
今週木曜日から岩手は雪に見舞われている。まさに冬将軍が到来した感じだが、レースにも少なからず影響。岩手競馬公式ホームページ等で当日の開催状況をご確認ください。
15日メインは2歳重賞「第12回寒菊賞」、水沢1600m。出走予定メンバーを見てあれッと思う方も多いかもしれない。当初、若駒賞、南部駒賞を連勝したライズラインの登録があったが、出走を見送った。状態的にはまったく問題がなく、年明け1月5日の伝統重賞・金杯へ直行する模様。ラブバレットとの対決を心待ちにしてほしい。
ライズラインが不在なら俄然、ラブバレットは負けられない一戦となった。南部駒賞のレース後、ライズライン鞍上の小林俊彦騎手「まだ勝負付けが済んだとは思っていない」と語ったが、若駒賞で0秒4差つけた着差がタイム差なしのクビ差。ラブバレットはあと一伸びで交わす勢いもあった。
ラブバレットは盛岡も問題なしだが、反応の良さは地元水沢。タイプ的に1600mがベストで寒菊賞を順当に制し、金杯に向けて弾みをつけたいところだろう。
これは余談だが、若駒賞、南部駒賞ともライズラインは逃げの手に出るしかなかったが、今回はラブバレットが3枠。仮にライズラインが出走していれば10頭立て8番枠だった。もし枠順が逆になったら両陣営はどんな戦法を採るのか。これも金杯のお楽しみだ。
相手は実績を考えればシグラップロードだが、アオチャンを対抗とした。岩手4戦3勝3着1回。その3着は初の水沢に戸惑った印象。コース2度目の前走を快勝し、シグラップロードの追撃を封じたのが大きい。
まだ成長途上だが、一戦ごとに力をつけているのは疑いのないところ。ラブバレットには適わないにしても2着確保で今後にもつなげたい。ちなみに馬名の『アオチャン』は毛色の青毛から命名したそうだ。
シグラップロードはデビュー2戦目の芝重賞・若鮎賞7着以外はすべて4着以上。2勝2着2回と抜群の安定感を誇り、一連の重賞でも上位入着を果たしている。その反面、勝ち味の遅さがネックとなり、ライズライン、ラブバレットとは完全に水を開けられた格好。
前走も追い比べでアオチャンにハナ差負けを喫したのが気になるが、重賞で強豪メンバーと戦ってきた実績は貴重。その経験を生かしたい。
トーホクスマイルは現A級トーホクアローの全妹。これまで2勝2着4回。グランダム・ジャパン2歳シーズン「プリンセスカップ」でも4着に善戦した。結果的に先行2頭で決着し、後方タイプには苦しい流れだったが、ロングスパートをかけて入着を果たした。シグラップロードと同様、この経験が見逃せない。
リュウノハヤテは北海道1勝から転入し、初戦を快勝。通算2勝目を飾った。すでに16戦のキャリアを誇り、11度が5着以内を強調したい。
◎(3)ラブバレット
○(1)アオチャン
▲(8)シグラップロード
△(7)トーホクスマイル
△(4)リュウノハヤテ
<お奨めの1頭>
5R スズカノジェリコ
一戦ごとに地力アップは誰の目にも明白。目下2連勝中でレース内容も走破タイムもすばらしい。どこまで成長するのか楽しみ
現在、12月31日に行われる岩手版グランプリ「第39回桐花賞」のファン投票を募集中だが、9日時点での中間発表があった。
1位・モズ
2位・ハカタドンタク
3位・ロックハンドパワー
4位・トーホクキング
5位・コウギョウデジタル
6位以下はアスペクト、トーホクアロー、ローレルカンタータ、スーパーワシントン、ミキノウインクの順となった。投票スタートが7日なので開始直後の重賞・北上川大賞典をモズが逃げ切り快勝。そのインパクトが強かったことも投票に影響したと思うが、確かにモズの逃げ切りは見事。中央オープンの底力に、完全に脱帽だった。
