今年、JRAが岩手競馬の支援策の一環で10月10日(月祝)、東京競馬場で南部杯を開催。このままでいけばグレードウィナーが10頭も出走。非常に豪華な顔ぶれとなりそうだ。岩手競馬の看板レース・南部杯が、東京競馬場でどんなレースになるのか。今から心ときめかせている。
一方、岩手では東日本大震災の復興を祈念して「第1回絆カップ」(盛岡ダート1400m)、そして東北出身のジョッキーが集結して「東北ジョッキーズカップ」(2戦 盛岡ダート1400m)を開催する。10月10日、自分も"心ひとつ"になって競馬を盛り上げ、盛り上がろうと思っている。
8日メインはA級三組・B1一組による「保呂羽山霜月神楽レース」(盛岡ダート1600m)。A級馬はアルマダの1頭のみ。実質、B1級のメンバー構成となった。断然の主役を演じるのはオウシュウサンクス。仮にA級馬がさらに増えても迷わず大本命となっただろう。
今季スタート2戦は僅差2着に敗れたが、そのうっ憤を晴らして圧勝で2連勝。JRA交流・アンタレス賞8着、前々走3着だったが、これは展開も合わなかった。それ以外の2勝は非の打ちどころのないレースぶり。特に前走は2着に10馬身の大差をつけて圧勝した。
1800m1分55秒6はオープンでも勝ち負けする破格の走破タイム。展開もアルマダが逃げ、前回同様、絶好の2番手を楽々とキープできそう。今度もほぼ死角なしと見て間違いない。
焦点は2着争いとなるが、ファンタジックキーが相手筆頭。このラインはかなり強力と見ていい。中央1勝(ダ1800m)500万下から今年7月に転入。初戦は4ヶ月ぶりの実戦がこたえたが、それでも好位キープから4着に粘り、「今後のメドが立った」(櫻田康二調教師。
そのとおり2戦目の牝馬特別・フェアリーカップで2着に善戦。続く牝馬交流重賞・ビューチフル・ドリーマーカップは相手が強すぎて6着。前走・ハーベストカップは久々の芝1000m戦で前半追走に手こずって4着に敗れたが、これは仕方なし。今回、適距離の1600mに戻り、本来の実力を発揮できる。
アルマダは逃げ一辺倒の脚質だったが、前走は4番手から我慢して5着。着順はともかく収穫の多い一戦となった。今回は強力な逃げ馬が不在で楽にハナに立てるメンバー構成。オウシュウサンクスがどこで仕掛けるかによるが、4コーナーまでマイペースでいければ逃げ残りの可能性もある。
ジャングルゼットは南関東C1から転入だが、その前は佐賀B1へ在籍し、ソコソコの成績を収めていた。初戦は伸びを欠いて6着だったが、勝ち星すべてが1400m~1600m。前走は距離の壁とも解釈でき、しかもコース2度目。好走する素地はそろった。
ケイジーウォリアは前走が4ヶ月ぶりの実戦だったため3秒5も離された4着だったが、久々を叩かれた分の上積みは見込めるはず。しかも鞍上に内田利雄騎手を指名し、桐花賞5着の底力からも軽視できなくなった。
◎(5)オウシュウサンクス
○(2)ファンタジックキー
▲(8)アルマダ
△(10)ジャングルゼット
△(3)ケイジーウォリア
△(4)サクラアーバン
3連単は5を1着固定で2、8、10、3が2着争い。あとは4を3着押さえ少々
馬複 2-5、5-8、5-10、3-5
<お奨めの1頭>
7R シャインリーオウ
前走は頭を上げたりしながらも2着確保。叩かれてさらに気配アップするはず
10月になりました。カレンダーの数字が二ケタになると"年末"の感じが強くなってきますよね。岩手山もこの日曜の早朝に初冠雪が観測されました。競馬場から帰る夕方には息が白くなりましたよ。秋どころか冬へまっしぐらですね。
そんな今週は南部杯ウィーク、いや絆カップウィークと言うべきか。来週の月曜日・10日には、JRA東京競馬場で南部杯と関連するイベントが、盛岡競馬場では重賞絆カップ、東北ジョッキーズカップを中心にこちらでも様々なイベントが行われます。また同日は「岩手競馬を応援する日」として、全国の競馬場・場外発売所等でもイベントが行われる予定です。
東日本大震災から約7ヶ月。間違いなく歴史に残る大災害は、いろいろな物事を力ずくで変えてしまいました。このブログでも何度か触れてきたように岩手競馬が受けた被害は大きなものでしたし、もちろん、岩手競馬に関わりがあった宮古・釜石は言うまでもなく、沿岸市町村はみな非常に大きな被害を受けました。半年以上が経った今でもまだ、復旧への端緒すら掴めていない・・・というのが現状です。
