今シーズン2歳第二弾の特別は水沢1400mを舞台に行われる「ビギナーズカップ」。創設は昭和58年、旧盛岡競馬場1100mをメイン舞台に歴史を積み重ねてきた。
過去の勝ち馬にスイフトセイダイ、ユキノビジンの名前がある。そのユキノビジンは4戦3勝でJRA入りし、桜花賞、オークスでベガの2着。岩手の知名度を一気に高めたが、3連勝目がビギナーズカップで初の特別制覇となった。
鮮やかな栗毛と筋の通った流星が印象的だったユキノビジン。残念ながら繁殖入り後、目立った活躍馬は出ていないが、印象に残る1頭として長く記憶されるに違いない。
主軸はスニーク。母アプローズフラワー(父ロイヤルスキー)は、叔母にケンタッキーダービー馬ウィニングカラーズを持つ良血。自身は岩手でデビューし通算10勝。南部駒賞、東北サラブレッド3歳チャンピオン(当時)など制した強豪。
繁殖入り後、全日本2歳優駿(JpnⅠ)で2着に健闘したアテストを出し、岩手版"華麗なる一族"。スニークは牝馬ながら母を上回る恵まれた馬体を誇る。
デビュー戦は芝1000m戦で4番手を追走したが、直線入り口で前がふさがる不利もあって8頭立て7着。ちょっと期待外れの内容だったが、ダートに替わって動きが一変。2戦目から逃げ切り2連勝をマークした。
母アプローズフラワー、兄アテストも芝の実績がなかったが、スニークもどうやらそのクチ。ダートでこそ全能力を発揮できるタイプのようだ。
もう一つ強調したいのはアプローズフラワーはミスプロ系との相性がいいこと。アテストがフォーティナイナーで、スニークはティンバーカントリー(父ウッドマン→ミスプロ)で両馬とも大型馬。走る素地はそこからも裏付けられている。
逆転候補はトーホクポラリス、リュウノフラッシュ。トーホクポラリスはデビュー戦・水沢850mを好位抜け出しを決めて快勝。
その後は入着止まりを繰り返していたが、輸送がこたえたのだろう。馬体重が大幅に減少し、能力を発揮できなかったと解釈できる。今回はレース間隔を開け、この一戦に照準を合わせて調整し、反撃に転じて不思議はない。
リュウノフラッシュはデビュー戦で大敗を喫し、前途に暗雲が立ち込めたが、レースを使われるたびに良化。3戦目に初勝利を飾り、若鮎賞、前走と連続3着。特に前走は先行ペースで決着し、流れも合わなかった。前が競り合うようだと一気台頭のシーンまで。
最大の惑星馬になるか、凡走もありえるのがトーホクスピリット。デビュー戦・芝1000mは激しく雨が降る中、極端な不良馬場。それを苦にせず、というより味方につけてスイスイ逃げ切り勝ちを収めた。
しかし父がキンググローリアスだから芝よりダート向きの血統。初の水沢に不安はあるが、それさえ克服できれば首位を十分狙える。
あとはダートに替わって変わり身を期待サカノルベシベ、連闘で臨むが、直線で鋭い脚を披露したコウギョウコジーンも押さえたい。
◎(5)スニーク
○(2)トーホクポラリス
▲(1)リュウノフラッシュ
△(4)トーホクスピリット
△(3)サカノルベシベ
△(8)コウギョウコジーン
3連単は5を1着固定で2、1、4流し。あとは3、8を3着押さえ少々
馬複は 2-5、1-5、4-5、3-5、5-8
<お奨めの1頭>
9レース タケショウナイト
転入2戦目から余裕の3連勝。水沢1400mは初めてだが、前走タイムが抜けている
8月30日、牝馬交流重賞「第36回ビューチフル・ドリーマーカップ」は伏兵マイネベリンダが見事な逃げ切りを決めた。
人気を集めたコンゴウプリンセスは2番手をキープし、エレーヌは離れた3番手を追走。スタートでやや後手を踏んだライネスゴルトは中団8番手からの競馬となった。