投票締め切りは22日まで(インターネットは同日正午まで)。まだまだ時間がありますので、ふるってご応募ください。超豪華な奥州牛、白金豚、海宝漬けが待っております。よろしくお願いします。
14日(土)メインはB1級「銀嶺賞」(水沢1600m)。賞金によるハンデ戦で最高58キロ(コパノツイテル)、最軽量54キロ(ラブソング)の4キロのハンデ差がついた。
主軸は実績を重視してコパノツイテル。3走前、今回と同じ58キロを背負って白神賞へ出走。鞍上・山本政聡騎手もそれを意識して早めに仕掛けたが、最後は伸びが甘くなって4着。それゆえひいらぎ賞も負担重量が懸念材料だったが、見事はねのけて快勝。価値ある勝利となった。
今度の舞台は水沢1600m。マイル特有の忙しい競馬に若干不安が残るものの、B1ですでに8勝マーク。やはり主軸は譲れないだろう。
マイルを舞台に逆転を狙っているのがシルククレヴァー。前走・ひいらぎ賞は3番手インをキープしたが、勝負どころの3コーナーで前がふさがる不利。一度下げて外に持ち出すロスがあり、3着に敗れた。水沢1600mはA級在籍時に4戦2勝3着2回。相手関係を考えれば当然首位まで。
ブラックタイガーは成績が示すとおり水沢は鬼的存在といっても過言ではない。これまで水沢<3.4.2.1>と抜群の安定感。ひいらぎ賞でも中団インをキープした3角でスルスルと進出。直線も内を突いて2着を確保した。どんな競馬にも対応できる自在脚が最大の武器となる。
以上3頭がひとまず抜けているが、マイル短縮で反撃に転じるのがスノウプリンス。ひいらぎ賞2秒1差4着は力負けもあったが、1900mも長すぎた。守備範囲の1600mなら自慢のマクリがさく裂するか。
ヴェルシュナイダーは久しく鳴りを潜めていたが、前走は強豪エクセラン相手にハナ差2着に惜敗。ようやく復活の手応えをつかんだ。好、凡走の落差が激しく全幅の信頼は置けないが、逆に一発の怖さを秘めている。あはひと皮むけたテンショウリバイヴも軽視できない。
◎(5)コパノツイテル
○(1)シルククレヴァー
▲(9)ブラックタイガー
△(6)スノウプリンス
△(7)ヴェルシュナイダー
△(8)テンショウリバイヴ
<お奨めの1頭>
6R タイセイスカイ
転入2戦目に初勝利を飾ったが、以降は足踏み。しかし相手も強かったのも事実で、メンバーが手頃になった今回は2勝目のチャンス
12月2日の水沢第7レースで、山本政聡騎手が地方競馬通算500勝を達成しました。
山本政聡騎手は03年のデビューで今年11年目。08年に通算100勝を達成し、今回はそれからちょうど5年で500勝を達成。「6年で100勝」から「5年で400勝」ですから大幅なペースアップですよね。今季も既に100勝に到達していて2年連続100勝突破。この勢いなら通算1000勝は問題なく射程圏に入る計算ですから非常に楽しみになりました。
弟の山本聡哉騎手は05年にデビューして08年に100勝、通算500勝も今年7月に達成しており、兄よりも少し早いペースで勝ち星を増やしてきました。山本政聡騎手がシーズン後半に入って勝ち星を伸ばし、今年中に500勝を達成したのは、兄の意地だったのかもしれませんね。
山本聡哉騎手がリーディング2位、山本政聡騎手がリーディング3位、その間10勝ちょっとの差で競り合っている事で分かるとおり、いまやこの"山本兄弟"は岩手競馬に欠かせない存在です。
兄弟揃って同シーズンに500勝到達。兄弟揃って年間100勝ペースで勝ち星を量産中。となると次は「どちらが先に1000勝を達成するか?」ですよね。また弟が先か、それとも兄が逆転するか?順調ならあと4~5年の内の出来事になるはず。その日が楽しみです。
