
ナイターキング復活の予感!
伊勢崎伝統のGⅠムーンライトチャンピオンカップも優勝戦を迎えた。準決の10Rまでは良走路で行われたものの、11Rは試走後の降雨でレースは雨走路、12Rも雨走路でのレースになった。準決を振り返ってみる。
まずは9R...0ハンから好スタートを決めた岩沼靖郎が独走態勢に入るが内山高秀が捕える。更に有吉辰也が順当に追い込んで優出を決めた。
10R...前を走る選手を濱野淳が交わして逃げ態勢。猛追する青山周平がイン突っ込むも回りきれず流れ、濱野が逆転しゴール。
11R...試走は良走路だったが、レースまでに雨が降り重走路になる。主導権を奪って逃げる森谷隼人に湯浅浩が仕掛けるも、永井大介がまとめて差して勝ちきる。
12R...阿部仁志が序盤で抜け出し後続を振り切る。金山周平が混戦を制して高橋貢の追い込みを振り切る。
優勝戦当日は天候もやや不安定の予報だが、まずは晴れを想定してレースを予想してみたい。
0ハンのスタート争いは枠ナリ、もしくは湯浅が先行で金山、阿部が続く形か。いずれにしても逃げてそこまでペースは上がらなそう。優勝争いは10線の選手と見ている。その10線のスタート争いは、順当なら有吉が先行。ただし、有吉は3日目の落車で本来の切れ味が薄れているように見える。ここは5車が枠ナリに出ると予想。
展開としては内山が順調に0ハンを捌いて逃げ態勢に入るが、濱野がマーク追走から隙を見て差し込みそう。青山や永井も8周戦の利を生かして猛烈に追ってきそうだが、有吉が抵抗を見せて苦しみそう。当ブログでは濱野の優勝に期待したい。
濱野は元々、この大会とは縁が深く過去に3連覇もしている。伊勢崎のナイター走路は整備の取り組み方からレースでのコース取りまで熟知している。肝心のスタートさえ五分に切れれば優勝できる。
仮に雨が降って重走路になるとレース展開も変わってくる。0ハンの3人が雨の準決で勝ち上がってきてるだけに、かなりペースを上げてきそうだ。追って行ける10線の選手は有吉、青山、永井の3人。有吉は3日目の落車の影響が心配されるし、青山はナイターの雨走路での経験にやや不安残り。そうなると永井に大きなアドバンテージがある。
雨の予想は、0ハン3人がペースを上げながら競り合うところを永井が捌き上げると見た。
以下の印は晴れを想定してのもの。
◎濱野淳
○青山周平
△永井大介
△内山高秀
▲有吉辰也
波乱が多かった準決勝で存在感を示したのは永井大介!
優勝戦の予想をする上で欠かせないのは、準決勝の様子。今回は準決4個レースを振り返って、優勝戦の予想を展開していきたい。
まずは9R。スタートして2コーナー付近でいきなりアクシデントがあった。先頭を行く佐藤裕二の内側に位置取りしていた阿部剛士が落車し、人気の篠原睦や伊藤信夫が不利を受け大きく後退。代わって谷津圭治が逃げる展開になり、追走した青木治親を佐藤裕二が捲って2着。谷津と佐藤が優勝戦進出となった。展開が恵まれた谷津だが、前節は地元で優勝しており流れを生かした形。佐藤の方も先行していたのでスタートの切れは問題ない。
10Rは評判の33タイヤを投入した吉田幸司が6周逃げ切った。佐藤貴也は吉田祐也を差したが吉田幸司を交わすまでは行かなかった。後続の選手も追走が一杯で優出圏内までは進めなかった。吉田幸司が再び33タイヤを投入するようだと侮れない存在。佐藤貴也は2着で終わったが、川口は5月に来た時に優勝しており、当地とは相性悪くない。8周戦になる事も好材料になりそうだ。
11Rも0ハンの山田徹がいい逃げを見せた。追走する岩田裕臣が重なり岩崎亮一は仕掛け所を探していた。イン狙うも入り切れなかった所を永井大介が捲り、その勢いで岩田を差す。そこから更に永井はゴール前で山田を捕えて1着。流石の走りを見せた。苦しいレースだったが前節までの不安を払拭する動きだった。山田もハンデ据え置きなら面白い。
12Rでも波乱があった。1周1コーナーで人気の浦田信輔が落車。スタート決めた新井淳を森且行が交わし、深谷輝もなんとか新井を交わして優出を決めた。2人ともほとんど人を抜くレースではなかったのでエンジン掴みづらいが、森の方は独走でもペースが上がっていた模様。
優勝戦予想
準決ではよい逃げを見せた吉田と山田だが、優勝戦となると2周伸びるのが少し響きそう。10線からスタートは深谷や谷津が枠ナリに出そうだが、大外の永井もカマシ気味に出て好位置に付けそう。そこから一気に0ハンを攻め込み得意のパターンに持ち込むと見た。
相手には佐藤貴也を挙げたい。一時期はスランプで苦しんでいたが、近況は元気のいい走りが戻ってきてる。スタートは永井に行かれても、森や佐藤裕二よりは先行しそうなので、強気の攻めで内枠勢や0ハンを突破できる。3着は誰が来てもおかしくない状況なので手広く流したい所。その中でも、森と佐藤裕二、深谷をやや厚めに買ってみてはどうだろうか。
◎永井大介
○佐藤貴也
△森且行
△佐藤裕二
▲深谷輝
高橋貢が地元の牙城を守る!
