S級両者の一騎打ちか、それとも!
前回の山陽ミッドナイトは、最終日が荒天のため中止。優勝戦が行われなかった。今回も前回と同様に各レース6車立て。全9Rでシリーズが執り行われる。台風が多くなる時期ではあるが、最後まで開催されることを願いたい。
今回出場するS級は2名。地元山陽の藤岡一樹と飯塚の重富大輔だ。両者とも前走は川口のナイターGI。藤岡はシリーズ中に白星はなかったが、肝心の準決で2着に入り優勝戦進出。結果は7着だったが、ここ一番での勝負強さを証明した。このまま勢いに乗りたいところ。重富は準決6着で優勝戦には進めなかったが、3日目と最終日に白星。そして、連日試走タイムは出ていたので、エンジン面は悪くなさそうだ。
地元A級では、前走の浜松はイマイチだったが、その前の8月の山陽ミッドナイトで優出し3着に食い込んだ長田恭徳に注目。今年は地元のGIで優勝するなど今が一番の成長期。ミッドナイトレースにもうまく対応しているし、今回もメンバー的に優出は十分できそう。捌きの鋭さでは人見剛志が上。こちらは長田が3着だったミッドナイトの優勝戦で2着に入っている。レース間隔はやや空くが、地元走路で同じ時間帯の競争なのでそれほど心配はない。小栗勝太は前走のミッドナイトではまずまずだった。更に、その前の昼間開催では4連勝で完全優勝を達成している。エンジンが好調の今は乗り手の方の走りも冴えている。他では稲原良太郎や田方秀和などが好気配。
外来A級は、和田健吾が前走の地元で優出しての参戦。優勝戦は7着だったが、初日と2日目は白星を挙げている。ハンデ位置を活かしての速攻が得意。同じくスタート力ある平塚雅樹も速攻を得意とする。レース後半は動きが止まるケースもあるので、とにかく序盤でケリを付けたい。西川頼臣は逆にスタートが不安。そこさえこなせれば道中はスピードに乗った走りを展開できる。飯塚の阿部仁志は捌きが的確。未だ優勝経験がないのが不思議なくらい。竹中修二も近況はまずまずの推移。人気薄なら特に狙ってみたい一車。
B級では、吉松優輝が前々走の山陽ミッドナイトで優出。まだまだ伸び代が大きく、1走ごとに走力を増してくるのでレースごとに注意を払いたい。浜松から来場する中村晋典、青嶋裕治、野上史豪なども最近は車券に絡むシーンが増えている。
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主な出場予定選手
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藤岡 一樹〔山陽 S-48(29期)〕
重富 大輔〔飯塚 S-47(27期)〕
長田 恭徳〔山陽 A-5(32期)〕
人見 剛志〔山陽 A-22(28期)〕
阿部 仁志〔飯塚 A-29(29期)〕
和田 健吾〔浜松 A-181(28期)〕
平塚 雅樹〔浜松 A-116(31期)〕
吉松 優輝〔飯塚 B-39(33期)〕
S級は外来のみ、地元の牙城を守れるか!
今回、地元の出場選手はA級とB級だけ。S級は飯塚から有吉辰也と鐘ヶ江将平、それに山陽から岩崎亮一の3者だけ。地元勢は手薄になるが、走りに特徴ある選手は多く、外来勢をしっかりと迎え撃つ。
まずはS級3車の近況から。3選手とも前走は今回と同じ川口走路で、ナイターGIだった。有吉辰也は初日に白星があったが、その後は失速。準決も6着で優勝戦には進めなかった。ただし、その前の伊勢崎SGでは準優勝をしているし、ナイターから昼に移行するとはいえ、前回の川口である程度のセッティングを掴んでいるだろうから、今回はキッチリと合わせてくるか。底力だけを見れば、出場選手の中で断トツ。優勝候補の筆頭に挙げられる。
鐘ヶ江も前走の川口ナイターGIではイマイチだったが、その前の伊勢崎SGでは存在感を示していた。エンジンさえ折り合えばパワーある走りを披露できるはず。岩崎は前走の初日は白星だったが、有吉と同様にその後は失速。それでも走力としては今回出場する中では上位。エンジンが並かそれ以上になれば優勝争いに参加できる。
その川口ナイターGIで準優勝だったのが中村友和。それも5日間のシリーズでオール連対だった。エンジンが良いのはもちろんの事、課題のスタートが良くなってきた面も大きいが、今回はハンデ戦が増えるので、スタートにそこまで比重を置かなくてもよい。最後方から怒涛の追い込みを見せてくれるだろう。浜松勢といえば鈴木健吾も好調。前走の地元開催では優勝戦まで進んでいた。スピードが持ち味で、バラける展開で結果を残しやすい。他にも鈴木静二、筒井健太の速攻や、野田光宏の渋太い走りにも注目したい。また、長欠明けで今年まだ2節しか走っていない斎藤正悟だが、ブランクを感じさせない走りを見せている。
地元A級ではスピードある加賀谷建明や、道中の追い込みが鋭い中野憲人、混戦で力強い差しを決められる影山伸などが奮起しそう。佐藤正人、山田真弘あたりもエンジンはまずまず。逃げる展開なら石井大志、上和田拓海なども連に絡んでくるだろう。
B級では浜松の新人・佐藤大地が前走の地元で初優出。結果は8着だったが、初日から連勝を決めるなど上達が著しい。
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主な出場予定選手
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有吉 辰也〔飯塚 S-20(25期)〕
鐘ヶ江 将平〔飯塚 S-37(31期)〕
岩崎 亮一〔山陽 S-23(25期)〕
鈴木 静二〔浜松 A-1(20期)〕
中村 友和〔浜松 A-10(32期)〕
加賀谷 建明〔川口 A-3(27期)〕
中野 憲人〔川口 A-9(24期)〕
影山 伸〔川口 A-32(22期)〕
キューポラVの早川清太郎が凱旋!