●10Rの買い目
馬単(5)=(2)、(5)=(4)、(5)→(3)、(5)→(12)、
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8日メインは岩手競馬で唯一の2500m戦「第36回北上川大賞典」。興味深いのは連覇達成が多いこと。2001年、グローバルゴット以来は連覇した馬は出現していないが、古くはスリーパレード、ボールドマックス(3連覇)、グレートホープ(3連覇)、トウケイニセイ、モリユウプリンス、メイセイオペラが連覇を達成。実力どおりに決着するケースが多かった。
最近は毎年、勝ち馬が替わり、混戦のまま北上川大賞典を迎えているのは正直、さびしい面は否定できないが、その流れに歯止めをかけるスターホースの出現を切に願っている。
水沢で行われるのは今年で8回目。スタート手前100mにスタート地点があり、コースを2周。昨年を除いてほとんど超スローの流れで推移し、折り合いが最大ポイントとなる。歴代勝ち馬にも共通すること。コーナーワークの器用さとラスト800mから上がり勝負に対応できる馬が勝利をモノにしている。
以上のことを踏まえて主軸にローレルカンタータを推す。岩手初戦はイーサンジャンパーの2着だったが、2戦目から連勝。3番手キープから直線でスパートをかけると鋭く反応。2戦とも完勝といっていい内容だった。
今回が初の水沢戦だが、調教で乗りなれている地元コース。主戦の村上忍騎手が騎乗停止中で山本聡哉騎手に乗り替わったが、前開催まで112勝をマーク。今、最も勢いがある同騎手なら2500mも難なくこなしてくれるだろう。
ヴェリイブライトは2歳時に南関東重賞・ハイセイコー記念2着。東京ダービー13着から南関東代表で芝交流・オパールカップへ参戦して6着後、そのまま岩手に残ってトレード。当初は芝のみを使われて桂樹杯5着、OROカップ8着に終わったが、ダート2000mの3歳重賞・不来方賞でコウギョウデジタルの0秒1差2着。これで通用のメドが立った。
続いてダービーグランプリに駒を進めたが、全国の強豪3歳の壁が厚く6着。しかし岩手最先着を果たし、水沢2000m2分7秒6をマークできればマズマズ。古馬でも十分通用するタイムだった。ジリ脚タイプで距離延長はむしろ歓迎。
ミキノウインクは南関東から再転入し、牝馬重賞・フェアリーカップを優勝。ビューチフル・ドリーマーカップは5着に終わったが、新設重賞・ヴィーナススプリントを貫禄勝ち。続いて牡馬相手のA級も快勝して2連勝。絆カップは前半34秒4の超ハイペースにとまどって10着だったが、元々がゆったりと流れる1800m以上がベストの舞台だ。
ニホンピロララバイはローレルカンタータと同様、中央1千万下から転入。5戦2着3回3着2回と安定度一目。最後の詰めに課題を残すが、それならば2500mは望むところ。父ホワイトマズル、母父アフリートの血統も後押しする。
イーサンジャンパーはティンバーカントリー産駒。2007年を優勝したテンショウボスも同産駒で岩手の長距離戦は合う血統。岩手2勝はいずれもマイル戦だったが、瞬発力勝負というよりセーフティリードで押し切ったもの。長距離向きと見ていいだろうし、引き続き好調キープ。
あとはブリーダーズカップ・クラシック、ドバイワールドカップを制したプレザントリーパーフェクト産駒ヒシパーフェクトも不気味な存在となる。
◎(2)ローレルカンタータ
○(3)ヴェリイブライト
▲(4)ミキノウインク
△(7)ニホンピロララバイ
△(10)イーサンジャンパー
△(6)ヒシパーフェクト
<お奨めの1頭>
