26日、「ディセンバーカップ」は非常に難解な一戦となった。単純に消せる馬が1頭もいないし、1400mの距離短縮がどう出るか。B2級のほとんどのレースが1600m、1800m戦で行われるため、適性把握が難しい。
近走で1400m戦を戦ったのは「レディースジョッキーズシリーズ2011」で走ったヒドゥンアジェンダ、ケイジーウィザードの2頭のみ。この時はヒドゥンアジェンダが2着、ケイジーウィザードはそこから0秒7差離れた3着だったが、舞台は盛岡。水沢に替わればこれも基準にはならない。
今度は水沢1400m実績を調べてみるとセリトスガッテン3戦2勝2着1回。ケイジーウィザード3戦1勝2着2回。ヤマニンエグザルト5戦3勝。ヒドゥンアジェンダ2戦1勝。あとはサダチカガーベラ5戦1勝2着2回3着2回が目立つところ。
最も好成績を収めているのはセリトスガッテンは7月から思い切って休養し、4ヶ月ぶりの前走9着。これは陣営も想定内のこと。ひと叩きされてディセンバーCは予定どおりのステップ。狙った一戦とも言える。
しかし水沢1400mの結果は2歳時のこと。そのまま鵜呑みにはできないし、繊細な牝馬で久々の輸送競馬も不安。体重が大きく減っている可能性もあり、過信はできない。
最終決断はハッピーティアの勢いを重視。目下2連勝の中身を重視した。中央時代は芝をメインに使われ、ダートは未知数だったが、岩手3勝はいずれもダート戦。しかも走破タイムも文句なしだった。馬場差を考えても前走・水沢1600mで1分41秒2をマークできる馬は他にはいない。
ただ不安がない訳ではない。中央時代は芝ダートとも1800m以上を使われ、岩手入り後もマイル戦のみ。ホワイトマズル×バブルガムフェローの血統からも1400m対応ができるかどうか。
ワールドホーリングは逆に1400m短縮は大歓迎。中山ダート1200mで3着。園田2勝の1勝は1400mであげている。転入初戦を2番手から快勝し、幸先のいいスタートを切ったのも心強い。タイム見劣るのが若干気がかりだが、レース運びのうまさは見逃せない。
ケイジーウィザードはメンバー中、一番の実績を誇る。かつてA級でも勝ち負けし、今季すでに7勝マーク。近走は足踏みが続いているが、前走・師走賞は早めに動いて4角先頭に立ったのが仇となって最後の伸びを欠いた。
しかも勝ったのが桐花賞で報道推薦されたトーホクキング。相手も強すぎたと解釈すれば反撃に転じてまったく不思議はない。
バンブーキャプテンは中央500万下から転入。初戦は5着に終わったが、2戦目はタイム差なし2着。そして前回快勝と一戦ごとに上昇ムードに乗っている。武器とするのは切れる末脚。前でやり合うようだと再現のシーンまで考えられる。
オリオンザクロノスはケイジーウィザードと同じく元A級。それで1勝2着2回は不満だが、ここ2戦を2、1着にまとめて復活急。馬群をうまくさばければ台頭も十分ありえる。あとは絶好調アポロパトリオットも押さえ必要。
◎(10)ハッピーティア
○(12)ワールドホーリング
▲(5)ケイジーウィザード
△(7)バンブーキャプテン
△(6)オリオンザクロノス
△(1)アポロパトリオット
3連単は5、10、12の3頭軸から3着流し7、6、1
馬複は 10-12、5-10、7-10、6-10、1-10
<お奨めの1頭>
11R バラディー
強烈なマクリ脚で目下2連勝。レース間隔が開いたが、決して体調を崩したからではなく順調に乗り込まれている。鞍上は前日から戦列復帰した菅原勲騎手
毎年恒例の大晦日行事、岩手版グランプリレース「第37回桐花賞」(12月31日 水沢2000m)の投票結果が発表された。
堂々1位に選出されたのはゴールドマイン(1040票)。中間発表では3歳カミノヌヴォーに首位を譲ったが、見事逆転した。ロックハンドスターが南部杯で遠くに旅立ってしまったが、一貫して重特戦線をにぎわしてきたのがゴールドマイン。コスモバルク記念から始まり、岩手の看板レースにフル出場。重賞・青藍賞も快勝し、年間を通して活躍したのが評価されたと思う。
