
この9日・10日、南関東の重賞を見に行ってきました。9日は羽田盃、10日は東京プリンセスカップ。どちらも3歳の重賞でした。
例年、この辺のレースの掲示板に入るかどうか・・・という馬があとで岩手に遠征に来たりするのでその様子見のつもりでしたが、羽田盃はアートサハラ、プリンセスCはアスカリーブル、いずれも今野忠成騎手の騎乗馬が優勝。羽田盃などは1番人気・2番人気が消え、3着同着にもかかわらず3連単の配当が二組とも30万円を超える大波乱ともなりました。
荒れた要因は天候と馬場にあったようですね。9日は午後からまとまった雨、10日も午後に雷雨が来て10日などは大井にしては珍しくコースに水が浮く不良馬場。京浜盃や桜花賞といった前哨戦とガラリと違う状況になって前哨戦の好走馬が苦戦した模様。
そもそも今年の3歳世代、特に牡馬にはそれほど抜けた馬がいない、とは昨年から言われていましたし、この後の重賞戦線もその時の馬場状態やメンバー構成によってころころと勝馬が変わるように思えます。
さて、この中から秋のダービーグランプリに来る馬は?いやオパールカップあたりに来る馬もいるかもしれない。ちょっと気が早いけどもいろいろと気になりますね。
昨年度の岩手競馬は東日本大震災の影響でシーズン開幕が5月14日までずれ込んだ。一時は再開のメドが立たず、厩舎関係者に焦りが見え始めたこともあったが、盛岡競馬場1場で開催が始まった。
あれから丸1年が過ぎ、通常どおり水沢競馬からスタート。早くも1ヶ月以上が過ぎたが、意外に知られていないのが休止した重賞はシアンモア記念の一つのみだったこと。
グランダム・ジャパン3歳シーズン・留守杯日高賞は開催時期をずらして実施。また当初、休止予定だった金杯、トウケイニセイ記念は水沢再開に伴い、急きょ復活。結果的に重賞ではシアンモア記念だけが見送られた。よって13日(日)の「第37回シアンモア記念」は2年ぶりの実施となる。
思い出すのは一昨年のシアンモア記念。キングスゾーンが逃げ、3番手を追走したマルヨフェニックスが早めに捕らえにかかり、ラスト400mから2頭のマッチレース。内キングスゾーンの手応えが怪しくなったが、外マルヨフェニックスに馬体を近づけるとキングスゾーンの闘志に火がつき、再び突き放す。結果、半馬身差でキングスゾーンが優勝し、シアンモア記念史上に残る名勝負となった。
今年もマルヨフェニックスの登録があったが、万全の仕上がりでないと陣営が判断。出走を見送った。これがちょっと寂しいが、今年、最も注目と期待を集める年度代表馬カミノヌヴォーがついに始動する。
当初、赤松杯から使う予定だったが、仕上がり途上のため自重。できればひと叩き欲しかったが、ぶっつけでシアンモア記念に臨んできた。「開幕前からずっと乗り込んできたので状態は問題ない。ただ、本質的に使いながら調子を上げていくタイプだし、水沢マイルの忙しい競馬に対応できるかどうか。それが不安点です」と千葉幸喜調教師。
カミノヌヴォーは決して器用な馬ではない。だから管理調教師も不安を隠せないが、ゲート難を抱える同馬に大外10番枠は好材料。仮に12頭立てだと好ポジションを採るのに苦労するが、10頭立てならおそらく大丈夫。千葉幸喜調教師の不安を十二分に理解した上でも本命に応えれると判断した。
過去実績を考えるとリュウノボーイ本命視が妥当なのかもしれない。ロックハンドスターと同期で2歳時に2勝マーク後、南関東へトレード。船橋代表で3歳芝重賞・オパールカップ、昨年は新設の重賞・絆カップを優勝した。
前走が3ヵ月ぶりの実戦で、一度叩いてシアンモア記念は予定どおり。ここに照準を絞って乗り込まれ、自信たっぷりで遠征する。
ただ良績は盛岡芝ダートに集中し、水沢では3着1回が最高。あくまでも2歳時のデータだが、適性があるとは言い切れないのは事実。早めに動くという予定だが、そうなるとヒカルジョディーの餌食になる可能性もあり、展開的にはちょっと苦しいところ。それが○評価になった理由だ。
ヒカルジョディーは陣営、小林騎手も完全に手の内に入れたようだ。トウケイニセイ記念、トライアル・赤松杯とも意識的に出遅れて最後方からの競馬。前半で脚を貯めることができると、すばらしい末脚を披露する。
赤松杯では1周目スタンド前で一瞬、スローに落とされて掛かり気味となったが、小林騎手がうまくなだめて完勝。マイル重賞・特別2連勝を飾った。
