
12日(日)メインは地方競馬全国交流「第38回シアンモア記念」。今年は盛岡ダート1600mを舞台に、春の古馬マイル王の座を争う。過去4回連続で遠征馬に凱歌(2010年は東日本大震災の影響で休止)が上がり、5回連続優勝を狙う。一方、岩手勢が優勝すると2006年、ニューベリー以来となる。
当初、シアンモア記念を目指していたロッソコルサは疲れが残っているため自重。また登録のあったスーブルソーは同厩バトルドンジョンが出走するため、無理をしなかった。
今回の遠征馬は笠松から4頭で大将格はマルヨフェニックス。迎え撃つ岩手勢の期待はバトルドンジョンに集まり、2頭の雌雄対決が最大の見ものとなる。
バトルドンジョンは中央オープンから転入。4走前のペテルギウスステークスでハートビートソングの2着の実績を誇る。ただ、続く2戦・東海ステークス、仁川ステークスとも7秒3、9秒2の大差しんがり負け。これがバトルドンジョンのすべてを物語っている。
その気になったときの強さと、集中力が切れたときの落差があまりにも極端。案の定、転入初戦を2馬身半差で完勝したが、内容的には決して誉めるものではなかった。ひとまずハナを主張したが、鞍上・斎藤雄一騎手に手が動きっぱなしで何とか先手を取った感じ。
これでマイペースに持ち込むのかと思ったが、勝負どころの3コーナーで手応えが怪しくなり、またもや斎藤騎手の手が激しく動く。それでも反応が鈍く、4コーナーではロッソコルサに半馬身差は交わされた。
驚いたのはそれから。常識的にはそのまま馬群に飲み込まれるパターンだが、ようやくエンジンがかかったバトルドンジョンが内からグイグイ伸びてロッソコルサの追撃を完封した。
以上の内容から陣営も半信半疑で臨むが、今回は2、3番手からの競馬を試みる予定で外枠は基本歓迎。加えて前走を見ればコース広い盛岡は間違いなくプラスに作用するはず。好走条件はとにかく集中力が途切れないこと。斎藤騎手がどう御すか。
マルヨフェニックスは通算20勝のうち14勝が重賞勝ち。東海ダービーを頂点に数々のタイトルを手にしてきた。岩手へも2010年にキングスゾーンとともに2度参戦。
シアンモア記念ではキングスゾーンの逃げ切りを許したが、続くみちのく大賞典では徹底マークから競り落として見事雪辱。水沢2000mレコードまでも更新し、いまだ2分5秒3の金字塔は破られていない。
早いものであれから3年が過ぎ、マルヨフェニックスは今年9歳。そろそろ陰りが見えてもおかしくないが、前走は4ヶ月はぶりの実戦をモノともせずに圧勝。明らかに太め残りだったが、貫禄の違いを見せつけた。
不安点は初の盛岡。スタートして直線900mからワンターンで直線に入り、最後の上り坂をどうこなすか。現在、盛岡は馬場改修によりかなりのパワーが要求され、高齢のマルヨフェニックスにはきびしいコース。仮に克服するなら脱帽するほかはない。
トーホクキングは昨年の激走の反動か、今季2、3、6着と精彩を欠いているが、ここにきて徐々に迫力を取り戻している印象。本質的には水沢向きだが、昨年はマーキュリーカップで見せ場を作って5着。2頭が早めに動くようだと出番は十分にある。
ドリームクラフトは中央3勝からの転入。経験の少ないダートが心配だったが、初戦をロングスパート決めて快勝。その結果から赤松杯1番人気に支持されたが、先行有利の競馬に泣いて4着。その後、攻め馬を強化して反撃態勢は整った。
あとはレース運びが巧みなスーパーワシントン、昨年の絆カップ(同じ盛岡ダート1600m)で直線一気を決めたトウホクビジン、上昇一途トーホクアローなど伏兵も散在して興味尽きない一戦となった。
