
9月16日の水沢競馬は「秋の水沢競馬」最終日。秋の、といってもここに来て暑い日もあって、あんまり秋っぽくはならなかったですね。
今日も台風18号の影響で水沢競馬場は朝から雨と強い風。この原稿を書いている時点で16日の水沢競馬は平常通り開催予定ですが、特に後半の方、台風がより接近する頃はさらに天候が悪化する可能性があります。開催情報には十分ご注意ください。
本命は、ここは素直に(8)コスモフィナンシェとしました。重賞ごとに勝馬が変わる今季にあってみちのく大賞典・すずらん賞と二つの重賞を制している貴重な存在。もちろんその力量も他を一歩リードしていると思います。
水沢マイルは条件級の頃に経験しただけですが、前走のすずらん賞が非常に強い内容だった事で分かるとおりこの馬はマイルあたりが本来ベストでしょう。雨の影響が残る不良馬場になっても特に問題ないでしょうし、ここでも主力の一角になる・勝ち負けになると考えるのが自然です。
対抗は(6)ダノンボルケーノ、ひと叩きされて上昇明らかなこの馬を採ったのですが、脚質あるいは展開面・コース状態との相性面でちょっと不利な局面が生まれるかもしれない。それを気にするなら、自力で前に行ける(3)ロッソコルサや(1)カミノヌヴォーに重きを置いてみてもいいかもしれません。
そして穴っぽく狙ってみるなら(5)ディアーウィッシュはどうでしょうか?真っ向勝負だと一線級にはちょっと足りませんが、恐らく軽い馬場向きの先行馬。天候やコース状態を味方につけて上位に食い込んでくるかもしれません。
差し馬の(4)トーホクキングや(10)ドリームクラフトも面白そうな存在ですが、今の馬場だと差し馬、特に外枠のそれは非常に不利。重賞勝ちの経験を持つ馬たちですが今回は無印という事にします。
●11Rの買い目
馬単(8)=(6)、(8)=(3)、(8)=(1)、(8)→(5)、(3)→(1)
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先週7日の2歳重賞「第31回ビギナーズカップ」はラブバレットが圧勝した。2着シグラップロードに5馬身差をつけ、走破タイムが1分27秒4。
今開催から最終レースにメインが組まれているが、その前の10レースが同じ水沢1400mで行われたB1戦。エクセランが逃げ切ったが、メンバーは少頭数ながら実質オープン級。1着タイムが1分26秒9。
単純な計算だが、ラブバレットはすでに古馬B1以上の実力と見て間違いない。なぜなら過去、水沢1400mで行われたビギナーズカップの最高タイムは2008年、ワタリシンセイキの1分29秒9。ラブバレットはレースレコードを2秒6も短縮した。
次の目標は10月21日、盛岡ダート1600mで行われる若駒賞。「若鮎賞の敗因は芝だったと思います。今回はいいレースをしてくれたのでこれからも楽しみ。ただ一戦ごとに体重が減り気味なので若駒賞へ直行するかも。いずれ馬の状態を見て決めたい」と菅原勲調教師。ダート2歳に新星が誕生した。
15日(日)メインはC1「夏油賞」(水沢1400m)。フルゲート12頭で行われ、好調馬もズラリ。白熱したレースを期待できる。
本命はワタリラッシュ。今季始動は6月末までずれ込んだが、じっくり休養をとったのが功を奏し、叩かれながら迫力が増す一方。休み明け2戦目の3歳ダート1000mの新設重賞・ハヤテスプリントでリュウノタケシツウの2着確保。そして前走は非の打ちどころのないレースで完勝した。3歳馬が本格化。これは追いかける一手だ。
ラブヘリテージは展開に注文がつくタイプだが、前走・田瀬湖賞は勝負どころの3、4コーナーで一旦下がりながらも直線で鋭く伸びて快勝。味のあるレースを披露した。距離が1400mへ短縮だが、逆に歓迎。過去、水沢1400m戦で2勝2着4回の実績を残し、特別2連勝のシーンまで。
