カネサダイマオーが世代王者に君臨!
4日(日)は重賞・イレネー記念(3歳オープン)が行われ、単勝4番人気のカネサダイマオーが優勝。重賞21勝を挙げたカネサブラックの産駒として、初めてのタイトルを手にしました。
【出走馬】※馬名右の数字は単勝最終オッズ
1.アアモンドグンシン 54.7
2.バンリュウブラック 45.2
3.ブラックエース 13.1
4.カネサダイマオー 10.3
5.キンツルモリウチ 84.4
6.キタノユウジロウ 2.6
7.ジェイコマンダー 28.8
8.オレワチャンピオン 2.2
9.ハマノダイマオー 43.2
10.コウシュハレガシー 7.1
ナナカマド賞、黒ユリ賞を制した牝馬ミスタカシマが回避したとなれば、必然的にヤングチャンピオンシップ勝ちのオレワチャンピオンに注目が集まります。近況は重量を課せられて苦戦を強いられていましたが、重賞勝ちの実績からも地力上位と見られ、1番人気に支持されました。反対にキタノユウジロウは9連続連対中という充実ぶりが買われ、差のない2番人気。この2頭が人気を二分する形で、離れた3番人気がコウシュハレガシーとなりました。
牡馬690キロ、セン馬680キロの定量戦で、馬場水分は2.0%。それを考慮すればペースは速めで、各馬とも積極的に運びます。それでも、さすがに精鋭10頭。大きく遅れる馬もおらず、ほぼ横一線の状態で第2障害を迎えました。
最初に仕掛けたのは1番人気のオレワチャンピオン。続けてカネサダイマオー、キンツルモリウチ、コウシュハレガシーなど、各馬がいっせいに登坂を開始します。なかでも抜群のかかりを見せたのはオレワチャンピオン、キタノユウジロウ、コウシュハレガシーの人気3頭。三つどもえの様相を呈し、最後の平坦路を迎えました。この3頭からやや遅れてジェイコマンダーが続き、少し間が開いてキンツルモリウチ。カネサダイマオーは6番手から追撃態勢に入ります。
残り30メートルを切って、先頭はオレワチャンピオン。ただ、徐々に脚いろが鈍りはじめ、キタノユウジロウが差を詰めにかかります。そして並び掛けたその瞬間に、オレワチャンピオンがストップ。キタノユウジロウが先頭に立ち、今度はコウシュハレガシーが2番手をうかがう展開となりました。しかし、さらにそこへ襲いかかったのがカネサダイマオー。他馬を上回る脚いろで次々とポジションを上げ、残り5メートル付近で2番手に浮上。さらに脚を伸ばすとゴール線上でキタノユウジロウにも並び掛け、一気にこれをかわしてフィニッシュ。豪快な追い込みで、重賞初制覇を飾りました。懸命に粘ったキタノユウジロウが2着で、しまいに苦しくなりながらもオレワチャンピオンが3着を確保しました。
勝ったカネサダイマオーはナナカマド賞こそ5着でしたが、その後はA-1戦で堅実なレースを見せ、2歳のシーズンチャンプ決定戦で大輪をゲット。カネサブラック産駒として初の重賞制覇を果たしました。障害で若干斜行するなど、まだまだ完成していない印象もありますが、それだけに今後の伸びしろがあると見ていいでしょう。思えばカネサブラックも2歳シーズンは今ひとつの成績。今後の成長次第で、父を上回るような成績を残す可能性も秘めています。
惜しかったのはキタノユウジロウ。ゴール前で踏ん張りきれなかったとはいえ、ハイペースを早めに先頭に立つ積極的な競馬で2着に粘った内容は、地力の高さの証明と言えます。展開次第でタイトル奪取の期待も十分でしょう。
オレワチャンピオンも人気を背負って終始レースをリードしたぶん、最後に失速しましたが、それでも大きく崩れなかったのは力のある証拠。立場が変われば違うはずで、巻き返しの期待も十分です。
藤野俊一騎手「重量が重い割にレースの流れは速かったです。第2障害を降りてからが強い馬なので、差せる自信はありました。障害は思ったより苦戦したのでゴール前までどうなるかわかりませんでしたが、差し切れそうな手応えは感じました。馬体がある馬なので、将来はオープン馬になってほしいです」