23日(日)メインはB1級「ムーンライトカップ」(水沢1800m)、8頭立て。人気の中心はエーシンスローインかもしれないが、ビッグファルコンを主軸に指名する。
中央時の2勝は2歳時にマークしたもので、以降は白星なし。しかしNHKマイルカップ5着(1着・キングカメハメハ)、クリスタルカップ2着(1着・タイキバカラ)など重賞でも活躍したことがある。
その後は時に2、3着に入ったりしたが、07年3月、播磨特別2着以降はずっと着外に沈み、当初は最下級C2編入の噂もあった。岩手の格付けは前年度3月31日からさかのぼる前20走の持ち賞金で決まるのが基本だが、3月末の特別開催があるため3月20日からの前20走に今年度は変更。それで播磨特別の2着が残ってしまった。
ちょっとディープな話になってしまったが、ビッグファルコンは結果的にB1へ編入。これは微妙な格付けだったが、転入初戦をアッサリ快勝。ダートで初勝利を飾り、実に6年ぶりの美酒を味わった。
続くオープン芝特別・桂樹杯では格下ながら2番人気に支持されたが、ボスアミーゴの0・4秒差4着。今回は中6日の強行軍で臨み、不安要素は確かに多い。しかし前々走で負かした1頭がエーシンスローイン。なおかつ0・4秒差もつけて退けており、実力差ははっきり。それが本命にした最大の理由だ。
逆転筆頭はそのエーシンスローイン。岩手転入後、着外はわずか2回のみ。相手なりに駆ける堅実さを武器に、6ヶ月の休養をはさんで7戦連続で連対。前々走3着に敗れ、連対更新はならなかったが、そのお返しとばかり前回圧勝。強豪エクストラポイントを子ども扱いにして直線豪快に抜け出した。
ビッグファルコンが水沢コース初めてに加え、連闘につけ入る余地は十分。前々走の雪辱を晴らすには格好の舞台となった。
ヘライカントリーも依然、好気配を保っている。時にポカもあるタイプだが、今季は直線で不利があった5走前の7着、芝1000mが合わなかったFM岩手杯9着以外はすべて3着以上。コンスタントに上位争いを演じている。
しかも今回は最も得意とする水沢1800m戦。枠順も絶好の2番枠に入り、2頭をまとめて負かすシーンもありそうだ。
一戦ごとに上昇し、待望の今季初勝利で波に乗るブラックオーメン、大駆け秘めるサンワードグロー、1800mは長いが、水沢に自信を持っているサイレントカイザーも軽視できない。
◎ ?ビッグファルコン
○ ?エーシンスローイン
▲ ?ヘライカントリー
△ ?ブラックオーメン
△ ?サンワードグロー
△ ?サイレントカイザー
3連単は6、5の1、2着折り返しから2、1、3、4へ3着流し。あとは2の連対食い込みも一考
<お奨めの1頭>
7レース マイネフェニーチェ
C2編入は明らかに恵まれた格付け。白星を飾って今後の糧としたい
今週から戦いの舞台は盛岡から水沢へ。その初日メイン10レースはB2級「オーガストカップ」(水沢1600m)、10頭立て。特別戦にふさわしく、出走9頭中7頭が前回1着組と好調メンバーが顔をそろえた。
主軸はシュクジャンヌ。昨シーズン、A級でも勝ち負けを演じた馬が今季はB2へ降格。着外に沈んだのはわずか1度のみと抜群の安定度を誇っている。その半面、詰めの甘さがつきまとって3月の特別開催で1勝マーク後はずっと未勝利。常に上位争いを演じながら勝ち切れないレースを繰り返していたが、前走は好位キープからあっさり直線抜け出しを決めて快勝。これまでのうっ憤を一気に晴らし、弾みがついたのは間違いない。
しかも今回は<4.2.5.7>と最も得意とする水沢1600m戦。鞍上・斉藤雄一騎手もシュクジャンヌを完全に手の内に入れた印象で、2連勝のお膳立ては整った。