4つ行われた準決勝戦で特徴的だったのは、12R以外での勝者は軽ハンの選手、もしくは重ハンでも内枠の選手だった事。2着も5、6枠の選手が占め、追い込み勢はいずれも厳しい戦いが強いられた中で、高橋貢の追い込みは目立つモノがあった。
よって、当ブログでの本命は高橋貢だ。大外からでもスタート決めてしまえばそのまま押し切れるし、仮にスタート行けなくても準決勝の追いアシを見る限り、首位まで浮上できそうだ。優勝戦は準決勝より2周延びて8周戦になる事も高橋貢にとっては好材料だ。
その高橋を負かす可能性あるのは岩沼靖郎。優勝戦ではハンデが引っ張られたとは言え、準決勝で見せた独走は驚異的だった。そのレースで2着だった平田雅崇を寄せ付けないどころか、むしろ引き離してしまい、上がりタイムでも勝っていた。トップスタートを切るようだと絶好の展開になり、外枠勢が競る間に大きなリードを作って逃げ切れる。
同じように北渡瀬充も、10線最内から先行すると面白い存在になりそうだが、準決勝での上がりタイムはもう少し欲しいところだったので、ちょっと評価を下げる。また、岩沼のスタートに乗って出そうな久門徹も見せ場を作れそうだ。本来の実力を考えれば、この位置は魅力的であり、やはりスタート行ってしまうと優勝まで十分現実味を帯びてくる。
他に、激走がありそうなのは平田雅崇。初日、2日目に見せた好ダッシュを再現できれば、優勝戦線に参加できる。
若井友和はこの前伊勢崎に来た時の一般開催で優勝しており、近況は当地との相性が上がっている。同地区の佐藤裕二は試走タイムがイマイチでも、本走ではインを厳しく突いて行くタイプ。また、浅香潤は一発力があるタイプなので注意が必要だ。
◎高橋貢
○岩沼靖郎
△久門徹
△平田雅崇
▲若井友和
二つの優勝戦で楽しみは2倍に!
今大会はA級とS級に分かれて予選、準決が行われ優勝戦も別々に設けられている。予選中の3日間がほぼ雨走路だっただけに、エンジンの好不調は準決で判断するしかない。まずは、S級優勝戦を予想していく。
準決で動きが良かったのは有吉辰也、藤岡一樹、荒尾聡、木村武之だが、木村は失権となっているので優勝戦には勝ちあがれなかった。有吉、荒尾の両者はそれぞれの持ち味を発揮して序盤から先頭に立ち、逃げ切ってのゴール。藤岡は粘る金子大輔をゴール前で交わしての1着。絶対王者・高橋貢は攻め焦って有吉と接触し、後退していった。永井大介は1回先頭に立ったものの、エンジンの仕上がり不足か荒尾、木村にやられて3着ゴール。中村雅人も3番手に立ってから車の進み方がイマイチで、そのまま3着ゴール。浦田信輔は、有吉にピタリマークしていたものの仕掛けどころがなく2着ゴール。角南一如は、レース後半の動きが良く、3着に食いこんだ。
当ブログの本命には有吉を推す。エンジンの仕上がりナンバー1と見てるし、スタートの切れも相変わらず良くオープン戦の3枠ならトップスタートも十分だ。周回が伸びても、軽快な走りで逃げ切れそうだ。仮に、荒尾がスタート先行したとしても早い段階で差し込んでいきそうだ。相手筆頭は浦田。外の荒尾や有吉がスタート早いので、先行までは厳しそうだが、最内なら3~4番手には出れそうであり、また2周回伸びるのは好材料。鋭い追い込みを見せてくれそうだ。安定感からは金子。スタートの切れもマズマズで道中の走りも落ちいついている。逆に、今回厳しそうなのは、永井、中村の船橋勢。明らかにエンジン足りてないが、当然整備に取り組むだろうから、急上昇もありえる。当日の試走は要注目だ。地元両者は、8周戦で威力を出すタイプか。角南は周知の通り後半追い込み型だし、藤岡もスタミナ十分なのでゴールまで目が離せない。
