10月25日 第32回北上川大賞典(3歳以上・地方競馬全国交流 盛岡ダート2500m)
1着 リュウノキングダム
エイシンイッパツが逃げ、2番手にドリームスナイパー、3番手インにサイレントエクセル。リュウノキングダムは4番手外の絶好ポジションをキープ。いつもどおり1周目スタンド前からペースがガクンと落ちて超スローの流れになったが、しっかりと折り合いがついていた。
ラスト1000mからペースアップし、サイレントエクセルが脱落。3コーナー手前からリュウノキングダムが徐々に前へ接近し、後方に待機していたゴールドマインといっしょにスパート。
4コーナーでは最内エイシンイッパツ、中リュウノキングダム、外ゴールドマインが横一線で並んだが、それもわずか一瞬だけ。直線入り口でリュウノキングダムが先頭に立つと、あとは後続をグングン突き放して独走状態。
余裕たっぷりでゴールに入り、2着に4馬身差をつけて完勝。シアンモア記念に続いて岩手の根幹重賞2勝目をマークした。
「今回が初騎乗だったが、何度かいっしょのレースで騎乗して強いのは分かっていたので、自分がミスしなければ勝てると思っていた。
緩いペースで自分の馬の手ごたえも良かったが、前にいた馬も同様に余裕があったので自分から仕掛けていった。ただコーナーワークがあまりうまくなくて一瞬モタモタするところがあったが、気合いをつけたら鋭く反応。直線で勝利を確信した。
折り合いがまったく問題ないし、追い出してからの伸びも鋭く非常に乗りやすい馬。まだ若いので、これからもっと走ると思う」と村上忍騎手。
リュウノキングダムは今年5月のシアンモア記念で初遠征。アッサリ好位抜け出しを決めて初重賞を獲得。続いてみちのく大賞典へも参戦したが、ダートグレードの常連キングスゾーンに逃げ切られて2着。しかし半馬身差まで詰め寄り、成長確かなところを見せていた。
その後、地元に戻って1勝を積み重ね、重賞・埼玉栄冠賞へ挑戦。ハイペースに巻き込まれ2番手から5着に失速。今回はそのレースから中10日の強行軍に加え、輸送のハンデもあったが、まったく関係なく圧勝。
今後の予定については「ちょっと無理をさせて可愛そうだったので、疲れを取ることにまずは専念したい」と斉藤敏調教師。
2着 ゴールドマイン
前半は後方4番手にじっくり待機策に徹し3コーナーから一気にスパート。そのときの伸びがすばらしくリュウノキングダムと並んで先陣に襲い掛かり、4コーナーでは3頭が並ぶシーンもあったが、勢いはそこまででラスト200mで力尽きてしまった。
これまで最長が2000mで勝ち星が1600~1800mへ集中。距離が不安材料の一つだったが、前半で脚を貯める戦法で解消。関本淳騎手の好プレーが光った。
「3コーナーでの手ごたえは良かったが、直線で伸びを欠いた。最後は力の差」と関本淳騎手。
3着 マヨノエンゼル
リュウノキングダムをマークする形で進め、6番手を追走。3コーナーでゴールドマイン、リュウノキングダムが動いたのを見て追い出したが、反応がひと息。その遅れた分と未体験ゾーンの2500mにも戸惑って3着確保がやっとだった。
「いつもより気合いが足りなかったかも。それと3戦連続でマイルを使っていたので、いきなり長距離もきつかったのでは」と小林騎手。
4着 エイシンイッパツ
当初の作戦どおりだったようで、手をしごいて先手を奪う。スタート500mからペースダウンさせ、超スローに落としてマイペースに持ち込んで3、4コーナーまでは渋太く粘っていたが、直線で一杯となる。それでも見せ場を作って4着なら健闘だろう。
転入直前の南関東では1200mをメインに使われていたが、むしろ長い距離が合いそうな今回のレース内容だった。
5月から行われてきた盛岡開催も今日で終了。3つのグレードレース、芝の重賞、それぞれ熱く面白いレースばかりでした。夏の開催ではとことん荒れまくって"大万馬券祭り"があったのも印象深い出来事。馬券的には苦い思い出でしたけどね・・・。
この土・日の2日間はお天気も良く、競馬場の紅葉が秋の青空に映えて綺麗でした。昨年はほとんど赤くならないうちに終わりましたが、今年は急に寒さが厳しくなったせいかここ何年かで一番綺麗なくらいになりましたね。最終日にもう一度見たい、と思ったけれど月曜は天気が悪いのですね。それがちょっと残念。
