高橋貢の独壇場だ!
今節は5日間開催のロングシリーズながら、昼間に浜松で記念開催が行なわれる関係で、伊勢崎の方は連日10R制。普段より2個レース少ないが、各レースの選手の濃度はギュっと締まっている。
出場するS級選手は5人のみ。最も有力なのは地元の王者・高橋貢。前走は船橋のGⅠで、しっかり優出していた。エンジンが仕上がらず、優勝戦では苦しんでいたが、地元に帰ってくれば更なる上昇の余地もある。ナイター開催のアドバンテージをフルに活かしそう。地元で参戦のもう一人のS級は早川清太郎。前走は地元5日間開催で優出し5着。予選道中も1着を2本挙げるなどエンジンは上々だった。早川にとって、メンバー的にはだいぶ軽くなるので優勝のチャンスも十分。
外来のS級は3人。ランクトップは片平巧。近況は、欠場が多くエンジンも安定しない。動向が掴みにくいので初日は様子を見たほうが良さそうだ。同じ地区の船橋から五十嵐一夫も参戦。前走は地元GⅠで、1勝を挙げるだけで終わったが、今回のような一般開催なら主力級として成績を残せる。最後の一人は川口の中野憲人。前走は直前の地元開催で、しっかりと優出し3着。この開催では苦手のスタートもソコソコ切れていた。
A級の中にも好調者は多い。32期の松本やすしは前走の飯塚開催で優勝を決めてきた。そうそうたるメンバーを相手にしての優勝は、かなりの自信になったことだろう。川口の高橋義弘は前走の船橋GⅠは、優出こそ逃したがエンジンはマズマズ。S級選手と変わりない実力の持ち主だ。船橋では早船歩と小林悠樹が好調。早船はロングハンデ戦より、短ハンデ線で持ち味を出せる選手。小林は鋭いスタートからの速攻が持ち味。飯塚の鐘ヶ江将平は、近況ドドドに悩まされているが、それでも試走タイムは出ておりエンジンは上々。ドドドさえ完全になくなれば強烈な追い込みを披露できる。
B級の中では小田雄一朗、松村真、鈴木孝治に注目。小田は前走の地元5日間開催で、1着2本、2着と3着を1本取っている。スタートに課題を残しているが、エンジン自体はかなり良い。松村は船橋で行なわれたB級優勝戦で優勝。シリーズ中もオール連対の安定っぷり。鈴木孝も同じ船橋B級戦で優勝戦まで進んでいる。
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主な出場予定選手
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高橋 貢〔伊勢崎 S-3(22期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-15(29期)〕
片平 巧〔船橋 S-28(19期)〕
五十嵐 一夫〔船橋 S-45(21期)〕
中野 憲人〔川口 S-41(24期)〕
三浦 康平〔伊勢崎 A-7(28期)〕
鐘ヶ江 将平〔飯塚 A-6(31期)〕
高橋 義弘〔川口 A-9(29期)〕
中村雅人が大会4連覇に挑戦!
浜松GIゴールデンレースは、直近の3年間は中村雅人が制している。過去には浦田信輔が4連覇を達成しており、中村も浦田の記録に挑む年になる。もちろん地元勢や他の選手も黙っているわけではない。優勝争いは混沌としている。
注目の中村は前走の地元GIを制しての参戦。最も良いかたちで今回に乗り込めた。今年はまだ優勝が1回しかないが、これを機に快進撃が始まりそう。同じ優勝戦で4着に敗れたのは青山周平。スタートを決め、独走の展開だったが、後半は失速してしまった。しかし、今回の浜松は周知の通り相性の良い走路。完全復活の狼煙を上げるには打ってつけだ。更に同じ優勝戦で3着だったのは木村武之。シリーズを通してエンジンは安定していたし、優勝戦も楽ではない展開から3着まで行けたのは流石。金子大輔と共に地元勢を奮起させる存在になる。その金子の前走も船橋GI。3日目と準決はイマイチだったが、それ以外は全て1着。仕上がり的にはそう悪くない。同じ船橋GIに出ていた笠木美孝、池田政和、角南一如、森且行、鈴木慶太、田村治郎らは状態イマイチ。西原智昭はマアマアの仕上がりだ。永冨高志は最終日に落車しているので、初日の試走を注意して見ておきたい。
他に好調なのは浦田信輔。前走は地元の5日間開催でオール連対。優勝戦も2着の内容だった。雨さえ降らない限りは連に絡んできそう。そのシリーズで同じく優勝戦に乗っていたのは岡部聡。ここ何節も大崩れすることなく、持ち味の安定感を保っている。こちらは雨が降っても問題ない。前田淳も同じ飯塚5日間で走っていた。準決は3着で優出できなかったが、全体的には悪くなさそう。久門徹も同じく準決3着だったが、5日間で1着を3本挙げており戦える状態にある。
