21日メインは今シーズン第一弾の2歳特別「若鮎賞」、舞台は全馬初の盛岡芝1600m。当初の登録が8頭だったが、ウインハーモニー、リアルサンボーイ、エムオーミスターがキャンセル。
ウインハーモニー、リアルサンボーイはトレーニングセール出身馬でデビュー戦を快勝。仮に出走すれば人気の一角を形成したが、ウインハーモニーは馬房内で軽くぶつけて自重。リアルサンボーイは熱発のため。そしてエムオーミスターは14日の新馬戦を使ったばかりで、それぞれ回避した。
結果、5頭立ての少頭数となったが、今年の2歳戦線を占える好メンバーがそろった。その上、全馬が初のマイル戦で未知の部分が多く、波乱も十分に考えられる。
主軸はエスプレッソ。デビュー戦の芝1000m戦を4番人気で出走。スタートで出遅れながらも4角先頭で圧勝したが、1番人気エトセトラが外方逸走のアクシデントがあり、その被害をこうむった馬も少なくなかった。
それゆえフロック勝ちと見られる向きがあり、2戦目も3番人気にとどまっていた。しかし逃げたハルトリーゲルを子供扱い。何と2秒差の大差をつけて圧勝し、一気に頭角を現した。
前走は連闘で臨み、若干疲れも残ってタイムは平凡だったが、2着に0秒4差をつけ、無敗3連勝を飾った。この成績から1番人気も当然だが、不安点がない訳ではない。3開催連続で出走し、いくぶん気合い不足と盛岡トラックマン。それとデビュー戦の勝ちタイム1分0秒7はここに入ると見劣るからだ。
ある意味で試金石の一戦となるが、母パラダイスフラワーはデビュー2戦目から連戦連勝。若鮎賞も制し、旭川で行われたエーデルワイス賞(当時:GⅢ)も優勝。2歳頂点を極めた強豪牝馬。おそらくエスプレッソも母と同じ道を歩みそうで、抱えている不安をアッサリ一蹴するに違いない。
ハルトリーゲルは2歳新馬戦の勝ち馬第一号。能力検査でアスペクトに大差ぶっち切られ、7番人気の低評価だったが、2番手から鮮やかに抜け出して快勝。2歳戦に強いファリスエフ産駒らしい勝ちっぷりだった。
続く2戦はアスペクト、エスプレッソに完敗を喫したが、ダート戦に敗因を求めることができ、今回は舞台が芝。反撃に転じて当然だろう。
マーライオンパークは2戦2着に惜敗したが、3戦目の芝1000mで見事な逃げ切りを決め、待望の白星をマークした。メンバーは大幅に強化されたが、芝1600mで絶好の1枠。ハルトリーゲルの出方次第だろうが、すんなりマイペースに持ち込めば持ち味の粘り強さを発揮できる。
ワタリドラゴンも3戦目に初勝利を飾った。走法を見るとダートよりも芝向きの印象だし、何よりも叩かれながら良化一途をたどっている。マイル延長も母父アンバーシャダイなら望むところ。
キモンパーティーも気にはなったが、デビュー1戦のみのキャリア。ネオユニヴァース×カーリアンの良血牝馬で不気味さたっぷりだが、他の馬が実戦3度に対するとちょっと分が悪そうだ。
◎(4)エスプレッソ
○(2)ハルトリーゲル
▲(1)マーライオンパーク
△(3)ワタリドラゴン
3連単は4、2の1、2着折り返しから1、3へ
馬複は 2-4、1-4、3-4
<お奨めの1頭>
8R コスモティーピー
前走は早めに交わされて最後一杯3着に敗れたが、内から差し返す根性を見せた。敗れてなお強しの一戦
20日メインはB1「ムーンライトカップ」(盛岡ダート1800m)。当初、オウシュウサンクス、タカラムーン、アドマイヤサムライなどの登録もあったが、それぞれ無理をせず自重。結果、7頭立ての少頭数でコアレスランナー、ジャンドゥーヤの一騎打ちムードが濃厚となった。
コアレスランナーは昨年までの勝ち星がすべて水沢。典型的な水沢巧者として定評があったが、今年は東日本大震災の影響で盛岡一場で開催(まだ決定ではないが、11月一杯には水沢競馬場スタンドの修復がひとまず完了。12月第2週から開催の可能性が高い)。
それゆえコアレスランナーの課題は盛岡坂の克服だった。初戦・岩手日報杯は盛岡坂に加え、2000mの距離も長く4着に終わったが、続くB1・1800m戦を快勝。ついに盛岡でも勝ち負けできるようになった。
