小林瑞季がGI初優出で初優勝!
伊勢崎オートで行われていたGIムーンライトチャンピオンカップは、川口の32期・小林瑞季が制した。10Mオープン戦の2枠からトップスタートを決め、コースをしっかりと守り切り、栄冠をその手に入れた。
優勝戦は前日の予報通り、重走路での競争となった。試走タイムは松尾啓史と青山周平が83で一番時計タイ。次いで谷津圭治と笠木美孝が85、吉田恵輔と小林瑞季が87、高橋義弘が88、木村武之が92と最も悪かった。
レース展開は小林が先行してそのままゴール。後ろでは高橋が2番手発進、最内の吉田は3番手、松尾や青山も悪くないスタートだった。2番手以下は変動があった。3番手スタートの吉田が高橋を早い段階で交わす。吉田は小林と一騎打ち状態に。青山も序盤の動きが積極的で3番手につけた。吉田は前を走る小林の様子をうかがっていたが、青山に外から交わされてしまう。2番手に付けた青山は、今度は小林を抜きにかかりたかったが、7周目の4コーナーでバランスを崩してしまう。そこをすかさず吉田がインから交わす。再び2番手に立った吉田は、最終回バックストレッチで小林のインを狙うも入り切れず。結果的に準優勝だった。3着は青山。後方はそれほど動きがなくレース終了。
今回の優勝戦は小林の成長っぷりがうかがえた。最近では最重ハンで走る機会が多くなっているが、そこでもある程度の結果を残していた。ハンデが重くなれば、成績を残しづらくなるものだが、徐々にこのハンデ位置でも対応できるようになってきた。現時点での小林の最大の武器はスタート。良走路でも重走路でも問題なく好スタートが切れる。特に、今回の走路状況にはピタリ当てはまった。GI優勝は本人にとってかなりの自信となるはず。これからは更に上の舞台でも活躍できるだろう。
外来勢がなかなかに強力で、奮起どころの地元勢!
最近の山陽ミッドナイトは6車9R制。今回も同様のシステムでシリーズが行われる。ひとレースで競争する選手が1人、2人少なくなるだけで車券の当てやすさは格段に上がる。そして9個レースあるので、何度も何度もオートレースを楽しめる。今回は好調な選手がそこそこいるが、優勝争いはどのようになっていくのか。
出場するS級は丹村飛竜と藤岡一樹。丹村の前走は伊勢崎3日間開催だった。ここでは初日から折り合いがつかず、準決も6着で優勝戦には進めなかった。本人にとっては不本意なシリーズになったが、最終日は意地を見せ1着。今回へ向けて一応の希望にはなった。ナイターからミッドナイトの時間帯に移行にはなるが、地元走路とあって調整面でのアドバンテージはある。藤岡の前走は地元ミッドナイト。準決3着で、力を出し切ることはできなかった。しかし、その前の川口GIでは優勝戦まで進んでいた。記念レースでの優出は、本人の自信につながるだろう。
A級は、まず地元勢をピックアップ。長田恭徳は前走のミッドナイトではもう一つといった内容だった。試走タイムからあまり出ていなかったので、今回はその数字に着目したい。9月とはいえ、ミッドナイトの時間帯で長田なら試走3台前半は欲しいところ。逆に試走タイムがよく出ていたのは丸山智史。前走のミッドナイトでは準決3着で優出はできなかったが、エンジン面は悪くなさそうだった。そんな中、優出したのは番田隆弘。ハンデを活かしての速攻が得意な選手だ。今回も早めの抜け出しに期待。
川口勢は森谷隼人と泉田修佑に注目。森谷は前走の地元GIで優出。結果は5着だったが、シリーズを通してある程度安定した成績を残せていた。今年は優勝もしているので、いい流れで今後も好走を続けたい。泉田は前走の地元4日間一般開催で準優勝。それもオール連対の好調っぷりだった。まだまだ伸び代のある33期。今後はスピード面だけでなく、捌きの方の堅実さを身につけていきたい。
飯塚勢は別府敬剛、東小野正道が有力。どちらもS級となんらそん色ない実力を持っている。別府は前走の山陽ミッドナイトでは初日1着、準決2着。優勝戦へは1着条件だったため、優出はできなかったが、エンジン面は堅調。東小野は前走の伊勢崎3日間一般開催で準決6着。優勝戦には進めなかったが、初日は1着、最終日も2着とエンジンは崩れていない。両選手とも力強いイン差しで車群を突破していくだろう。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
丹村 飛竜〔山陽 S-13(29期)〕
藤岡 一樹〔山陽 S-48(29期)〕
長田 恭徳〔山陽 A-5(32期)〕
丸山 智史〔山陽 A-19(31期)〕
別府 敬剛〔飯塚 A-8(23期)〕
東小野 正道〔飯塚 A-21(25期)〕
森谷 隼人〔川口 A-20(29期)〕
泉田 修佑〔川口 A-26(33期)〕
個性あるファイターが激しいバトルを展開!
