12日(土)メイン10レースはA級二組「食の世界遺産・岩泉短角牛レース」(水沢1600m)、10頭立て。
上がり馬、格上馬が混在してなかなか難しい一戦となった。おそらく人気も割れると思うし、波乱の目も十分に考えられる。
主軸にアサクサロータスを抜擢。逃げ馬の宿命でアッサリ勝つか、大敗かの両極端。シーズン当初は本調子を欠いて凡走の連続だったが、6月のB2戦を皮切りに3連勝マーク。JRA条件交流は流れが速すぎて先手も取れず中団から退いたが、以降は反撃に転じB1・レインボーカップ、A級B1級混合戦と2連勝。勢いを駆ってオープン特別・すずらん賞へ挑戦。ここでも自慢のスピードを前面に果敢に逃げたが、さすがに一線級が相手では楽はできず直線で退いてしんがり負けを喫した。
勝ったマヨノエンゼルの走破タイムが1分39秒7。このハイタイム決着になれば失速も仕方なし。評価ダウンには決してならない。
今回はメンバーがグッと楽になったのに加え、絶好の1番枠。隣枠のメタモルキングも無理に競りかけないだろうし、マイペースの逃げ必至。スイスイ一人旅を決める。
今年の3歳馬はここにきて元気がいい。マヨノエンゼルがオープン・すずらん賞を完勝したほか、古馬編入馬が軒並み活躍。ダンストンジールはここ2戦8着、6着と凡走したが、敗因は明らかに芝。
「2歳の時は訳が分からず、がむしゃらに走っていたが、今はダート向き」と村上忍騎手が語っていたとおり、主戦場はダート。実際、水沢1400mで行われたウイナーカップを快勝。前半は短距離特有のハイペースに戸惑って追走にも手こずっていたが、直線では矢のように伸びて実力をアピールした。
ウイナーCより1ハロンでも伸びることはもちろん大歓迎。本来なら1800m以上の方が合うと思うが、近走のうっ憤を晴らすには格好の舞台となった。
ヒカルメイオーは4月20日以降、白星から遠ざかっているが、これは巡り合わせ。負けても中味は非常に濃く、なんと言ってもJpn?・マーキュリーカップで現時点で岩手トップ評価のクインオブクインにクビ差まで肉薄6着と大健闘した。
ただその反動か、近2走3、4着と欠いているのが気になり▲評価になってしまった。
センリグランピーはサファイア賞で鮮やかな大外強襲を決め、待望の特別タイトルを獲得。追い込み一辺倒の脚質ゆえ、届かないレースの繰り返しだったが、そのうっ憤を一気に晴らした。
パワーを要求されるダートでは持ち味の切れが不発に終わることも多いが、弾みついた今なら古馬A級突破も可能だろう。
あとは常識にかからない面はあってもベストの水沢1600mならメタモルキングの一発大駆けも不思議ではない。
◎ ?アサクサロータス
○ ?ダンストンジール
▲ ?ヒカルメイオー
△ ?センリグランピー
△ ?メタモルキング
3連単は1、8、3の3頭ボックスが本線。あとは3、7、2を3着押さえ
馬複は 1−8、1−3、1−7、3−8、1−2
<お奨めの1頭>
11レース ジーアイジェーン
転入初戦を破格のタイムで快勝。距離がマイルへ延長されたが、おそらく問題にしない
9月6日 ビギナーズカップ(2歳オープン 水沢1400m)
1着 ベルデンアイン
アンダーフジコが手をしごいて逃げ、2番手にフラットリア、3番手インにダンストンルティー。ベルデンアインはペースが速すぎて追走に手こずって後方3番手からの競馬を余儀なくされた。
2コーナー過ぎからスパートをかけたが、頭を上げてモタモタする場面も。しかし3コーナー手前からようやく前に接近し、4コーナーでは馬群が開いたインを村上忍騎手が思い切って突く。
直線入り口で先頭に立ったトーホウデート、その外からサンデーゴールドが伸びたところ、最内からベルデンアインが鋭く強襲して2番身リード。ゴール前でサンデーゴールドにジワジワ詰め寄られたが、0・2秒差をつけて快勝した。
「前が速すぎて後方からの競馬になったが、砂をかぶっても馬群に突っ込んでもひるまない。ちょっと2歳とは思えない精神力がある。だから直線ではインコースを突いたが、追えば追うほど伸びるタイプ。距離が長いほうはいいと思う」と村上忍騎手。
次走はテシオ杯ジュニアグランプリ、若駒賞の両睨み。芝ダートと条件は違うが、距離1600mならどちらもこなせるかもしれない。
2着 サンデーゴールド
ダートに戻って圧倒的な1番人気に支持される。終始、不利のない中団外目につけ、トーホウデートが動いたのを見てスパート。4コーナーではいつでも抜け出せる態勢かに見えたが、イン強襲されたベルデンアインとの脚色さははっきり。
