30日メインはC1「南昌山賞」。舞台は高配当も期待できる芝(1600m)。ダートならば目下2連勝中コアレスミューズが人気を集めるが、芝なら話は別。適性を求めて格下C2から6頭も挑戦し、波乱の目も十分ある。
おそらく人気も割れそうだが、シャイニーサンデーを主軸視する。決め手は前々走の芝快勝。今回と同じ条件、C1・芝1600mに出走。今季は着を拾うのが精一杯で頭打ちの連続。視界から外れてしまい、6番人気の低評価だったが、見事に覆して1着。2着ケイジーウィザードに2馬身差をつける完勝で、芝に替わって別馬のような鋭い反応を見せた。
これが埋もれていた才能。追走にも手こずっていた馬が好位3番手を追走。直線でも上がり36秒5。パーフェクト内容で今季初勝利を飾った。続くダート1600m戦で最後方追走から1頭だけ交わした9着。まさに芝とダートはまったく別―を象徴する結果となった。得意の芝で反撃に転じる。
逆転筆頭はアクセルファイヤー。中央4勝から南関東、金沢を経て転入。格付け賞金から最下級C2へ編入し、5戦2勝2着3回。相手にも恵まれて連対100%を継続している。
今回、C2からの挑戦でも負担重量のアドバンテージはないが、中央4勝馬には不要。不安材料は初の盛岡芝に尽きるが、中央時代に芝で3着2回。父がステイゴールドで小柄な牝馬なら、逆に大歓迎だろう。
コアレスミューズは今年5月、南関東C1から転入。当初は3、2着の繰り返しだったが、三陸リアス賞で好位抜け出しを決めて待望の白星。それで弾みがついて前走は2着に0・9秒差をつけて逃げ切った。
ネックはこちらも初の盛岡芝。ひとまず中央時代に7回走って3着1回のほか、入着4回。適性はありそうだが、詰めの甘さが気になって▲評価とした。
あっさりか、それとも後方のままか、の両極端が考えられるのがコスモクルトゥーラだ。盛岡芝1700m戦で2勝。1勝はJRA時代に3歳条件交流で1勝、そして岩手転入後、B1で1勝。今回のC1では明らかに実績上位だが、他の2敗は12着、10着と大敗。自慢の末脚が不発に終わるケースも頭に入れておきたい。
シルクアヴァロンは昨年12月に転入し、B2へ編入。冬場に一度、佐賀へ転籍し再転入C2。クラス下がってシーズン当初から2勝2着2回と絶好の滑り出しを切ったが、次第に尻すぼみ気味の成績。そこで芝に活路を求めてきた。
それはしっかりバックボーンがあるから。中央時代の3勝はすべて芝。一時はオープンでも走ったこともあり、今回は望むところ。実績からアッサリのシーンまで考えたい。
他にも前々走の芝でシャイニーサンデーの2着ケイジーウィザード、盛岡芝で2勝2着4回サイレントステージ、脚抜きのいい芝が合いそうなラスカルジャネットも不気味だが、そこまでは印が回らなかった。
◎(3)シャイニーサンデー
○(8)アクセルファイヤー
▲(2)コアレスミューズ
△(6)コスモクルトゥーラ
△(10)シルクアヴァロン
3連単は3、8、2の3頭軸から6、10を3着押さえ
馬複は 3-8、2-3、3-6、3-10
<お奨めの1頭>
9R ベル
転入初戦2着は勝った馬が強すぎた。2戦目を順当勝ちし、ここもフリーパス
この25日・月曜と26日・火曜、JRAの騎手の皆さんを交えたイベントが続けて行われます。
まず25日は盛岡市前潟の『イオンモール盛岡』にて夕方18時30分より、JRAの福永祐一騎手・川田将雅騎手・藤岡佑介騎手が、岩手からは南郷家全騎手・高松亮騎手が出演してのトークショーが開かれます。JRAの騎手はいずれも岩手で重賞を勝った事があるお馴染みですし、岩手の南郷騎手は24日のひまわり賞を制したばかり。盛り上がるトークが期待できそう。
ついで26日。先のJRA三騎手がポニーと共に釜石市の保育園を訪問します。実はJRAの騎手の皆さんは、東日本大震災の被災者を競馬を通じて支援していこうというプロジェクト『フレンドシップ3.11』のメンバー。翌日はそれぞれ各地で調教があったりするために時間が限られる中、早朝からスタートして各自の許される限度まで、目一杯活動する事になりました。
先週の戸崎騎手の募金などもそうですが、こうして各地の騎手や競馬関係者の皆さんの応援・支援があるという事は実に心強いですよね。
岩手は相変わらず大きな余震も続いているのですが(土曜日なんかは競馬をやっている最中に緊急地震速報が飛んできて焦りましたよ・・・)、皆さんの応援をうけて少しずつ日常生活に、かつての「日常」に、戻っていければいいな、と思います。