◎(11)バトルドンジョン
○(3)マルヨフェニックス
▲(7)トーホクキング
△(8)ドリームクラフト
△(2)スーパーワシントン
△(10)トウホクビジン
<お奨めの1頭>
3R サティスフェール
東海では精彩を欠いたが、ハイレベル北海道、南関東で4勝の実力はダテではなかった。転入初戦をほとんど持ったままで逃げ切り圧勝。C2では役者が違った
先週4日から始まった盛岡競馬。ゴールデンウィークの盛岡開催は2006年以来、6年ぶりだったが、盛岡競馬場は多くの家族連れ、カップルが来場。すばらしい賑わいを見せた。
また開催替わりは荒れると定評がある岩手競馬だが、今回も全33レース中、3連単万馬券が15回!その傾向は今年も引き継いだ。果たして今週は堅く収まるのか、それとも波乱となるか。我々、予想者も悩んでいる。
11日メイン10レースのA級二組「胆沢川レース」(盛岡ダート1600m)も全国的にシルククレヴァーが本命だが、波乱の要素を含んでいる。
シルククレヴァーは南関東B3から転入初戦、豪快なマクリを決めて快勝。スタートダッシュはひと息だったが、向正面からスパートをかけると一気に進出。4角先頭に立ったロリンザーユーザーをキッチリ交わした。
このスケール大きいレースを見せられたら2連勝濃厚と誰もが思ってしまうが、不安点がある。関本淳騎手「気難しい面を抱えている」とレース後にコメントしたが、確かに好走が続かないタイプ。盛岡コースは脚質的にも大丈夫だろうが、気が向かないと凡走のケースも考えられる。
次位候補の序列も難解だが、グラスシューターを筆頭とした。天性のスピードと強じんな粘りを武器に、岩手初戦4着以降はすべて3着以上。着実に白星を積み重ねて今年ついにオープン入りを果たした。
さすがにオープンでは楽な競馬はできないが、それでも3戦1勝2着1回。前々走では初めて電光掲示板から消えて6着に敗れ、前途に暗雲が立ち込めたが、前走2着に反撃。まだまだ戦力になることを証明した。
先行力と粘りが身上とするだけに、直線長い盛岡は若干割り引きが必要だが、盛岡で馬券対象から外れたのはわずか一度のみ。それを信頼した。
タケノトレジャーも安定度ではヒケを採らない。南関東A3から転入して着外に沈んだのは重賞・白嶺賞7着だけ。それ以外は3着以上にまとめている。その半面、年齢的なものか最後の爆発力が薄れてきた印象も。よって▲評価とした。
サーストンサブリナは昨年、A級で1勝。今年はB1へ降格して底力の違い明白に2連勝マーク。続く駒形賞で圧倒的な1番人気に支持されたが、リュウノヒーローの執ようなマークに遭って4着。息の抜けない流れがこたえたもので評価ダウンにはならない。
盛岡コースは初めてだが、中央2歳新馬戦の新潟ダート1200mを圧勝。周りは全く問題なく、反撃に転じて不思議はない。
マイネルレーサーは今季4、5着と伸びひと息だが、今回は意欲的に乗り込まれて気配アップ。A級では家賃が高いのか、それとも突破できるか。正念場を迎えた。あとは中央1勝、南関東2勝オメガブルーグラスもマークが欠かせない。
◎(7)シルククレヴァー
○(6)グラスシューター
▲(3)タケノトレジャー
△(9)サーストンサブリナ
△(5)マイネルレーサー
△(11)オメガブルーグラス
<お奨めの1頭>
11R ニシノアイリス
岩手4戦4勝と快進撃。内容も文句のつけようがなく、C1昇級も関係なし。自身の連勝をどこまで伸ばすか注目