直前まで伊勢崎で行われていたGI競争にS級選手がほぼ出場しているため、今回はA級とB級選手による戦いになる。エンジン面で突き抜けている選手は不在のため、誰にでも優勝のチャンスが訪れる。各個人の能力を出し切り、最終日の最終レースで勝利をもぎ取るのは誰か。
今回出場する中で地元のランクトップは藤波直也。前走の伊勢崎ではイマイチな結果に終わったが、走りの特徴としてはグリップの開けっぷりの良さが売り。エンジンが仕上がれば、手を付けられない競争を展開できる。エンジンが並でも、今回のメンバーなら最後方から追い込みを見せてくれるだろう。同じく大きなコース取りで周回ごとにスピードに乗せてくるのは花田一輝。捌きの面ではまだまだ成長の余地を大きく残しているが、思い切った走りができるのは強み。前が混み合っていれば大外から捲って番手を上げていく。
最近の調子で言えば斎藤正悟がまずまず。前走の川口一般開催で優出していた。その前もある程度の成績を残しており、エンジン状態は中堅上位。武器のスタート力を活かして速攻を決めてきそうだ。浅野浩幸も気配は上々。一時期からハンデが相当重くなった印象あるが、それにもめげずに諦めない走りを見せている。前走の地元では優出し3着。3走して全て車券に絡めていた。この流れを持続できれば連続優出は十分可能な現状。
外来A級では松生信二が前走の地元ミッドナイトで準優勝。初日は台風の影響で中止になったが、準決は見事に1着通過。優勝戦でも頑張ってみせた。今回ハンデ位置の変動があるかどうかは焦点になるが、据え置きなら再びチャンス。同じ優勝戦には稲原良太郎も乗っていた。こちらは5着。成績が安定しない傾向ある同選手だが、自分の勝ちパターンに持ち込めそうなハンデ構成なら積極的に狙ってみたい選手。
伊勢崎勢は特徴のある選手が来場。以前ほどではないが、果敢な突っ込みで車群を切り裂く塚越浩之。その同期の荒川哲也は逆に堅実な走りができる。試走タイムは出なくても、レースでは渋太い走りで粘り込む米里信秀、一人で走るとペースが上がる保永高男。捲りを連発して後方からやってくる木村享平などに注目したい。
B級では戸塚茂と佐藤大地が前走の地元で優出。どちらも逃げる展開で最も持ち味を出せる。特に佐藤大は新人の34期なので、これからの成長には大きな期待を持てる。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
藤波 直也〔浜松 A-63(31期)〕
花田 一輝〔浜松 A-130(33期)〕
斎藤 正悟〔浜松 A-166(24期)〕
松生 信二〔山陽 A-167(30期)〕
稲原 良太郎〔山陽 A-175(28期)〕
浅野 浩幸〔浜松 A-192(25期)〕
戸塚 茂〔浜松 B-63(25期)〕
佐藤 大地〔浜松 B-80(34期)〕
自身初優勝をGIで成し遂げるか吉田恵輔!
伊勢崎オートで行われているGIムーンライトチャンピオンカップは最終日を迎えた。3日目までは良走路だったが、4日目は第1Rから重走路。準決も重走路での戦いになった。そんな準決は波乱が続出。4個レース中、3つで3連単は万車券。レース展開にも特徴が見られた。
レース序盤で大方の態勢が決まってしまう傾向が強かった。スタート行った者勝ち。コースを押さえた者勝ち。とにかくレース道中で番手の入れ替わりが少ない状況が起こっていた。10Mオープン戦となると当然、内枠勢が有利。スタートで先手を取れる利点を活かして、早々と先頭に立ち、しっかりとコースを守って逃げるレースが多かった。これは優勝戦を占う上でも大きなポイントになる。
まず優勝戦のハンデ構成だが、10Mオープン戦で内から吉田恵輔、小林瑞季、谷津圭治、高橋義弘、笠木美孝、木村武之、松尾啓史、青山周平。スタート争いが大事になる。
おそらく吉田は最インを主張できるだろう。本来、最重ハンの選手ではないが、スタート力には定評がある。いつも並んでいる選手層とは違う優勝戦のメンバーだが、10Mオープンの最内ならスタートは持たせてみせるだろう。そこに続くのは2枠の小林。近年では記念レースでも、同ハンからスタート先行するシーンが多く見られる。うまく切れればトップスタートまで望める。外枠勢に対してはしっかりと張っていけるだろう。そこから外はほぼ枠ナリ。可能性があるとすれば木村武や青山のダッシュ。
レース展開は天気予報を考慮して重走路で想定していく。トップスタートを切るとみている吉田は雨巧者。ここ何年も重走路に関しては高い連対率を保っている。本人も自信を持って乗れていることだろう。今回は地元走路なのに加え、序盤の展開がレース結果に大きく影響を与えるコンディション。スタート先行して、いきなりの逃げ展開に入る。そこからはコースをしっかり守りつつ、ペースを上げて逃げ切りそう。これまで優勝の経験がない吉田だが、初優勝がGIだとしてもおかしくはない。過去に、そういった選手は存在している。
相手は青山。10Mオープンの大外では展開的に楽ではないが、スタートで内枠を何車か置いて出ることは可能。その数が多ければ多いほど、その後の展開が楽になる。準決で追い込みができていた選手は青山くらいだった。次に挙げるのは小林。吉田に続いて2番手発進が望めそうで、ゴールするまでの間に吉田を交わす可能性もある。有利な2枠を活かして結果につなげたい。そして谷津。最近では重走路で好走が目立っている。ここ数年では重走路での優勝もある。3枠なら展開的にもチャンス十分。そして、木村武。序盤の位置取りがカギになるが、それをこなせば相性のいい当地で栄冠を掴むかも。
◎吉田恵輔
○青山周平
△小林瑞季
△谷津圭治
▲木村武之
早川清太郎が大会4連覇に挑む!