本命に指名するのは、悩んだあげく(4)スマートスペンサーを採りました。ここ2戦は条件交流戦を使って連続3着ですが、前走などは先行しぶとく粘っていますし二走前は当時JRA所属のマイネルプロートスに6馬身あまり先着。これなら力量は十分でしょう。
また、その前走ではコーナーでちょっともたつくような印象がありました。過去の戦績をみても、初勝利こそ福島ですが全体的には小回りよりは大きなコース向きに思えます。その点も盛岡コースに替わるのが有利になりそうです。
(10)オウシュウサンクスが対抗。圧勝続きの2連勝で対岩手勢では優勢間違いなし。対JRA勢でも遜色はない力があると思います。ただ、勝ってはいるものの今季はどうも、本来の動きではないような気がするんですよね。
岩手の馬同士だとほぼ1対1の形になって戦いやすいけれど、JRA勢が複数競り合ってきた時は・・・とちょっと深読みしての対抗評価にしてみました。
三番手はこれもJRA、(9)アウトストラーダ。中央場所のフルゲートではなかなかうまくいきませんが、地方の比較的少頭数・緩めの展開ならもっとやれるはず。鞍上もこういうレースでは信頼できます。
以下、岩手勢の中から好調な(5)バルパライソトート、(7)ストリートダンスをピックアップ。どちらもここに来てレース内容の良さが目につきます。ある程度展開に注文がつくかもしれませんが、スムーズに流れに乗れれば、上位争いに加わっておかしくないと思いますよ。
●10Rの買い目
馬単 (4)=(10)、(4)→(9)、(10)→(9)、(4)→(5)、(4)→(7)
24日メインは岩手版オークス「第25回ひまわり賞」。地元3歳牝馬の争いで序列がはっきりしているかと言えば、決してそうではない。ダート2000mの距離が勝敗に大きく影響しそうだからだ。
それでも一冠目・留守杯日高賞の上位組が優位は動かない―の結論に達した。その日高賞は葛山騎手とのコンビで臨んだ金沢代表・アンダースポットが鮮やかな逃げ切りを決めて快勝。人馬とも故郷に錦を飾った。クビ差2着にガッテンモントレー、1・3秒差3着にシュクモモコ。
アンダースポットはレース後、今回のひまわり賞で二冠を制するために岩手へ再転入。1ヵ月半ほど間隔を開け、3歳B1戦を使ったが、盛岡到着後、発熱。おそらく輸送がこたえたのだろうと思うが、レース当日まで出否を迷った。
幸いレース当日は平熱に戻り、出走にこぎつけたが、陣営も半信半疑で見守った。しかし日高賞優勝はダテではなかった。好スタートからスイスイ逃げ切りを決めて2着に3馬身差。重賞ウィナーの底力を見せつけた。この一戦を叩かれて気配アップは歴然。自信を持ってひまわり賞へ駒を進めた。
とは言え、不安点がない訳ではない。果たして2000mを克服できるかどうか。血統的には問題ないと思うが、日高賞、そして前走も終始、外へモタれながら走っていること。クセなのか、それとも苦しい部分があるのか。結論はもたれっ放しで2000mの距離は厳しい。能力でアッサリもあるだろうが、対抗までとした。
本命はガッテンモントレー。休み明け初戦にコスモバルク記念を選び、北海道へ遠征。3歳牝馬でこの挑戦は無謀では...と言われ、結果も10着に終わったが、自身の上がりが38秒9。前半で置かれすぎたため、勝ち負けには程遠かったが、終いの脚にキラリと光るものがあった。
その経験が無駄ではなかったことを日高賞で証明した。中団5番手をキープし、直線で満を持して追い出すと鋭く反応。アンダースポットにクビ差まで肉薄し、メンバー最速の上がりを披露した。
続いて牡馬相手の岩手ダービー・ダイヤモンドカップ挑戦も視界に入れたが、最終的に自重。理由は今の成長期に連闘は厳しいと櫻田浩樹調教師が判断をした。
それで1ヶ月の間隔を開けて芝・はまなす賞に向かって8着。結果だけを見ると何故、芝を使ったかと思うかもしれないが、「使うレースがなかっただけ。仮に芝もこなせるならもうけもの」(櫻田浩樹師)だった。それゆえ敗戦にさほどショックを受けていない。むしろ勝ち馬から1秒差にまとめたことに成長を実感した。
しかし、ガッテンモントレーの父はサウスヴィグラス。ダート短距離界で一世を風靡し、種牡馬としてもラブミーチャンなどを送り込んで成功を収めているが、2000mはどう見ても守備範囲を大きく超えている。