グランダム・ジャパン3歳部門総合優勝エレーヌはコンゴウプリンセスをマークする形でレースを進めたが、そのコンゴウプリンセスが3コーナー過ぎに早々と失速。矛先をマイネベリンダに変えたが、時すでに遅し。
快調に飛ばすマイネベリンダは、直線を向いてもスピードが衰えずエレーヌの追撃を完封。0・3秒差をつけ、待望の重賞タイトルを手にした。
「リラックスして走れたのが良かったが、まさか勝てるとは思わなかった。このレースが最大目標だったので本当に嬉しい」と斉藤騎手。
同騎手は一昨年、ジュリアに続いて2度目の制覇。実況アナウンサーが「斉藤マジック、さく裂!」と語ったが、まさに絶妙の逃げ切り勝ちだったと言えた。
4日(土)メイン10レースはB1級二組による「北上市立鬼の館レース」(水沢1600m)。今度こそグラスバラードが逃げ切る。
シーズン当初は粘りひと息のレースを続けていたが、前々走で2着を確保。苦手の盛岡開催をすべてスキップし、水沢まで待機。前走は満を持しての出走で予想どおり逃げの手に出たが、直線一杯となって3着。
3歳馬イシノウォーニングに完敗を喫したが、間隔が開いてレース勘を取り戻していなかったのも敗因だった。
しかし今回は勝負付けの済んだメンバー構成に加え、叩かれて上積み必至。今季初勝利は目前に迫った。
軸はスンナリ決まったが、相手捜しがちょっと難解。各馬が死角を抱え、凡走の可能性も高いからだ。
ひとまず上位に採ったのはヒドゥンアジェンダ。4走前の水沢1600m戦を快勝し、芝1000m・FM岩手杯に駒を進めたが、超ハイペースに戸惑って4着止まり。この反動が少なくなかったようで、続く盛岡2戦を凡走した。
今回はひと息を入れ、過去に4勝マークの水沢1600m戦。ベストの条件で反撃に転じると見た。
タニノレジェンドは今季3勝マークだが、昨年の勢いがないのも事実。最大の理由は馬体重が昨シーズンより10キロほど減っていたからだと思うが、その影響で近走も伸びを欠いている。とは言え、今度のメンバーならアッサリあって当然。反撃のきっかけをつかみたい。
モエレアンドロメダは3走前の盛岡マイル戦を快勝。これで復活を果たし、オープン牝馬・フェアリーCでも5着。前走は5着に終わったが、スローペースに落とされたのが痛かった。
今回も展開がカギを握り、再びスローになると苦しいが、ミドルペース以上なら直線台頭も十分ありえる。
あとは格上ダンディキングも依然、怖さが残り押さえは欠かせない。
◎(2)グラスバラード
○(6)ヒドゥンアジェンダ
▲(7)タニノレジェンド
△(1)モエレアンドロメダ
△(4)ダンディキング
3連単は2を1着固定に6、7、1流し。あとは4を3着押さえ少々
馬複は 2-6、2-7、1-2、2-4
<お奨めの1頭>
8レース ストリートダンス
目下4連勝中と破竹の進撃。しかもすべてワンサイド決着と本格化疑わず。ここも信頼度は非常に高い
そろそろ皆川騎手が復帰してくれそうです。
この4月、シーズン開幕初日に落馬負傷して戦列を離れていた皆川騎手。最初の怪我が一段落して、それでもなんか調子が悪いと検査したら、また別な箇所の骨折が見つかって・・・と時間がかかってしまいましたが、ようやく復帰の目処がたったようです。
先週辺りから競馬場に姿を見せていましたが、今週は久々に勝負服を着てイベントに登場。まだ体重が、まあ有り体に言って太め残りなんだそうですが、それでも先週辺りよりはぐっとシャープな感じになりました。
やっぱり彼女の元気な笑い声が聞こえないと"らしくない"ですからね。ここまでくれば一日も早い実戦復帰を期待しましょう。
さて月曜メインは牝馬の頂上決戦、ビューチフル・ドリーマーカップです。強豪エレーヌの登場で一段と興味が増しました。GDJの古馬シーズンのなかでもこのレースの結果がカギを握りそうですが、果たしてその行方はいかに?
