29日(日)メインはトップジョッキー(11月23日現在のリーディング10位まで)による「ゴールデンステッキ賞」(B1 水沢1900m)。
序列はともかく軸はワラッテオクレヨ、マルブツワイルドの2頭に絞られる。ワラッテオクレヨは今季3勝マーク。取りこぼしが多いのは追い込み一辺倒の脚質なので仕方なし。しかし加速ついてからの伸びがすばらしく、時に目の覚めるような末脚を披露する。
一方のマルブツワイルドはシーズン当初、なかなか調子が上がらず今季初勝利まで6戦を要したが、以降は常に上位争いを演じてきた。
本調子を欠いたといっても着外に沈んだのは適性のない芝で2戦6着のみ。メンバー関係なしに抜群の安定感を誇っている。
両馬とも甲乙つけがたいが、最終的な決め手となったのはゴールデンステッキ賞との相性。ワラッテオクレヨは3年連続で出走し2勝2着1回。2勝は小林騎手とのコンビでマークしたものだが、水沢1900mに絶対の自信を持っている。
今回、コンビを組むのは菅原勲騎手。あまり過去データを気にしないと語るタイプだが、G・ステッキ賞2勝が小林騎手―は間違いなくインプットされているはず。お互い表には出さなくてもライバル意識は半端ではない。
菅原勲騎手はワラッテオクレヨに過去3度騎乗して1勝。07年6月以来、久々にコンビを組むが、どんなレースを披露するのか非常に興味深い。
一方のマルブツワイルドは前走・ひいらぎ賞でメンバー中一番の末脚で0・2秒差3着。前半で置かれ過ぎの印象があったが、改めて能力の高さをアピールした。当然、逆転首位まで十分。
ただ、以下の序列が非常に難しい。順調さを欠いていたり、近走不振のメンバーが多いからだ。その中からピックアップしたいのがアンダーゴールド。先に行く馬は強いてあげればマンハッタンナイトぐらい。他はほとんどが差し、追い込みタイプ。
アンダーゴールドは7月の3歳牝馬重賞・ひまわり賞を逃げ切って圧勝。その再現もあり得そうなメンバー構成となった。古馬編入後はひと息のレース続きだが、自分の競馬ができなかったことも事実。すんなりハナに立てれば逃げ切りまで。
ブライティアメッセは転入初戦のA・B1混合戦を快勝。その後は4着が最高だが、条件も確かにきつかった。それでも前走7着とはいえ、タイム差は0・6秒。前々走・水沢1900m戦でも1・1秒差ならここで上位に食い込む余地はある。
あとは今季未勝利ながら前走・ひいらぎ賞で復調の兆しマイネルティーダも押さえたい。
◎(4)ワラッテオクレヨ
○(6)マルブツワイルド
▲(8)アンダーゴールド
△(10)ブライティアメッセ
△(5)マイネルティーダ
3連単は4、6の1、2着折り返しから6、8、10へ3着流し
馬複は 4-6、4-8、4-10、6-8
<お奨めの1頭>
2レース サクラフジビュー
3ヶ月ぶりの実戦をモノともせず岩手初戦を圧勝。叩かれてさらに気配アップし、連勝疑わず
28日(土)メインは若手ジョッキーによるカップリングレース「シルバーステッキ賞」(B2 水沢1600m)。
主軸はグッゲンハイム=山本政聡。前走・レディースジョッキーズシリーズ第1戦「女性騎手の祭典開幕賞」で1番人気に支持されたが、痛恨の出遅れを喫して後方2番手からの競馬。3コーナーからようやくエンジンがかかって直線で猛追したが、脚を余して3着。見事な逃げ切りを果たしたマツリダベストと好対照のレースとなった。
しかし転入2戦の内容は強いの一語。岩手初戦は2番手から抜け出しを決め、2戦目は中団に控えて4角先頭で完勝し、B2では役者の違いをアピール。加えて前走の敗因の一つに距離が短すぎたこともあり、マイル延長なら負けられない一戦と言える。