◎有吉辰也
○浦田信輔
▲荒尾聡
△金子大輔
△藤岡一樹
次に、A級優勝戦を推察する。
当ブログの本命は久門徹。本来ならS級戦の方に参戦しててもおかしくない実力の選手なので、A級戦ならば当然有利となる。4枠のセンターから一気に飛び出し、後続を引き離していきそうだ。逆転あるなら、佐藤貴也か。近況はだいぶ本来の動きが戻ってきており、乗り手の果敢さが完全に戻れば優勝争いに十分食い込める。
最内の穴見がスタート飛び出すと大混戦になりそうで、レースも面白くなりそう。その場合は捌きがある谷津圭治に出番あり。また、イン戦強烈な大木光もゴリゴリと突っ込んでいきそう。外の3車は枠的にもエンジン的にも厳しいレースになりそう。
◎久門徹
○佐藤貴也
▲谷津圭治
△大木光
△穴見和正
プレ優勝戦は青山周平が圧勝!
ダブルチャンピオンシップ4日目に行われたプレ優勝戦は、青山周平が好スタートを決めて楽に逃げ切った。試走からして1番時計タイの3・30秒とエンジンが仕上がっていた青山は、スタートして1周回ったらすでに先頭に立っていた。スピードに乗って走れる青山は、独走力も今や全国で3本の指に入るのではと噂されるだけあって、その能力をいかんなく発揮し、ポテンシャルの高さを改めてオートファンに見せ付けた形だ。
青山同様、試走タイム3・30を出した金子大輔は、早めに2番手に立ったものの、最後まで青山との差を詰められないまま2着ゴールとなった。3着は荒尾聡。こちらはスタートで空回りし、大きく離されてのレースとなったが、冷静に1車ずつ交わして3番手まで上り詰めた。
5日目の本優勝戦もプレ優勝戦と全く同じハンデ構成なので、よほど天候が変わらない限り青山が制すると見てよさそうだ。その理由は三つ。まず一つ目は、エンジンの安定度。このところ青山はエンジン状態が大きく崩れることがなく、その日その日の調整で好調を保てている事。二つ目はスタート力。1級車に乗ってまだ半年も経ってないが、今までスタートで失敗したのは数えるほどだ。逆に言わせれば、ほぼ安定していいスタートが切れている。三つ目は乗り手の精神力の強さ。オートに転身する前も世界で活躍していた経験があるからなのだろうか、オートの大舞台のレースでも慌てる事が少なく、落ち着いて乗れている。よって、当ブログでも本命に推したい。
逆転の可能性を考えると、金子と荒尾の2人。金子はプレ優勝戦で2番手に立ってから青山との差が縮まらなかったが、逆に離されてもいなかったので、先に先頭に立つような展開を作れれば青山を振り切れると言うことになる。もう一人、荒尾はプレ優勝戦ではスタートで大きく遅れる不利があった。本来は、全国屈指のスタート巧者なので、本優勝戦ではカマシ気味に出て行ければ、プレ優勝戦で見せた追い上げからエンジン状態は悪くないので、リベンジも可能となる。他の5選手に関して言えば、プレ優勝戦の動きでは苦しいと思われるが、試走タイムを大幅に上げるようなら、いくらでもチャンスが生まれてくる。
最後に、当日は雨がパラ付く気象予報も出ているので、重走路、もしくはブチ走路となった時の推理もしておきたい。
雨でも青山は苦手としてる様子がないので、しっかりこなしてきそうだが、飯塚走路での経験を考慮して荒尾の方を重視したい。また、篠原睦も前節の一般開催では重走路で優勝しているので、注意しなければいけない存在だ。
◎青山周平
○金子大輔
△荒尾聡
△篠原睦
▲久門徹