さて、月曜メインの「遠野物語 プレ100周年レース」。A級一組戦ですが、この土・日にオープン級のレースがあったためか一組といってもちょっと手薄なメンバーです。
なにせ前走勝ち馬0、転入馬あり長期休養馬あり・・・。軸はともかくヒモは何とでもなりそうで、盛岡開催は最後まで悩まされそう。
本命は近走の安定度を素直に評価して(3)ダークマターとします。昨年の転入時から「好走すれども勝てない馬」の典型のような馬でしたが、この夏、内田利雄騎手騎乗で勝ってから馬が一変。それ以降も立て続けに勝ち星を挙げて8月以降だけで3勝しています。
前走こそ4着に敗れましたがそれはこの馬向きの展開にならなかったというだけの事。距離にしても、ここ何戦かの間に盛岡1800mで2勝、水沢1800mで1勝しているから問題はなし。心配があるとすれば前走のように先行馬のペースになって持ち味が活かせない場合ですが、このメンバーなら前走よりも強気に動けるでしょう。
対抗は(8)ケイジーウォリアをピックアップ。以前は盛岡1800mで3連勝した事もありますが近走はマイルの方がよさそうな結果。ただそれは自身の状態とも関係していたようです。夏を越して調子が上がってきたのはこの2戦の内容からも明らか、ならばこの距離でも期待していいでしょう。
3番手は(7)サンシャインヘイロを狙ってみましょう。どちらかといえば水沢がいいという事もあってのこの時期の始動でしょうが、当然盛岡がダメという事はないですし、最近は一息入った後の方が走りが良い。前走のような思い切った先行策を取ったりすれば、今の前残り馬場なら残り目も十分。
(6)トウショウアタックですが、距離実績はともかく長期休養明けを叩きつつ内容を悪くしながらの臨戦過程が気になる所。1000万下で好走しているならこのメンバーなら足りて良いはずも、今回は様子見という事で押さえ程度までの評価。
ちょっと気になるのが(10)ストロングラムダ。長期休養明けの前走は7頭立ての7着、しかし500kg前後の大型馬が順調に叩いていけばいずれ前進があっていい、というのがセオリー。その前走にしても1分58秒2で走っており、すんなり行ければ大きな差はなさそう。
★買い目
馬単(3)=(8)、(3)=(7)、(8)=(7)、(3)=(6)、(3)=(10)
★お奨めこの一頭
9R:エイシンウルフオー
ここ何戦か地道に上昇を続けてきた。距離に不安なし、展開も向きそう。そろそろ頭まであっていい。
25日(日)メインは岩手競馬の最長距離ダート2500mを舞台に行われる「第32回北上川大賞典」。
盛岡での開催は3年ぶりで旧・盛岡(緑ヶ丘)、OROパークで行われた北上川大賞典でフロック勝ちはほとんどなく、真の実力が問われる。
その裏付けの一つは連覇した馬が多いこと。過去にスリーパレード、ボールドマックス、グレートホープ、トウケイニセイ、モリユウプリンス、メイセイオペラ、グローバルゴッドが快挙を成し遂げ、ボールドマックス、グレートホープは3連覇の偉業を達成している。
以上の名前を連ねれば、ハッキリ分かると思う。岩手競馬の一時代を築いた強豪がズラリ。つまり、北上川大賞典がその時代を象徴するレースといっても過言ではない。
例外(失礼!)はグローバルゴッドだが、11歳まで現役で走り、北上川大賞典2連覇のほかにもみちのく大賞典を優勝。個性派で名を馳せ、ファンも結構多かった。ふじポンもグローバルゴットに出会って以降、競馬にのめり込んでいった。
話が逸れてしまったが、実力どおりに決まるのが北上川大賞典。今年の焦点は船橋・リュウノキングダムvs岩手の若き王者・マヨノエンゼルの雌雄対決に尽きる。
主軸をどちらにするか迷ったが、マヨノエンゼルの成長度に賭けてみたい。ポスト・ワタリシンセイキの重責を十分に果たして岩手クラシック二冠を獲得し、その後、古馬に殴り込みをかけ、すずらん賞、青藍賞と古馬の重賞・特別を連勝。南部杯でも岩手の大将格で臨み、地方最先着の6着に善戦した。
当初、不来方賞へ直行する予定もあったが、レース間隔が開きすぎるし、南部杯激走の反動もなく元気一杯。それで北上川大賞典を使うことになった。