相手筆頭はエアダーミ=菊池康朗。中央0勝ながら2着1回3着1回。その実績はダテではなく、好メンバーがそろった岩手初戦を豪快なマクリで完勝。前走はフェニックスクインの逃げ切りにしてやられたが、これは展開のアヤ。逆に2着確保で実力の高さを証明した。こちらも1600mは望むところだろう。
チャームドサークルは転入後、5戦3勝2着2回と連対100%。さすが中央芝1400m戦で上がり33秒9で2着確保しただけのことはある。前走も2番手キープから余裕の直線抜け出しを決めている。走破タイム1分40秒8もB2では非常に優秀だ。鞍上は佐々木忍。
テツタイソンは前走が待望の岩手初勝利。旧地・佐賀でずっと小松丈二騎手が騎乗していたが、前々走で久々にコンビ復活して2着。これで目覚めたのか前走、鮮やかな好位抜け出しを決めた。引き続き好調キープ。鞍上は斉藤雄一。
マツリダベストの前走、山本茜騎手とのコンビで芸術的な逃げ切り勝ちを披露。前々走で2番手から失速12着に敗れていただけに、なおさら山本茜騎手の好プレーが際立っていた。今回は同型がそろって楽な競馬はできないだろうが、高橋悠里騎手がうまく御す。
あとは前走インキープからスルスルと2着確保し、好調アピールしたドーリーゴンザレス=菅原俊吏を押さえたい。
◎(4)グッゲンハイム
○(11)エアダーミ
▲(7)チャームドサークル
△(6)テツタイソン
△(10)マツリダベスト
△(5)ドーリーゴンザレス
3連単は4の1着固定から11、7の折り返しが本線。あとは6、10、5を3着押さえ
馬複は 4-11、4-7、4-6、4-10
<お奨めの1頭>
3レース ヤマニンベルファム
前走2着に敗れたが、ハイタイムをマーク。このメンバーに入れば貫禄の主役を演じれる
11月22日 第41回不来方賞(3歳・地方競馬全国交流 水沢2000m)
1着 グレードアップ
「調教師の指示は4、5番手だったが、好スタートを切ったし他に競りかける馬がいなかった。それで包まれるよりは行ってしまおうと判断した」(菅原勲騎手)。
戦前の展開予想はスギノブライアンだったが、確かにスタートダッシュがすばらしくグレードアップがハナに立ち、2番手にポアントゥブルボン。スギノブライアンが3番手につける。
テン3ハロンは結構速かったが、1周目スタンド前でペースダウン。2コーナーまで13秒台に落ちたが、向正面から再びペースアップ。他に競りかけられた訳ではなかったが、「初コースに物見をしてフワフワして走っていたので、気合いをつける意味もあって早めに動いた」(菅原勲騎手)
それを見て各馬がスパートをかけ、ポアントゥブルボンは3コーナー手前で脱落。スギノブライアンは何とかペースアップに対応できたが、それも4コーナーまで。
直線を向いてグレードアップの独走状態に入るとこと、ラスト600mでようやくエンジンがかかったマヨノエンゼルが一完歩ごとに差を詰めたが、半馬身差まで。仮にゴールがもっと先にあってもグレードアップはまだ余力が残っており、交わすことはできなかっただろう。
「3月、大井で一度騎乗したことがあるが、一段と逞しくなっていた。多分、逃げたからだと思うが、道中遊び遊び走っていたのでレースに集中させる意味で気合いをつけて早めに動いた。マヨノエンゼルが外から来たのは分かっていたが、まだ余裕があったので交わされることはないと思っていた。キャリアも浅いし今後の成長が楽しみ」(菅原勲騎手)
グレードアップはこれで8戦5勝。クラウンC5着後、5ヶ月の休養を余儀なくされてクラシック戦線に乗れず出世も遅れたが、復帰後3連勝をマークして重賞タイトルも獲得。それでも南関東へ戻ればA2格付けだそうで、確実に一戦一戦を勝ちあがっていずれは重賞に挑戦してみたいと松代調教師。
