25日メインは「せんまや夜市30周年記念レース」(B1三組 盛岡ダート1600m)。有力各馬がそれぞれ別のステップを踏み、実力比較が掴みづらく難解さに輪をかけている。
その中で主軸に抜擢したのはブラックベガス。ハイペースを形成しても攻めの一手に出て押し切ると見た。
岩手転入は09年5月で当初格付けはB1。白星はマークできなかったが、2着2回3着1回の成績を残した。昨年度はC2へ降格しメンバーが甘くなった途端、いきなり5連勝。その後、昇級しても2勝をあげ通算7勝でシーズンを終了した。
今季はB1へ復帰。開幕2戦は6、4着に終わったが、前走はA・B1混合戦で果敢に逃げ、自らハイペースを形成しながら粘って3着。これが最終的な決め手となった。
持ち味は前走のようにペース速くても逃げた時の渋太さ。ウメノレイメイの出鼻を叩いてハイラップを刻み、最後は後方2頭ツルマルヤマト、トーホクキングが1、2着。ブラックベガスは負けてなお強しの印象を与えた。
今回も1枠に入ったジツリキザッツワン、ドリームガイアと同型の出方が気になるが、ここは前走と同様、攻めあるのみ。そうすれば道は切り開けるに違いない。
タケショウナイトは前走が初の盛岡芝だったが、マイペースの逃げに持ち込んで快勝。4歳馬が成長確かなところを見せてくれた。ネックはゲート難があることで今回は奇数番号の5番だから、先入れ。これが微妙に影響しそうだが、それを克服して連勝するようだと今後、さらに飛躍を遂げる可能性がある。
ストリートダンスは初戦4着。決して本調子ではなかったが、後方待機策から3角まくりに出て直線で2番手まで進出。最後は一杯となって4着だったが、底力を改めて証明した。
前走内容からこちらが本命かとも考えたが、2開催スキップしたのに調教のピッチが上がっていないこと。昨年も脚部不安で秋に2ヶ月ほど休養。能力は十分認めるが、臨戦課程の差で▲評価とした。
ドリームガイアは休み明け3戦目をまんまと逃げ切り。昨年秋以降は精彩を欠き、今季も不振で6、7着。そのため前走は8頭立て8番人気と最低評価だったが、見事に覆した。決して逃げにこだわるタイプではないし、ブラックベガス、ジツリキザッツワンの2頭が先行争いをすれば単騎3番手をキープでき、展開的に狙いが立つ。
ゲンパチオブラブは得意の芝でも伸びを欠いて3着。道中の手応えは悪くなったが、直線の反応がひと息で評価に迷う面は否定できない。ただ逆の味方をすれば3着は復調の兆しとも解釈でき、一発の可能性がある。
もう1頭怖いのがエスユーシルバー。今季3戦を消化してなかなか体が絞れてこないが、ジューンカップ=ダ1000m戦がちょうどいい追い切り替わりになったかもしれず、ソロソロの見方もできる。
◎(7)ブラックベガス
○(5)タケショウナイト
▲(6)ストリートダンス
△(8)ドリームガイア
△(10)ゲンパチオブラヴ
△(2)エスユーシルバー
3連単は7を1着固定で勝負で5、6の折り返しが本線。あとは8、10、2が押さえ
馬複は 5-7、6-7、7-8、7-10、2-7
<お奨めの1頭>
4R モンテムーン
岩手初戦を強いレースで逃げ切り完勝。大型馬が久々を使われてさらに気配アップした
日曜日のみちのく大賞典が終わった時点で書き始めた、という事で話題はおのずと「ロックハンドスターの敗因」それが何だったのか?に向いていきます。
結論からいえば「距離適性と持ち時計の壁」なのではないでしょうか。例えば昨季終盤、ロックハンドスターは水沢ダート2000m戦で2分11秒台・12秒台というタイムで勝ちました。盛岡では10月の不来方賞時の2分8秒8が最速です。
一方、近年の3歳トップクラスの戦績を見ると、3歳の夏頃には盛岡2000mで2分10秒台のタイムでもそこから着実にタイムを詰め、桐花賞出走時には水沢2000mで2分8秒台を普通に出せるようになっています。オウシュウクラウンしかり、バンケーティングしかり。マヨノエンゼルなんかもそうですね。そして、古馬になってからは盛岡2000mで普通に2分7秒台を出せるようになる。
