荒尾聡が地元タイトルを死守!
GIIオーバルチャンピオンカップの優勝戦は、地元27期荒尾聡が制した。試走一番時計に応える堂々たる走り。久しぶりに存在感を示してくれた。
先述の通り試走は荒尾が一番時計の30だった。次いで、永井大介と鈴木圭一郎が31。桝崎陽介と大木光が32。中尾貴志が34。森本優佑が35。平塚雅樹が36だった。
レース展開は極めて簡潔。と言うより1周目に集約されていた。まず0ハンの森本はしっかり残した。10線からは中尾がややへこみ、平塚が先行した。1周バックストレッチでは森本と平塚が重なる形。そこを、鈴木がまとめ差し敢行。2車を抜き去ったが、立ち上がりで少し流れてしまう。その隙を見逃さなかったのがスタートで好位に付けていた荒尾だ。ハラんだ鈴木のインに入り首位を奪取。そこからは一人旅だった。中盤までは鈴木も食らいついていたが、終盤になると差が広がってきた。最後はセーフティリードを保ったままゴール。2着には鈴木。3着は早い段階で3番手に付けていたものの、そこから差を詰められなかった永井が入った。中団から後ろの方もあまり変動のない展開だった。
荒尾は久々の記念V。去年くらいから急激に成績が悪くなっていた。それでも一般開催では優勝できる動きはあった。それが今回、地元の記念で優勝。本人にとっても嬉しかったことだろう。勝ち方はまさに荒尾らしかった。武器のスタートで好位置に付けると、チャンスどころでは迷いなく突っ込み首位に浮上。そこからは独走でペースを上げる展開。しかし、去年の荒尾はこれができていなかった。スタートも行ききれず、先頭に行ったとしてもペースが上がらずイン抑えるだけのレース。これでは記念で勝つのは難しい。ところが今回の荒尾は違った。先頭に立ってからペースを上げる走りができていた。
デビューしてすぐトップクラスにのし上がり、常に最前線で活躍していた荒尾。軽いスランプはあったが、これを機に再び快進撃を見せてもらいたい。
地元勢充実!その牙城は固い!!
今回出場するS級選手は9人の予定。A級が全選手の大半を占め、ハンデとエンジン状態によっては誰にでもチャンスはある。特に、この時期は雨の日が多いので、重走路を得意とする選手は活躍の場が広がる。
S級選手は全員、前走が山陽のGIプレミアムカップだった。そのシリーズでひと際目立っていたのが金子大輔。予選中の2日間は重走路になり、エンジン合わせづらいコンディションながら優勝戦にはキッチリ仕上げてきた。そして、嬉しいプレミアム初優勝。レース中の冷静さが持ち味だった金子は近況、整備力もメキメキと付けている。大整備も苦にせず、エンジン良くなるまでは手を緩めることはない。選手としての総合力が増している。
そのシリーズで優出したのは木村武之と前田淳。木村は状況対応力の高さを見せて準決を突破。前田も良い状態のエンジンを活かし切り、地元で結果を残した。この2人は今回、初日から狙っていける。佐藤貴也は準決3着で優出を逃したが、仕上がり自体はマズマズ。同期の金子に追いつけ追い越せと頑張っている。船橋の内山高秀も準決3着と惜しいレースだった。エンジンはやや日替わり状態だが、乗り手がしっかりしているので大丈夫。人見剛志も晴れに関しては悪くない動き。笠木美孝、早川清太郎、浜野淳はエンジンやや低調。立て直していきたい。
A級では筒井健太や小林悠樹が好調。共に、前走の船橋で優出している。どちらもスタートが早く、一気の攻めができる選手。短ハンデ戦ほど威力が増すタイプだ。鈴木辰己は前走の地元開催で優出。スタートの切れは変わらず良い。レース序盤の動きが最後まで続けば活躍できる。その開催で優出したのが32期の鈴木宏和。優勝こそ未経験だが、1級車に乗ってから着実に成長している。他に32期は中村友和や松本やすし。どちらも近況は一息だが、勢いに乗ったら止まらないタイプ。岡谷美由紀もだいぶコース取りが安定してきた。上がりタイムも47近辺なら安定して出せる。岸萌水は約2ヶ月振りのレース。初日の試走は注意して見たい。
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主な出場予定選手
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金子 大輔〔浜松 S-4(29期)〕
木村 武之〔浜松 S-6(26期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-9(29期)〕
浜野 淳〔山陽 S-10(24期)〕
前田 淳〔山陽 S-18(27期)〕
人見 剛志〔山陽 S-40(28期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-15(29期)〕
内山 高秀〔船橋 S-25(26期)〕
鈴木圭一郎が記念初Vへ!