このGWから岩手競馬はOROパーク盛岡競馬場に舞台を移して行われています。
5月のGW、連休に盛岡での開催が行われるのは2006年以来7年ぶり。過去にも意外に例が少ない、貴重なGW盛岡開催となりました。
ちょうど盛岡あたりも桜が満開になってきていて、競馬場への道すがらあちこちで咲き誇る桜を見る事ができるのですが、あいにくどうもこの連休の間は天気が思わしくなくて、まるで初春の頃に戻ったかのような寒さが続きます。
東北は、5月6月になっても天気が悪いと肌寒くなる・・・というのは珍しい話じゃないんですけど、もうちょっと春らしい天気が続いてほしいと思いますねえ。このまま梅雨に突入したりしなければいいのですが・・・。
●10Rの買い目
馬単(4)=(6)、(4)=(10)、(4)=(7)、(4)=(9)、(1)→(10)
岩手競馬の全レース予想を公開中!「岩手競馬・勝ちそーチャンネル」へ
5日メイン(9R:17時5分)はB1級馬による1400m戦「新緑賞」、12頭立て。オープン入りを目指す若駒、壁となって立ちはだかる格上馬などがそろい、非常におもしろい一戦となった。
主軸は格上ギシアラバストロとした。一昨年、中央ダート4勝・準オープンから転入し、初戦を快勝。2戦目のオープン特別・すずらん賞でも2着を確保。オープン戦線の台風となる予感を十分に抱かせた。
しかし、運悪く脚部不安が発生し、以降は自己の戦いを繰り返して休み休みの実戦。昨年は1勝のみにとどまり、不本意なシーズンとなった。
今季も4ヶ月の休養を経て戦列に復帰。距離適性を求めて水沢1400mに駒を進めて3着。さすがに休み明け初戦で伸びひと息に終わったが、1着スズヨシーズン、2着ヒカルジョディーは続く重賞・赤松杯でも5、3着。それを考えれば上々な滑り出しと見ても間違いない。
今回はB1戦で相手が大幅に緩和され、叩かれて2戦目。さらには盛岡ダート2勝2着2回と得意とし、ベストの1400mが舞台。生きのいいメンバーがそろったが、総合力で一歩リードと判断した。
コスモフィナンシェは昨年、中央2戦0勝から転入後、アッサリ4連勝をマーク。C1昇級戦は2着に敗れ、その後は名古屋へ移籍。初戦でいきなり重賞に挑戦して4着に終わったが、以降3勝2着1回。実力が本物であることを証明した。
前走が帰郷初戦でクラスがB1。2ランクも昇級したが、2着に4馬身差をつけて逃げ切り圧勝。名古屋時からの連勝を3に伸ばした。これまでとは相手が違うが、成長を続ける4歳馬。仮に勝つようだとオープンでも活躍できるに違いない。
ヤマニンノワゼットも波に乗っている。岩手10戦8勝2着2回と連対パーフェクトを誇り、目下5連勝中。まさに飛ぶ鳥を落とす勢い。メンバーが大幅に強化され、しかも大外12番枠。きびしい条件がそろったが、こちらも突破できれば今後の視界も明るい。
リュウノヒーローは昨年、芝重賞・せきれい賞へ強気挑戦して3着。他にも芝ダートを問わず活躍した。さすがに秋以降は疲れが出て早め休養を余儀なくされたが、復帰2戦2、1着。特に前走・駒形賞の強さは際立っていた。
弱点はパワーのいる馬場が苦手なことだが、中間は雨が降ったり止んだり。速いタイム決着になるようだと上記4頭をまとめて負かすシーンも十分。
あとは今季精彩を欠いているが、1400m<7.5.2.3>と抜群の距離適性を誇るウイントゥヘヴンも押さえたいところだ。
◎(6)ギシアラバストロ
○(10)コスモフィナンシェ
▲(12)ヤマニンノワゼット
△(7)リュウノヒーロー