ここ3戦ともマイルばかりに出走し、いきなり2500mを不安視する向きもあるが、元々がズブく追えば追うほど伸びるタイプ。スローでも折り合いを欠くことはほとんど考えられず、終い勝負に持ち込んで直線抜け出しを狙う。
一方のリュウノキングダムは5月に行われたシアンモア記念へ参戦。好位追走から4角で先頭に立ち、そのまま押し切る強いレースで快勝した。続いてみちのく大賞典へも登場したが、ダートグレードの常連キングスゾーン相手ではキャリアの差がハッキリ。直線で猛追したが、キングスゾーンの逃げ切りに半馬身差届かない2着に敗れた。
その後、地元に戻ってA2特別で1勝。重賞・埼玉栄冠賞ではハイペースの2番手を追走し、4コーナーで一杯となって5着に敗れた。
実績は言うまでもなく、ここでは№1。なんと言っても岩手所属馬に一度も先着を許していないのだから、能力は一枚上だろう。
ただ、不安点は中10日の強行軍と輸送になれているとは言え、盛岡は初コース。もう一つはスキャターゴールド、母父ロイヤルスキーの血統。レースセンスの良さが売り物で大丈夫とは思うし実際2000mを勝っているが、ステイヤーでないことは間違いない。
ソーユアフロストは2500mの距離も合うはず。中央時代の6勝すべてが芝2000mでマークし、昨年の北上川大賞典では3着。今季未勝利だが、距離を味方に反撃の可能性は十分にある。
ゴールドマインは中央ダート1600~1800mで4勝。OROカップ10着は実績のない芝だったので度外視できるし、長距離といっても上がりの競馬になることは間違いなく、そうなれば出番となる。
あとは川崎・エンジンソウル、盛岡向きのピンクゴールドが連下押さえ。
◎(8)マヨノエンゼル
○(5)リュウノキングダム
▲(3)ソーユアフロスト
△(6)ゴールドマイン
△(1)エンジンソウル
3連単は8、5の1、2着折り返しから3、6を厚めに。あとは1、10を3着押さえ少々
馬複は 5-8、3-8、6-8、3-5
<お奨めの1頭>
8レース マルブツワーキング
前走・区界賞は芝が懸念されたが、案の定、後方から差を詰めただけに終始。しかしダートに戻れば実力の違いを見せつける
24日(土)メインはオープン馬による盛岡芝1000m「きんもくせい賞」、12頭立て。きんもくせい賞は3年前、芝2400m重賞で実施されボスアミーゴ、カネショウエリートが優勝。
しかし今年、芝2400m重賞は7月の「せきれい賞」へ集約され、きんもくせい賞は芝1000m特別へ様変わりした。
実は芝1000mを舞台にしたオープン戦は今回が初めて。条件クラスでは今年もFM岩手杯(7月11日 B1)、「姫神賞」(7月25日 B2)、ハーベストカップ(10月4日 B1)と3レース実施されたが、ついにオープンでも芝1000m戦が行われる。
ハッキリ言おう。これが特別なんてもったいない。何で重賞から特別に格下げされてしまったのか。
盛岡芝の特性を最大限に生かし、しかも有力各馬が別路線を歩んで臨んできて「きんもくせい賞」で最強芝スプリンターを決定できるなんて、これこそ岩手競馬の理想型だ。
賞金がどんどん下がり、馬資源の確保がさらに厳しくなっている昨今だが、「きんもくせい賞」にベストメンバーがすべて顔をそろえた。
芝の王道を歩み、OROカップではコスモバルクの2着ボスアミーゴ。中央芝ダート1200mで通算7勝をマークし、岩手転入初戦を2着にまとめたあと積極的に遠征を敢行したトーセンザオー。そして先に記した芝1000mを総なめにしたウメノレイメイもB1から果敢に挑戦。
この3頭はどの馬が勝っても納得。逆の言い方をすれば3頭どこからでも馬券が買え、興味二倍、三倍のレースとなった。
迷った末の結論はトーセンザオー。中央芝ダート1200mで通算7勝マークした短距離のスペシャリストで鳴らし、重賞でも入着の実績を誇っていた。
岩手へトレードされたのは中央在籍では除外の憂き目にあい、それならば地方から挑戦した方が確実に出走できると判断したから。それで岩手初戦2着後、JRA新潟・朱鷺ステークス、東京盃へ連続チャレンジした。
残念ながら2戦とも13着に終わったが、朱鷺Sでは0・9秒差に善戦。9歳馬ながら通用する可能性あることを証明した。
