8日(日)メインはオープン馬による短距離特別「栗駒賞」(水沢1400m)、9頭立て。
この栗駒賞はいくつかの変遷を経て現在に至っている。1989年(平成元年)、アラブC級の特別として創設され、2000年からサラブレッド東北三県交流重賞へ格上げ。翌01年から東日本まで門戸を広げ、クラスターCトライアルで実施。しかし07年からマイル特別に変わり、実施時期も春4月へ変更。シアンモア記念トライアルに位置づけられていたが、今年は11月へ移行。条件も変わって水沢1400mで実施することになった。
主軸にトーセンザオーを指名。中央7勝のうち芝1200mで6勝。あと1勝はダート1200mでマークした典型的なスプリンター。
今年7月、中央で除外の連続だったため地方枠を生かせるメリットから岩手へ転入。初戦2着にまとめると、古巣のJRA・朱鷺ステークス(新潟)へ挑戦して0・9秒差13着。続いて東京盃(JpnⅡ 大井)へも遠征したが、追走するのが精一杯で3・6秒差13着に敗れた。
前走・きんもくせい賞(盛岡芝1000m)は距離適性、総合力を買われて1番人気に支持され、直線を向いた直後は完勝パターンだったが、エアムートンの強襲に遭ってアタマ差の悔しい2着。
今回は1400mの距離がカギを握るが、中央時代に07年、ギャラクシーS(阪神ダ1400m)で0・6秒差3着。そのときの走破タイム1分23秒0をマークすれば、今度こそ期待に応えてくれるに違いない。
逆転筆頭はゴールドマイン。中央4勝の内訳はダ1600mで3勝、1800mで1勝。北上川大賞典は守備範囲を超えた2500mが懸念されたが、前半じっくり待機して3コーナーからスパート。この戦法が見事はまり、リュウノキングダムには離されたが、2着を確保した。
今回は2500mからいきなり1400mへ短縮され、ペースに戸惑わないかが不安材料だが、折り合いがつき鞍上の指示に素直に反応するタイプ。その意味では1400m対応も大丈夫だろう。
アンダーボナンザは転厩初戦を快勝。元々、寒い時期に活躍が集中し、これからが彼の季節。ベストの舞台はマイルで今回は1ハロン短いが、ペース速くなれば一気台頭のシーンまで。
あとは7月、同じ水沢1400mで行われた岩鷲賞を快勝ダンストンリアル、距離適性あるグッドストーンも軽視できない。
◎(2)トーセンザオー
○(1)ゴールドマイン
▲(6)アンダーボナンザ
△(8)ダンストンリアル
△(7)グッドストーン
3連単は2、1、6のボックスが本線。あとは2、1の折り返しから6、8、7流し
馬複は 1-2、2-6、2-8、2-7
<お奨めの1頭>
9レース アエカサミラ
転入初戦、中団キープから豪快に抜け出して圧勝。タイムもすばらしく、C1はフリーパス
7日(土)メイン10レースはA級二組「明治記念館レース」(水沢1600m)、10頭立て。
主軸にソノマンマを指名する。園田デビューで2勝、大井0勝から転入し、B2級へ格付け。初戦は転入直前の内容と初の左回りが不安視され、9頭立て8番人気と低評価だったが、見事覆してタイム差なし2着。1着も6番人気アサクサロタースが逃げ切り、3着も同じく6人気タイキサファリが入り、3連単40万円のビッグ配当を演出した。
続く2戦目、3戦目も3着、2着にまとめマズマズのスタートを切ったが、本当に驚かせたのは4戦目以降だった。
戦いの場に盛岡芝を選び、アッサリ直線抜け出しを決めて快勝し、続いて昇級戦の芝B1戦も制して連勝。勢いを駆ってオープン特別・桂樹杯へ強気の挑戦。そこでも3角で先頭に立ち、ボスアミーゴの0・3秒差3着に粘る健闘を披露した。