重走路での準決勝戦となったGIIオーバルチャンピオンカップは、やや変則的な勝ち上がりだった。1、2Rの準決勝からは各1人ずつ。10~12Rの準決勝は各2人ずつで、計8人が出揃う。1、2Rで早々と優出を決めたのは森本優佑と中尾貴志の地元31期両者。後半3個レースからは、荒尾聡、鈴木圭一郎、永井大介、大木光、桝崎陽介、平塚雅樹が優出を決めた。
優勝戦当日の天気は、午前が雨で昼過ぎに曇りに変わる予報。優勝戦の時間までに走路が乾けばいいが、一部濡れたブチ走路になる可能性もある。当ブログでは、良走路の場合とブチ走路の場合と2つの予想をしていく。
まず良走路。
雨で勝ち上がったメンバーなので、順当に考えれば永井が有利。ただし、枠を考えるとよほどのカマシが決まらない限りは展開的に厳しくなる。鈴木は最近の記念レースの準決で失敗するケースが多かった。しかし、今回はしっかり乗り切って優出。スタートは早いし、枠的にも有利と言える。早めに先頭に立ち、ブッチ切りのレースを見せてくれそう。他では、実績ある荒尾が武器のスタートで好位に付けてきそう。意外性あるのは中尾。ここ何節も好調が続いており、記念初Vへ意欲はマンマン。桝崎もエンジン仕上がっており、好走も十分だ。
◎鈴木圭一郎
○永井大介
△荒尾聡
△中尾貴志
▲桝崎陽介
そしてブチ走路。
ブチ走路は走路の一部が乾いている状態の走路。基本的には雨巧者が得意ではあるが、雨が苦手でも多少は乗れる選手がいたり、ブチ走路が大好きという選手もいる。腕がどうこうより気合の面が重視される傾向もある。結局は飯塚のブチ走路を走っている経験の多い選手が圧倒的有利になる。走路の特徴を熟知しているのは荒尾。次いで、桝崎か。気合の面では大木も引けを取らない。総合力から永井も上位争いに参戦してくるだろう。一発あれば中尾あたり。
◎荒尾聡
○桝崎陽介
△大木光
△永井大介
▲中尾貴志
熱走路での競り合いは見もの!
約一ヶ月ぶりの川口開催で、前回とは気候も大きく変わっている。元々、タイヤの食いつきが悪い川口走路は、温度が上がると更に滑る走路になる。この状況に素早く対応できる選手が好成績を残せる。
地元のS級は5人の予定。ランクトップの佐藤裕二は、山陽GIで準決までは行った。このシリーズは天候が良くなく、エンジン状態を掴みにくい開催だった。地元に帰ってくればいつも通りの力を発揮するだろう。森且行は近況、エンジンやや回復傾向。一時期の軽いスランプは脱出している。加賀谷建明は山陽GIの初日に反則をしているが、内線突破なので走りにはそれほど影響はない。中野憲人はオープン戦は苦手なので、前走の山陽GIでは活躍できなかった。しかし、一般開催のハンデ戦なら鋭い追い込みを見せてくれる。青木治親は、エンジンが少しずつ良くなっている。センスある走りを披露してもらいたい。
対する外来勢では、新井恵匠に注目。前走の山陽GIで優出した。果敢な走りが身上で、エンジンが良い状態だと名前負けしない気持ちの強さがある。まだ若手の部類なので、勢いに乗ったときは手が付けられなくなる。安定感で言えば佐々木啓が上位。前走の山陽GIでも準決こそ3着だったが、それ以外は1着3本を含むオール連対。どこのレース場に行ってもエンジンを合わせられる技術がある。更に、最近は攻めが積極的になっている。レース後半でもインをゴリゴリ攻め込んで行っている。松尾啓史、西原智昭らもマズマズ良い。一般開催なら十分通用する状態だ。逆に青島正樹や鈴木慶太らは、やや迫力を欠いている。整備での立て直しに期待。プレミアムを休場した高橋貢は初日の試走を注視したい。
今節の32期は、益春菜、押田幸夫、小林瑞季、町田龍駿。益は前走の飯塚で優出。近況は益にとって優出は当たり前の事になっている。それだけ着実に力を付けていると言える。小林も近況はマズマズだし、押田も少しずつ良くなってきた。町田は長欠後に1節走っているので、乗り手の感覚は戻っているか。
