21日(月)メイン10レースはB2級「セプテンバーカップ」(盛岡ダート1800m)、10頭立て。
主軸はオウシュウカイザー。昨シーズンまで主戦ジョッキーは草地騎手だったが、惜しまれながら引退。その後は鞍上が何度か替わったが、5月末から小林騎手が8戦連続で騎乗。おそらく馬が合ったのだろう、<2.4.1.1>と安定感が増す一方。とくに完全に手の内に入れたここ4戦は2勝2着2回と文句なしの成績を誇っている。
シーズン当初までは着すらもおぼつかなかった馬だったが、一皮も二皮もむけた。レースぶりを詳細にチェックしてみると、なるほど―と思った。
前半は脚を貯めることに徹し、ラスト600mから満を持してスパート。そうすると追い出してからの反応がすばらしいのだが、4コーナーで一瞬、息をつかせる。直線を向いてから再び追い出すとオウシュウカイザーは見事それに応える。これこそが小林騎手ならでは騎乗といえるだろう。
4歳の充実期を迎えたことと鞍上との相性の良さ、が好走要因になっているに違いない。
逆転筆頭はグリーンヒルフライ。名古屋B3から今年4月に転入。最下級C2と格付けにも恵まれてポンポンと白星を積み重ねたが、B2昇級後は頭打ちのレースを繰り返していた。
しかし水沢で再び勢いを取り戻して目下2連勝中。前走は騎手ハンデ戦だったにもかかわらず、あえて2キロ増でも主戦の阿部騎手を指名。その期待に応えてクビ、クビ差の接戦を制した。
今回はさらに1キロ増の56キロを課せられたが、今の勢いをもってすればなんら苦にしないだろう。
モエレアンドロメダも今シーズン大躍進をとげた。北海道2勝から2歳暮れに転入。持ち賞金から3歳A級に編入したのがきつかった上、追い込み一辺倒の脚質が足を引っ張り岩手24戦未勝利と不本意な結果に終わっていた。
そのお陰という訳でもないが、今年3月からC2へ降格。2戦目に待望の白星をマークするや、弾みがついたのだろう早くも5勝マーク。今ではB2で連勝するまでにい至った。
どちらかといえば水沢の方が合い、盛岡は反応ひと息だが、波に乗っているのは誰に目にも明らか。4走前の盛岡1600m戦ではいつもの後方競馬ではなく、3番手抜け出しを決め、周囲を驚かせたこともある。
ただ、以上の有力馬3頭はいずれも差しタイプ。お互いがけん制しあえば前残りの可能性が高く、先行馬にも注意を払わなければならない。とすればヤマニンエレメント、ローズヘイロー、シュガーピュアも軽視できなくなった。
◎ ?オウシュウカイザー
○ ?グリーンヒルフライ
▲ ?モエレアンドロメダ
△ ?ヤマニンエレメント
△ ?ローズヘイロー
△ ?シュガーピュア
3連単は4、1の1、2着折り返しから11、9へ厚めに。あとは3、10を押さえ少々
馬複は 1−4、4−11、4−9、3−4
<お奨めの1頭>
9レース ドーリーゴンザレス
盛岡芝1700m戦は3戦3勝と100%勝率を誇る。しかも前走はダートでも快勝し、目下絶好調
今年で11回目を迎える「テシオ杯ジュニアグランプリ」(盛岡芝1600m)。創設当初からジュニアグランプリの冠協賛をしてきたが、今年も実施できることを光栄に思っている。
今回もテシオ杯ジュニアGP開催を記念して昨年と同様、優勝馬当てクイズを盛岡競馬場で実施する。遠方の方には申し訳ないが、当選発表を表彰式と同じウィナーズサークル(ゴール手前)で行う。当選者にはドリームチケット5000円分を4名さま、特製パネル1名さま、優勝関連グッズ1名さまの計6名へプレゼントする予定だ。
当日はレースを盛り上げ、レース後も表彰式を大いに盛り上げてほしい。是非、20日(日)は盛岡競馬場へいらしてください。
本題に入る。昨年は北海道から遠征してきたエイブルインレースが完勝。JRA札幌・クローバー賞3着の底力をマザマザと見せつけ、年が明けたJRA・クイーンCでも3着に惜敗した。今年は同じ吉田照哉氏所有のボヘミアン、ローズデュルワの2頭を送り込んできた。
