当初、盛岡で開催予定だった岩手版グランプリレース「第37回桐花賞」は水沢再開により12月5日から12月31日、水沢2000mへ移行。例年どおり大晦日興業となった。
その桐花賞のファン投票が12月3日からスタート。お一人3頭まで指名ができ、締め切りは12月18日まで。今年は岩手が誇る名産品『前沢牛(すき焼き用)1万円相当』を200名をプレゼント。年末を豪華に過ごすにはもってこい。担当者の話ではかなりのボリュームとのこと。詳しくは岩手競馬公式ホームページをご覧になってください。
4日メインはC1特別「錦秋湖賞」(盛岡ダート1800m)。フルゲート12頭で実施されるが、うち10頭が前回1着馬。他の2頭サンデーレクサス、コスモクルトゥーラにしても距離が伸びて勝つチャンスは十分。予想するのにもうれしい悲鳴を上げてしまうほど、白熱したレースが期待できる。
その中から本命に指名するのはセイントフェアリー。これも迷いに迷った末の決断だ。昨年は未勝利に終わったが、今季初戦の3歳B2を快勝。これで軌道に乗ったかと思ったが、その後もずっと白星から見放されていた。
ようやく吹っ切れたのは古馬編入後。C2クラス2戦目で両目を開けるや、その後も2勝2着1回。別馬のようにまとめ勝ちを収めている。おそらく奥手血統だったのだろう、秋を迎えて完全に本格化した。
今回は好調馬がそろった上、初距離に不安を抱えているが、スタンド前発走でゆったりと流れる1800mが合いそう。自分の競馬に撤することができれば距離克服は十分と見ていいだろう。
逆転筆頭はアルカイクスマイル。元B1級馬が今シーズンは最下級C2へ降級。相手有利は明白だったが、勝ち切れないレースの連続。これは夏負けの影響も大きかったようで、寒い季節の到来とともに復調。前回、久々の白星で弾みがついた。
距離、揉まれない大外枠もベストの条件。あとは菅原辰徳騎手が1800mの流れにうまく乗れるかどうか。それにかかっている。
チャーピーチットは北海道から転入初戦をアッサリ逃げ切って圧勝。デビュー13戦目でうれしい初勝利を飾った。今回、1400mからいきなり1800m延長だが、移籍直前の門別1700m戦で差して3着。むしろ距離歓迎かもしれない。
評価が難しかったのがホッコーハルマ、ブライティアアネルの2頭。1400mが舞台なら本線まで考えられるが、両馬ともスピードタイプで1800mは明らかに長い。ただホッコーハルマは絶好の1枠を引き当てたし、ブライティアアネルの岩手5勝は強いの一語。2頭がやり合わず前残りの競馬に持ち込めば単までありえる。
パチャールマニスは追い込み一辺倒の脚質。前記2頭がスローに落とせば苦戦を強いられるが、逆にハイペースになれば自慢の末脚がさく裂。その両方を考えなければならないのが、このレースを難解にさせている。スローと読むか、ハイペースと読むかで馬券はガラリと替わる。
◎(5)セイントフェアリー
○(12)アルカイクスマイル
▲(4)チャーピーチット
△(1)ホッコーハルマ
△(8)ブライティアアネル
△(9)パチャールマニス
3連単は5、12、4の3頭ボックスから1、8、9を3着押さえ。計24点
馬複は 5-12、4-5、1-5、5-8、5-9
<お奨めの1頭>
11R ツルマルヤマト
北上川大賞典で2着に善戦。それがフロックでないことを前回快勝で証明した。マイルも問題なく2連勝を飾る
「レディースジョッキーズシリーズ2011」第2ラウンド・荒尾が終わった。第3戦は増沢由貴子騎手が1着、ハナ差2着で皆川麻由美騎手。第4戦は別府真衣騎手が1着、2着には地元・岩永千明騎手が逃げ粘った。岩手代表・皆川麻由美騎手は4着。
以上の結果から第2ラウンド終了時点で増沢由貴子騎手が1位、2位が岩永千明騎手。岩手代表・皆川麻由美騎手は4位だったが、トップとの差は13ポイント。LJS開幕前のインタビューで「6名なので1レースだけで着順がガラリと替わるので、点差が広がるが、逆にチャンスも十分あるはず」と語ったいたとおり、逆転の可能性は十分。最終第3ラウンド・福山まで目が離せなくなった。頑張れ!皆川麻由美!!