相手はリュウノブランド、ヒカルアルタイルの2頭。リュウノブランドは南関東デビュー→岩手→南関東→岩手と転戦し、岩手では16戦5勝2着9回と9割近い高連対率。大敗を喫したのは3走前、ハイレベルメンバーがそろって自分の競馬ができなかったジュライカップ10着のみ。相手なりに駆ける堅実さが最大セールスポイントとなっている。
前走もアッサリ逃げ切って快勝。シーズン3勝目をマークし、今度は連対率100%の水沢戦。上位争い必至だろう。
この2頭をまとめて負かすとすればヒカルアルタイルだろう。中央3勝から金沢、名古屋を経て転入。当初、C1級へ格付けされてあっさり3連勝マーク。B2昇級後は頭打ちのレースがちょっと続いたが、前々走2着で吹っ切れて前回は2番手から抜け出して完勝。再び上昇ムードに乗ったのが心強い。
シュクジャンヌ、リュウノブランドは堅実な一方で詰めに課題を残しているだけに、ヒカルアルタイルの首位も十分に考えられる。
あとは揉まれない外枠に入ったのが好材料ギンガスター、5戦ぶりに白星を飾ったトーセンダズルも押さえが必要。
◎ ?シュクジャンヌ
○ ?リュウノブランド
▲ ?ヒカルアルタイル
△ ?ギンガスター
△ ?トーセンダズル
3連単は1、2、5の3頭ボックスが本線。あとは9、4を3着押さえ
馬複は1−2、1−5、2−5、1−9
<お奨めの1頭>
11レース マイネベリンダ
クセモノぞろいのメンバーとなったが、休み明けを叩かれて気配アップは歴然。自慢のスピードが冴え渡る
今日17日で夏の盛岡開催が終了、来週からは水沢競馬場に移動します。
この盛岡開催、どう考えても“荒れまくった”という印象が強かった。それを裏付けるべく、ちょっと調べてみました。
7月11日の3回盛岡開催スタートから8月16日終了までののべ17日間に出た3連単万馬券の数は121回(同着で2つとも万馬券になった場合は2回とカウント)、うち10万円以上の高配当は30回でした。昨年、同じ期間の17日間(盛岡開催1回・水沢開催2回)ではそれぞれ86回と26回。今年の3連単万馬券の数は実に昨年比4割増という結果が出ました。
これを1日あたりにすると、今年は3連単万馬券が平均7.1回/日、うち10万馬券は平均1.8回/日。昨年は同じく5.1回/日、1.5回/日。
今年は1日に出た3連単万馬券が10回という日が1日あったのを最高に、9回出た日が3日・8回の日が4日ありました。昨年は1日9回が1日あったのが最高で、8回という日は0、7回が4日。
やっぱりこの夏は荒れまくっていました。
しかし、10万馬券の数は案外変わらなかったのが正直驚きでした。出た日数も、今年は17日中15日で昨年は同じく14日。「10万馬券が1日3回出た日」なら今年が4日に対し昨年は5日で昨年の方が多いくらい。基本的に夏は荒れやすい、という事なのでしょうね。
ならば、夏の盛岡最後の日も波乱を期待して予想をひねってみましょう。本命はこの馬、(4)ハルサンヒコに期待です。
なかなか吹っ切れてくれないハルサンヒコなのですが、前走は軽快な先行力を発揮、一瞬この馬にやられたと思ったほどでした。最後の最後で脚が止まって差されはしましたがあの走りは非常に印象的でしたね。
今回は頭数も増え、メンバーも強くなりましたが、しかし一方で1800mという距離に課題がある馬も少なくなく、再度先行策、再度主導権を握る事も可能な相手関係。流れひとつで復活あり、と見ます。
対抗は(5)ケイジーウィザード。前走の敗因はマイルという距離にあったと感じます。1800mでいくらかでも流れが落ち着けばより戦いやすいはず。また、今年この馬が崩れたのは1200m戦と芝の2400m戦のみ、その他の1600m〜1800mでは連を外していません。この安定度も魅力です。