しかし続くA級昇格初戦で9着凡走。これは相手が強かった以上にスタートで後手を踏み、自分の競馬ができなかっただけ。悲観する結果ではなかった。
案の定、A級B1級混合戦で巻き返して2着確保。1秒も離されたのがクリスティラビットの破壊力が強烈だったもので連対で十分。前々走の盛岡戦1着は決してクロックではないことを証明した。
前走は芝に舞台が替わったが、4角で早め先頭に立ち、そのまま押し切るかと思ったところドリームスナイパーにクビ差交わされて2着。ドリームスナイパーの芝適性には定評があり、敗れてなお強しの一戦だった。
以上が今季コアレスランナーの足跡で今回は相手有利は誰の目にも明白。やはり盛岡では絶対の信頼は置けないし、1800mも気持ち長いが総合力で一歩リードしている。
一方、ジャンドゥーヤは中央0勝から08年に岩手転入。C2から再出発を図って成功。6勝を稼いでB2でも白星をマーク。再び中央入りし、今年6月に岩手へ里戻りしたが、当初は動きが本物ではなく7、8着に凡走。立て直しに時間がかかるかと思ったが、大事に疲れれたのが奏功。前々走2着で復調の兆しをうかがわせ、前回快勝。ついに復調を果たした。
この中間、気配さらにアップは歴然。ここ2戦に比べ、メンバーが強化されたが、コアレスランナーが詰めに課題が残る分、勢いに乗って格上馬を一蹴する可能性も十分ある。
モエレハナオーはまだ本来のシャープさを取り戻せずにいるのは否定できない。それが成績にはっきり現れ、前走も伸びを欠いて5着。好調サイクルに向かうのはもう少し時間がかかりそうだが、今回は確たる逃げ馬が不在。控える競馬もできるが、先行して粘り切るのが身上。
展開予想はモエレハナオーが逃げ、2番手コアレスランナー、それをマークしてジャンドゥーヤの隊列。特に1800m戦はゴール前200mがスタート地点でスローの流れ必至。気分良く逃げることが持ち味を最大限に生かせる展開。人気の2頭がけん制し合えば漁夫の利を得る可能性も高い。
この三つ巴戦と見るのが妥当だが、もし割って入るとすれば転入後、4着が最高だが、A級から降格マンボパートナー。あとは凡走続きでも、いきなり激走を秘めるモンセルバンが連下候補となる。
◎(8)コアレスランナー
○(5)ジャンドゥーヤ
▲(7)モエレハナオー
△(3)マンボパートナー
△(1)モンセルバン
3連単は8、5、7の3頭軸から3着押さえに3、1
馬複は 5-8、7-8、5-7、3-8
<お奨めの1頭>
1R ラッキースマイル
通算6勝2着10回。笠松B級からの転入で実績上位は明らか。近走内容も悪くなく、C2では役者が違いすぎる
クラスターカップが行われた8月15日、そのメインレースの他にも目玉イベントが開かれました。JRAの騎手7人対岩手の騎手7人で行われた騎手&チーム対抗戦「JRA VS 岩手」です。
着順に応じたポイントで争う騎手対抗戦は全国各地で行われていますが、チーム対抗まで加えた例はまだ数少なく、海外ではシャーガーカップ、国内では、以前南部杯の日に行われた「メイセイオペラカップ」くらいでしょうか。
結果から先にいえば2戦合計で100対88、12ポイント差でチームJRAが勝利。また個人では2戦とも2着を確保したJRA・福永祐一騎手が優勝。チーム・個人ともJRA勢が制しました。
お米1年分など膨大な量を手に入れて大喜びのJRA勢に対し岩手勢はちょっと地味なモードでしたが、しかし第2戦では岩手の菅原俊吏騎手が9番人気のアポロパトリオットで激勝してくれて、ファンに与えたインパクトでは決して負けていなかったですよね。
全レース終了後に行われた総合表彰式を含むイベントには、たくさんのファンの皆さんが集まってくれて、ちょうど夏祭りのような雰囲気でしたね。JRAの皆さんも、例えば福永騎手や川田騎手は16日に九州・佐賀での騎乗があるのですが、当初予定の花巻発の飛行機をキャンセルしてまでイベントに参加してくださいました。またこんなイベントができるといいですね。
昨季はオープンに地歩を築いた同馬ですが、今季ここまではちょっと物足りなさを感じる成績。ですが、前々走の一般戦での2着、前走の特別での3着と徐々に復活の兆しが見えてきました。