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主な出場予定選手
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佐藤 裕二〔川口 S-16(24期)〕
森 且行〔川口 S-19(25期)〕
加賀谷 建明〔川口 S-27(27期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-3(22期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-17(23期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-22(26期)〕
青島 正樹〔浜松 S-34(22期)〕
西原 智昭〔船橋 S-39(28期)〕
飯塚で今年初のナイター開催!
今回の飯塚は、昼の川口10R制開催とのリレー発売でナイター開催。昼間とはまた違った迫力あるレースが見られる。GIIなので各地区から強力なメンバーが参戦。どのようなシリーズになるのか。S級選手とA級上位の選手は、前走が山陽のGIプレミアムカップだった。その時の走りを中心に、注目選手の近況を追ってみる。
地元大将格・浦田信輔は山陽では雨に泣かされ準決に乗れなかった。良走路での走りもやや迫力を欠いていたが、まあそれほど問題はないだろう。地元勢の精神的支柱となる。ランク次位の篠原睦は山陽で2勝を挙げた。マズマズの状態と言える。荒尾聡は3連勝で迎えた準決で珍しく反則を犯し、失格となった。エンジン自体はかなり高い位置にある。他の地元S級選手達はピリッとしないが、安定感では田中茂がやや上位。厳しい展開でも突破できる力強さがある。岩見貴史、久門徹らは武器の速攻に期待。竹谷隆、別府敬剛らは雨走路で活躍できる。
外来勢で最も有力なのは永井大介。山陽では準決で不利を受け落車してしまった。最終日の動きもイマイチだったので心配の種を残しているが、整備力はある方なので立て直しに期待。エンジンが並になれば、あとは腕でカバーし上位争いに参加できる。山陽で活躍したのは田村治郎と伊藤信夫。このところ田村はエンジン絶好調で、脅威的な試走タイムを出す時がある。もう少し捌きが身についてくれば、記念タイトルを次々と奪取する可能性を感じさせる。伊藤は課題だった雨走路を多少こなすようになり、シリーズの勝ち上がりで有利に働くようになった。エンジンもマズマズ良い状態にある。山陽の準決は8着だったが、それ以外の4日間は全て3着以内だったのは平田雅崇。かつての強気な走りが戻ってきている。岩崎亮一や大木光もエンジン崩れているわけではないので、ちょっとした所で仕上げてくるかも。
S級以外では越智尚寿、中尾貴志、平塚雅樹らが勢いある。高橋義弘も武器のスピードを活かせる展開になれば威力倍増。注目の32期は、同期で実力ナンバー1の鈴木圭一郎が参戦。各地の記念レースでも存在感を示しつつある。大事な準決で凡走するケースがあるので、その辺が目下の課題。地元の佐藤裕児も負けていられない。前評判はかなり高かったので、ここらでもうひと皮剥けて欲しいところ。
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主な出場予定選手
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浦田 信輔〔飯塚 S-7(23期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-8(26期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-11(27期)〕
永井 大介〔船橋 S-2(25期)〕
岩崎 亮一〔山陽 S-12(25期)〕
大木 光〔川口 S-26(28期)〕
伊藤 信夫〔浜松 S-31(24期)〕
田村 治郎〔伊勢崎 S-38(30期)〕