一方、カミノヌヴォーは33票差(1007票)の2位で選出された。南関東から再転入し、無傷の3連勝。3歳重賞・不来方賞、全国交流・ダービーグランプリを連勝して一躍注目の的となった。
今年の桐花賞テーマはズバリ、新旧交代なるか。ゴールドマインが先輩の意地を見せるか、それとも昨年のロックハンドスターに続いて9頭目の3歳優勝なるか。それともゴールドマインが一昨年に続いて桐花賞2度目の制覇なるか。それとも第3の馬が出現するのか。目が離せなくなった。
25日メインはB1級「銀嶺賞」(水沢1800m)。枠順、距離、ハンデなどが勝敗を左右しそうで一波乱の可能性も十分にある。
カギを握るのはオウシュウサンクスの評価だろう。前走、水沢戦は昨年11月、ダービーグランプリ以来、およそ11ヵ月半ぶり。ずっと盛岡が舞台で左回りの動きはスムーズだったが、右回りに替わって反応がひと息。久々の水沢にとまどわないか心配だったが、5馬身差で圧勝。陣営の不安は杞憂に終わった。
ただ水沢1800mの絶好枠が味方したとも解釈でき、それで水沢が大丈夫だとは言い難い。今回はよりによって大外10番枠からの発走。加えて58キロの酷量を背負わされて同様のパターンに持ち込めるかどうか。今季の活躍が目覚しい斎藤雄一騎手がどんなレースをするのか、注目したい。
本命はラブルビー。今年7月、中央から再転入して11戦10勝3着1回。調子の波が激しい牝馬にこの結果をもたらした今年開業したばかりの関本浩司調教師の手腕には頭が下がるばかりだ。
快進撃の裏付けは馬体重にも顕著に現れている。転入時が443キロで一貫して440キロ台をキープ。冬場を迎えて体が絞りづらくなっているが、それでも450キロを堅持。言うが易く行なうは難し。体調管理に細心の注意を払っていなければ、とてもできない。
ラブルビーはいわゆる箱型の体型で、おそらくベストは1600m以下。実際、レースでも折り合いに苦労する場面がままあり、1800mは気持ち長い印象。ひとまず4走前の盛岡・オクトーバーカップで距離を克服済みだが、水沢に替わってどうか。
常識的には小回りでコーナー入りが早く、折り合うのには楽なはず。何と言ってもこれまで残してきた実績がすばらしく距離もこなすと見た。
マイネルリファインは前走3着。水沢1800mに良績があり、久々を叩かれた上積みを見込んで◎としたが、一旦オウシュウサンクスに詰め寄りながら、直線で伸び切れなかった。
しかしこれで見限るのは早計だろう。レース内容を振り返れば、オウシュウサンクスを負かしに行って末が甘くなった印象。巻き返しの余地は十分にある。
テルザトゥルースは中央1勝、北海道1勝B1からの転入。活躍の場が短距離に限られていたが、1600m、1800mを無難にこなして2戦連続で2着。終いキッチリ伸びてくるのが最大のセールスポイント。
ただ過信できないのは前走2着を確保したとは言え、道中をインの経済コースを進んで一つでも着順をあげようとしていたこと。確認はしていないが、村上忍騎手は距離を意識しての騎乗。1800m戦で突き抜けれるか、不安点も多い。もちろん堅実な差し脚には敬意を表さなければならないが。
むしろ怖いのがアースグラヴィティ。8月、芝で岩手初勝利を飾ったが、その後は足踏み状態。体調も本物でなかったが、寒い季節を迎えて反撃。前走はこれまでとは一転、4番手の積極策から快勝、2勝目をあげた。
前に行っても勝ったことが最大の収穫。追い込み一辺倒では展開に注文がつくが、自力で勝てたことに不気味さが漂う。以上の馬たちとは別路線を歩み、相手強化は明らかだが、前走内容から首位に躍り出ても不思議はない。あとは目立たないが、思った以上に渋太さを披露するエプソムジャンボも押さえたい。
◎(6)ラブルビー
○(5)マイネルリファイン
▲(10)オウシュウサンクス
△(4)テルザトゥルース
△(9)アースグラヴィティ
△(7)エプソムジャンボ
3連単は5、6の2頭軸から10、4を厚めに。あとは9、7を3着押さえ
馬複は 5-6、6-10、4-6、6-9、6-7
<お奨めの1頭>
9R リュウノツバサ
前走はオープン・白嶺賞に強気挑戦し、4着に健闘した。自己の条件B2なら断然の主役を演じる
水沢競馬場に雪が来ましたねえ!
