。ベストは1800mだが、ペース次第ではマイルでも台頭十分。あとは今の馬場が合うサクラテリオス=小林俊彦も押さえが必要。
<お奨めの1頭>
4R アオチャン
実戦を使われるたびに迫力が増す一方。寒菊賞でもラブバレットの2着を確保した。メンバー甘くなった今回は首位を譲れない
「騎手対抗戦」と聞くとワクワクしてくる自分にとって、『ゴールデンジョッキーズシリーズ』は楽しいイベントです。
12月23日・12月29日、年が明けて1月12日の全3レースでのポイントで競うこのシリーズ。昨年は最終第3戦が降雪打ち切りで開催されなかっただけにまずは全戦完遂してほしいなというのが第一希望なのですが、昨年同様に第3戦までもつれ込むような混戦になってほしいなという希望も、見る立場からすると感じてしまいますね。
昨年のシリーズでも、レースの着順の結果だけでなく、ポイントを計算して一喜一憂する騎手の姿が非常に印象的でした。騎手たちってあまりそういうのを計算していないようなふりをして実は凄く意識していますからね。
昨年も、結局は第2戦までの結果で成績が決まったわけですが、そこまでのポイント上位騎手のほとんどが第3戦であまり良い馬を引けなかったためにガッカリしていたところが、第3戦が中止になって一転大喜び・・・みたいなシーンも。
昨年の2戦は、これも結果的にですが1番人気が勝てなかったですからね。騎手たちも他馬の人気、他の騎手のポイントを意識して戦っているという事。今年は第3戦まで進んで、最後までもつれる大激戦(ポイント)を期待したいものです。
●10Rの買い目
馬単(6)=(9)、(6)→(12)、(6)→(2)、(6)→(10)
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22日メイン「第23回白嶺賞」(オープン 水沢1600m)は重賞特別で最も荒れるレースで定評がある。過去10年をさかのぼっても1番人気に支持された馬は2着2回が最高。11年前、ハイフレンドピュアが1番人気で勝ったのを最後に、すべて波乱で決着している。
特にここ5年は荒れ方が半端じゃない。2009年は4番人気(トキワノマツカゼ)→5人気→2人気と入線し、3連単が35100円。2010年は8番人気(ダイメイジュエリー)→5人気→1人気と入り、443330円。
極めつけは2011年、第21回。6番人気ベルモントダイヤが逃げ切り、2着リリーレインボー(7番人気)→リュウノキングダム(10番人気)。単勝15260円、3連単にいたっては761780円!恐ろしい配当が飛び出した。
昨年は比較的おとなしく?収まって1着クレムリンエッグ=10番人気、2着コパノマユチャン(2人気)、3着シャイニーハリアー(1人気)。単勝4770円。3連単は39630円だった。
参考までに過去5年の1番人気は<0.0.2.3>。3着確保が精一杯と人気馬は受難のレースとなっている。
同じく過去5年、栗駒賞を優勝した馬が白嶺賞へ駒を進めた馬が4頭いるが、09年・ゴールドマイン=4着、10年・リュウノキングダム=6着、11年・ファーストメジャー=7着、12年・コパノマユチャン=2着と1頭も優勝馬が出ていない。あくまでもデータはデータに過ぎないが果たして結果はどう出るか。
本命はそれでもドリームクラフトにするしかないだろう。栗駒賞を5馬身差で圧勝し、岩鷲賞に続いて水沢1400m重賞2つめを手にした。
その後も順調に乗り込まれて好調キープ。あえて不安点を捜せば水沢1600mは2戦して2着1回4着1回と白星を飾っていないこと。決してマイルが苦手とは思えないが、それをどう解釈するか。
逆転筆頭はランドオウジ。中央1勝から1年9ヶ月の長期休養を経て岩手転入。当初はなかなかレース勘を取り戻せなかったが、使われるたびに着実に上昇。4戦目に待望の勝利をモノにして2連勝マーク。青藍賞3着、南部杯8着、絆カップ3着に善戦した。
前走・栗駒賞はドリームクラフトに完敗を喫したが、これまでの3勝はすべてダート1600m戦。データ、そして距離延長など好材料がそろい、待望の重賞タイトルを奪取するか。
ヒカルジョディーは夏に体調を崩し、大事を取って2ヶ月あまり休養。復帰戦に絆カップを選び、12頭立て11番人気の低評価を覆して快勝。冒頭に記した配当をはるかに超え、3連単248万7160円。周囲をあ然とさせた。陣営も栗駒賞への叩き台のイメージだったが、管理する畠山信一調教師も驚きを隠せなかった。
その一戦を叩かれて栗駒賞では重賞2連勝の期待を抱かせたが、伸びを欠いて4着。元々が成績安定しないタイプだが、絆カップで見せたシャープな切れが不発に終わった。
今回も評価に迷うところだが、水沢1600mは一昨年度のトウケイニセイ記念を含めて6戦2勝2着1回と5割の連対率。前走のみで判断を下すのは早計だろう。
スーパーワシントンは今季<4.3.2.5>。常識的に10歳とは到底思えない活躍ぶりだし、現在も状態を維持させていることにも感服する。ここ2戦、栗駒賞5着、A級戦3着に終わったのが気になるが、それでもレースで必ず一瞬はいい脚を使っている。やはりマークを欠かせない。
隠れたデータがもう一つある。南郷家全騎手がここ5年で1勝2着2回。この好成績は見逃せない。今回はダノンボルケーノとのコンビで臨むが、前回快勝で転入初戦以来、2勝目をマーク。しかも揉まれない外枠も好材料だ。しかも強力な逃げ馬も不在でペースが落ち着くこと必至。穴ムードが漂っている。
◎(7)ドリームクラフト
○(4)ランドオウジ
▲(6)ヒカルジョディー
△(2)スーパーワシントン
△(10)ダノンボルケーノ
<お奨めの1頭>
1R マルヒア
近2走2着は相手が強すぎただけ。走破タイムは非常に優秀だった。メンバーが大幅に恵まれ、今度こそ首位を奪取する