今回の伊勢崎ナイターは3日間の短期決戦。この後にGIムーンライトが控えており、そこに出場する選手にとっては最終調整の意味合いが含まれる。今、最も勢いがあるのは早川清太郎。苦手意識のある遠征先で記念レースを制覇しており、今回は意気揚々と地元に凱旋。2節連続優勝に期待がかかる。
その早川は川口で初日から万全の状態だった。調整に頭を悩ませる事なく、乗る方に集中できたのは大きい。今回は走路が変わるが、地元での強さはこれまでの走りで証明済み。きっちりとエンジンを折り合わせて、シリーズリーダーとしての走りを披露する。
それに待ったをかけるのは絶対王者・高橋貢。前走である川口の記念では見せ場を作れなかったが、エンジンが大きく崩れていた訳ではない。その前の地元SGでは優勝戦まで進んでいるように、エンジン自体はある程度の位置にある。今回は地元に帰って仕切り直し。経験に裏づけられた確かな捌きで軽ハン勢を蹴散らせていく。
内山高秀も川口の記念では準決8着で優勝戦には進めなかったが、その前の地元SGで優出を果たしていた。結果は6着だったが、SGの優勝戦に乗れた事は大きな自信になる。田村治郎、新井恵匠の30期コンビは近況低迷中。絶不調ではないが、本来の元気ある走りが見られていない。エンジン的な立て直しが急務になる。吉原恭佑はまずまず。川口では優出できなかったが、シリーズ中に3回車券に絡むシーンが見られた。同様に松本やすしも川口では3回車券に絡めていた。道中もエンジン的には余裕ありそうだった。S級になってから苦しんでいるのは森村亮。展開的に恵まれないと上位進出は厳しい現況。
A級の中では浅香潤に注目。前走の地元一般開催では初日から3連勝の完全優勝を決めた。エンジンが仕上がっているのはもちろんの事、スタートの方も切れていた。かつては伊勢崎2番手に君臨していた時期もある。スピード的にはS級となんらそん色はない。その優勝戦に乗っていたのが岩田行雄、伊藤正真、竹本修、湯浅浩など。岩田は変わらぬ果敢な走りで初日から連勝。優勝戦では3着に入線していた。伊藤正真は成長盛り。課題のスタートにも一定の改善が見られている。竹本と湯浅は堅実な走りで番手を上げていく。
B級では深沢悟が好調。現在6走連続で連対中だ。ハンデ位置を活かしたイン粘りで結果を残している。内越忠徳、石川岳彦らもエンジン中堅上位で、戦える機力を有している。新人34期では石川哲也と野本佳章が奮戦中だ。
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主な出場予定選手
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早川 清太郎〔伊勢崎 S-3(29期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-5(22期)〕
吉原 恭佑〔伊勢崎 S-18(32期)〕
新井 恵匠〔伊勢崎 S-21(30期)〕
内山 高秀〔伊勢崎 S-30(26期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-13(29期)〕
角南 一如〔山陽 S-45(27期)〕
滝下 隼平〔飯塚 S-44(28期)〕
早川清太郎がキューポラ杯初制覇!