両馬とも1勝馬だが、昨年のエイブルインレースと違う点は芝経験がないこと。ボヘミアンがスウェプトオーヴァーボード産駒、ローズデュルワがアフリート×ナリタブライアンなら血統的にはこなせるはず。桑原、柳沢両調教師とも強気のコメントを残しており、連覇の可能性は十分にあるだろう。
しかし岩手のロックハンドスターは、前記2頭に勝るとも劣らない能力を持っていると確信している。
デビュー戦芝1000mは距離が不足だったのだろう3着に終わったが、2戦目から3連勝をマーク。とりわけ強烈だったのは今回と同条件・若鮎賞の圧勝劇。終始2番手を追走し直線入り口で先頭に立ち、あとは後続を突き放す一方。2着リュウノヒーローに9馬身の大差をつけて勝った。
さらに驚いたのは菅原勲騎手のコメント。「不良馬場で脚を滑らせていた。芝の不良馬場は合わない」と語った。つまりロックハンドスターは絶対能力で勝ったようなもので底知れない凄さを感じてしまった。
ビギナーズカップを優勝したベルデンアインもなかなかのスケール。ロックハンドスタート同様、デビュー戦(芝1000m)は距離が短く3着に敗れたが、距離延長された2歳戦、特別・ビギナーズカップ(両レースとも水沢1400m)を連勝。2歳離れした大人の競馬を披露した。
芝は1戦のみ(3着)でまだ未知数だが、父がボヘミアンと同じスウェプトオーヴァーボードで母父がエリシオなら、むしろ歓迎のはず。
あとはデビュー芝1000m戦で今季一番時計をマークしたグラドル、3ヶ月ぶりを叩かれたリュウノボーイも軽視できない。
◎?ロックハンドスター
○?ボヘミアン
▲?ローズデュルワ
△?ベルデンアイン
△?グラドル
△?リュウノボーイ
3連単は4、2、5の3頭ボックスが本線。また4を1着固定に2、5、9流しの手も
馬複は 2−4、4−5、4−9、2−5
<お奨めの1頭>
11レース ラビットサプライズ
目下7戦連続で連対を継続し、しかも2連勝中と上昇一途。前走よりさらに組し易いメンバー構成となり、中心不動
9月13日 第17回青藍賞(3歳以上・地方競馬全国交流 水沢1600m)
1着 マヨノエンゼル
リュウノケンシロウが逃げ、2番手インにフリーモア、その外にグッドストーン、馬群がちょっと開いてオウシュウクラウン。マヨノエンゼルは「位置取りはスタート次第と考えていたが、思ったより前へつけることができた」(小林騎手)そうで、5番手外を追走した。
リュウノケンシロウが快調に飛ばし、逃げペースと小林騎手=マヨノエンゼルは判断。3コーナー手前からスパートをかけ、途中でもたつくところもありながら徐々に前へ進出。
4コーナーではリュウノケンシロウに1馬身圏内につけ、いつでも抜け出せる態勢。ラスト150mまで内でリュウノケンシロウが必死に粘ったが、マヨノエンゼルが交わして先頭に立つとあとは独走状態。ゴール前では持ったままで2着に3馬身差。余裕たっぷりでゴール板を駆け抜けた。
「道中、砂をかぶって嫌がる場面もあったが、指示を出すと素直に従う。これで5度目の騎乗となるが、一戦ごとに成長し続けているのを実感。もし南部杯に選ばれれば相手は強いだろうが、地元の期待に応えてがんばってほしい」と小林騎手。
これで古馬相手に3連勝。小林騎手のコメントどおり、レース内容が走るたびに良くなっている。この時期の3歳馬で古馬相手にこれほどの成績を残した馬はほとんど記憶にない。レベル低下と指摘されればそれまでだが、マヨノエンゼルの成長ぶりには本当に驚かされる。今後も楽しみになった。
2着 リュウノケンシロウ
大外11番枠でも果敢に逃げてマイペースに落とす。どうやら菅原勲騎手はレース前からその戦法で行くつもりだったようだ。