先週もうっすら雪が残るところがあったのですが、今週は土曜日から真っ白な雪景色の中での競馬になりました。冷え込みも厳しくいかにも"冬!"っていう感じ。あたたかい飲み物とか、食堂の芋の子汁とかが恋しくなる時期ですな・・・。
水沢競馬が再開して2週目。過去データから先行有利は動かしがたいと思っていたが、結構、差しタイプでも届いている。逆に非力な逃げ馬は苦戦を強いられ、それが高配当の大きな要因となっている。当日の馬場傾向をしっかりと把握して欲しい。
18日メインはオープン「白嶺賞」(水沢1600m)、11頭立て。レース分析に入る前に過去5年の3連単配当を紹介してみたい。
2010年 3連単 443330円
2009年 3連単 35100円
2008年 3連単 267700円
2007年 3連単 111280円
2006年 3連単 15820円
3連単の平均配当が174646円。最も強烈だったのは昨年の白嶺賞で1着が8番人気ダイメイジュエリー。高松騎手が果敢にハナに立ってそのまま押し切った。2着に5番人気マヨノエンゼル、3着が1番人気ゴールドマイン。これには周囲も驚いた。
今年も以上の3頭が出走。人気もほぼ同じような気配だから、果たして今年はどのような結果となるか。非常に興味深いが、それでもゴールドマインを主軸視しない訳にはいかない。今シーズンの岩手重特をほぼフル出場して特別・すずらん賞、重賞・青藍賞とマイル重特で2勝。また東京競馬場で行われた南部杯にも参戦し、一貫して王道を歩み続けてきた。
前走・栗駒賞はファーストメジャーの逃げ切りにしてやられ2着。直線で鋭く伸びてきたが、距離1400mに泣いたとも言える一戦だった。しかし今回はマイル延長に加え、舞台は得意の水沢。ベストの条件で栗駒賞2着の雪辱を狙う。
逆転候補はファーストメジャー、リュウノケンシロウの2頭。ファーストメジャーは中央1勝から転入し、初戦の盛岡ダート1600m戦を快勝。続いて新設重賞・絆カップへ駒を進めてリュウノボーイの2着。2番手の積極策から4角で一旦先頭。直線では決め手の差が出たが、見せ場を十分に作った。続く1800m戦は距離が長く着外に沈んだが、そのお返しとばかり栗駒賞を逃げ切って完勝。待望の特別タイトルを手に入れた。
過去実績は短距離に集中しているが、1600mも岩手初戦を快勝して守備範囲。またコース広い盛岡から小回り水沢へ替われば、さらに有利に運ぶことは間違いないだろう。
ただ一つ不安なのは、よりによって大外11番枠を引き当てたこと。ファーストメジャーは先行力と粘り強さが身上とするが、大外から好ポジションを取るために脚を使ってしまわないか。仮に前につけるのに手こずるようなら終いが甘くなり、この大外枠は痛い。調子の方は文句なしにすばらしく、あとはうまく好位につけれるか―にすべてがかかっている。
リュウノケンシロウは今年10月、園田から再転入し2、1、4着。上々の滑り出しを切った。前走・栗駒賞は1400mの忙しい競馬にとまどって伸びを欠いたもので仕方なしの結果。
水沢マイルは船橋在籍時に2度、青藍賞へ参戦して連続2着。昨年はゴールドマイン3着に4馬身差で先着し、適性はすでに証明済み。また持ち時計1分39秒3もメンバーで一番を誇っている。
栗駒賞4着後は白嶺賞へ照準をピタリと合わせ、意欲的に乗り込まれて態勢万全。混戦を呈する今季オープン戦線ならチャンスは十分にある。こちらも単までの資格がある。
今季精彩を欠くマヨノエンゼルだが、昨年もそうだったように活躍が冬場に集中。それを裏付けるように前年の白嶺賞でダイメイジュエリーに逃げ切りを許したが、ゴールドマインに先着3着。水沢マイル<7.2.4.2>ともっとも真価を発揮できる舞台だ。これまでのうっ憤を一気に晴らすか。
あとは詰めに課題を残すが、堅実無比リリーレインボー、距離短縮で中央4勝の底力を発揮するかヒカルジョディーを連下に押さえたい。
◎(9)ゴールドマイン
○(11)ファーストメジャー
▲(7)リュウノケンシロウ
△(2)マヨノエンゼル
△(4)リリーレインボー
△(10)ヒカルジョディー