ラスト50mから再び盛り返したものの、ベルデンアインを捕らえるほどの勢いはなかったようだ。
「敗因はコース取りの差かもしれない」と小林騎手。ただパドックでの気合いがすごく、見た目にはやる気満々にも見えたが、逆の見方をすればちょっと入れ込みすぎかも。恵まれた馬体、持てる能力を出すためには精神的な成長が必要だろう。
3着 セイントネイティブ
道中はサンデーゴールドをマークに徹し、サンデーゴールドが動いてからワンテンポ遅らせてスパート。直線ではサンデーゴールドの外から差を詰めようとしたが、現状は交わせるまでは至らなかった。
「前回は早め先頭に立って末をなくしたから我慢させてみたが、そうしたら伸び切れない。仕掛けどころがちょっと難しい」と板垣騎手。
4着 トーホウデート
サンデーゴールドより1馬身前につけ、2コーナー過ぎから最初にスパート。追い出してからの手応えも上々で4角で一旦先頭。直線ではさすがに一杯となってしまったが、見せ場は十分。これで今後のメドも十分に立った。
今回は皆さんにおしらせ。暑くなったり寒くなったりと気温の差が激しい岩手ですが、日が短くなって秋が迫っているのはたしか。
という事で、5月からお楽しみいただいた「はくぼ開催」は今日7日をもって終了となり、来週からは1レーススタート時間が早くなります。
例えばこれまで11時30分(もしくは11時45分)だった第1レース発走時刻が10時45分に、16時台後半だったメインレース発走時刻は16時05分(原則・場外発売等によって変動あり)となります。
オッズパークで行っている『指定ポイントレースで最大20%還元」キャンペーンをお楽しみの皆さん、来週からは岩手競馬の1〜3Rの発走時刻が大きく変わりますので十分ご注意ください。これまでの1Rの時間のつもりでネットに繋ぐと、2Rのリプレイか3Rのパドックの映像が出てきますよ!5%分のポイントを損しちゃうのはもったいないですからね。
対抗は先行力が魅力の(3)エイシンアサヒオー。これが転入初戦・おまけに休み明け、やや読みづらいというか計りかねる部分はありますが、しかしここまでの勝ち星のほとんどが逃げ・先行というところが非常に魅力大。ここもソノマンマの出方次第では単騎逃げも可能だし、枠順もそれにもってこいの好ポジション。ここはこの馬の“逃げ”に賭ける手。
思い切って狙ってみたいのが(2)ワラッテオクレヨ。ここ3戦は高速馬場+先行有利の状態で戦わざるを得ず、いつもぽつんと最後方追走からそのまま・・・という姿しか見る事ができませんでした。今の水沢競馬も先行有利の状況ですが、先週までよりはよほど戦いやすいでしょうし、頭数や相手関係も手頃で格上の力だけで押せます。
残り5頭、どうもピリッとしない馬・安定しない馬を外していくと(5)ナムライシスと(8)サイレントステージが残る格好に。ただ、この2頭はどちらもマイルの馬というイメージでこの距離は若干の割引感が。有力どころが距離不安なしに先行して戦える馬だけに、上位に割り込むには展開の助けが必要でしょう。
◆買い目
馬単(7)=(3)、(7)=(2)、(3)=(2)、(7)→(5)、(7)→(8)
3連単 (2)=(3)=(7)のBOX、1頭軸(7)から相手は(2)(3)(5)(8)へ
★お奨めこの一頭
8R:シルクグラディウス
ここまでの成績通り、安定感溢れる走り。前走などもまだ余裕があり、形上は微妙に相手強化になったが全く苦にしないだろう。
6日(日)メインは2歳特別「ビギナーズカップ」(水沢1400m)、フルゲート12頭立て。
主軸はやはりサンデーゴールド。前走・若鮎賞で4着。敗因は初の芝、不良馬場で脚がのめったためと考えれば評価ダウンにはならないはず。
デビュー戦・水沢850mで1枠に入ったが、痛恨の出遅れ。常識的には包まれてしまって凡走のケースだったが、その不利をまったく問題にせず0・4秒差で完勝。2歳馬離れしたレースを披露した。
続く2戦目はフラットリアが快調に逃げたところ、ゴール寸前できっちり交わして2連勝マーク。490キロ前後の恵まれた馬体、スケール大きいレースぶりから一躍、注目の的となった。
血統背景もすばらしい。父は岩手でもおなじみのアドマイヤドンでサンデーゴールドが第一世代、初年度産駒。そして母父アフリートとダートはもってこい。それを考えれば若鮎賞4着も仕方なしとも言え、2戦2勝のダートに戻って雪辱を晴らす絶好のチャンスとなった。
相手筆頭はフラットリア。父ダンディコマンドは現A級・ダンディキングと同じ。その父が名スプリンターで鳴らしたニホンピロウイナーで、恵まれたスピードは父譲り。