本命は、私はこの馬に期待をかけます。岩手の(8)コンゴウプリンセスです。
3歳牝馬の重賞・ひまわり賞を圧勝して一気に勢力図を塗り替えた同馬なのですが、魅力は勝事だけに留まりません。依然このブログでも書きました、走破タイムに現れる底知れぬ素質です。
前走のタイムは、同じ3歳牡馬の雄・ロックハンドスターにも勝るとも劣らないもの。前々走の水沢マイルでのそれも、古馬上位クラスとも互角に戦えそうなものでした。
もちろん、現状では「スムーズに力を出しきったとき」という条件がつくのでしょうが、それでもこの走りの魅力は大。エレーヌらライバルの強さ・経験豊富さは認めた上で、なおこの馬と心中しようと思います。
その(6)エレーヌは対抗に留めます。力量のほどはここまでの実績の通り、もはや競馬史に残る女傑と言っていいでしょう。
ただ今回はローテーションが過酷すぎます。それにマイルと違って1900mでは距離にもいくらか割り引き感。実力は認めても二番手まで。
三番手も岩手の(5)サクラアーバンを。B級からの古馬オープン挑戦だった前走はひとまず牝馬戦線でやっていく目処がたった、というところまでで十分。よりこの馬向きの水沢コースに替わって前進期待です。
北海道の(1)ライネスゴルトはなかなか面白そうな戦績の持ち主で、特に距離を苦にし無さそうなのはこのメンバーの中では大きな強み。ただ戦ってきたメンバーはいつも同じような感じで力量を計りづらいですし、初遠征でもあって、ここは控えめの評価に留める事に。
あとは(9)ラビットサプライズを押さえます。わりに脚質自在、距離にも柔軟性がありますし、なにより意外性のある馬。鞍上共々こういうレースで一発を期待して良いのではないでしょうか。
★買い目
馬複 (6)=(8)、(5)=(8)、(1)=(6)、(6)=(9)
"岩手競馬最大の祭典"「第23回マイルチャンピオンシップ南部杯」(10月11日)への道が、この29日(日)メイン「すずらん賞」(水沢1600m)から始まる。
今年は昨年の覇者であり、ダートGⅠ5連勝中と国内に敵なしエスポワールシチーが早々と参戦を表明。最大の目標ブリーダーズカップ・クラシック(今年はチャーチルダウンズ競馬場で開催)のステップ戦に南部杯を選んだ。
それゆえ今年の南部杯は各方面から注目を集めること必至。国内はもちろん、アメリカでも参考VTRで南部杯が流れるであろうから、今から胸が高鳴っている。
主軸はゴールドマイン。今シーズンは赤松杯をパーフェクト内容で快勝し、絶好のスタートを切った。続く2戦とも3着止まりに終わったが、シアンモア記念は東海二強が強すぎたため。そして早池峰賞は距離1200mが短く、エンジンがかかったところがゴールだった。
そのうっ憤を晴らすかのように1400m重賞・岩鷲賞で北海道・ベルモントオメガをゴール前で交わして快勝した。
前走・マーキュリーカップはJRA相手、しかもカネヒキリ相手では仕方なし。当初、クラスターカップへ駒を進める予定もあったが、無理をせず自重。このすずらん賞1本に照準を絞った。
中央4勝のうち3勝がダート1600mでマークし、先の赤松杯を快勝したようにマイルがベストの条件。貫禄の主役を演じる。
相手筆頭はサクラマジェスティ。中央3勝(うち2勝はダート)1000万下から転入。初戦は3ヶ月ぶりの実戦だったため3着に終わったが、叩かれながら良化。2戦目を2着にまとめ、ここ2戦は好タイムを叩き出して2連勝。特に前走は4角で先頭に立ち、2着に1・5秒差の大差をつけて圧勝。一戦ごとに迫力が増す一方だ。
不安材料はサクラローレルの血を受け継いだのだろう、跳びが大きくいかにも盛岡向き。小回り水沢がネック。もしかすると3、2着止まりは久々もあったが、コース適性の可能性もある。ここが正念場となる。
マヨノエンゼルは昨年、3歳から強気の挑戦で堂々優勝。すずらん賞史上初の3歳馬制覇を快挙を果たし、続く青藍賞も快勝し、南部杯6着。年度代表馬を獲得する足場を固めた。
今季は2戦3着後、3ヶ月の休養と転厩を経て復帰したが、パドックで体が小さく映り、気合いも正直、ひと息。案の定、結果も振るわず4着に敗れた。最大のカギはその一戦を叩かれてどこまで気配がアップしたか。それに尽きる。
ジョウテンロマンはどうしても評価が下がってしまうが、距離2000mが合わなかったみちのく大賞典8着以外はすべて馬券対象。前走、桂樹杯でも2着を確保し、伏兵ぶりを遺憾なく発揮している。ここでも不気味な存在となる。