9R コスモフレイム
慢性的な脚部不安を抱えながら岩手では連対パーフェクトを継続。ここ2戦2着止まりが気になるが、軸としては信頼度が高い
先週2日(月)、水沢1400mを舞台に行われた"GRANDAME-JAPAN2013"2歳シーズン第5弾「第30回プリンセスカップ」は、北海道代表・カクシアジが見事な逃げ切りを決めた。
ラブミーブルー、アイアンガールの競走除外により、カクシアジが1番人気に支持。その期待に応え、園田プリンセスカップ、笠松・プリンセス特別に続いて交流重賞3連勝。2歳プリンセス重賞『三冠』?を達成した。
今回の勝利により15ポイントが加算され、合計47ポイントを獲得。2位以下に27ポイント差をつけ、東京2歳優駿牝馬を前に総合優勝を確定させた。田中淳司「笠松遠征後は水沢へ移動して調教を積んできた。使い詰めでしたし、遠征の疲れもあるだろうから一旦休養させ、今後についてはじっくり決めたい」。
確かに400キロそこそこの体で、目に見えない疲労も貯まっていたはず。まずはリフレッシュに専念してほしいと思う。またカクシアジのローテーションは2歳牝馬に新たな指針を作ったことも大きい。できれば3歳交流・東京プリンセス賞も制し、プリンセス・グランドスラム達成をひそかに期待している。
7日(土)メインはC1・水沢1800m戦「錦秋湖賞」。岩手転入後、7戦7勝と破竹の進撃ブリスで中心は動かないだろう。土付かずもすばらしいが、一連の走破タイムも圧巻。
さらに前走は1枠に入って致命傷とも言えた出遅れを喫し、中団で内に包まれる不利がありながらも3角まくりを決めて完勝。小林騎手が砂をかぶらせないようにうまく乗ったが、それにしても強さが際立っていた。その時の不安点は未知の1600m延長だったが、この芸当ができれば1800mも苦にしないはず。
相手は迷った。10頭立てにしては逃げベストの馬がそろって先行激化の可能性が高い。1枠からアスタプロント、ブリス、ファウヌス、ショウナンカルマン。またケイビイテルマ、サクラウィンビートも前につけたいところだし、人気を集めるブリスがどの位置につけるかで次位候補は大きく変わる。
それでもファウヌスは逃げタイプとは言え、岩手7戦6勝3着1回と成績抜群。前走1400mからいきなり1800mへ延長され、距離対応も課題だが、勢いを重視した。
アスタプロントは前回、マイペースに持ち込んで逃げ切り快勝。うれしい両目をあけた。たぶんにペースに助けられた感もない訳ではないが、中央時代にダート1800mで4着1回。この距離延長を最も歓迎するのがアスタプロントと見ていいだろう。
ハイペース必至ならボウシュの台頭が妙味。B2から降格初戦の前走、ロングスパートから2着確保。いい脚を長く使えるのが最大の武器。距離延長も望むところ。
ケイビイテルマの前走10着をどう評価するか。園田から転入戦、8ヶ月ぶりの実戦を3着にまとめ、2戦目2着。走り頃の休み明け3戦目で期待を集めたが、3番手から失速しんがり負けを喫した。それでも気配落ちはなく、馬場に泣いたと解釈。巻き返しに転じても不思議はない。
ショウナンカルマンは前走、スローに落として快勝。好調をアピールした。大外が気になるが、外から被せられなければ控える競馬も大丈夫。やはり軽視はできない。
◎(2)ブリス
○(5)ファウヌス
▲(1)アスタプロント
△(8)ボウシュ
△(3)ケイビイテルマ
△(10)ショウナンカルマン
<お奨めの1頭>
5R グッドフューチャー
岩手3戦2着2回3着1回と安定度一目。勝ち切れなかったのは相手が強すぎたからだが、今回はメンバー的に初勝利のチャンス。相手はベストリッジライン