それでもあえてひまわり賞へ向かうのは母系が長距離向きだから。ヨーロッパ芝2000m以上で活躍したベニーザディップなら十分克服できると陣営は踏んだ。確かにコスモバルク記念=1800mでも決してバテてはなかった。あとは脚の使いどころさえうまくいけば先頭で突き抜けてくれるに違いない。
シュクモモコは日高賞1・3秒差3着。前記2頭には離されたが、牡馬相手の七時雨賞で5着確保した実力を誇示した。続く3歳B1戦は後方のまま9着と案外の結果に終わったが、あとから厩舎に聞いたところフケ(発情)だったとのこと。それならば凡走も仕方なしだった。
実は今回、調教パターンを変えた。通常、日曜日のレースの場合、追い日は木曜だが、食いの細い牝馬なので前週17日に追い切って、以降は軽めに回した。この暑い季節も考慮してのことだが、果たして吉と出るか。
シャトーフジは母トキノシャトーに続いて母仔でひまわり賞出走。トキノシャトーは5着だったが、それより上に食い込めるか。ここ2戦を2、1着にまとめ叩かれながら気配アップは歴然。こちらも距離に不安を抱えているが、調子の良さなら上位3頭にはヒケを採らない。
レディージャスミンの評価が下がってしまったが、もちろん侮れない存在だ。特別・はまなす賞3着、重賞・オパールカップ2着と得意の芝で連続好走。ダートも決してこなせない訳ではなく、水沢だが1勝マーク。血統的には2000mが最も合う馬だ。あとはコース2度目エーシンショコラも軽視できない。
◎(6)ガッテンモントレー
○(11)アンダースポット
▲(9)シュクモモコ
△(10)シャトーフジ
△(4)レディージャスミン
3連単は6、11の折り返しから9、10、4へ流したい
馬複 6-11、6-9、6-10、4-6
<お奨めの1頭>
3R パークセラピイ
前走は目の覚めるようなマクリを決めて快勝。待望の岩手初勝利を飾り、弾みついた
18日(月祝)、第15回マーキュリーカップはゴルトブリッツの圧勝劇だった。道中、2番手を追走し、スローの流れを嫌ったパワーストラグルが外から被せて進出したが、じっと我慢。3、4コーナーで若干もたつきながら直線を向くと鋭い伸び脚を見せて2着メイショウタメトモに4馬身差。重賞2勝目を飾った。
「気分良くレース運びができることを心がけた。3、4コーナーでちょっと砂を嫌がったが、直線は手応え抜群。一度騎乗したことがあったが、その時よりさらにしっかりしてパワーアップした」と川田騎手。
次走は未定だが、今回の勝利で賞金が加算され、選択肢が大きく増えたのが収穫。スケールの大きさ、成長一途の4歳馬。もしかすると早ければ秋にビッグタイトルを手にするかもしれない。そんな予感を抱かせるに十分の内容だった。ゴルトブリッツ、これは大物だ。
23日メインはB2特別「姫神賞」。舞台は岩手競馬が誇る芝1000m。7月9日、B1・芝1000mで行われた「FM岩手杯」は1着馬から9着まで0・3秒差の大接戦。まさに横一線でゴールに入り、ファンも我々も大興奮した。今回も伯仲した戦いが期待できそうだ。
有力馬はひとまず3頭に絞ることができる。リュウノヒーロー、ナイトストーカーズ、ディーエスファジーが該当馬だ。
その中でリュウノヒーローを主軸一番手に指名してみたい。ダートでは水沢1勝のみにとどまっているが、芝は2勝2着3回3着2回。着外に沈んだのはデビュー戦6着だけ。JRA相手にも常に上位争いを演じ、今シーズンの1勝2着1回も芝が舞台と絶対の自信を持っている。
不安は超ハイペース必至の忙しい競馬に対応できるかどうかに尽きるが、3走前の芝1700m戦では2番手を追走。先に行ける器用さも兼ね備えているのが強みだし、今回に限れば揉まれない外枠も好材料。逃げるナイトストーカーズを目標にキッチリ差し切る。
逆転筆頭はナイトストーカーズ。今季はC2へ降格し、距離1400mへ短縮されるや圧巻の3連勝マーク。自慢のスピードが冴え渡った。前々走は5着に沈んだが、敗因は距離延長1600m。これは仕方なしの結果だった。
そして前走・FM岩手杯の6着をどう評価するかだが、12頭立て11番枠から果敢に逃げてわずか0・2秒差。あとひと粘りまで見せ場を作った。
しかも今回は菅原辰徳騎手から高松亮騎手へ乗り替わり。減量51キロから2キロ増はマイナス材料だが、思い切りの良さには定評がある高松亮騎手。逃げ切りのシーンも十分だろう。