(7)ダークマターは3番手としました。JRA時代は1800mで3勝しているのに岩手ではその距離はちょっと長いかという戦いぶり。恐らくは気性面によるのでしょうが、その気になってさえくれればこの距離も問題ないはずで、そこは前走この馬を勝たせた鞍上に期待しましょう。内田騎手はこれが岩手最終騎乗。それもポイント。
あとは一長一短ある感じですが、まず挙げたいのが(3)マツリダワルツ。状態はずっと悪くないし差し脚も堅実。展開に注文がつくとはいえ要警戒。
(1)ケイジーウォリアはどうも一時の勢いがないのですが、マイルが短い、というのも確かでしょう。3戦3勝の盛岡1800mで復活ののろしをあげたいところですね。
◆買い目
馬単(4)=(5)、(4)=(7)、(5)=(7)、(4)=(3)、(4)=(1)
14日の金曜日、盛岡競馬場で「第14回クラスターカップjpnIII」が行われました。優勝はJRA・バンブーエール。2着もJRA・トーセンブライト。直線追い上げたトーセンブライトがクビ差まで迫ったものの、バンブーエールもそれ以上の接近を許さずゴール。なかなか見応えあるレースでしたね。
レースの結果等はこちらとかこちらとかを見ていただくとして、ここでは他で書ききれなかった上位入着馬の騎手コメントをご紹介しておきます。
●1着・バンブーエール(松岡正海騎手)
行く馬がいなかったので逃げる形になりました。能力がある馬なので今日は59kgでも克服してくれると思っていた。ちょっと遊びながら走る馬なので最後は差は少なくなりましたが勝てると思っていました。この馬でJBCスプリントを連覇したいと期待しています。
●2着・トーセンブライト(安藤勝己騎手)
レースの流れが勝ち馬のペース。これでは辛いが、直線は良い感じで伸びていたと思う。1400mよりもこの距離の方が戦いやすいかもしれない。
●3着・メイショウバトラー(武豊騎手)
牡馬の一線級相手では楽な戦いにならないですね。でも良く走ってくれたと思います。年齢を考えたらなおさら。盛岡のコースも合うのではないでしょうか。
●4着・タマモホットプレイ(熊澤重文騎手)
差は少なかったし良く走っている。ここにきてダートも大丈夫という事は、この馬にとっては選択肢が拡がって良い事では。年の割に馬も若いですしね。
●5着・リワードパットン(赤岡修次騎手)
実戦では初めての騎乗、返し馬も手探りでしたが、いいレースができて良かったですよ。中央の馬に食い下がったのはこの馬だけでしょう。見せ場は作れました。
リワードパットンの頑張りは、大きく離されたとはいえ立派でしたね。園田から高知に転入して1戦もしないままの遠征という予想者泣かせの馬で、「JRA時代のダート1200mでの持ち時計が、地方馬の中では最上位クラス」というくらいしか手掛かりがなかったのですが、終わってみればそれが一番効いた感。
日曜のメインレースはオープンの芝マイル戦・桂樹杯。9月に行われる芝重賞「OROカップ」のトライアルなのですが、今シーズンの芝重賞はそのOROカップで最後で、芝戦線は早くもシーズンラストを見据えた戦いに入った事になります。
本命は素直にこの馬でいいでしょう。(7)ボスアミーゴです。前走のせきれい賞は「超」をつけたいくらいの不良馬場で全く自分の戦いができませんでした。「調子は最高、コース状態は最悪」と担当厩務員さんが嘆いていたのが思い出されます。
しかし今回は良い状態の芝でレースができそう。となるとこの馬が岩手の芝王者の貫禄を見せてくれるはず。
対抗は思い切って(10)ソノマンマを狙ってみます。前々走、芝が合いそうだから試してみよう、と使った芝戦で豪快な差しを見せて優勝。続いて挑んだ前走でもなみいる芝巧者を相手に圧勝、陣営が想像していた以上の芝適性を発揮して見せました。