川口オートで行われていた第44回GIキューポラ杯は、伊勢崎の29期・早川清太郎が制した。早川はこれまで6度、GIを制しているが、全て地元のタイトル。今までは遠征先でのGIには縁がなかったが、今回で初めて地元以外でのGIタイトルを獲得した。
優勝戦は良走路で行われ、試走タイムは鈴木圭一郎が31でトップ。次いで早川清太郎が32、中村友和と木村武之が34、藤岡一樹と松尾啓史が35、森谷隼人が38、岩田裕臣が最も悪くて39だった。
10Mオープン戦でのスタート争いは2枠から森谷が飛び出し中村が続いていく。最内の岩田は先行できなかったが3番手で踏ん張り、5枠から木村が出ていく。藤岡もなんとか頑張り、6枠から外は枠ナリ発進。
トップスタートを決めた森谷だが、早々と中村に交わされてしまう。中村が逃げ態勢に入った。2番手には木村が上がっていた。ここで木村は中村を抜きにかかりたかったが、車が思うように進まない。やがて早川が岩田と森谷を交わすと3番手に浮上。粘る木村に手間取ったが、タイミングを見て早川が木村のインに突っ込んでいく。そこからは中村と一騎打ち。青旗すぎに早川が中村のインに車をねじ込む。すぐさま中村は逆転の差しを狙うが、入り切るまではいかず、早川が先頭でゴールを切った。2着は中村、3着争いは接戦となったが木村が僅かに鈴木圭を振り切り先着を果たした。
早川はこれでGI7度目の制覇。これまで制したGIは全て地元でのモノであったが、初めて遠征先でのタイトルになった。課題とされていた地元以外の走路でも結果を残してみせた。スタートの不安は解消されているし、追い込みの鋭さは全国屈指。SGはまだ制していないが、未戴冠の選手の中で最もSG初制覇に近い選手。その前にまずは9月に地元のGIムーンライトが待っている。この大会はこれまで3連覇中。同一GI4連覇へ向け、視界も良好。ここで偉業を達成し、その後のSG大会に弾みをつけたい。
今回の山陽ミッドナイトも6車9R制!
前回の山陽ミッドナイトは初の試みで各レース6車立て。今回も同様に6車立ての全9R制で開催が行われる。早退者が出て、補充選手の確保ができないと5車立てになるケースもある。前回も5車立てのレースが散見された。本来の8車立てとは大きくレース展開が変わってくるが、これも新たな趣向。これまでにないレース形態を楽しみたい。
参加するS級は全部で6名。地元山陽からは2名で佐々木啓と岡部聡。どちらも前走は伊勢崎のSGだった。佐々木は準決までこぎつけたが4着の結果。シリーズ中に白星がなく、不本意な内容で終わってしまった。しかし、スタートを含めて序盤の展開作りがうまくいかなかっただけで、エンジン自体は試走タイムが出ていたように悪くはなさそうだった。岡部は2日目に重走路で2着があったが、それ以外はパッとしなかった。試走タイムからやや劣勢だった。
飯塚からはS級が4名参戦。篠原睦、久門徹、田中茂の飯塚26期三羽烏に28期の桝崎陽介だ。篠原は前走のSGでは準決5着だったが、それ以外の4走はマズマズの結果。久門はSGで準決4着。最終日は2着に食い込んだ。その後は浜松遠征に行っていたが、ここでもマズマズの結果を残していた。田中茂は前走がSGだったが成績はイマイチ。試走タイムも出ていなかった。桝崎は前走が山陽4日間開催だった。準決は7着だったが、それ以外は全て車券に絡めていた。
A級の中にもS級に匹敵する走力の持ち主は多い。人見剛志は長らく軽いスランプに入っていたが、前走のミッドナイトはオール連対での準優勝。これを機に完全復活を図りたい。同じレースには松井大和も乗っていた。エンジンが並になれば強気な攻めを見せる面もあるので、今は狙い時と言える。山陽の昼間開催で優勝したのは小栗勝太。それも初日から4連勝の完全優勝だった。走りのセンスは元々悪くなく、若手の部類なのでこのまま勢いに乗るか。その優勝戦で3着だったのが矢野正剛。その後のミッドナイトでも好成績を収めた。
飯塚勢では別府敬剛が前走のSG最終日に白星。今回に流れをつなげた。中尾貴志は前走の伊勢崎一般開催で初日から2着を3本並べ準優勝。スタートダッシュが決まっていた。その優勝戦で6着だったのは田中輝義。自身初優勝への期待もかかっていたが、次回に持ち越しとなった。牧瀬嘉葵、竹中修二らは山陽の昼間開催で優出。その後のミッドナイトでも悪くはなかった。
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主な出場予定選手
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佐々木 啓〔山陽 S-9(23期)〕
岡部 聡〔山陽 S-41(19期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-19(26期)〕
久門 徹〔飯塚 S-28(26期)〕
田中 茂〔飯塚 S-34(26期)〕
桝崎 陽介〔飯塚 S-36(28期)〕
人見 剛志〔山陽 A-22(28期)〕
別府 敬剛〔飯塚 A-8(23期)〕