適性一番はディーエスファジー。昨年の姫神賞へ挑戦してビュレットライナーに0・1秒差2着。そのビュレットライナーは先に記したFM岩手杯を見事優勝。前走しんがり10着に負け、調子は決して良くはないが、短距離戦は調子よりも適性がモノを言うケースが多い。大勢逆転も可能だ。
以下も距離適性を重視し、FM岩手杯出走組バトルドミナ、リキアイタイリンを連下押さえとした。
◎(8)リュウノヒーロー
○(6)ナイトストーカーズ
▲(2)ディーエスファジー
△(3)バトルドミナ
△(7)リキアイタイリン
3連単は8、6、2の3頭ボックスが本線。あとは3、7を3着押さえ
馬複は 6-8、2-8、3-8、7-8
<お奨めの1頭>
4R ハクシンフリーダム
前走2着に敗れたが、ここではタイムが抜けている。勝機ガッチリとつかみたい
日曜日の盛岡競馬場で、大井の戸崎騎手による震災義援金募金&サイン会が行われました。
伝え聞く話しによればこの企画、戸崎騎手が自ら、ぜひやりたいと持ちかけてきて実現したのだそうです。実際、会場に現れた戸崎騎手はファンが持ってきた写真や馬券にも一つ一つサインを書きいれ、握手の際は自分の方から先に手を出して求めるという非常に積極的かつフレンドリーな雰囲気でした。
当初の予定ではもっと早く盛岡入りしてゆっくり色紙を書きためて・・・のつもりだったのが、この三連休の混雑で新幹線の切符が取れず、実際の競馬場入りはイベント開始の寸前。サイン色紙も募金を受け付ける傍らで書きながら・・・に。それでも「俺はサインを書くのは速いからね!」と頼もしいお言葉。
18日月曜のメインレースはダート2000mの重賞・第15回マーキュリーカップです。2枠2番コアレスレーサーが馬体故障のため出走取消となって出走馬は8頭となりました。内訳はJRA4頭、地方他地区勢3頭、地元岩手が1頭。
今年から負担重量の規定が変わってGI勝馬やグレードレースを何勝もしている馬には厳しく、成長途上の馬や地方馬に比較的優しいルールになりました。JRAの代表馬も昨年のカネヒキリのようなグレードレース勝ちまくりの高実績馬がいなくなり、そして若い馬が主力になったあたりにこの規定変更の影響が現れているように感じます。
とはいうものの地元重賞レベルですら思うように勝てない地方勢に対し、多くないとはいえ既にグレード勝ちを経験しているJRA勢はやはり実績上位。今年もレースの中心はJRA代表馬たちになるでしょう。
そこで本命は(6)ゴルトブリッツを選びました。昨年の今頃はまだ未勝利の、それも芝で勝ちきれずにいた同馬ですが、ホッカイドウ競馬で2勝してJRAに再転入した頃から大変身。この4月にはアンタレスSを制し、東海Sでも1番人気に支持されるまでの馬に成長しました。
この臨戦過程、ダート中距離での実績は、過去のこのレースの上位馬の戦績にダブるもの。4歳馬で重賞挑戦4度目というキャリアであっても不足を感じません。唯一課題があるとすればダート左回りを未経験という点ですが、JRA時代に芝の左回りを経験し、むしろ左回りの方が得意のような成績なら特に気にする事はないでしょう。
日曜のせきれい賞を勝ったホッカイドウ競馬の服部騎手が、ちょうどこのゴルトブリッツの門別での2戦の手綱を取っていました。服部騎手曰く「乗り味がもの凄くいい馬。2戦とも絶対に勝てると思っていましたよ」。服部騎手に言わせればゴルトブリッツは、まだまだこの辺で足踏みするような馬ではないそうです。そんな話を聞くと余計に期待したくなりますね。
対抗は(7)パワーストラグル。なかなか思うようなローテーションを取れないようですが、ダート中距離での先行力は証明済み。前走一叩きで調子もアップしてくるはず。
(4)ミラクルレジェンドはグレードレースで連続好走中。その実績は軽視できないとして、しかしここ一連の牝馬グレード戦線のレベルはそれほど高くない印象があり、過信はできないという気持ちも同居します。休み明けは苦にしないでしょうが、果たして?
ヒモ穴は思い切って(1)ゴールドマインを狙ってみます。「速い流れになってくれればくれるほどありがたい」とは陣営の話し。例えば◎を巡って他のJRA勢がつぶし合うような展開になれば・・・。馬券的な面白さを狙って買ってみたいと思っています。
●10Rの買い目
馬単 (6)=(7)、(6)→(4)、(6)→(1)、(6)→(9)