きたる10日のイベントは『岩手競馬を支援する日』と銘打たれていますが、私は岩手競馬「だけ」を支援する、応援するためのイベントではないと思っています。岩手競馬を通して岩手の、宮城の、そして福島の、競馬ファンの皆さんであり被災者の皆さんに心を届けるイベントだと思います。
10月10日、全国の競馬ファンがひとつのレースを通してひとつになる想いや気持ち。それが届けば。届いて欲しいし、ぜひ届けたいですね。
今年の岩手競馬は芝が熱い。特に芝1000m重賞・OROターフスプリントが創設され、まだ途上だが、1000m路線が充実。しかもFM岩手杯(B1)、姫神賞(B2)、ハーベストカップ(B1)の3戦ともスピード満点、迫力満点だった。次開催に本番、OROターフスプリントを控え、この神無月賞も目が離せない一戦となった。
メンバーを見渡せば一目瞭然。ほとんどの馬に勝つチャンスがあり、これでおもしろくない訳がない。さらレースをおもしろくしたのが重賞・OROカップ(芝1700m)から中6日の強行軍で臨んできたラブミープラチナ。そして笠松から参戦するオグリスペシャル、オグリピンクの2頭。
ラブミープラチナの使い方は一見すると無謀にも思えるが、調子いいときは連闘も大丈夫―が世界の常識。OROターフスプリントへ向かう意味でも、神無月賞は是非とも使って置きたい一戦だ。芝1000m適性を確かめることができる。
そのラブミープラチナは北海道、南関東を経て今年転入。初戦は見せ場なく7着に終わったが、芝に替わって反応が一変。続く3歳B1芝1600m戦を快勝し、特別・はまなす賞2着。以降も3歳交流重賞・オパールカップ4着、JRA交流・アメジスト賞3着。
さらに驚いたのは古馬オープン芝・桂樹杯、重賞・OROカップへ連続挑戦。いずれも4着だったが、中身がすばらしくあわやのシーンを作った。今回、B2馬が相手なら、たとえ強行軍、いきなり距離が1000mへ短縮されても適性でカバーする。
参考までにOROカップはラスト50mで一瞬先頭に立ち、メンバー最速の上がり35秒3を披露。小回り盛岡芝でこの上がりをマークできる馬もそうはいない。
逆転筆頭はディーエスファジー。前走、同じ芝1000mを舞台に行われたハーベストカップを快勝。しかもB1の格下からの挑戦で今回は自己の条件B2。ラブミープラチナが1000mに不安を抱えているのに対し、こちらはすでに実績があるのが最大の強み。芝1000m特別2連勝に自信満々で登場する。
オグリスペシャル、オグリピンクの笠松2騎はいずれも桜花賞馬オグリローマンの孫。芝を走る素地はあるが、実績はオグリスペシャルがはるかに上。デビュー戦の京都芝1200mで3着が光り、以降はダート2勝、笠松移籍後に6勝マーク。ただ、問題は外10番枠。逃げの手がベストだが、今回はスピード自慢が勢ぞろい。外を回されると苦戦だが、スンナリならアッサリもありえる。
以下のグループにもチャンス十分。サイレントステージは盛岡芝3勝2着5回。過去、芝1000mは2度経験して5、4着。持ちタイム58秒9なら争覇圏に位置する。また忙しい競馬には疑問附がつくケイジーウィザードだが、元A級の格上馬。鞍上に菅原勲騎手を指名してきた。コスモローダンセは徐々に体調アップし、ここに照準を合わせてきたのが不気味だ。
◎(11)ラブミープラチナ
○(4)ディーエスファジー
▲(10)オグリスペシャル
△(5)サイレントステージ
△(2)ケイジーウィザード
△(3)コスモローダンセ
3連単は4、11の2頭軸から2着10、5。3着2、3のフォーメーション
馬複は 4-11、10-11、5-11、2-11
<お奨めの1頭>
7R シルクメディエイト
岩手転入後、一度4着に破れたのは適性のない芝のみ。ダートでは4戦4勝と絶対の自信を持っている
すでに発表済みだが、水沢競馬が12月10日から再開。その10日以降の重賞・特別日程の主な変更点は岩手版グランプリレース「桐花賞」が12月5日から定番の大晦日12月31日に変更。
あとは明け3歳重賞・金杯が1月2日、マイル重賞・トウケイニセイ記念が1月9日に復活する。これは非常に喜ばしいこと。9月18日、盛岡競馬場でトウケイニセイのお披露目をしたが、9日にもトウケイニセイにかんするイベントを考えている。その日は水沢開催で今シーズンの最終日でもある。その日を楽しみにして欲しい。