直前まで川口で走っていたS級は、若井友和、大木光、加賀谷建明、青木治親。若井と加賀谷が優勝戦まで進んだ。結果は5着と7着だったが、エンジンの状態はマズマズ良い。大木にしても準決以外はオール連対を果たしているので、悪い状態とは言えない。青木はもう少し欲しい現状か。
今回、地元の佐藤貴也と青島正樹はSG以来のレース。約一ヶ月振りとなり、当時とは気候も変わっているので初日の動向には注意だ。伊藤信夫は前走が飯塚5日間開催だったが、エンジンは日によってムラだった。それでも1着を3本取っているのだから、エンジン本体は良い。その日の気候にセッティングを合わせられるかどうかだけだ。
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主な出場予定選手
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金子 大輔〔浜松 S-4(29期)〕
木村 武之〔浜松 S-6(26期)〕
中村 雅人〔船橋 S-1(28期)〕
青山 周平〔船橋 S-5(31期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-7(23期)〕
岡部 聡〔山陽 S-14(19期)〕
森 且行〔川口 S-19(25期)〕
田村 治郎〔伊勢崎 S-38(30期)〕
個性ある選手が多数参戦!
今節はS級選手こそ5人のみだが、各地区から個性豊かな選手が多数参戦する。優勝争いに顔を出しそうな選手や、走りに特徴ある選手を挙げていく。
今回の実力ナンバー1は田中茂。熱走路であっても最後方からしっかり追って行ける選手だ。前走は地元一般開催で優勝戦3着。予選道中もオール3着以内と、抜群の安定感を誇っている。今シリーズの中心的存在になる。田中と同じ優勝戦に乗っていたのは越智尚寿と中尾貴志。越智は優勝戦は6着だったが、そこまで2,1,1,1着とかなりの好内容。中尾も完全にスランプを脱出しており、今後の活躍に期待できる。前節では最重ハンの10M前で走っていたので、ハンデの変動がないかどうかだけは初日の番組でチェックしておきたい。
岩見貴史、滝下隼平ら地元S級は前走の地元開催の準決で共に3着と、優勝戦には乗れなかったが、シリーズを通してエンジンはソコソコ良さそうだった。山陽のS級・藤岡一樹は前走の川口では散々だった。まだまだエンジンが安定せず、日によってムラが大きい。本来はスピード豊かな選手なので、捲り主体の豪快な攻めを見せてもらいたい。もう一人のS級・人見剛志は前走の伊勢崎ナイターで優出。準決では高橋貢のインを窺うような動きもあったので、エンジン状態は良さそうだ。もちろん捌きの良さは周知の通り。
船橋のA級オープン戦で優勝してきたのは辻大樹。連日、0オープンの大外から素晴らしいスタートを切っていた。優勝戦でも好スタートから気合の走りを見せて優勝。流れは良いと言える。同じ優勝戦で3着だったのは藤川幸宏。優勝戦までの3日間はオール2着と復調気配が窺える。船橋のB級オープン戦で活躍していたのが、上村敏明、小松久二一、浜田忠司。上村は4日間オール連対で準優勝。小松は優勝戦こそ7着だったが、そこまでの3日間はオール1着。浜田も連日渋太いレースを見せていた。この3人は走路が熱くなればなるほど展開は有利に働く。
注目の32期は佐藤裕児が、伊勢崎ナイターで完全優勝を決めてきた。優勝戦はフライングしてしまったが、圧倒的人気に応える見事な走りだった。今節はハンデが重くなりそうだが、早めに抜け出せる展開なら問題ない。高宗良次も日々、精進中。捌きはまだ不安を残しているので、単騎の0ハンに置かれたら積極的に狙っていきたい。今回は女性ライダーは2人で岡谷美由紀と藤本梨恵。共に、着実に力を付けている。藤本はスタートが大幅に良化し、同ハンに多数選手が置かれてもトップスタートを切るシーンが見られた。岡谷も一人で逃げる展開ならアタマ固定で買える近況。
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主な出場予定選手
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田中 茂〔飯塚 S-13(26期)〕
岩見 貴史〔飯塚 S-21(29期)〕
滝下 隼平〔飯塚 S-37(28期)〕
人見 剛志〔山陽 S-40(28期)〕
藤岡 一樹〔山陽 S-43(29期)〕
辻 大樹〔飯塚 A-10(28期)〕
丹村 飛竜〔山陽 A-15(29期)〕
塚越 浩之〔伊勢崎 A-23(23期)〕
充実地元勢がその牙城を守る!