今回は前走に比べて非常に与し易い相手関係。加えて距離も、盛岡ではマイルよりは千八の方が強い競馬をするように思います。昨年11月以来の勝利へ前進。
対抗は(5)を採るか(6)を採るかが悩みどころ。(5)は距離が若干苦手、(6)は盛岡が割り引き・・・。
そんなことを考えながら対抗は(6)マイネベリンダとしました。コース苦手とはいえ前走くらいに先行できれば、このメンツなら勝負になるでしょう。変に競り合いになってしまうような事がなければ粘りこめます。
(5)ブラストクロノスも一時のスランプを脱して上昇感あり。展開向かなかった前走は度外視、前々走のようなしぶといイメージで見るべきでしょう。ただ2勝しているとはいえ意外に1800mは流れが向かないことがあるのが心配な点。少頭数で手薄なメンバーと、少し雨が降って軽めになった馬場を味方に付けたいところ。
あとはこれという押しが無いですよね。強いて加えるなら、転入2戦目で変身の余地がある(7)トカチヒビキでしょうか。ただこの馬にしても、実績的&血統的に距離伸びていいという印象はなく、あくまで「この馬自身が変身した場合」+「例えば先行争い激化して先行勢が自滅した場合」と、注文が二つくらい重ならないと・・・という所まででしょう。
●10Rの買い目
馬単 (3)=(6)、(3)=(5)、(5)=(6)
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15日(月)は夏の風物詩「第16回クラスターカップ」(JpnⅢ 盛岡ダート1200m)。今年は第11回以来、久々に盛岡のフルゲート14頭がそろった。
過去15回中13回までJRA所属馬が優勝。また地方優勝2回は名古屋・ゴールデンチェリー(第5回)、船橋・プライドキム(第13回)だが、両馬ともJRAデビュー。地方生え抜きは1頭もいない。しかも昨年は優勝サマーウインドから5着までをJRA勢が独占。そのデータからも印はドスライス、トーセンクロス本線に集まっている。
今年のテーマはズバリ、ラブミーチャンがクラスターCの流れを変えることができるか。それに尽きるだろう。
改めて紹介するまでもないが、デビューから6連勝を飾り、史上初めて2歳馬でNARグランプリ年度代表馬の座を獲得。昨年度は北海道スプリントカップで3着に粘ったものの、続く函館スプリントSで大敗。
その後は休養を余儀なくされ、復帰後もずっと精彩を欠いていた。もしかすると早熟だったか―の声もあがっていたが、新設スーパースプリントシリーズで見事に復活をとげた。トライアル・名古屋でら馬スプリントで上がり33秒9の驚異的なスピードで圧勝し、全国地方のスピード自慢が集結した習志野きらっとスプリントも完勝。
レース内容も文句のつけようがなく、逃げたジーエスライカーの外をピッタリ追走し、直線で突き放す横綱相撲を披露。強いラブミーチャンがよみがえった。しかも2歳から3歳半ばまで480キロ前後の馬体重が、現在は510キロ超。これが成長の裏付けと見て間違いない。
確かにラブミーチャンに直線の盛岡坂は過酷な条件かもしれない。展開も決して楽ではない。JRA勢の包囲網も強烈だ。しかし今の充実度をもってすればすべて克服できると踏んでいる。
逆転筆頭は前記ドスライス。父はゴーンウエスト産駒スペイツタウン。アメリカ生まれでデビュー2戦目、門別競馬場の条件交流で初勝利をマーク。その後は一進一退のレースを繰り返し、なかなかオープンの壁を突破できなかったが、前走・NST賞でついにオープン戦を勝ち上がった。
好位2番手を追走し、直線でちょっとモタつくシーンもあったが、アースサウンドの追撃を封じて快勝した。これで通算6勝目、中央では5勝目を飾り、うち4勝がダート1200m戦(門別も加えれば5勝)。今回の条件は望むところだろう。
トーセンクロスは慢性的な脚部不安がつきまとい、何度かの長期休養があり、7歳にしてわずか17戦のみで出世が遅れたが、前走・安芸ステークス快勝でようやくオープン入りを果たした。
身上とするのは強烈な末脚。ラブミーチャン、ドスライス、そして1枠に入ったサンエムパームが競り合って先行激化する可能性も高く、そうなればトーセンクロスの台頭も十分ある。