伊勢崎オートの名物GIムーンライトチャンピオンカップが今年も行われる。この大会はこれまで地元の早川清太郎が3連覇中。地元で無類の強さを発揮している早川にとって、今回4連覇がかかっている。それを阻止する選手は現れるのか。
その早川は近況の動きが活発。前走となる地元3日間開催では初日から連勝。優勝戦は追い込みが届かず準優勝だったが、その前の川口GIでは優勝していた。地元走路で強い早川が遠征先でも優勝となると、エンジンの仕上がりは本物。今大会へ向けて良い状態で臨める。
地元で他に有力なのは全国ランク1位の青山周平。最近では地元のSGを初日からスーパーハンデで走るなど、乗り手の充実度が客観的なハンデ位置にまで影響を及ぼしている。前走の川口GIでは通常の最重ハンに戻っていたが、総合力は上位。今回も通常のハンデ位置からの競争になりそうで、追い込むレースが多い青山にとって展開面では有利になる。実力者・高橋貢は近況、迫力をやや欠いている。しかし、これまでの経験を活かした冷静な走りで上位進出は可能。吉原恭佑、内山高秀、田村治郎なども堅調。新井恵匠は前走で優出しており状態は上向き。
外来勢で脅威なのは鈴木圭一郎。前走の川口GIではしっかりと優勝戦まで進出していた。結果は4着だったが、シリーズを通してみれば悪くない内容。今回のムーンライトは2016年に制しており、今回は2度目の優勝に期待がかかる。同じく浜松地区で注目は木村武之と伊藤信夫。木村は前走の川口GIで優出し3着。初日の7着以外は全て車券に絡む活躍でエンジン状態は上々。伊勢崎走路との相性も良い。伊藤信は前走の川口GIの初日に反則失格。ただし、今年は今回と同じ伊勢崎走路でSGを久々に獲っている。その時の動きを出せれば面白い。
川口勢は永井大介と中村雅人が優勝争いに参加してきそうだ。エンジン状態としては両者とも並だが、永井はこのムーンライトを2度制している。勝ち方は熟知している。中村は過去に浜松のGIゴールデンレースで大会4連覇を達成している。早川のムーンライト4連覇阻止へ、全力で臨んでくるか。他では佐藤摩弥、佐藤裕二、森且行あたりが鋭いスタートからの速攻を披露しそう。
山陽勢は松尾啓史が前走の川口GIで優出。優勝戦は6着だったが、それまでの4走は全て車券に絡めていた。試走タイムがしっかりと出ている時は、落ち着いたレース運びで勝負圏内にまで浮上してくる。佐々木啓も近況は悪くない。前走の地元ミッドナイトでは初日から連勝で優出。優勝戦は台風接近のため中止になったが、エンジンは高いレベルにある。その優勝戦には篠原睦、田中茂も出場する予定だった。こちらの両者も要注目だ。浦田信輔はエンジンが仕上がっていない現状だが、並かそれ以上になれば強烈な突っ込みで車群を縫ってくる。
A級では鈴木聡太と小林悠樹が、前走となるそれぞれの地元一般開催で優勝しての参戦。S級陣を脅かす存在になるか。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
青山 周平〔伊勢崎 S-1(31期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-3(29期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-5(22期)〕
鈴木 圭一郎〔浜松 S-2(32期)〕
木村 武之〔浜松 S-17(26期)〕
永井 大介〔川口 S-6(25期)〕
中村 雅人〔川口 S-7(28期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-9(23期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-16(26期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-10(23期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-19(26期)〕