その点でロックハンドスターの"タイムのつまり具合"はややスロー。桐花賞から半年ほどの間に持ち時計を1秒以上詰めないと・・・という計算になってしまって、そこに他馬の、盛岡2000mで普通に7秒台~8秒台前半を出せる馬たちにつけ込まれる隙がありました。
ただし、ロックハンドスターが昨年9月に盛岡1800mで出した1分55秒3というタイムは、これは優秀です。古馬オープン特別でも普通に勝ち負けできるレベルですから、2000mと1800mを比べればロックハンドスターの適性は後者にある、と考えていいでしょう。
余談かもしれませんが、2007年のテンショウボス以降、みちのく大賞典を岩手生え抜きの馬が勝っていないのは、GIとしてのダービーGPが休止された影響かなと思ったりします。ゴールドアリュールだのカネヒキリだの、後にトップクラスに登りつめるような馬と戦う経験は、伸び盛りの3歳馬にとって例え敗戦であっても大きな糧になったのではないかと。
それはさておき。しかし勝ったコアレスレーサーのタイム・2分6秒3は、これもまた素晴らしく優秀なタイムでした。
OROパークで行われたみちのく大賞典の中では歴代4位。そのうち1位と2位はメイセイオペラが不良馬場で叩き出した超絶タイムゆえ別格とすれば、05年トニージェントの2分5秒9に次いで2位。00年メイセイオペラの2分6秒7をも上回る、といえば凄さがより際だつでしょうか。7歳夏になって持ち時計を1秒詰めるという地力の高さには、素直に感服せざるを得ませんね。
●10Rの買い目
馬単 (2)→(4)、(2)→(1)
19日(日)メインは岩手古馬の看板レース「第39回一條記念 みちのく大賞典」。優勝馬主には今をときめく種牡馬ネオユニヴァースの配合権利が提供される。
舞台はダートのクラシックディスタンス2000m。4コーナー奥のポケットからスタートし、直線が約600m。盛岡自慢のコースで枠順の有利不利はほとんどなし。実力どおりに決着する。
主役はロックハンドスター。門別・コスモバルク記念を叩いてみちのく大賞典は当初の予定どおり。陣営はみちのくを制して真夏のJpnⅢ・マーキュリーカップへ駒を進めたいと考えている。
そのコスモバルク記念でロックハンドスターは5着。同期の三冠馬対決に沸いたが、クラキンコに完敗を喫した。これが現時点での実力差と認めるほかはないが、最終追い切りではフックラしていた体が輸送で減り、当日の馬体重がマイナス10キロ。改めてアウェーの厳しさも垣間見せた。
それから1ヵ月半が過ぎ、輸送疲れも完全に払拭。1週前はベストマイヒーローと併せ馬を消化し、最終追い切りは単走で好タイムをマーク。「1週前とは動きがガラリと変わった。自信を持って送り出せる」と瀬戸幸一調教師は納得の表情で語った。
盛岡ダ2000mもすでに2度経験済みで距離不安もまったくなし。飛躍の4歳を迎えてどのようなレースを披露してくれるのか楽しみで仕方がない。
しかし今回、伝統に一戦にふさわしく岩手トップがほぼ顔をそろえた。一昨年の年度代表馬マヨノエンゼルは仕上がり途上で回避したのが残念だったが、ロックハンドスターが不在だったら、ほとんどが主役を張れる馬ばかり。非常にワクワクしている。
まずコアレスレーサー。540キロ前後の大型馬で明らかに叩き良化型。今季初戦・あすなろ賞は3コーナー過ぎに先頭に立ち、そのまま押し切るかと思ったが、久々がこたえて3着。
だが、この一戦を叩かれて気配が一変。前走は積極的な逃げの手に出て上がり3ハロンが37秒5。このタイムでまとめられたら、ちょっと太刀打ちできないような完ぺきな内容で圧勝した。
これで弾みがついたのか、さらに体調アップ。昨年、同じ盛岡ダ2000mで行われたJpnⅢ・マーキュリーカップで4着に善戦して条件ベスト。ロックハンドスターを破り、待望の初重賞制覇に燃えている。
リュウノキングダムはトウケイニセイ記念優勝後、一度、園田へ転籍して再転入。初戦に早池峰賞を選び、久々の短距離・1200mが不安だったが、目が覚めるような最後方一気を決め、さすが重賞3勝馬と大向こうを唸らせた。