3連単は7、9、11の3頭軸から2着に2を加え、3着に4、10の36点フォーメーション
馬複は 9-11、7-9、7-11、2-9、4-9
<お奨めの1頭>
2R アグネスカーラ
転入2戦目をハイタイムをマークして快勝。相手はショウナンカルマンと1点
12月14日、「第62回全日本2歳優駿」へ出走したアスペクトの応援に行ってきた。最内1枠に入ったのが災い。初めて砂を被る厳しい競馬を強いられたが、気力で踏ん張って5着入線。超大物オーブルチェフなど全国の強豪相手に、この結果は大健闘と言っていいだろう。
「前半のペースが速かったので追走に苦労したが、砂を被っても怯まず最後まで伸びてくれた。直線で前が壁にならなかったら、もう少し上の着があったかも」と斎藤雄一騎手。また管理する櫻田浩三調教師も「全国の強豪に混じって5着は価値がある。砂を被るのも未経験だったが、問題なかった。収穫の大きい一戦となった」と今後への手応えもしっかり掴んだようだ。
JpnⅠで5着の箔をつけたアスペクトの次走予定は金杯(年明け1月2日)。帰郷戦で再開するのが今から楽しみとなった。
17日メインはA級二組「奥州市職員奥馬の会会長杯」(水沢1600m)。上がり馬を重視するか、水沢適性を重視するか、それとも格を重視するか。どこからでも入れるが、ここはコアレスランナーのコース適性を重視してみたい。
昨年まで盛岡0勝に対し、水沢6勝。左回りというより、盛岡坂を苦にしていた。その典型的な一戦が前走だった。4番手追走から直線で一旦2番手まで進出。少なくとも2着を確保しそうな感じだったが、最後で伸びを欠いて3着。ラスト100mで踏ん張りが利かなくなった。
今年は盛岡1場での開催で苦労の連続だったが、その中でダート3勝、芝1勝。成績は安定しなかったが、コース適性を考えれば良く頑張った方だと思う。
そして今回は待ちに待った一戦。好調メンバーがそろって予断はできないが、得意の水沢で今シーズンのうっ憤を一気に晴らす。
逆転筆頭は同僚のシャイニーハリアー。8月まで未勝利が続き、歯がゆいレースの連続だったが、9月の声を聞いて快進撃を続け、芝ダートを問わず圧巻の5連勝中。前走・ゴールデンステッキ賞ではトップハンデ58キロを背負った上、守備範囲を超えた2000mが舞台だったが、それらをモノともせず6馬身差で逃げ切り圧勝。完全に本格化を迎えた。
何よりも大きな成長点はゲート難が解消されたこと。勝つたびにレース内容が良くなっていった。ついにA級昇格となり、相手は強化されたが、今の勢いを持ってすれば突破も十分。コース替わりも昨年、5戦3勝2着2回と不安材料には全くならない。
スクリームイーグルも上位争いの一角に位置する。夏に2勝マーク後、体調を崩して4ヶ月ほど休養を余儀なくされたが、ようやく戦列に復帰。2番人気に支持されたが、直線で一杯となって6着。
これはプラス14キロの重め残りが影響したと解釈でき、ひと叩きされて良化必至。しかも水沢<3.2.1.0>と一度も4着以下なしと抜群の安定感。本来の先行力と粘り強さを発揮し、首位戦線に躍り出る。
ダークライはようやく復調ムード。元々が盛岡向きではなかったが、前走は人気の盲点を突いて2着。それを受けて水沢に替わったのが心強い。水沢マイルは3勝2着2回とベストの舞台。今季初勝利の可能性も十分にある。
あとはコアレスナイナーも軽視できない。転入初戦の前走は手探り状態で臨んだが、一旦4番手に下がりながらも盛り返して3着確保。南関東A2の底力を披露した。平坦水沢に替わってさらに上を望める。あとは小回りネックだが、気配の落ち込みないキャニオンルナも押さえたい
◎(2)コアレスランナー
○(1)シャイニーハリアー
▲(4)スクリームイーグル
△(6)ダークライ
△(8)コアレスナイナー
△(5)キャニオンルナ
3連単は1、2の2頭軸から4、6を厚めに。あとは8、5を3着押さえ
馬複は 1-2、2-4、2-6、2-8
<お奨めの1頭>
4R ラブヘリテージ
ここ2戦の中身がすばらしい。コース替わりに不安がない訳ではないが、絶対能力でカバーできる