△(3)ウイントゥヘヴン
<お奨めの1頭>
11R トートアフィシオン
前走は3ヶ月ぶりの実戦だったが、水沢1300mをハイタイムで逃げ切り勝ち。さすがサクラバクシンオー産駒。コース替わったが、1200mはおまかせの舞台
いよいよゴールデンウィーク後半へ突入したが、今週4日(土)から戦いの舞台は盛岡競馬場=OROパークへ替わる。ゴールデンウィーク中に盛岡競馬を行うのは2006年以来、実に7年ぶりのこと。
今年の岩手は5月に入っても例年以上に寒さが残っているため、新緑の季節はまだ先になりそうだが、内コースの芝も徐々に緑の濃さが日ごとに増している。芝のこけら落としは、おそらく5月19日、3歳重賞・はまなす賞。それまでは1周1600mの左回りダートを楽しんでほしい。
4日メインは3歳重賞へ再格上げされた「第26回やまびこ賞」(盛岡ダート1800m)、12頭立て。ロックハンドパワーが無事に駒を進めてきた。
無事に...と記すと意外かもしれないが、シーズン初戦のスプリングカップは決して万全ではなかった。爪の状態が芳しくなく、必然的に追い切りもセーブして臨んだ。それでも貫禄の違いを見せつけて勝ったが、その反動が心配のタネだった。
しかし、それは杞憂に終わった。何日かの休養から攻め馬を再開すると叩かれてさらに気配アップ。当初、岩手ダービー・ダイヤモンドカップへ直行のプランもあったが、回復が早く無事にやまびこ賞へエントリーした次第。
距離は未知の1800m戦だが、どんなレースにも対応できるのがロックハンドパワーの強み。加えて盛岡ダートは2戦2勝。順当に勝ち上がり、ダイヤモンドカップへの道を歩みたいところだろう。
逆転筆頭はハワイアンリゾート。佐賀2歳新馬戦を7馬身差で圧勝後、3ヵ月半の休養を経て南関東へ移籍。2戦7、5着に終わり、岩手へトレード。初戦で豪快なマクリを披露して快勝した。
2戦目にスプリングカップを選び、ロックハンドパワーに1秒9差5着。完全にレース経験の差が出た格好だったが、続く3歳A級戦で目の覚めるような脚で3角からまくって圧勝。周囲の度肝を抜いた。
対抗評価としたのはそのときのタイム。水沢1600m1分44秒8。ほぼ同じ馬場状態で行われたスプリングカップ=ロックハンドパワーの1分45秒1を上回っていた。まだ6戦とキャリアが浅く、まだまだ成長の余地十分。この挑戦は非常に楽しみだ。
ハカタドンタクは2歳戦線をリードした1頭。ダートに替わってロックハンドパワーらに主役を奪われ、一旦、中央へ移籍。3戦0勝から再転入し、スプリングカップは1馬身半差2着。
またもや完敗を喫したが、元々が器用なタイプではなく広い盛岡コースの方が合うはず。距離延長も歓迎のクチで、そこに逆転の目があるかもしれない。
ブラックタイガーは堅実さを身上として岩手5戦2勝2着1回3着1回。着外が一度もないのが魅力だが、その半面、破壊力で見劣るのも否定できないところ。有力馬がもつれた際に浮上。
テンショウリバイヴは幼い面が残っているため好、凡走の落差が激しいタイプ。ただ550キロを越す大型馬で叩かれながら着実に上昇。輸送もある今回、キッチリ絞れてくれば上位食い込みの可能性もある。
◎(11)ロックハンドパワー
○(4)ハワイアンリゾート
▲(3)ハカタドンタク
△(8)ブラックタイガー
△(5)テンショウリバイヴ
<お奨めの1頭>
5R ビコーディアナ
レース間隔がちょっと開いたのは盛岡開催まで待ったから。まだ動きは本物ではないが、ここなら地力の高さで勝ちにいける