1200mからいきなり2000m延長は常識的にはきつい印象を持つが、リュウノキングダムは別格。最大の特長はどんな流れにも対応ができ、一昨年の北上川大賞典(盛岡ダ2500m)も完勝。器用さも兼ね備えている。
サクラマジェスティは前走・あすなろ賞で1番人気に支持されたが、5着に凡走。ちょっとミソをつけた感じだったが、珍しくゲート入りを嫌って先頭モードに入っていなかったか。
昨年、黒潮盃から帰郷初戦のロックハンドスターを子供扱いにして完勝。その後の成長力があるにせよ、アッサリ切って捨てたのは厳然たる事実。コースの広い盛岡で全能力を発揮するタイプだけに、前走のみで見限るのは早計だろう。むしろ気楽に乗れる今回の方が不気味さが漂う。
ワイルドキャットは転入初戦のあすなろ賞2着。前走比プラス12キロと見た目にも太め残りだったが、見せ場を十分に作ってクビ差の僅差負け。こちらも叩かれた上積みを十分に見込めるし、レースを作れる強みもある。結果的に評価は下がってしまったが、軽視はまったくできない。
あと印は回らなかったが、あすなろ賞快勝マイネルプロートス、早池峰賞で惜しくも3着ゴールドマインも怖さ十分。各陣営ともそれぞれの思惑を秘め、最高におもしろい一戦となった。
◎(9)ロックハンドスター
○(11)コアレスレーサー
▲(10)リュウノキングダム
△(3)サクラマジェスティ
△(8)ワイルドキャット
3連単は9を1着固定に勝負。あとは11、10、3、8と手広く流したい
馬複は 9-11、9-10、3-9、8-9
<お奨めの1頭>
3レース アクセルファイヤー
前走はマツリダベストの逃げ切りに屈したが、これは相手を誉めたい。今度は負けられない
18日、メインは盛岡芝2400mを舞台に行われる「かきつばた賞」。盛岡ターフ戦線がこのレースから始まり1、2着馬には芝の全国交流・第33回せきれい賞(同じく芝2400m)への優先出走権が与えられる。
盛岡芝と言えばボスアミーゴ、ボスアミーゴと言えば盛岡芝の鬼。盛岡ターフ王の異名を欲しいままにし、3年連続で最優秀ターフホースの座についてきたが、昨年ついにターフ王の座をシーグランディに明け渡した。
昨年、ダート戦を2度使われ、いよいよ芝を向かえようとした直前、脚部不安が発生して無念のリタイア。しかし無理をしなかったのは芝重賞の完全制覇=グランドスラム(2歳・テシオ杯ジュニアグランプリ、3歳・オパールカップ、3歳以上・せきれい賞、OROカップ)を最優先させたからだった。
ところが思ったほど調整が進まず、OROカップ5着。結局、8戦未勝利に終わってしまったが、それでも距離が短すぎた(芝1000m)きんもくせい賞(当時:特別)で3着に食い込み、ターフ王だった意地は見せた。
その後、12月初旬のA級(水沢1800m)5着で早々とシーズンを終了。今季に復活を賭けて半年ぶりに復帰。初戦は4・6秒差の大差7着に終わったが、このレースを叩いてかきつばた賞は当初の予定どおり。
このまま引き下がるのか、それとも巻き返しなるか。今回、ボスアミーゴは正念場を迎えた。
以上の理由からボスアミーゴは対抗に落ち着き、本命はサウンドサンデー。南関東で通算11勝をマーク。重賞には手が届かなかったが、常連として名を馳せ、岩手の芝へ3度参戦し2着1回3着2回。
もちろん重賞が舞台での好成績で隠れていた芝適性を披露した。岩手転入は昨年暮で、4戦(2度は遠征)を使って園田へ一旦トレード。2戦8、10着後、再び岩手へ戻り、初戦を鮮やかなマクリで快勝した。
順調度、芝適性、そして臨戦課程とどれを取り上げても他を一歩リード。絶好の勝機を迎え、本番・せきれい賞へ好発進を決めたいところだ。
サウンドサンデー、ボスアミーゴのラインに割って入るのがドリームスナイパー。中央未勝利から一昨年9月に転入。一戦ごとに地力をつけ、昨年はB1条件から強気にかきつばた賞へ挑戦。そこで3着に健闘し、重賞・せきれい賞では前記サウンドサンデーに先着して2着。ステイゴールド産駒らしく、芝2400m戦で秘めた素質がついに開花した。