10月1日はB1四組とB2一組の混合戦「増田蔵の日レース」(盛岡ダート1600m)、10頭立て。トップハンデ57キロ、最軽量53キロ。これも勝敗に大きく影響しそうだ。
主軸はバルク。今年8歳の高齢馬だが、最も充実したシーズンを送っている。11戦5勝2着4回。2度の敗戦は距離1000mに泣いたジューンカップ8着、JRA交流で相手が強かったアンタレス賞9着のみ。
自己の条件に戻ると抜群の安定感を発揮し、ここ4戦連続で連対を確保。前走は2着に敗れたが、大外強襲を決めたバラディーを誉めるべき。むしろ2着確保した粘りを評価したい。
今回、B1在籍で55キロを背負うが、前走も同斤量で克服済み。今回はクォーク、ブライティアヘアーと逃げたい馬が2頭いるが、決してハナにはこだわらないタイプ。先行抜け出しを決める。
ストリートダンスは厩舎方針で無理のないローテーションを堅持。6戦すべて入着を果たし、1勝2着1回。ここ3戦は足踏みが続いているが、B1在籍馬に対して2キロのアドバンテージは大きい。今度は反撃に転じる絶好のチャンス。
トーホクキングは追い込み一辺倒の脚質ながら主戦場は水沢。盛岡坂を苦にしているが、それでも直線鋭く伸びて毎回勝ち負け。特に前走はハナ差2着で初白星を逃がした。トップハンデの57キロで持ち味の切れが鈍らないかが不安だが、前走内容からアッサリあって不思議はない。
クォークは今シーズン3着が最高。あとゲート難を抱えて物足りない結果だが、前走は2番手キープから4角先頭。そのまま押し切るかと思ったが、最後苦しくなって4着。これは前半のハイペースがたたったと解釈でき、スンナリの流れなら首位も可能だろう。
チェリーブランデーは中央500万下から転入して8戦0勝2着1回。クラスの壁とも受け止めれる成績だが、この中間は熱心に乗り込まれて気配アップは明らか。人気の盲点を突いて大駆けをもくろんでいる。
◎(7)バルク
○(1)ストリートダンス
▲(9)トーホクキング
△(8)クォーク
△(10)チェリーブランデー
3連単は7、1の2頭軸から9、8、10に流したいところだが、穴党は8、10から狙う手もおもしろい
馬複 1-7、7-9、7-8、7-10
<お奨めの1頭>
7R メリーハート
転入初戦、盛岡ダート1200m1分13秒7。C2でこのタイムを出されたら、他陣営はひとたまりもない。距離延長でも追いかける手
今回は10月10日の盛岡競馬場で行われる騎手招待競走「東北ジョッキーズカップ」の話題。
重賞「絆カップ」と共にその日のメインイベントの一角を担う東北ジョッキーズカップ、他地区からの招待騎手は既に決まっていまして、北海道から九州まで8人の騎手の名前が明らかになっています。
北海道・小国博行騎手、浦和・秋元耕成騎手、船橋・江川伸幸騎手、金沢・服部大地騎手はいずれも元上山競馬の騎手で奇しくも同窓会のような感じになりました。佐賀の小松丈二騎手は元岩手所属でしたね。
大井・高野毅騎手、川崎・拜原靖之騎手は福島県の出身、愛知・戸部尚実騎手は青森県の出身との事。若手から大ベテランまでバランスも取れています。
さて、注目は岩手代表なのです。規定によれば「第10回盛岡競馬終了時点のリーディング上位4位」の騎手が出場できるとなっているんですけれど、1位・村上騎手、2位・菅原勲騎手、4位・阿部騎手はひとまず確定として、3位・齋藤騎手が南部杯でゴールドマインに騎乗する予定で不在。その1枠を巡る争いが激化中なのです。
このへんをさらにややこしくする要因がありまして、それは先週まで6位だった菅原俊吏騎手。「6位で騎手招待に出れそうにないですから」と、南部杯のロックハンドスター騎乗を受けたそうなのですが、なんと土日だけで5勝の大活躍。日曜終了時点で5位に浮上中。
まあ、それでも彼は南部杯に回るでしょうから、残るは山本政聡騎手・高松亮騎手・南郷家全騎手までの争いになる模様。これが大接戦。
それぞれ土日終了時点での勝ち星が、山本政聡騎手42勝、南郷家全騎手41勝、そして高松亮騎手が40勝。月曜に「42」を超えてきた騎手が、残り1枠の出場権を獲得する可能性が高くなるのです。
月曜のそれぞれの手駒が、これがまた最後まで予断を許さない印象の面々。誰が出場しても面白くなる騎手たちではありますし、3人それぞれ応援したい気持ちは山々なのですが・・・(注・遠征予定が変わる可能性もありますので、出場騎手の決定は主催者の発表をお待ちください)。