
今週はオープン「第25回栗駒賞」、3歳・地方競馬全国交流「第26回ダービーグランプリ」の重賞二連発。シーズン終盤に差し掛かり、重賞が目白押しだが、その矢先に朗報が入ってきた。
1月11日(土)、重賞「ニューイヤーカップJBC」を新設。期の途中で重賞が創設されるのは極めてまれなケースだが、来年に盛岡競馬場で開催されるJBCを祝して実施する。カテゴリーは明け4歳。水沢1600mを舞台にフルゲート12頭を予定している。
今回のダービーグランプリ出走組も新設重賞を狙いにくる馬たちも多いはず。その意味でも楽しみがまた増えた。
本題に入りたい。23日メインはオープン馬による水沢1400m重賞「第25回栗駒賞」。今季もオープン戦線は勝ち馬が次々と替わり、我々予想陣を泣かせている。
その象徴が栗駒賞へ直結する絆カップだった。1着・ヒカルジョディー(11番人気)、2着・ジョーモルデュー(7番人気)、3着・ランドオウジ(6番人気)と入線し、248万7160円の超万馬券が飛び出した。
まずは絆カップを振り返ってみたい。大外からシャイニングサヤカがハナを主張し、2番手ランドオウジ。3番手を1番人気エバーオンワードが追走し、前半3ハロンが34秒4。地方交流としては恐ろしく超ハイペースとなった。昨年、トウホクビジンが最後方一気を決めたときが35秒1。それよりさらに速い流れでレースが進み、完全に前崩れの展開で中団にいたヒカルジョディーが快勝。後方3番手を追走したジョーモルデューが大外から一気に伸びて2着の結果となった。
ちなみに前半1000m通過が58秒6。これは2011年、マイネルサウダージがマークした盛岡ダート1000m59秒4をはるかに上回るタイムだった。
その中でランドオウジは最後まで粘って3着。最も強いレースをした。これまで最短1600m戦で1400mは未経験だが、前走の内容を見れば本命視するべきだろう。
ヒカルジョディーは好、凡走の落差が激しくアテにしづらい馬。絆カップは展開にも恵まれた印象があるが、2ヶ月ぶりのハンデがあったことを考えれば叩かれた上積みは十分。水沢も得意とし、再現の可能性十分。
ドリームクラフトは絆カップ5着だったが、タイム差は0秒6。馬券争いに参加した。今年7月、同じ水沢1400mで行われた重賞・岩鷲賞を5馬身差で圧勝したように条件ベスト。使い詰めできた点に若干不安は残るが、首位圏内に位置する。
スーパーワシントンは10歳にして初重賞・早池峰賞を制し、ここ2戦の芝1000m・ハーベストカップ優勝、OROターフスプリント2着と依然、好調サイクルを保っている。最大の強みは追ってからの反応の良さ。有力馬がもたつけば重賞2勝目のシーンまで。
スズヨシーズンは今年3月、転入初戦の水沢1400mを6馬身差で圧勝。ヒカルジョディーを並ぶ間もなく抜き去った。追い込み一辺倒の脚質で展開に注文がつくが、ハイペース必至。一気台頭するか。
コスモフィナンシェはみちのく大賞典優勝時の迫力が若干薄れた印象もあるが、1400mは8戦7勝2着1回と抜群の勝率。ソロソロ巻き返しあっても不思議はない。
◎(11)ランドオウジ
○(1)ヒカルジョディー
▲(6)ドリームクラフト
△(8)スーパーワシントン
△(3)スズヨシーズン
△(4)コスモフィナンシェ
<お奨めの1頭>
11R ブリス
中央未勝利から転入後、けた違いの強さで6戦6勝。今回はC1昇級、距離も未知の1600m延長だが、勢いで難なく克服する
2歳の南部駒賞が終わっての次週はオープンの重賞・栗駒賞と3歳の重賞・ダービーグランプリが行われます。今回はダービーGPのお話で。
先日、ダービーGPの出走予定馬が決まりました。北海道から2頭、南関東から2頭、兵庫から2頭の計6頭。所属もそうですが実績も全国区の強豪が揃った感があります。
実績でみれば北海優駿を勝った北のダービー馬・ミータロー、羽田盃4着・東京ダービー2着のジェネラルグラント、南のトライアル優勝馬・エーシンクリアーが一歩リードしていて、それらをクラグオー、エスケイロード、モズオーロラら重賞勝ちこそないもののそれに近い走りを見せている馬が脇を固める・・・という構図。ダービーGPも復活してから徐々に遠征馬の質が徐々に上がってきているのですが、今年はまたしても昨年以上なのかと感じさせるくらいの好メンバーになりましたね。
もちろん迎え撃つ岩手勢も、今年は例年以上に厳しい戦いを繰り広げてきていて、1頭の強い馬が支えてきた近年に比べれば駒が揃っているという印象があります。どんな戦いを見せてくれるか非常に楽しみ。
そんなダービーGP、24日の日曜日の開催で枠順発表は21日・木曜日。地元出走馬の追い切りも木曜日あたりに続々行われる予定です。ご期待ください!