その後、JRA入りしたのは芝の長距離で力を試してみたかったからだが、4戦して8着が最高。速い流れが合わず、名古屋2戦を経て岩手へ里戻り。初戦はB1・2混合戦で3着。伸びひと息に終わったが、元々が通算2勝と勝ち味に遅いタイプ。
これがドリームスナイパーの持ち味であり、欠点。相手なりに駆ける堅実さと最後の破壊力差で▲評価となる。
マルブツコンバットも芝で素質開花したクチ。昨年の桂樹杯(盛岡芝1600m)で格上馬相手に快勝。サッカーボーイ産駒の特長である切れる脚を存分に発揮した。ただ、気になるのが昨年終盤から精彩を欠いている点。今季初戦も大差しんがり負けを喫し、得意の芝でどこまで反撃なるか。
あとは前回快勝で再び勢いを取り戻したブライティアピア。盛岡芝は初めてだが、中央時の1勝は芝1200m戦でマーク。折り合いに苦労しないタイプなので脚をためることができれば2400mも克服できる。
◎(5)サウンドサンデー
○(6)ボスアミーゴ
▲(2)ドリームスナイパー
△(8)マルブツコンバット
△(3)ブライティアピア
3連単は5を1着固定に6、2の折り返しが本線。あとは8、3を3着押さえ
馬複は 5-6、2-5、5-8、3-5
<お奨めの1頭>
1レース コスモティーピー
岩手初戦は重め残りのため5着だったが、一度叩かれて動きが一変。前走は4角先頭の圧勝劇を演じ、周囲をアッと言わせた。中間、さらに良化
6月第2土曜日はチャグチャグ馬コの日。今回はばんえい十勝からリッキーとミルキーの2頭が参加、全行程を歩き通したとの事で、まことにお疲れさまでした。
私も土曜日の朝、出発地点である滝沢村・蒼前神社に行っていたのですが、たくさんの馬コの中でリッキー&ミルキーをはっきりと捉える事ができずじまい(後で確認すると、遠くの方に写っているコマがありましたが・・・)。
チャグチャグ馬コに出てくる馬は農耕用在来種ばかりでなく元ばん馬という経歴の馬も少なくなく、さしものリッキー&ミルキーといえどその大きさで見つける事ができません。
という事で、ここに掲載したのは10日の金曜日に行われた撮影会での一コマ。前の芦毛がミルキーですね。装束を普通に着こなして実に立派です。
そして。12日の日曜日、盛岡競馬場に鈴木邦哉調教師がいらっしゃったのですが、そこで師のお顔を拝見した後、改めて10日の画像を見ると・・・鈴木調教師がミルキーを引いているじゃないですか!11日の本番の写真は・・・当然ここにも鈴木調教師・・・!
というかリッキー&ミルキーは今回いらっしゃったばんえい関係者の皆さんで引いていた様ですね。はっぴ姿に姉コ姿・・・皆さん似合いすぎで分からなかったですよ!いやはや本当にお疲れさまでした。
前走は彼なりにいろいろな課題があったのですがそれも全てクリア。加えて世代のライバル・シーグランディが芝路線に向かったため、めぼしい強敵も見あたらなくなりました。中間はあくまで順調、陣営も自信を持って送り出せるとの事。「競馬に絶対はない」といいますが、よほどの事がない限りこの馬がここで敗れるシーンは想像できません。
では対抗は?これが悩みどころ。前哨戦や2歳戦の結果を見る限り(4)ヤマトスバル(9)トーホクスピリットが優勢なのでしょうが、いずれも展開に注文がつくタイプゆえ過信はできません。スローと読むなら(4)、ある程度速めの流れになると読むなら(9)か。血統的には2000mはこなせる背景を持ち、その点はある程度信頼できそう。
それ以外となると、過去ベストマイヒーローやシーグランディに数秒の単位で負けている馬がほとんどで何とも手掛かりがありません。比較的"負け具合"が小さいのは(2)スパルタンや(7)ドキドキなのですが、どちらも1800mすら未経験では強気になれる材料が無く・・・。
やはり◎鉄板、2着もある程度実績のある馬で・・・というのが、結局ベターなのではないでしょうか。
●10Rの買い目
馬単 (10)→(4)、(10)→(9)、(10)→(2)、(10)→(7)