確かにB1級の格下の馬、いきなり・・・というのは簡単ではないでしょうが、しかしこの勢いは非常に怖いものが、そして目を惹いてやまないものがあります。
もう一頭は(2)ビッグファルコン。JRA時代には芝の短距離を中心に走り、3歳時にはGIでの入着もあります。マイルは当然守備範囲、前走を見る限り力の衰えもなさそう。8歳馬ですが気になる新勢力。
気になるのが(8)トキノプリンセス。JRA時代は芝しか使っておらず、実際血統も芝向きのそれ。対牡馬でも遜色ない戦いをしているだけに、ここで新たな面を見せてくれるかも。
(9)ソーユアフロストは小回りのマイル戦が気になる材料。前走はゆったりした流れになる距離に加えもコース状態もあってうまく立ち回れましたが、良馬場のマイルでどうなるかはまだ少し未知数では。とはいえJRA時代の芝実績からすれば押さえておくべき馬ではあります。
ところで、ボスアミーゴはこれで3年連続で桂樹杯に出走するのですが、昨年のレースで一緒に走った11頭は今年1頭もここに出てきていません。そもそも11頭中7頭が今年もしくは昨年終盤に移籍してきた馬。こうしてみると芝戦線、割とメンバーが固定されているような印象がありますが、意外に入れ替わりが激しいんですね。
◆買い目
馬単(7)=(10)、(7)=(2)、(7)=(8)、(7)=(9)
8月14日 第14回クラスターカップ(Jpn? 盛岡ダート1200m)
1着 バンブーエール
地方勢はもちろんのこと、JRA勢でもバンブーエールを上回るスピードを持っている馬はおらず、大外から果敢に逃げの手に出る。前半3ハロンが34秒6、あがり3ハロン35秒4。テン良し、中良し、終い良し。このペースで逃げられてしまっては、他はつけ入る隙がまったくなかった。さすがG?ホース。59キロのトップハンデもまったく問題にしなかった。
「ペースが遅くなりそうだったので、この馬のスピードを生かすことに心がけた。1頭だととぼけるところがあるのでクビ差でも完勝。これで弾みがついたので秋はG?連覇を目指したい」松岡正海騎手。
ドバイ(ゴールデンシャヒーン)で4着に大健闘し、帰国後は2、3着とひと息のレース。これは遠征疲れが残っていたためで本調子を取り戻した今回、貫禄の逃げ切りを決めて快勝。元々、爪が弱い馬だそうで夏がベストの季節。今後は東京盃→JBCスプリント(名古屋)のローテーションを踏むことになりそうだ。
2着 トーセンブライト
前半は5番手外を追走し、4コーナー手前からスパート。行き脚がついてからの伸びがすばらしく、大外を通ってバンブーエールにクビ差まで肉薄したが、先行競馬の流れに持ち込まれては2着も仕方なしだった。
「1400m戦だと一瞬、ガーッと行きたがるところがあるので1200mの方が合う。今日は2着だったが、前半もっと速いペースだったら逆転したかも」と安藤勝己騎手。
今回が生涯初の1200m戦となったが、むしろ適性あると安藤勝己騎手はコメント。その意味で今後にもつながるレースとなった。
3着 メイショウバトラー
バンブーエール、2番手タマモホットプレイのイン3番手につけ、トーセンブライトといっしょに前へ進出。4コーナーを回ったときは同じポジションにいたが、その後は前2頭に水を開けられてしまった。
「盛岡コースが合うし、この馬なりに良く頑張っている。でも牡馬一線級に入ると厳しいかも」と武豊騎手。
4着 タマモホットプレイ
終始2番手を追走し、直線入り口で一瞬、バンブーエールに並びかけるシーンもあったが、それが精一杯。次第に離されていき、外から伸びたトーセンブライト、メイショウバトラーの後塵を拝す。
「タイム差もそれほどないし、頑張ったと思う。ダートでも走れるようになり、選択肢が増えたのが収穫」と熊沢騎手。