●10Rの買い目
馬単(1)=(2)、(1)=(10)、(2)=(10)、(1)→(4)、(1)→(7)、
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今年で41回目を迎える2歳伝統の「南部駒賞」。2000年から東北3県交流(上山・新潟)へ昇格し、2004年から全国の地方競馬へ門戸を開放。2年目から北海道勢が連覇(スマートシェーブ、モエレスターダム)したが、以降は6年連続で岩手勢に凱歌。しかし昨年は北海道勢が上位3着までを独占(優勝・オグリタイム、2着・ミータロー、3着・コスモアックス)。岩手勢最先着はテンショウリバイヴ4着だった。
今年は北海道から3頭が参戦。迎え撃つ岩手勢は7頭。先日の北海道2歳優駿(JpnⅢ)はJRA勢を退けハッピースプリントが完勝したが、今年の南部駒賞はどちらに軍配が上がるか。舞台は水沢1600m。
主軸は岩手ライズライン。若駒賞を1番人気ラブバレットを退けて完勝。アスペクトが保持した若駒賞レコードを1秒6も更新。盛岡ダート1600mを1分37秒2の驚異的なタイムで逃げ切った。上がり3ハロン36秒9。当日の馬場が軽かったのは確かだが、これではラブバレットが2着も仕方なしだった。
その後は南部駒賞1本に絞って調整を進め、態勢も万全。今年も北海道2歳は相当レベルともっぱらの評判だが、裏づけは昨年優勝したアスペクト。2~4着は北海道勢だったが、逃げ込みを図ったヘヴンズパワーをゴール前でキッチリ差し切った。
単純にアスペクトを基準にすればライズラインのレベルは推して知るべし。コース替わりもデビュー戦の水沢850mを逃げ切ったことでも問題ない。あとは前回と同じ1枠を引き当て、後手を踏んで包まれない競馬をすることのみ。自分の競馬に徹すれば勝利はモノにできるはず。
逆転筆頭はリュウノワン。デビュー戦の門別1000mを快勝後は入着止まりだが、船橋遠征・平和賞で3着。初の左回りが影響したと思うが、4コーナーで外方逸走。大外にふくれてしまって万事休すだったが、それでも直線で盛り返して0秒7差まで詰め寄った末脚にびっくり。敗れて強しの一戦だった。
残された課題は直線200mの小回り水沢で追い込みが届くかどうか。おそらく3コーナーから仕掛けると思うが、ある程度の展開の手助けが必要かも。盛岡なら本命視しても当然の決め手を持っている。
ラブバレットは若駒賞までダート3戦3勝。トライアル・ビギナーズカップも2着に5馬身差をつけて逃げ切り、当然のように断然の人気を集めたが、ライズラインに屈して2着。後続をちぎったが、完敗の内容だった。
しかし逆転の目がない訳ではない。水沢2戦とも圧勝し、特にデビュー2戦目の1300m戦を1秒8差の大差で逃げ切った実績は見逃せない。今回はライズラインを徹底マークする戦法に出ることは間違いなく、そうなればライズラインも楽ではないはず。雪辱を果たし、南部駒の栄誉を手にするか。
ゴオリイはトライアル・知床賞を快勝。北海道から5頭が参戦し、ドラゴンライダー以外はすべて二ケタの大幅体重減。初の長距離輸送がこたえたと思うが、ゴオリイはぜんぜん沿うが太め残り。輸送できっちり仕上がったことも勝因だった。
ただ知床賞はライズライン、ラブバレットが不在。また前年の知床賞優勝アスペクトが1分26秒1の優勝タイムに対し、ゴオリイは1分26秒9。この差を考えると△評価が妥当だろう。
ドナルトソンは『怒鳴ると損』から命名?だとしたら、かなりおしゃれなネーミングだ。北海道サマーセール出身馬でゴオリイと同じサウスヴィグラス産駒。デビュー
6戦目から2連勝し、サンライズカップ9着、サッポロクラシックカップ4着。ほかの2頭に比べて実績不足ゆえ評価が下がったが、層の厚い北海道競馬で揉まれてきたことは軽視できない。
◎(1)ライズライン
○(6)リュウノワン
▲(8)ラブバレット
△(2)ゴオリイ
△(5)ドナルトソン
<お奨めの1頭>
6R サクラゲルダ
前走は盛岡芝にとまどって6着。ダート戦では<6.2.0.1>と抜群の勝率と連対率を誇っている。前走のうっ憤を晴らし、再び連勝街道を突き進む
笠松所属の浜口楠彦騎手が亡くなられた。
浜口騎手といえばラブミーチャンだが、個人的には2006年、盛岡で行われたスーパージョッキーシリーズ第一戦を思い出す。
14番人気の最低人気だったゴールドシャトーで見事1着。後方待機策から馬群を割って抜け出してきたノリノリワカサマ=菅原勲騎手(当時)の追撃をアタマ差封じ、単勝10310円、3連単118万8820円の超ビッグな配当を演出した。