3日メインはA級三組による「日本一の安代りんどうの郷レース」(盛岡ダート1600m)。8頭立てだが、考えるファクターは結構多い。人気の一角を形成するスクリームイーグル、オシャベリコパはそれぞれ4ヶ月、3ヵ月半ぶりの実戦。能力を考えればアッサリの実力を持っているが、休み明けがどう影響するか。
それを考慮するとクリスティラビット主軸視で落ち着くが、南関東B2から転入コアレスナイナーはなかなかの先行力があり、仮に絡んだ際にはクリスティラビットは苦しい展開を強いられる。
クリスティラビットは典型的な逃げ馬。自分の型に持ち込んだ際は本当に強い。今シーズンの4勝はすべて完ぺきのレース内容。特に前走ではオウシュウサンクスの追撃を封じる見事な逃走劇を披露。マイペースの逃げから3、4コーナーで後続を離し、あとはセーフティリードを取って1着。あの芸当をやられたら、相当の実力馬でも交わせるかどうか。
逆に楽に逃げることができないと前々走のように10着大敗するケースもあり、展開が大きく勝敗を左右する。ただ、その時の勝ち馬はのちに不来方賞、ダービーグランプリの二冠を制するカミノヌヴォー。相手が強すぎて仕方なしの結果と解釈し、本命とした。
スクリームイーグルは今季3戦目から2連勝。これから重特路線へ殴りこみをかけようとした矢先のリタイアが痛かった。しかし無理をしなかったのが功を奏し、乗り込み万全。テッポー駆け実績もあり、大幅に体重が増えていなければ首位奪取まで。
オシャベリコパは中央1勝500万下から転入して初戦・早池峰賞(盛岡ダ1200m)2着、2戦目のA級一組(1600m)で2着。以降、岩鷲賞8着、フェアリーカップ(牝馬)10着、クラスターカップ(JpnⅢ)13着。以上の3戦は相手、条件を考えれば大敗も納得。マイルまでが本領発揮の舞台で、今回は守備範囲。
クラスターCで外傷を負い、回復度合いが気になるが、一杯の追い切りをこなして出走だからおそらく問題なし。スクリームイーグル、オシャベリコパ本線も頭に入れておきたい。
キャニオンルナはいい脚を長く使えるのが特長だが、距離が伸びれば伸びるほどいいタイプ。マイルだと近走成績が示すように届かないケースも多いが、クリスティラビットにコアレスナイナーが絡み、ハイペースを形成するようだと出番がある。
もう1頭、忘れてならないのがベルモントギルダー。金沢から再転入当時は精彩を欠いたが、叩かれながら良化を示して4戦目2着。栗駒賞は後方から差を詰めただけに終わったが、相手が強すぎたのも事実。自己の条件に戻れば反撃に転じて不思議はない。
◎(5)クリスティラビット
○(7)スクリームイーグル
▲(2)オシャベリコパ
△(4)キャニオンルナ
△(6)ベルモントギルダー
3連単は5、7の2頭軸から2、4、6流し
馬複は 5-7、2-5、4-5、2-7、5-6
<お奨めの1頭>
8R シルバーカテリーナ
前走は2ヶ月ぶりの実戦に加え、太め残り。それでも好位で粘って見せ場を作った。この一戦を叩かれて気配アップは疑いない
5月から連続で行われてきたOROパーク盛岡競馬場での開催もいよいよ残すところ1週・3日、この月曜日を含めても4日となりました。
震災の影響によるものとはいえ、ここまで長い間、一つの場だけでの開催となったのは、近年の岩手競馬では無かった事です。
また、OROの開催が12月に食い込むのも初めてなんですよね。シーズン序盤の4月の開催は実績がありますが、後半の方は長くても11月いっぱいまで。12月まで盛岡というのも希な事でした。
12月10日から水沢競馬場での開催になるわけですが、先日訊ねた時にはスタンドに設置された足場があらかた無くなり、割れていた3階や4階のガラス類の修理も終わっていました。内部の方も今週末から業務エリアが使えるようになるそうで、ようやく「水沢で競馬ができる」という実感が湧いてきますね。