その後も水沢1800m1着、JRA交流・フレンドリーC(芝1700m)と連勝。前走はエイシンアサヒオーの逃げ切り圧勝に屈したが、2着を死守。岩手転入後すべて3着以上という抜群の安定度を誇っている。
現在、ソノマンマは4歳。これほど岩手の水が合うケースもそうざらにはなく、今後の活躍も非常に楽しみ。ただ、ダート戦では芝で見せるシャープさが若干劣り、取りこぼしもありそうだが、今回のメンバーならキッチリ勝っておきたいところだろう。
逆転筆頭はアサクサロータス。転入当初は勝つか凡走かの極端なレースを繰り返し、B1で頭打ちの感もあった。しかし思い切った逃げの手に出て開眼。今季すでに6勝を荒稼ぎした。
逃げ馬の宿命ゆえ、出バナを叩かれると脆い面を出すときもあるが、気分良く逃げた際には直線で二の脚を駆使し、他を寄せつけないワンサイドレースを決めている。
今回もカギを握るのは展開だが、4枠はマズマズの枠順だし、ラッキーなことに同型が不在。前記ソノマンマを逆転の可能性も十分ありえる。
ヒカルメイオーは7月、マーキュリーカップ(JpnⅢ)でクインオブクインにクビ差まで肉薄して6着。これで燃え尽きてしまった訳でもないだろうが、以降は入着止まりを繰り返している。
それでもこのメンバーでは底力の違いは明白。久々に切れるヒカルメイオーを期待したい。
良く顔合わせするケイジー2頭だが、今回はケイジーウィザードを重視してみた。ここ3戦こそ着外に沈んでいるが、元々が盛岡戦は反応がひと息。水沢マイルは<2.4.1.0>と最も得意とする条件。反撃に転じてなんら不思議はない。
あとは3歳特別・クリスタル賞でロードカイザーを深追いして3着ダンストンジールの巻き返しにも注目。
◎(5)ソノマンマ
○(4)アサクサロータス
▲(3)ヒカルメイオー
△(6)ケイジーウィザード
△(8)ダンストンジール
3連単は5、4の1、2着折り返しから3、6、8へ3着流し。あとは3を軸にする手も十分
馬複は 4-5、3-5、5-6、3-4
<お奨めの1頭>
4レース デルマジュピター
3戦連続で2着と悔しいレースの連続だったが、今回はメンバー有利は明白。待望の岩手初勝利を飾る
名古屋のJBCネタはここで書くまでもなさそうなので、あくまでも岩手にこだわってM&KジョッキーズCのお話しを。
2001年にスタートして今年で9年目を迎えた岩手・九州騎手交流の「M&KジョッキーズC」。今回は初めて水沢競馬場での開催となりました。
盛岡で行われたときは芝レースが含まれていたり、そもそも左回りが馴染みが薄かったりして九州の騎手にとってはレース以前に戸惑うことが多かったそうですが、水沢なら走り慣れた右回りコースということもあり、九州騎手の活躍に期待しました。それに今回は、昨年岩手で短期所属した牧野孝光騎手や、元々は岩手でデビューした小松丈二騎手が九州代表としてやって来た点も注目でした。
という事で行われてきたM&KジョッキーズC、日曜日の第一戦では優勝が岩手の阿部騎手、2着が荒尾の河野騎手、3着が佐賀の下條騎手と3地区で上位を分け合いましたが、月曜の第2戦では優勝した高松亮騎手はじめ掲示板を岩手の騎手が独占する格好に。
これを仮にポイント換算したとすると、2戦とも掲示板上位を確保した沢田盛夫利騎手がリードしていて、これを1戦・2戦のそれぞれの覇者と、同じく2戦とも掲示板に入った村上忍騎手が追っている形になっています(SJTなどのように1着20ポイント、2着15ポイント・・・と割り振っていったと仮定しての換算。岩手ではポイント制は採っていません)。
勝負は3戦目にかかるわけですが、岩手の騎手が引き続き活躍するか、九州の騎手が奮起するか?私としては九州騎手の奮起に期待したいのですが、はたしてどうなるでしょうか・・・?