あとは実績面で若干見劣るが、スマートブレード、グランドラッチにもチャンスがあるし、名古屋・エイシンタイガーはダート実績は前走の習志野きらっとスプリント4着のみだが、芝で重特を賑わした快速派。JRA勢の牙城を突き崩すかもしれない。
◎(3)ラブミーチャン
○(8)ドスライス
▲(5)トーセンクロス
△(12)スマートブレード
△(11)グランドラッチ
△(14)エイシンタイガー
3連単は3、8、5の3頭軸から12、11、14を3着押さえ。計24点予想
馬複は 3-8、3-5、3-12、3-11、5-8
<お奨めレース>
15日同日、「東日本大震災復興祈念 JRAvs岩手競馬」を実施。JRA7名、岩手7名のチーム対抗戦でチーム優勝、個人優勝を争う。
8R エーシンスローイン
11R スカイリバーに注目。どちらも岩手・山本政聡騎手が引き当て、重要なポイントゲッターとなりそうだ
14日(日)メインは芝交流重賞・OROカップ(9月25日 盛岡芝1700m)トライアル「桂樹杯」。舞台は盛岡芝1600m。
格付け時点ではマイネルアラバンサ、サウンドサンデー、アドマイヤホームの登録もあったが、体調ひと息のため自重。普通ならば物足りない一戦になってしまうが、3歳馬ラブミープラチナが果敢に挑戦し俄然、おもしろくなった。必然的にハンデ差も57キロから52キロまで広がり、これが勝敗に少なからず影響しそうだからだ。
主軸は復活したボスアミーゴ。2歳時から盛岡ターフ王の名をほしいままにし、3年連続で最優秀ターフホースの座を獲得。唯一残された重賞タイトルはOROカップのみ。これを優勝すると2歳、3歳、そして古馬の盛岡芝重賞をすべて制圧する快挙となるが、コスモバルクなど巡り合わせが悪く、いまだグランドスラム達成をできない。
そんなこんなで昨年はスランプ。自己の戦いに終始して未勝利。完全にピーク過ぎた印象を与えたが、前々走・かきつばた賞で自慢の末脚がよみがえって快勝。続く交流重賞・せきれい賞でもマチカネカミカゼには負けたが、半馬身差2着。ついに復活の雄たけびを上げた。
当然だが4、5歳時の迫力は薄れてしまったが、芝の鬼は依然健在。メンバーも手頃となった今回はきっちり白星を飾りたいところだろう。
以上、記したようにボスアミーゴは絶対的存在とはいいがたく、他陣営にもつけ入る余地はある。逆転筆頭はドリームスナイパー。
昨年、B1から重賞・せきれい賞へ強気の挑戦。オープン馬と同じ57キロ同ハンデだったにもかかわらず、直線鋭く追い込んでコスモヴァシュランの2着を確保。それを含めて盛岡芝<2.2.2.2>と連対率5割と抜群の適性を誇っている。
理想は芝の長丁場だが、前走は1700m戦で好位抜け出しを決めて快勝。ダート芝で2連勝を飾り、絶好調。ハンデ差2キロを味方に一気台頭をもくろむ。
ソノマンマは軽快な先行力と粘り強さが身上。芝通算4勝と適性はまったくヒケを採らない。しかも今回は絶好の内枠を引き当て、人気の2頭ボスアミーゴ、ドリームスナイパーは差しタイプ。マイペースの逃げに持ち込めば残り目も十分にある。リュウノヒーローの戦法次第だろう。
そのリュウノヒーローはB2特別「姫神賞」を優勝しての挑戦。芝1000mの忙しい競馬が不安材料だったが、逃げたナイトストーカーズをアッサリ交わして完勝。こちらも芝適性を存分に発揮した。魅力は先、差し自在の脚質。ソノマンマを早めに交わして主導権を握れば格上馬相手にも好勝負に持ち込める。
そしてラブミープラチナ。陣営は芝適性を見抜き、転入2戦目から芝路線を歩んで1、2、4、3着。はまなす賞シーグランディの0秒1差2着、前走はJRA勢を相手に3着健闘した。しかも裸同然の52キロ。現時点での完成度はともかく、軽ハンデに後押しされて先輩たちをひと泡吹かすシーンも考えられる。
◎(1)ボスアミーゴ
○(4)ドリームスナイパー
▲(2)ソノマンマ
△(9)リュウノヒーロー
△(5)ラブミープラチナ
3連単は1、4の1、2着折り返しから2、9、5へ流してみたい
馬複は 1-4、1-2、1-9、1-5
<お奨めの1頭>
3R ヒシカツ
岩手7勝の実績はダテではなく、再転入初戦を完勝。今回も相手強化感なく、連勝疑いなし