C1の特別戦は掛け値なしにおもしろい。29日メインの「田沢湖賞」(水沢1600m)にも個性派がズラリ顔をそろえた。4歳馬が4頭、5歳馬が5頭。まだまだ成長を続ける馬たちが興味を倍化させる。
ちょうどいい登竜門、というか壁として立ちはだかるのが元A級モエレハナオー。相手なりに駆ける堅実さを身上とし、毎回のように上位入線を果たしてきた。その半面、勝ちを譲るクセでもないだろうが、2010年9月のA級二組戦以降、ずっと白星から遠ざかっている。
長いこと勝ち星から見放されているゆえ、今季はB1からC1へ降格。シーズン初戦・大屋梅賞は久々の勝利を飾る絶好のチャンスと見られていたが、フェニックスクインのイン強襲に屈してクビ差2着。陣営は"やっぱり"と落胆した。
それでも今回、また◎としたのは大屋梅賞から直行組が7頭もいて、その中で最先着を果たしているから。単勝負というより連軸の見方でモエレハナオーが一番手となる。
だからこそ他陣営にも首位の資格は十分で、逆転筆頭はユアアイズオンリー。昨年はコース広い盛岡に苦しんでいたが、水沢に替わって反応が一変。いきなり3連勝をマークした。今季はクラス上がって通用するか半信半疑だったが、大屋梅賞で目の覚めるような追い込みを披露。モエレハナオーにアタマ差まで詰め寄った。
しかも久々の遠征競馬で馬体重が大幅減(マイナス12キロ)で出走。能力を発揮できるか不安材料が多く6番人気の低評価だったが、見事覆して3着に気を吐いた。その一戦を叩かれて良化度合い、そして距離延長などのファクターを考えれば一気突き抜ける可能性も十分ある。
将来性に賭けるならばベルウッドショット。中央未勝利から転入し、取りこぼしもありながら4勝マーク。とにかく馬体の良さが目につき、前走も大幅に体重増ながら鮮やかなマクリを決めて快勝した。タイム比較では確かに見劣るが、それをも上回るスケールを感じさせる。ここが試金石となる。
ロッキーは再転入戦で馬群から力強く抜け出して快勝。幸先のいいスタートを切った。展開に注文がつくかもしれないが、勢いがあるのは間違いない。
あとは詰めに課題を抱えているが、大屋梅賞でもタイム差なし4着サクラエルセダンも押さえたいところ。好レースが期待できそうだ。
◎(7)モエレハナオー
○(1)ユアアイズオンリー
▲(5)ベルウッドショット
△(9)ロッキー
△(11)サクラエルセダン
△(6)ラヴセンス
3連単は7、1、5の3頭ボックスが本線だが、9も食い込み十分。11、6は3着押さえ
馬複は 1-7、5-7、7-9、7-11
<お奨めの1頭>
11R マイネルアトレ
中央4勝1600万下の実力はダテではなく、岩手初戦を5馬身差で圧勝。しかも持ったままというケタ違いの強さを見せつけた