『M&KジョッキーズC』の最終第3戦、本命は(4)ラビットサプライズで動かないでしょう。今季は10戦6勝で3着以下がなく、ここ9戦連続連対中&4連勝中。B1級に上がってきて間がないですが、ここ2戦ではB1級でも上位馬を破ってきていて実力のほどに疑いはありません。1900mという距離にもさほどの不安は感じないし、ここは黙ってこの馬信頼でいいのでは。
対抗は(1)エイシンアサヒオーで。先行した2戦が好内容、行けなかったレースは凡走。となるとやはり前にいってこその馬だということ。1900mは1800mほどには内枠有利ではないですが、それでも今の先行有利のコース状態なら、すんなり行ければ上位争いをしてくるはず。
3番手はちょっとひねって(7)マンハッタンナイトでどうでしょうか。近走は勝ち星から遠ざかっていますが状態が悪いという印象はありません。あまり忙しい流れになると辛いので緩い流れ希望。そうなればこの距離でもしぶとさを発揮できます。
(9)ゼットファーストは決して短距離専門ではなさそう。ただ、前走はちょっとうまくいきすぎた感があるし、脚質的にもちょっと展開の助けが必要な感じ。ハマれば勝ち負けもできそうですが、果たして展開向くかどうか?
九州騎手の騎乗馬で期待したいのは(8)ヤマニンエレメント。夏頃とは状態が違う今ならB1級でも互角に戦えるはず。得意の水沢なら距離も苦にしないでしょう。
さて、今日11月3日は岩手でもJBC競走の場外発売を行う関係で、このM&KジョッキーズC第3戦は9Rで行われます。ネット投票でお買い求めの方はレース番号にご注意ください。
★買い目
馬単(4)=(1)、(4)=(7)、(1)=(7)、(4)=(9)、(4)=(8)
★お奨めこの一頭/4R:エスユーシルバー
1番人気に応えられなかった前走だが確かに相手も強かった。仕切り直しのここで今度は勝利を手に
2日(月)メインは2歳馬によるHBA協賛「知床賞」(水沢1600m)。
このレースは北海道競馬と岩手競馬の交流を深めるために昨年、門別競馬場で「岩手山特別」を実施。北海道・クラフィンライデンが1着、2着に岩手のセンリグランピーが入った。
それを受けて今年は水沢で開催され、北海道からリュウノアイドル、リュウノスターの2頭が遠征。迎え撃つ岩手勢8頭の計10頭で覇を競い合う。毎年、2歳レベルの高さには定評がある北海道だが、今回に限れば岩手勢が優位と見ていいだろう。
主軸にゴールデンライフを指名する。これまで6戦2勝2着3回。一度5着に沈んだのは芝の交流重賞・テシオ杯ジュニアグランプリ。これはメンバーが大幅に強化されたもので敗因がはっきり。他はすべて連対を果たし、抜群の安定度を誇っている。
反面、2着の多さがゴールデンライフの課題。レースセンスは決して悪くないのだが、このメンバーで前走のように突き抜けることができるか否か。ひとまず連軸の見方で◎とした。
同一厩舎(村上昌幸厩舎)のナイスディはデビュー前から期待の1頭だった。オールドファンならご存知かもしれないが、スーパークリークの母もナイスディ。現役時代、岩手で走って1勝。インターメゾの子供で母系もしっかりしていたので早めに繁殖入り。それがGⅠホース誕生の礎(いしずえ)となった。
こちらはナイスディの2代目。デビュー水沢850m戦を51秒9の好タイムで圧勝して2戦目に臨んだが、勝ったリュウノボーイが盛岡ダ1400mで1分26秒7で快勝。いかに軽い馬場だったにせよ、このタイムを出せる2歳馬も滅多にいない。
ナイスディも初コース、初の1400mなどを克服して1分27秒3をマークし、自身の能力は出し切ったが、巡り合わせに恵まれなかった。普通ならば圧勝してもおかしくないタイムだったのだから。
その敗戦があっても陣営はあせらず、今回もレース間隔をキッチリ開けて出走。いずれ頭角を現す逸材に間違いない。同厩ゴールデンライフが勝ち味の遅さがあり、その間隙を突いて直線抜け出すシーンまで。