ペースは速くもなく遅くもなく。2コーナーで13秒台に一度落として再び12秒台にペースアップ。理想的な逃げに持ち込んだが、直線入り口から50mでマヨノエンゼルに交わされて一杯。それでも2着確保なら上々の結果だったと言える。
3着 グッドストーン
リュウノケンシロウがハナをアピールしたが、2番手は譲れないと手をしごいて1周目スタンド前でマイポジションをキープ。3コーナーでやや置かれ加減になったが、あきらめず追い続けた菊地騎手の好プレーで3着に粘る。交わされるともろさを出すので、これがベストの戦法だった。
7着 ダンストンリアル
外のマヨノエンゼルを見る形で直後、インを追走。スパートもほぼ同時で3、4コーナーではいい感じで伸びていたと思ったが、直線では伸び切れず逆に失速。マヨノエンゼルからどんどん離されていった。
元々、好走が続かないタイプでポカも多いが、それにしても反応がもう一つ。昨年の南部杯では岩手最先着の6着に健闘したが、よほど気合いを入れて迫力を取り戻さないと今年は苦しい。
昨日行われた重賞・青藍賞は3歳馬マヨノエンゼルの優勝で幕を閉じました。この青藍賞、今年で17回目を迎えたレースですが、もともとは「3歳馬が古馬に挑戦する重賞」として作られたものでした。
今でこそ3歳馬が夏頃から古馬重賞に挑戦する、というのも珍しい話ではないですが、青藍賞が生まれた90年代前半は、3歳馬は少なくとも秋一杯は3歳馬(そのころは4歳ですね)同士で戦うものと、地方もJRAも含めてそれが常識とされていました。
地方の重賞では、秋くらいまでは3歳馬が出走できないとか、出られても古馬と同斤量だったとか、そんな規定のレースも少なくなかったです。
そんな時代に作られた青藍賞。第1回にはエビスサクラ・トウホクグラスの2頭の3歳(旧4歳)馬が出走していました。エビスサクラはそこまで11戦10勝、前走となった東北優駿も制した東北No.1。トウホクグラスは大きなタイトルこそ無いものの、そのエビスサクラと互角の戦いをしていました(ちなみにユキノビジンと同期の世代ですね)。青藍賞でもエビスサクラが2番人気、トウホクグラスが4番人気。
しかし結果は、エビスサクラが4着、トウホクグラスが7着。勝ったのはモリユウプリンス、エビスサクラですら勝ち馬から2秒以上離された完敗でした。
エビスサクラとトウホクグラスはその後不来方賞でタイム差無しの激戦を演じ、エビスサクラはダービーGPで3着、暮れの桐花賞でも4着となっていて、決して弱かった訳ではありません。それなのに・・・という結果は、それだけ古馬の壁が高いという事だったのです。
もちろん、8月半ばという時期も早かった。その後の青藍賞は9月や10月に移動しながら行われ、上位に入った3歳馬にはダービーGPの優先出走権を与える、という様な時期もありましたが、結局これまで、3歳馬が優勝することなく来ていました。
マヨノエンゼルはレース史上初の3歳馬による制覇を達成。また、この時期の混合の古馬重賞を3歳馬が制したのも初(注・サイレントエクセルやドリームチャッターが勝った時のB・ドリーマーCは10月頭の実施。アラブではテットテンプーが8月に重賞制覇の例あり)。まさに歴史的な快挙となりました。
この後のマヨノエンゼル、南部杯に向かうかどうかはまだ未定ですが、青藍賞を勝った事でJBCという選択肢も出てきて今後の楽しみが大きく拡がりました。どんな戦いを見せてくれるのか楽しみですね。
対抗は(9)グラスバラードを。現級の安定勢力で、C1の特別戦でも常に好走。力はここでも上位の存在です。全能力を発揮するにはある程度すんなりレースを運びたい。そんなタイプ故、実力拮抗のここでは2番手としましたが、能力発揮なら当然、勝ち負けしておかしくない馬。
3番手は(1)キーボックス。前走の勝利は決して恵まれてのものではないはず。距離短縮もプラス。軌道に乗った今なら前走の再現も。