それを目の前で見たふじポンが浜口騎手の大ファンになり、長い間、ふじポンの携帯待ち受け画面は浜口騎手の表彰式写真だった。本番ワールドスーパージョッキーズシリーズでも第3戦を快勝。最高の笑顔を振りまいていた。
謹んでご冥福をお祈りします。
16日(土)から舞台は水沢競馬場へ替わり、年明け1月13日までの約2ヶ月間、ノンストップで走り抜ける。初日メインはB2級「ノベンバーカップ」(水沢1400m)。破竹の進撃メジロオマリー、ホッコーアムールの無敗対決。開催替わり初日から楽しみな一戦を迎えた。
主軸はホッコーアムールとした。中央0勝3着2回からB2へ編入。初戦から圧倒的な強さで3連勝マーク。前走は16頭立ての多頭数で馬群をさばくのに苦労するかと思ったが、好位キープから直線で力強く抜け出して圧勝。一戦ごとに凄みが増している。
前回、もう一つ不安点があった。1800mをこなせるかどうか。マイル戦でも折り合いを欠くシーンがあり、それが中央未勝利の要因だったが、スムーズなレース運びを見せて陣営が一安心した。
今回の1400m短縮は、以上のことからも大歓迎。2歳新馬(京都ダート1400m)3着の実績も光り、若さと成長力を前面に古馬を一蹴する。
メジロオマリーは中央ダート3勝・1000万下から転入。昨年の東京カップけやき賞(JRA1000万下、岩手A級以下交流)でも3着の実績を残した馬が岩手の格付け方式で最下級C2スタート。
相手が大幅弱化され、現在まで岩手6戦6勝。前走は内に包まれて一瞬ヒヤッとさせたが、直線でアッサリ突き抜けて5馬身差。依然、底を見せていない。
中央3勝もダート1400m2勝、1200m1勝と適性はホッコーアムールより上。水沢コースを2度経験して圧勝しているのも心強く、逆転首位まで十分。
オーバーザレインボは典型的なダートスプリンター。5走前の水沢1300m・セプテンバーカップで鮮やかなイン強襲で快勝した。前走も得意の短距離(盛岡ダート1200m)で2着確保し、1400mも守備範囲。前記2頭が激しくやり合うようだと自慢の末脚がさく裂。
ギシアラバストロは中央4勝・準オープンから転入。慢性的な脚部不安に悩まされているが、今年8月、11ヵ月ぶりぶりの美酒を味わい、前走で今季2勝目。元A級の底力を発揮し、復調をアピールした。水沢1400mが微妙だが、スプリント適性では引けを取らない。
フジノチーターは前走10着。これはホッコーアムールに早めに交わされたのが痛かった。今季3勝をマークしただけではなく、一連のレースに成長の跡がはっきり。軽視すると痛い目に遭う。
ウイントゥヘヴンは前走、盛岡1200m3着。今季1勝にとどまっていたが、短距離適性の片りんを見せた。1400mは名古屋、岩手含めて通算7勝。ベストの舞台で一発を狙っている。
◎(8)ホッコーアムール
○(3)メジロオマリー
▲(4)オーバーザレインボ
△(7)ギシアラバストロ
△(10)フジノチーター
△(2)ウイントゥヘヴン
<お奨めの1頭>
8R クロワッサン
ひと頃、伸びを欠いた時期もあったが、無理をしなかったのが功を奏して反撃。前走2着ながら1800m克服が価値高い。得意のマイルに戻って首位を奪回する
5月からのべ10開催にわたって行われてきた盛岡開催もいよいよ今日で今季ラストとなりました。3つのグレードレースを始め芝の重賞、地方競馬の交流重賞などなど様々なドラマがありましたが、つい先日盛岡競馬が開幕したような気がしていたのにもう11月、盛岡閉幕。早いものです。
そもそも今季の岩手競馬もあと2ヶ月ほどという事で"クライマックス感"も強くなってきました。来週は2歳の南部駒賞、再来週は3歳のダービーGPとそれぞれ世代の頂点を競うクライマックス的レースが行われますし、1ヶ月もすれば桐花賞、今季の総決算となる戦いもやってきます。あと2ヶ月ほどですがシーズンの間で一番慌ただしい時期でもありますね。
そして、来年11月には盛岡競馬場でJBCが行われます。先日の金沢JBCを終えて盛岡JBCもカウントダウンがスタート。早くも来年のJBCに向けた施策の話なども聞こえてきます。
盛岡では12年ぶりに行われるJBC。前回のJBCの華やかな雰囲気も未だ忘れがたいですし、その日の朝は霜が降りるほどで非常に冷え込んだのも思い出されます。来年11月3日のJBCはどんな日になるのでしょうか?