2着 マヨノエンゼル
いつもどおり出たなりで中団7番手を追走する。向正面から一気に流れが速くなり、遅れずスパートをかけたが、一瞬モタモタする。ようやく3コーナーからエンジンがかかり、外から鋭く伸びてジワジワとグレードアップとの差を詰めたが、水沢2000mに0・9秒迫るハイタイム決着だったため、半馬身差まで詰め寄るのが精一杯だった。
「思った以上にペースが落ち着いてしまったのが痛かった。ラスト600mからはいい感じで伸びてくれたが、前の馬のペースになったので仕方がない」(小林騎手)
前走・北上川大賞典ではマイル戦を3回連続で使った影響で珍しく折り合いを欠いて3着止まり。しかし今回は向正面で反応ひと息だった以外は本来の動きを披露。惜しくも三冠達成はならなかったが、これは勝った馬を誉めるべき。自身の力は出し切った。
3着 スギノブライアン
スタート直後、外2頭の勢いを見て3番手に控える。それで1周目スタンド前で内に包まれて一瞬、掛かり気味になったが、吉田稔騎手がうまく外に出す。
グレードアップのスパートにも対応し4コーナーまで渋太く食らいついたが、直線で力尽きて徐々に失速。2頭から離されていったが、それでも3着を死守した。
この流れにも対応できたのは収穫。まだ成長途上だから強い相手に揉まれてさらにパワーアップしてほしい、と原口調教師。
不来方賞が終了して今シーズンの重賞も残すところあと3つ。次の重賞は何か・・・と見るとそれは大晦日12月31日に行われる桐花賞ということで、急に年の瀬感が強くなってきました。今年もあと1ヶ月くらいなんですよですねえ。
さて、その桐花賞ですが、もうまもなく恒例の出走馬ファン投票が始まります。あなたのお奨めの一頭が桐花賞に出走するかも?というファン投票の応募は12月5日(土)スタートの予定。次週のこのブログで詳しくお伝えできるでしょう。
しかしですね・・・。今年の出走馬選びはなかなか難しいというか悩まされるというか。日曜の不来方賞も遠征馬が優勝しましたが、今年は1年を通して他地区からの遠征馬に猛威を振るわれ、古馬の根幹重賞とされるシアンモア記念、みちのく大賞典、北上川大賞典の3つすべてを遠征馬に持っていかれている状況。
3つのダートグレードもJRAの馬が優勝していったし、芝なんか2歳から古馬まで全部遠征馬の優勝ですからね・・・。桐花賞に何を選べばいいのか?そもそも何を楽しみにすればいいのか?から振り返らないと・・・。
ま、実際にレースを見るとそんな事は忘れちゃうんですけどね。やっぱりそこは、年末の大一番。これまでも勝った馬・負けた馬それぞれにいろいろなドラマがあって、見て良かった、と思うレースばかりでした。今年もきっとそうであってくれるでしょう。
月曜メインの『住田町文化産業まつりレース』、6頭立てとなりましたが桐花賞ともつながっていないわけではない戦いです。それはゴールドマインの出走。
北上川大賞典2着、栗駒賞優勝などすでにオープンの主役の一投として活躍しているこの馬は桐花賞出走も濃厚と見られており、いまはその一挙手一投足が注目される存在です。ここでどんな戦いをするか、これも当然注目。
このレースの本命は、という事でこの(5)ゴールドマインでいいでしょう。芝はイマイチでしたがダートでは3戦2勝2着1回、どんな距離でも、どんな展開でもこなせる自在性が武器とあって、再度の距離延長を苦にするとは思えないし相手も楽。楽すぎて取りこぼしてしまわないかというのが心配なくらいです。ここは黙って本命視。
対抗は(1)アンダーボナンザ。やはり冬という季節が合うのでしょう、ここに来て力強さが増してきて、前々走などはあまり得意でない1800m戦で鋭い伸びを見せたりしました。