ここ2戦は2着に敗れているが、前々走は先に記したようにサンデーゴールドのハナ差。前走はセイントビーナスが先手をアピールし、2番手に控える競馬。結果的に伸び切れなかったのは逃げなかったからかも知れないが、今の時期はいろんな戦法を試してみるのが得策。1400mを経験したことも強みとなるに違いなし。
セイントネイティブを▲評価としたのは前走内容が良かったから。スタートで後手を踏みながら3コーナーから早めまくりに出て4角先頭。最後は一杯となって3着に沈んだが、見せ場たっぷり。一戦ごとにレース勘を身につけており、上位争い必至だ。
ベルデンアインは前走、フラットリアを直線で楽々交わして1着。デビュー戦3着は芝も敗因だったが、距離1000mが短かったようで、1400mへ一気延長をまったく苦にせず快勝した。フラットリアを基準に考えればサンデーゴールドを負かすシーンまである。
アドマイヤドンと同様、今年が初年度産駒プリサイスエンド。子供たちの評判も上々でリュウノムサシも新馬戦をアッサリものにした。またトーホウデートはデビュー戦の芝は5着凡走したが、ダートに替わって動きが一変。父トーホウエンペラーをほうふつさせるレースぶりを披露した。
◎ ?サンデーゴールド
○ ?フラットリア
▲ ?セイントネイティブ
△ ?ベルデンアイン
△ ?リュウノムサシ
△ ?トーホウデート
3連単は11を1着固定に10、4、1流し。あとは7、12を3着押さえ
馬複は 10−11、4−11、1−11、7−11、11−12
<お奨めの1頭>
6レース コスモアポロ前走は水沢1400m戦で1分30秒を切る好タイムで逃げ切り勝ち。ここも一気押し切る
5日(土)メイン10レースはB1級・水沢1600m戦「白神賞」。有力馬はある程度絞れることができるが、実力接近。馬券的に非常におもしろい一戦となった。
主軸にブライティアメッセを指名。中央1勝は3歳未勝利ダート1400m戦(阪神)でマーク。500万下で頭打ちとなり、岩手に新天地を求めてきた。
初戦はA級B1級の混合戦で4、5番手キープから直線アッサリ抜け出して快勝。幸先のいいスタートを切った。馬場が軽かったにせよ、走破タイムも水沢1600m1分41秒0は優秀で今後の視界もかなり明るくなった。
しかも今回は自己の条件に戻ってB1級馬が相手。実質A級といってもおかしくないメンバーだが、ブライティアメッセは実際にA級馬をすでに撃破。中6日のきついローテーションだが、前走内容を素直に評価したい。
逆転筆頭はマイネベリンダ。B2級3連勝で臨んだ立夏賞。当然のように1番人気に支持されたが、ダート1000mの特別では最短距離戦。ダッシュ鋭く逃げたが、ウメノレイメイのマークがきつく直線失速4着に敗退。
このレースで受けたダメージは大きく、脚部不安が発生。約3ヶ月の休養を余儀なくされてしまった。
ひとまず8月に復帰し、初戦は息が持たず5着に敗れたが、ひと叩きされた前走快勝。しかも4番手に控える競馬での白星は収穫も大きく、逃げにこだわらなくなればこれから再度飛躍できる可能性が広がった。
マルブツワイルドはシーズン当初、本調子を欠いて凡走を繰り返していたが、徐々に立ち直り6月、水沢1600m戦で待望の白星をマークするや完全復活。前々走5着に終わったのは久々に芝に戸惑ったもので、ダート戦では4戦連続で連体中。この安定感が何よりも魅力に映る。
結果的に評価を下げてしまったエクストラポイントも怖い存在だ。中央500万下から今年6月に転入し、B2級で圧巻の2連勝。他陣営はこの2戦の強さに舌を巻き、オープンまでノンストップの印象を植え付けた。
しかし前走はエーシンスローインのまくりに抵抗できず敗れて2着。ちょっと拍子抜けした感じだったが、これは勝った馬を誉めるべき。佐藤雅彦調教師も手抜かりなく、じっくり調整をこなし満を持しての登場。主客逆転の可能性は十分にある。
ほかにも水沢マイルに短縮なら反撃必至サイレントカイザー、前走はマイペースに持ち込んで2着に粘ったブラックベガスも軽視できない。
◎ ?ブライティアメッセ
○ ?マイネベリンダ
▲ ?マルブツワイルド
△ ?エクストラポイント
△ ?サイレントカイザー
3連単は8、7、4、11の4頭ボックスとしたいが、点数が多くなるので8を1着固定からの流しがお奨め
馬複は 7−8、4−8、8−11、8−9
<お奨めの1頭>
11レース シュクジャンヌ
勝ち味の遅さがネックだったが、ここ2戦は格上の実力を存分に発揮。好調馬がそろっても信頼度高い水沢1600mなら大丈夫