できればハイペースの流れを望みたいところだが、マルヨフェニックスの回避によってペースは落ち着きそう。これが微妙に影響しそうだが、リュウノボーイがカミノヌヴォーを早めに捉えにかかったら、一気突き抜けるシーンまで。
あとはトウケイニセイ記念、赤松杯で連続2着リリーレインボー、逃げ宣言をしたノーワンエルスあたりも要注。常識的には3頭の争いと見ていいが、どの馬にも死角があるだけに割って入ることも頭に入れておきたい。
◎(10)カミノヌヴォー
○(9)リュウノボーイ
▲(1)ヒカルジョディー
△(6)リリーレインボー
△(3)ノーワンエルス
△(7)シャイニーハリアー
3連単は10、9、1の3頭ボックスが本線。あとは6、3、7を3着押さえ
馬複は 9-10、1-10、6-10、3-10
<お奨めの1頭>
9R オウシュウサンクス
休み明けで仕上がりが不安視された前走だったが、強いレースで完勝。これで水沢4連勝とし、もう一丁いける
7日、高知競馬場で行われた「第3回福永洋一記念」を観てきた。朝4時半に盛岡を出発し高速道路をひた走り。仙台から伊丹経由で10時45分、高知龍馬空港へ到着した。着込んでいた服を一枚ずつ脱ぎ、ついには半そでシャツ。さすが通年でナイター競馬を実施する競馬場は違う。
高知を訪れたのは2年ぶり。同じ福永洋一記念の日だったが、今年は「花の15期生」と杉本清アナウンサーが来場すると聞き、いても立ってもいられず格安チケットをなんとか入手した。
今回、集まった「花の15期生」は作田誠二、武永祥、伊藤正徳、岡部幸雄、福永洋一、柴田政人、目黒正徳、星野信幸(敬称略)。ちょうど競馬にのめりこんでいった時期と「花の15期生」の活躍がかぶり、あこがれの存在。こんな日にみんなが集まってくれるなんて本当に感動した。
でも、もっと感動したことがある。3年前、落馬事故で顔面を複雑骨折した上、左目を失明した宮川実騎手がメイン「第3回福永洋一記念」で鮮やかな逃げ切りを決め、この日だけで4勝した。
第1回の実施当時、宮川実騎手は治療療養中。くじけそうになった時期もあったそうだが、創設した福永洋一記念を観て「自分も頑張って復帰しよう」と思ったという。
JRA交流レースを勝った表彰式インタビューで橋口アナウンサーが驚いていた。「こんなに自分からインタビューで答えるのは過去にありませんよ」。宮川実騎手はメインの表彰式でも集まった多くのファンの前でインタビューに答えていた。宮川実騎手の活躍を生で観戦できて心からうれしく思った。
12日(土)メインはA級三組「閉伊川レース」(水沢1600m)、10頭立て。焦点はオープン入りを果たしたトーホクキングが連勝を3に伸ばすか。それとも歴戦の古豪スーパーワシントンが先輩の意地を見せるか。
トーホクキングは昨年秋から本格化。勝ち切れなかったのがウソかのように快進撃を続け、B2から挑戦・桐花賞でも4着に健闘。今年はさらに凄みを増し、B1特別を連勝。両レースとも逃げた馬が2着と先行ペースの競馬だったが、それをはねのけ驚異的な末脚で勝利をもぎ取った。
しかし今回はA級三組とは言え、メンバーが大幅に強化。これから重特路線へ殴り込みをかけるためには格好な登竜門レースとなった。
スーパーワシントンは今年4月、中央準オープンから転入。初戦・赤松杯で4番人気に支持されたが、5着止まり。この結果だけだとピーク過ぎた印象を与えるが、道中ずっと外を回る不利があり、しかもダートは2006年11月以来、超久し振り。それでも0秒7差まで詰め寄り、今度はコース2度目。プラス要素が一気に上がり、逆転首位も十分ある。
この2頭のラインは堅そうだが、ダンストンリアルは走り頃の休み明け3戦目。今季2戦とも3着と最後の伸びを欠いたが、元々が使われながら良化するタイプ。人気の2頭がけん制し合えば割って入るシーンまで。
コアレスガバナーは前走8着。後方のままに終始し、ほとんど自分の競馬ができなかった。本質的には先行して粘るのが身上。おそらくビコーティアナが逃げ、ギシアラバストロかコアレスガバナーが2、3番手。流れも落ち着きそうだし、反撃に転じて不思議はない。
あとは一戦ごとに水沢の馬場に慣れてきたパブリックアフェア、9ヵ月半ぶりでも底力上位ギシアラバストロも軽視できない。
◎(6)トーホクキング
○(8)スーパーワシントン
▲(5)ダンストンリアル
△(9)コアレスガバナー
△(7)パブリックアフェア
△(10)ギシアラバストロ
3連単は6、8の1、2着折り返しから5、9を厚めに。あとは7、10を3着押さえ
馬複は 6-8、5-6、6-9、6-7
<お奨めの1頭>