今回参加するS級選手は地元川口の選手のみ。A級選手は外来も多数参戦するが、今回は地元が優勢と言える。どのような争いが展開されるのか。
S級で前回の地元3日間開催を走ってないのは若井友和のみ。若井の前走はSGオールスターで、その時は成績が振るわなかった。しかし、今年は地元走路で素晴らしい結果を残しているので、地元でのレースなら心配ないか。それ以外のS級は、全て前走が地元3日間開催。そこで優出したのは大木光と中野憲人、更にA級から木村悦教。大木は優勝戦で中村雅人のインを窺うほどの仕上がりだった。中野は展開を作れず5着だったが、エンジン自体はマズマズ良さそう。優勝戦に乗れなかった佐藤裕二や加賀谷建明にしても、エンジン的に全くダメと言うわけではなさそう。一般開催なら十分通用する動きはあった。唯一、青木治親だけは明らかに仕上がり不足。早急な立て直しが要される。
先述の通り、外来のS級は不在。A級とB級のみになる。外来で最も注目なのは中野光公。前走の地元5日間ナイター開催で優勝している。それも、高橋貢や青山周平らそうそうたるメンバーを振り切っての優勝。勢いは十分だが、今回はハンデが重くなることが想定される。それでも最重ハン10M前は元々走っていた位置なので、スタートさえミスしなければ苦にしないか。同じ優勝戦に乗っていたのは伊藤正司。走路的に滑りやすい川口は、後続を抑え込むのにはもってつけのバンク。インからインの走りで活躍しそうだ。
他では鈴木静二が前走の船橋開催で優出している。切れ味鋭いスタートからの速攻が最大の武器だ。同じ優勝戦に乗っていたのは広瀬勝光。こちらもスタートが切れており、ブッチきりの展開に持ち込むと持ち味を発揮できる。若手成長株は中村友和。着実に捌きが良くなっているし、元々スピードには定評があった。目下の課題としてはスタートか。やや散発傾向なので、これが安定してくると好成績に繋がる。軽ハンでは、高石光将や丸山浩信が直線で車が伸びており警戒が必要。
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主な出場予定選手
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佐藤 裕二〔川口 S-16(24期)〕
若井 友和〔川口 S-20(25期)〕
大木 光〔川口 S-26(28期)〕
加賀谷 建明〔川口 S-27(27期)〕
中野 憲人〔川口 S-41(24期)〕
青木 治親〔川口 S-42(29期)〕
岩科 鮮太〔浜松 A-11(29期)〕
穴見 和正〔山陽 A-42(12期)〕
中村雅人が執念の追い込み!
第38回黒潮杯の優勝戦は試走で波乱があった。4日目の準決で上がり一番時計を出していた平塚雅樹がまさかの試走落車。レースをする前に欠車となってしまった。試走一番時計は木村武之の30。次いで、青山周平と中村雅人が31。永井大介と高橋貢が33。岩崎亮一と荒尾聡が34だった。
スタートは最内の青山が先行。それに、大外から荒尾がカマシ気味に切ってきた。その後ろに中村、永井が付けるかたち。青山は序盤は大きなリードを作る。中村、永井が早々、荒尾を交わし2、3番手に付けた。5周目に入ったあたりから青山のペースが落ち始めた。そこへ、中村が捲りを仕掛け、これがきれいに決まった。永井もすかさず青山のインを狙い2番手浮上。残り2周は一騎打ちだったが、中村が永井の攻めを抑えてゴール。木村も青山を交わし3着に食い込んだ。岩崎、高橋は序盤から最後まで、いいところはなかった。
中村のレース運びのうまさが光った。逃げる青山を無理することなく追う。タイヤを使わず、冷静に状況を見ていた。そして、前を走る青山がタレてくると、ここぞとばかりに仕掛けに行く。しかも、決めるところでは一発で交わす。先頭に立ってからも見事だった。チャージをかけてくる永井を華麗に封じ込んだ。大舞台でのレース経験がなせる業。準決から優勝戦にかけて、エンジンを仕上げる整備力も流石の一言だ。中村は意外にもこれが今年の初優勝。これからもナンバー1勝負服の誇りをかけて、各地区のレース場を賑わすだろう。