ただ、当初はスタンド棟もテレトラック棟もお客様エリアは3階まで、スタンド4階は業務用エリア部分を一部使用(実況席とか裁決室とか、ゴールカメラとかありますから)のみ。テレトラックは4階は使わず、3階の一部を改装して個室を準備する形でオープンするそうです。スタンド指定席も4階ではなく3階が復活する模様。まだしばらくは制約が残りそうですね。
それでも、水沢での実戦は今年の1月以来ほとんど1年ぶりですからね。非常に楽しみです。
過去33回の歴史を重ねてきた「ゴールデンステッキ賞」。今年は初めてOROパーク=新盛岡競馬場(旧・緑ヶ丘では実施)を舞台に行われ、舞台も過去最長の2000m。各ジョッキーの腕が試される。
今年、目についたのは過去最多5勝の小林俊彦騎手、過去3勝・菅原勲騎手が出場していないこと。しかも7人中4名が盛岡所属ジョッキー。これも過去に例のないこと。時代が変わったことを実感する次第だ。
出場7名ということは出走馬が7頭。少頭数レースとなって超スローペースは避けられない。これが勝敗に大きく影響するのは必至で、一躍主役に躍り出るのがヤマトスバル=関本淳騎手だ。
今年5月、大井から再転入後、初戦・七時雨賞(ダ1800m)でベストマイヒーローの2着。続いて重賞・ダイヤモンドカップ(ダ2000m)へ駒を進めて3着。続くオパールカップは実績のない芝で10着に大敗を喫したが、以降も堅実に走り続けて2着2回3着3回。ダートでは着外が一度もない堅実さを誇っている。
最大の課題は詰めの甘さだが、少頭数で2000m戦なら話は別。マイポジションをきっちりとキープし、先陣でのアドバンテージを今度こそ生かす。
逆転首位を狙うのがシュクモモコ。シーズン当初は凡走の連続だったが、馬体重増加とともにグングンと頭角。JRA交流・エメラルド賞を快勝し、高配当を演出。古馬編入初戦はダートに戻って8着に沈んだが、続く一戦で2着確保して名誉回復。
そして3歳重賞・不来方賞へ臨んでヤマトスバルに先着4着。前走は早め追走も功を奏して快勝。400キロ前後だった馬体重が420キロまで増加。明らかに実が入った印象を与えた。
今回の課題はスローの流れをはね返すことができるかどうか。切れる脚はメンバー中一番は間違いないが、道中の位置取り次第では届かないケースも考えられる。鞍上・南郷騎手がどう乗るかにも注目してみたい。
2頭をまとめて負かす実力を持っているのがシャイニーハリアーだ。こちらも前半戦は勝ち切れないレースの連続だったが、夏を境にひと皮むけ目下4連勝中。芝ダートを問わず快進撃を続けている。
ただ同クラスで4勝マークしているため、今回の負担重量が58キロ。56キロまでなら前々走で勝った実績があるが、さらに2キロ増が微妙。このハンデを考えると▲評価が妥当となる。ジョッキー戦でアッと言わせる菅原俊吏が一発を狙う。
ラヴセンスは一戦置きに好、凡走。当てにしづらい面はあるが、2勝はいずれも強いの一語。本質的にはマイラーで2000mは長すぎる感じだが、父がシックスセンスなら距離もこなせる素地はあるはず。鞍上は目下絶好調の斎藤雄一騎手。
サクラアーバンも2000mは気持ち長いが、堅実な差し脚が最大の武器。前々走・ひいらぎ賞でも人気の盲点を突いて3着確保。軽視すると痛い目に遭う。主戦・山本聡哉騎手から兄・山本政聡騎手に乗り替わったのも興味深い。
◎(3)ヤマトスバル
○(4)シュクモモコ
▲(2)シャイニーハリアー
△(7)ラヴセンス
△(6)サクラアーバン
3連単は3、4の1、2着折り返しから2、7を厚めに。あとは6を3着押さえ
馬複は 3-4、2-3、3-7、3-6
<お奨めの1頭>
7R エスプレッソ