あとは差し馬から狙ってみよう、という事で挙げるのは(2)ヨークタウンと(10)コンゴウザハリアー。土・日の傾向では基本的に前残りながらもペースによっては差しも届く感じ。ここは先行馬が多いだけに、うまく流れに乗れれば上位に食い込んでくるかも。
◆買い目
馬単(8)=(9)、(8)=(1)、(9)=(1)、(8)→(2)、(8)→(10)
★お奨めこの一頭
8R:ラストトレジャー
前走はいろいろと条件が悪かった。依然先行有利の状況だが、良馬場でこの面々なら巻き返せる。
13日(日)メイン10レースは南部杯(Jpn? 10月12日)トライアル「第17回青藍賞」(水沢1600m)、11頭立て。
当初、クインオブクインの登録があり、出走すれば断然の1番人気に支持されるはずだったが、桜田康二調教師は最終的に回避を選択した。「11日の追い切り後、体調が思わしくないので大事を取って自重しました。ビューチフル・ドリーマーカップからレース間隔もありませんでしたし、無理をすれば今後の競走生活にも影響しますからね。がっかりしたファンも多いと思いますが、クインオブクインのことを最優先に考えての決断です。ご了承ください」とコメントした。
桜田康二調教師の言うとおり、ここで無理をすればファンをもっと悲しませることになる。一日も早い回復を祈りたい。
クインオブクインが不在となり、俄然クローズアップされる存在がマヨノエンゼルだ。ポスト・ワタリシンセイキの重責を務め、岩手クラシック・阿久利黒賞、岩手ダービー・ダイヤモンドカップの二冠を達成。
しかし、それだけにとどまらなかった。古馬編入初戦A級を軽々と突破し、勢いを駆って青藍賞トライアル・すずらん賞へも駒を進め、並み居るオープン一線級を一蹴。それはフロックではないことは水沢1600m1分39秒7の破格のタイムも叩き出した。
これには鞍上・小林騎手も驚きを隠せず、「前走で勝っていたから、ある程度自信をもって挑んだが、こんな勝ち方ができるとは。3キロ差があるにせよ強い内容だったし、タイムも速い。強い相手でもそれなりに走るタイプだろうし、馬自身も成長している。今後も楽しみ」とすずらん賞後、マヨノエンゼルを絶賛した。
今回は古馬57キロの負担重量に対し、マヨノエンゼルは55キロ。すずらん賞よりハンデ差はなくなったが、今の勢いは止められそうにない。
逆転筆頭はダンストンリアル。いわゆる晩成型であまり表舞台に出てこなかったが、昨年の南部杯で6着。実力はお墨付きだったが、裏街道を歩んで確実にパワーアップ。前々走・岩鷲賞で驚異の差し脚で快勝し、ついに重賞タイトルを獲得した。
続くクラスターカップは明らかに距離不足だったが、上がり36秒7を駆使して6着。あと一押しで電光掲示板にも載りそうだった。その後は十分休養を取り、今回の青藍賞へ臨んできた。時に凡走もあるタイプだが、ベストの水沢1600mならマヨノエンゼルを切って捨てる可能性も高い。
カギを握るのがただ1頭の遠征馬リュウノケンシロウ。前走・東京中日スポーツ賞(B2)は北海道二冠馬ブルータブー相手で6着も仕方なし。ハイレベル南関東で通算9勝マークなら十分通用する。
最近の2勝はいずれも逃げ切りだったが、決してハナにこだわるタイプでもない。大外に入ったのはちょっと痛かったが、今の岩手オープンならアッサリあっても不思議はない。
あとはB・ドリーマーカップは出遅れて5着サイレントエクセル、すずらん賞で2、3着を確保グッドストーン、ソフトパワーをひとまず押さえたい。
◎ ?マヨノエンゼル
○ ?ダンストンリアル
▲ ?リュウノケンシロウ
△ ?サイレントエクセル
△ ?ソフトパワー
3連単は3、1、11の3頭ボックスが本線。あとは6、5を3着押さえ
馬複は 1−3、3−11、1−11、3−6
<お奨めの1頭>
4レース トーホウジュエル
目下2連勝中と遅ればせながら、トーホウエンペラー産駒が本格化。ここは連勝を伸ばすのみ