モエレハナオーは再転入当初は凡走の連続だったが、ゆるやかながら本来の動きを取り戻し、前回快勝。久々の美酒を味わった。3歳時はトップスリーに君臨した実力馬。復活すればノーマークにできない。
あとは転入2連勝を飾ったソニックルーラーも気になるが、今回は3ヶ月ぶりの実戦。恵まれた際の連下に落ち着く
◎(6)ゴールドマイン
○(2)サクラマジェスティ
▲(5)マヨノエンゼル
△(3)ジョウテンロマン
△(1)モエレハナオー
3連単は6を1着固定に2、5、3へ流し馬券
馬複は 2-6、5-6、3-5、1-6
<お奨めの1頭>
8レース カミノマーチ
デビューが今年1月と遅れたが、一戦ごとに着実に上昇。4戦連続で連対確保が充実度の証。ここも信頼度は高い
先週から3歳馬が古馬へ編入。ずいぶん活躍が目立つなぁと思って調べてみたら、そのとおりのデータが出てきた。
先週3日間(8月21日~23日)で3歳馬が出走したのは、全26レースあり、延べ頭数で86頭。その結果、<15.13.10.48>勝率=17.4%、連対率=32.6%、複勝率に到っては、何と44.2%。驚異的な数字となった。
昨シーズンまでもA級以外は3歳馬を狙え―が必勝法だったが、これまで以上に強烈。まずは出走メンバーに3歳馬がいるか、いないかをチェックしてほしい。
28日(土)メイン10レースはA級馬による水沢1600m戦「みやこ秋まつりレース」、10頭立て。主軸にサンシャインヘイロを推す。
サンシャインヘイロは今年9歳を迎えたが、まったく衰えなし。休み明け2戦をソニックルーラーの2着にまとめ、特別・あすなろ賞ではコアレスレーサーが名乗り。主役交代がメインテーマだったが、直線でもたつくコアレスレーサーを横目に、大外から鋭く伸びて優勝ダンストンリアルにタイム差なし2着。強豪メンバーと戦ってきた底力を改めて見せつけた。
しかし続く一戦は本来のシャープさが見られず中団のまま5着に終わり、1ヵ月半ほど休養。前走は明らかに乗り込み不足だったが、それでも直線を向いて猛追。アポロノサトリが完全に抜け出したが、2着ジョウテンロマンにアタマ差まで肉薄。またもや底知れないパワーに驚かされた。
本質的に夏は苦手のタイプだが、一息入れたのが奏功。今度は豪快なマクリを披露し、今季初勝利のシーンを期待する。
逆転筆頭はマルブツワイルド。今年春からA級へ昇格し、アッサリ連勝。シアンモア記念はさすがに相手が強すぎて5着に敗れたが、続く一戦で地元同士の戦いを制して3勝目をマークした。
気になるのは尻すぼみ気味の成績だが、これは夏負けの影響があったから。今回はレース間隔を開けて反撃をもくろんでいる。
エスユーペニーは中央2戦目の東京ダート1300m戦を快勝。未勝利を脱出したが、その後は頭打ちのレースを繰り返し、岩手へ新天地を求めてきた。
岩手初戦は通用するか半信半疑だったため5番人気に甘んじたが、好位追走から4角で先頭。ゴール寸前で交わされてしまったが、クビ差の僅差で2着を死守。上々の滑り出しを切った。
小柄な牝馬ゆえか体重の増減が激しいタイプだが、おそらく前走の450キロ前後がベスト。この暑さだから当日の馬体重にはチェックが必要。極端に減っていなければ今回も好勝負に持ち込めるに違いない。
評価に迷うのが3歳馬ダークライ。ダートに限ればロックハンドスターに告ぐ存在。冒頭に記したように、3歳馬は迷わず"買い"なのだが、如何せん芝だったにせよサファイア賞は負けすぎ。果たしてデータどおりになるのか、それとも大敗直後で通用しないのか。
センリグランピーは芝2戦・せきれい賞4着、桂樹杯6着に終わったが、その前のダート戦を連勝。追込み一辺倒から脱却し、前に行けるようになったのが最大の収穫。今回が試金石となるが、仮に通用ならば以降の活躍も約束された。
トウカイマジックは障害から直接転入で初戦6番人気だったが、直線でヨレながらも2着確保。中央時代は芝のイメージが強かったが、ダートもこなしたのは心強い。
◎(9)サンシャインヘイロ
○(6)マルブツワイルド
▲(7)エスユーペニー
△(5)ダークライ
△(4)センリグランピー
△(10)トウカイマジック
3連単は9、6の1、2着折り返しから7、5、4へ3着流し。もう一方で5、4から入る手もあるかも
馬複は 6-9、7-9、5-9、4-9
<お奨めの1頭>
6レース ディーズトムボーイ
岩手2戦とも2着だったが、巡り合わせが悪かっただけ。このメンバーなら順当に初勝利を飾れる