南部駒賞は北海道勢に先着を許して5着。ちょっと不満が残る結果だったが、地元2歳馬が相手なら能力の違いが歴然
26日、シルバーステッキ賞、翌日27日のゴールデンステッキ賞は、その名称どおりジョッキーが主役のレース。それぞれ34回、33回と長い歴史を重ねてきたが、OROパーク=新盛岡競馬場で行われるのは初めて。
ちなみに今回の出場騎手で最多勝は山本政聡騎手の3回だが、昨年は弟の山本聡哉騎手が優勝。2着に山本政聡騎手が入り、兄弟ワンツーを決めた。余談だが、現在リーディング独走中の村上忍騎手は平成11年、シルバーステッキ賞、ゴールデンステッキ賞ダブル制覇の快挙をやっている。果たして今年はどんな戦いが繰り広げられるのか興味深い。
両レースとも完全抽選によりカップリングが決定し、どのジョッキーがどの馬を引き当てるのかが勝敗を大きく左右。特にシルバーステッキ賞で顕著に現れる。その点を加味すると主軸はパークセラピイ=南郷騎手に落ち着く。
パークセラピイは今年5月、名古屋A級から転入。C2最下級に編入し相手に恵まれたが、1200mの忙しい競馬が合わずなかなか勝ちきれなかった。しかし常に馬券対象を果たし、着外はわずか2度のみ。これまで6勝2着6回3着1回と抜群の安定感を誇っている。
前々走は追い込み届かずニシノエックスの4着に敗れたが、そのうっ憤を晴らすかのように前回完勝。B2通用を証明した。
パークセラピイの特長はいい脚を長く使えること。加速ついてからの伸びがすばらしく、豪快なマクリを身上とする。ただ不安点は持ちタイムで見劣ること。速い時計勝負になると取りこぼす可能性もある。
他陣営はそこが狙い目で逆転筆頭はニシノエックス。転入当初は入着止まりを繰り返していたが、古馬編入後に快進撃。いきなり4連勝をマークし、3歳重賞・不来方賞へ強気に挑戦。メンバーが一気に強化され、7番人気の低評価だったが、直線勝負に賭けて3着。3連ものの高配当を演出した。
それがフロックなかったのは前走1着で証明。道中インを追走し、直線で追い出し始めると鋭く反応。前記パークセラピイ以下を一蹴し、マイル1分39秒7の好タイムで圧勝した。
このタイムはB2級以上は間違いなく、昇級初戦も全く問題ないはず。あとは皆川騎手がうまいレース運びができるかどうか。LJS第2ラウンドへ弾みつける意味でも何とか勝利をモノにしたいところだろう。
モエレアンドロメダは今季すでに7勝マーク。前走・LJS第1戦で山本茜騎手に白星をプレゼントし、好調をアピールした。何と言っても魅力は展開有利が明白なこと。おそらくサケダイスキが逃げ、絶好の2番手キープ。主導権を握れるのは間違いない。菅原辰徳騎手があわてなければ、首位も十分可能だ。
昨年、ワンツーを決めた山本政聡騎手、山本聡哉騎手はそれぞれリュウノツバサ、エーシンスローインを引き当てた。どちらも末脚勝負型だが、その切れ味が実にシャープ。常識的な展開予想ではミドルかスローペースだが、シルバーステッキ賞は往々にしてハイペース傾向が強く、2頭まとめて台頭のシーンも考えておきたい。
トーホクキングも末脚勝負型。乗り方が難しい面あるが、仕上がりは文句なし。追わせたらヒケを採らない菊地騎手がどうさばくか注目。他にもブリッジポート、ケイジートレジャーなど好調馬がいるが、印が回らないほど伯仲したメンバーがそろった。
◎(4)パークセラピイ
○(10)ニシノエックス
▲(2)モエレアンドロメダ
△(12)リュウノツバサ
△(9)エーシンスローイン
△(11)トーホクキング
3連単は4、10、2の3頭軸に12、9、11へ3着流し24点
馬複は 4-10、2-4、4-12、4-9
<お奨めの1頭>
11R ラブルビー
一筋縄ではいかない相手多いが、再転入後、10連勝の快進撃を信じる手。ここも軽く突破し、全国区へ殴り込みをかける