今回は盛岡芝巧者がそろったとは言え、過去実績が抜けているし、得意とする短距離戦。意外にも1000m戦は初経験だが、もちろん守備範囲。総合力で首位をがっちりキープする。
逆転筆頭はウメノレイメイ。まさに盛岡1000m戦の申し子的な存在で同条件のB1以下特別をすべて制圧した。しかもオープン馬57キロの負担重量に対し、55キロのハンデも恵まれた。
ただウメノレイメイは中央時代、ダート1200mで1勝した500万下の条件馬。一方のトーセンザオーは高齢馬とは言え、堂々の中央オープン馬。同じ舞台で走ること自体が無理があるとも解釈できる。
しかし、やってみないと分からないのが競馬。ウメノレイメイの最大強みは芝1000mを3度も経験し、58秒5の持ちタイムもあること。トーセンザオーが1000m特有のハイペースに戸惑えば逆転の可能性は十分あるだろう。
ボスアミーゴは▲評価になってしまった。盛岡ターフ王に対してこの評価は失礼だが、「年を重ねるごとにズブくなっている」(菅原勲騎手)のコメント。確かにかつては鞍上がゴーサインの支持を出すと矢のように反応していたが、確かに最近は勝負どころでもたつくシーンが見受けられる。
ウメノレイメイは前走、ハーベストCで上がり35秒0をマーク。仮にボスアミーゴはいつもと同じようなポジションにいた場合、33秒台の上がりを披露しなければならず、それを考えると1000m戦は割引材料になる。
とは言え盛岡芝はボスアミーゴの庭。抜群の芝適性を発揮し、前記2頭をまとめて負かすシーンまで。
以下、桂樹杯(盛岡芝1600m)で2着エアムートン、過去にダートだが1200mで2勝、1000mで2着1回3着1回と短距離適性を誇るトロンハイム、早池峰賞を優勝フリーモアを連下押さえ。
◎(10)トーセンザオー
○(8)ウメノレイメイ
▲(11)ボスアミーゴ
△(7)エアムートン
△(6)トロンハイム
△(1)フリーモア
3連単は10、8、11の3頭ボックスが本線。あとは10、8の1、2着折り返しから7、6、1を3着押さえ
馬複は 8-10、10-11、8-11、7-10
<お奨めの1頭>
6レース エーシンエッティン
前走3着はスタートで後手を踏んだのが痛かったし、相手も強すぎた。今回のメンバーなら首位を譲れない
10月19日 第29回若駒賞(2歳オープン 盛岡ダート1600m)
1着 ロックハンドスター
大外からパールレディがハナに立ったが、セイントビーナスがアッサリ交わして先頭。2番手インにダークライ、ロックハンドスターはその外、絶好の3番手をキープ。
前半はスローの流れで進み、完全に上がり勝負。3コーナーから各馬がスパートをかけ、ダークライが3コーナー過ぎに先頭に立ったが、ロックハンドスターは楽々と追走。
直線を向いてダークライは必死に粘っていたが、ラスト300mでロックハンドスターが捕らえると、あとは独走状態。2着に4馬身差をつけ、テシオ杯ジュニアグランプリの雪辱を晴らすとともに待望の初重賞タイトルを手に入れた。
「(菅原)勲さんにクセのない馬だと聞いていたし、実際攻め馬でも騎乗したが、素直で非常に乗りやすい馬だった。
人気を背負っていたので不利のないようにレースを進めたが、折り合いを欠くこともなく、追ってからの反応も抜群。瞬発力がすばらしかった。これからさらに強くなりそう」とピンチヒッターを勤めた阿部英俊騎手。
次走予定は南部駒賞(11月15日)。当面は地元を中心に使っていくそうだが、結果次第では遠征があるかも―と瀬戸幸一調教師。
2着 リュウノボーイ
ロックハンドスターを見る形で6番手中を追走し、スパートもほぼ同時。4コーナーでやや水を開けられ、直線では外に持ち出してロックハンドスターとの差を詰めにかかったが、逆に離されてしまった。
3着 リュウノムサシ
スタートで後手を踏んで後方4番手からの競馬。3、4コーナーでちょっとモタモタしたところがあったが、直線ではなかなかいい感じで伸びて内で粘るダークライをゴール前で交わした。
4着 ダークライ
パールレディに出鼻を叩かれたが、うまく3番手外につけ、3コーナー過ぎにセイントビーナスを交わして先頭。直線で早めにロックハンドスターに交わされて苦しくなったが、ひとまず4着に粘った。