3R ミスターガッテン
B2から降級して連続2着。消化不良のレース続くが、相手も強かった。ここなら負けられない
4月30日、船橋競馬第5レースで山本聡紀騎手が見事初騎乗初勝利を達成しました。
この山本聡紀騎手は、岩手で活躍する山本政聡・山本聡哉の兄弟騎手の弟にあたり、つまり"山本兄弟"は3人が騎手として戦っているわけですね。(右写真は1月・川崎で行われた佐々木竹見カップの際の村上忍騎手と候補生時代の山本聡紀騎手)
初騎乗初勝利に加えて5月3日には早速の2勝目を挙げた弟騎手の活躍ぶりに、「"1個勝っても安心しないで早く両目開けられるようがんばれよ"なんて言ってやろうと思ってたのに、これじゃあ兄の貫禄が形無しですね」とぼやく山本政聡騎手。そんな山本政聡騎手は初勝利まで25戦、山本聡哉騎手は20戦かかりましたが、それでも別に遅い方ではないし、まあそんなにぼやく事はないですな。
こうなればやはり"三兄弟そろい踏み"もしくは"三兄弟対決"を見てみたいですよね。重賞で遠征、ってのは新人騎手にはなかなか機会が無いでしょうから、昨年やった東北騎手招待みたいなイベントで呼ぶ事ができればいいのかな。それとも岩手の2人が出向くか。兄騎手たちも弟と同じレースで戦ってみたいようなので、関係者の皆さん、ぜひ前向きにご検討をお願いします。
4日(金)メインはB2級馬による水沢1800m戦「メイカップ」。元々、1800mはフルゲート12頭ではなく10頭だが、相次いで回避し7頭立て。特に残念だったのがマイネヴィントだった。
マイネヴィントは中央1勝、東海1勝・A1から転入。B2へ格付けされ、初戦を直線で楽々と抜け出して完勝。菅原勲新調教師にうれしい初勝利をプレゼントした。レース後のコメントで次走予定はメイカップと語り、予定どおりの登録だったが、直前に回避。理由を聞いたところ「熱を測ったら高かったので自重させた。
「新米調教師はちゃんと馬を管理できないからダメですね」と語ったが、いやいや無理しないことも勇気ある決断。長い目で見れば確実にプラスに転化するはず。次走以降に期待をしたいと思う。
「メイカップ」は7頭立てだが、決して一筋縄ではいかない面々がそろった。しかも1800m適性、枠順も勝敗を大きく分けそうで、波乱の可能性があることも頭に入れておいてほしい。
ひとまず主軸はセイウンワキタツに落ち着く。中央4勝(ダート2勝、芝2勝)準オープンまで駆け上った。昨年9月、笠松へ転籍。当然のようにA1へ格付けされ、3着2回が最高とちょっと物足りない結果に終わったが、転入初戦で鮮やかなマクリを決めて快勝。2008年8月以来、久々の美酒を味わった。
やはりB2では役者の違いが明白。なおかつ競走馬にとって勝ち味が最大の妙薬。メンバーは骨っぽくなったが、2連勝濃厚と見るべき。
相手はコスモクルトゥーラ。昨年は盛岡に苦労していたが、水沢に替わって動きが一変。C1ながら2勝2着1回の好成績を収めてシーズンを終えた。
今季はB2へ昇級して2、3着。強豪相手の前走・エイプリルカップでも6番人気ながら3着に気を吐いた。
特筆できるのは水沢では常に人気以上の結果を出していること。どうしても人気の盲点になってしまうが、どうしてどうして。毎回上位争いを演じている。前走のように経済コースを進んでイン強襲を再現するかもしれない。
リュウノヒーローは成績安定しないが、B1でも勝ち負けの実力馬。今季初戦・B1戦で見せ場作って3着だったが、前走はB2へ下がって5馬身差で圧勝した。。この馬は相手強化よりも自分の競馬ができるかどうかがすべて。1800m延長も好走できるか否かは、それに尽きる。
マアーラウは今季初戦4着だったが、2戦目を快勝。馬場差を考えなくメンバー最速の走破タイムをマークした。多少、ムラな面があり全幅の信頼を置けないが、突き抜ける力は十分にある。
あとは距離延長がネックだが、単騎スローの流れに持ち込めるホッコーハルマ、前回快勝アドマイヤホームも怖い存在。いずれにせよ展開一つでガラリと変わることもある。
◎(5)セイウンワキタツ
○(3)コスモクルトゥーラ
▲(7)リュウノヒーロー
△(2)ホッコーハルマ
△(4)マアーラウ
△(6)アドマイヤホーム
3連単は少頭数だけに5の1頭軸から勝負。3、7、2を厚めに、あとは4、6押さえ
馬複は 3-5、5-7、2-5、4-5、5-6
<お奨めの1頭>
9R ルミナスヘイロー
岩手初戦を好位追走から2着。まずは上々の滑り出しと言え、今度は首位を奪取する