この距離は若干微妙なのは確かですが、この頭数・この相手関係ならまず無難に乗り切れるはず。
3番手は2頭に絞ります。まず(4)エアムートン。距離は短ければ短い方がいいというタイプですが、水沢ダート1800mで1分57秒台で走った事もありここまでは守備範囲の様子。そして今の水沢は芝馬に合う軽いコース状態。これはこの馬に有利になるでしょう。
(6)トーホウライデンも軽い水沢コースが得意。前走はあまりにも距離が短すぎて全く持ち味を発揮できず、で度外視可。1800mも苦手感はありません。
この2頭、どちらも少し間隔が開き気味という事で、パドックでの気配を見てよりよく感じた方に乗る、というのがいいでしょう。どっちにしろ絞って買わないとあまり利がないメンバーです。どう手を拡げても3点までに絞りたいところ。
★買い目
3連複 (1)(4)(5)、(1)(5)(6)、(4)(5)(6)
21日(土)メインはC1級馬による水沢1600m戦「岩洞湖賞」。当初、14頭の格付けがあったが、回避馬が相次いで最終的には8頭立てとなった。
ただ少頭数とは言え、結構難解。前走で同じレースを使ったのはカートゥニストとデポジットブックの2頭のみ。あとはC1一組(騎手ハンデ戦)から十組までのメンバーがエントリーし、力比較が非常に難しい。
主軸にエーシンエッティンを抜擢。5歳牝馬ながらキャリア豊富で北海道デビューで1勝から南関東へ移籍し、大井で2勝マーク。その後は精彩を欠いて今年8月、岩手へ新天地を求めてきた。
この選択はズバリ的中。6戦5勝3着1回と抜群の成績を誇り、唯一の3着は3走前の盛岡・騎手ハンデ戦。その時は出遅れが響いた上、1分27秒前半のハイタイム決着。エーシンエッティンも1分27秒6をマークしたが、勝った相手が強すぎた。
しかし、その後も2連勝を飾り、依然底を見せていないのが最大の強み。ネックはC1も突破しているものの前走は八組のメンバー。いきなりC1のトップグループに通用するか不安視する向きもあるだろうが、持ちタイムはまったく遜色なし。勢いを重視したい。
ただ絶対の自信があるという訳ではなくコスモジャック、カートゥニスト、フェスティヴムテキらの逆転も十分可能だろう。
コスモジャックは地元盛岡で5、9着と精彩を欠いたが、前回は久々の勝利をマーク。これはコース替わりとシャドーロール着用した選択が好結果につながったもの。快調に飛ばしたインサイドワークをゴール前でキッチリ交わして快勝し、再び上昇ムードに乗った。
カートゥニストはデビューが3歳12月と遅く、南関東でわずか5戦(1勝)のみのキャリア。岩手初戦こそ3ヶ月ぶりの実戦で5着に終わったが、2戦目をスケール大きく快勝した。
前走は4着止まりだったが、出遅れを喫して後方2番手からの競馬。それでも直線で鋭く伸びて0・3秒差まで詰め寄った。単まで考えたい。
フェスティヴムテキは水沢コース7戦5勝2着2回とパーフェクト連対。盛岡2戦でミソをつけた感もあったが、敗因は太目残りだったか。水沢に替わって直後、その汚名を見事返上した。ただ評価を下げた理由は最近の白星はおつりがなかった点。何とか勝っていた印象もぬぐえず、今回が正念場を迎えた。
あとは前回快勝ダンストンシリウス、サチノマオを連下に押さえたい。
◎(3)エーシンエッティン
○(2)コスモジャック
▲(7)カートゥニスト
△(5)フェスティヴムテキ
△(1)ダンストンシリウス
△(8)サチノマオ
3連単は3、2、7のボックス本線。あとは5、1、8を3着押さえ
馬複 2-3、3-7、3-5、2-7
<お奨めの1頭>
11レース ラビットサプライズ
今回からA級入りし、メンバーも手強くなったが、目下5連勝中と破竹の進撃。ここも勢いで突破する