ダークライは7戦を消化して芝の1勝のみ。この成績だけを見ると大したことがないと思うかもしれないが、前走・若駒賞では3角で早め先頭に立ち、マークされる苦しい競馬となりながら最内で粘って4着。見せ場はたっぷり作った。
北海道の2頭はリュウノ軍団2頭。リュウノアイドルは10戦0勝2着1回3着1回。ここ3戦とも着外が気になるし、体重が徐々に減少。長距離輸送がこたえないか不安があるが、強いメンバーに揉まれてきた点がなんとも不気味。
もう1頭のリュウノスターも同じく0勝2着1回3着1回だが、うまく流れに乗れれば好走の可能性大。先のジュニアGPでボヘミアンが初芝を難なく克服して快勝したことを考えればアッサリも十分あり得る。
◎(7)ゴールデンライフ
○(5)ナイスディ
▲(4)ダークライ
△(8)リュウノアイドル
△(9)リュウノスター
3連単は7、5の1、2着折り返しから4、8、9の3着流し
馬複は 5-7、4-7、7-8、4-5
<お奨めの1頭>
7レース ヨイチラブソング
岩手初戦を4角先頭の強いレースで完勝。水沢の重い馬場がネックだろうが、ここでは実力が一枚上
今開催から戦いの場が水沢へ替わり、その開幕を飾るのが九州・佐賀、荒尾所属の騎手交流戦「M&Kジョッキーズカップ」が3戦にわたって繰り広げられる。
Mはみちのく(岩手)、Kは九州の頭文字で前身は荒尾騎手招待競走。その後、九州騎手招待競走を経て平成13年から「M&Kジョッキーズカップ」へ発展、名称変更となった。今年は11月1日(土)から3日(月)まで3戦行われ、舞台が盛岡から水沢へ移ったが、ポイント戦ではなく一戦一戦が単発。第1戦はB2級・水沢1600mで行われる。
主軸はグッゲンハイム=阿部英俊。中央未勝利ながら札幌ダート1700mで2着1回。この実績があればB2通用は過去の転入馬で証明済みだったが、それにしても初戦の強さは際立っていた。
前走比プラス20キロと大幅な体重増だったが、2番手を楽々と追走。逃げたシンボリカッシーニを4角で早々と交わして先頭。あとは余裕たっぷりで2着に5馬身差の圧勝劇を演じた。走破タイムも文句なく、小回り水沢も難なくこなす。
逆転筆頭はオウシュウカイザー=沢田盛夫利。相手なりにか駆ける堅実さを身上とし、今シーズンも着外に沈んだのはわずか一度のみ。目下7戦連続で馬券対象となっている。
その反面、追い込み一辺倒の脚質ゆえ届かないケースが多く、取りこぼしがあることも否定できない。それでも行き脚ついてからの伸びが実にシャープ。沢田騎手がどんなレースをするのかも興味深い。
モエレアンドロメダはオクトーバーカップで後方のまま8着に終わったが、敗因は明らかに適性低い芝が合わなかったため。それ以前には今季5勝(3月の特別開催を含めると6勝)を荒稼ぎし、本格化を迎えた。佐賀リーディング5位・下條知之とのコンビが見もの。
センタージールはシーズン半ばまで白星に恵まれなかったが、5走前に1勝、そして前走と2勝。特に前走はハイペースにも助けられたが、鮮やかなマクリを決めて高配当を演出した。着順が安定せずムラな面は否定できないが、先日、地方競馬通算3300勝をマークした小林騎手の手腕に託したい。
ドーリーゴンザレスの充実ぶりも目を引く。年を重ねるごとに地力が強化され、今季<4.5.2.4>と末脚が冴え渡っている。ただ近走が示すように芝を最も得意とし、ダートは若干割り引きが必要だが、リーディング首位・村上忍騎手がそれをカバーするか。あとは脚質に幅が出てきたハルカゼゴールド=河野直人が押さえ。
◎(3)グッゲンハイム
○(10)オウシュウカイザー
▲(7)モエレアンドロメダ
△(1)センタージール
△(5)ドーリーゴンザレス
△(6)ハルカゼゴールド
3連単は3、10の1、2着折り返しから7、1、5へ3着流し
馬複は3-10、3-7、1-3、3-5
<お奨めの1頭>
6レース ローレルアズーリ
格付けに恵まれて岩手初戦をハイタイムで完勝。右回りは初めてだが、水沢は地元コース