スパイクラベンダーは祖父がキングマンボでミスプロ3×3のインブリードを持つ。日本輸入後、最初につけたのがディープインパクト。牧場の期待も相当大きい。中央未勝利から岩手転入後、2勝2着2回とマズマズの成績。前走は4着に終わったが、盛岡芝が合わなかったか。地元に戻って反撃に転じる。
タケデンエビスは田瀬湖賞2着。スッと2番手につけ、4角先頭。最後はラブヘリテージの強襲に遭ったが、水沢適性を改めて証明した。暑い夏が終わり、さらに気配アップした。
アルカイクスマイルは8歳牝馬だが、かつてはB1へ在籍。今季は取りこぼしも多いが、前回は待機策から鮮やかなマクリを決めて快勝。健在を誇示した。引き続き好気配をキープ。
他にもスイートジョリ、転入2連勝マダムシュガー、距離短縮は好材料デルマアグリッピナなど伏兵も多く波乱の要素もたっぷり。当日の気配にも注意を払ってほしい。
◎(5)ワタリラッシュ
○(9)ラブヘリテージ
▲(12)スパイクラベンダー
△(6)タケデンエビス
△(10)アルカイクスマイル
<お奨めの1頭>
6R ベシュテルング
前走は大器エノテカが相手では2着も仕方なし。しかし0秒1差まで詰め寄り、地力の高さを改めて証明した。ここは負けられない一戦
今週3日間(14~16日)で水沢開催がひとまず終了。次週から盛岡開催へと替わるが、4月6日から岩手競馬の仲間入りしていた千田洋騎手も期間限定騎乗を終える。
当初、7月中旬までの騎乗予定だったが、本人自ら延長を希望。先週9月9日終了時点で335戦16勝2着29回。詳しくはテシオ特集(tesio.jp)をご覧になってほしいが、残り3日間で勝ち星を伸ばすことができるか。期待を込めて見守りたい。
なお最終16日には同騎手のお別れセレモニーがあります。騎乗の合間となるので月曜日の確定後に発表されますので、岩手競馬公式ホームページでご確認をお願いします。
14日(土)メイン11レースは水沢1300mを舞台に行われる新設の牝馬重賞「第1回ヴィーナススプリント」。相次いで出走を見送り、7頭立ての少頭数。俄然、ミキノウインクには有利な条件がそろった。
ミキノウインクは昨年6月に中央未勝利から転入。岩手版オークス・ひまわり賞を圧勝。その後、南関東へ移籍して2勝マークし、今年7月に岩手再転入した。
初戦にビューチフル・ドリーマーカップのトライアル・フェアリーカップを選び、2着に1秒5差をつけて圧勝。続いて牡馬相手のA級一組に駒を進め、トーホクキング以下に大差をつけ、2連勝で本番に臨んだ。
しかし全国の強豪牝馬の壁は厚く、シャイニングサヤカがレコードを大幅更新で優勝。以下、4着までを遠征馬が独占。ミキノウインクは5着に終わったが、従来の水沢1900mレコードに0秒1差の2分ジャストで駆け抜け、自身の能力は十分出し切った。
今回は地元同士に加え、牝馬が相手。距離が1900mから1300mへ短縮されたが、同条件2戦1勝2着1回。走破タイム1分21秒1もレコードに0秒7差と優秀。水沢は盛岡に比べて反応ひと息という話だが、それでも実力の違いは明白。ほぼ死角なしの大本命となった。
相手に若干迷ったが、筆頭はコンプリート。中央500万下から転入2戦目の水沢マイル重賞・赤松杯を逃げ切って優勝。好配当を演出した。以降は凡走の連続だが、典型的な逃げ馬のため仕方なしの結果。少頭数、好枠を生かして逃げ残りをもくろむ。
カーリーネイトはビューチフルDCでミキノウインクに次ぐ6着。元々、折り合いに難しい面があり、距離短縮は基本歓迎。南関東時代に短距離実績もあり、2着争いは必至だろう。
評価に迷うのがブリリアントロビン。昨年、北海道2勝から転入。2戦目の牝馬交流・プリンセスカップを制し、明け3歳の根幹重賞・金杯も制覇。重賞2勝馬ロックハンドパワーをアッサリ退けた。
今季も牝馬・あやめ賞を順当勝ち。地元の期待を一身に背負って留守杯日高賞へ駒を進めたが、見せ場なく9着。直後に北海道へ戻って立て直しを図り、7月に岩手へ戻ってきた。
カギは当然だが、4ヵ月半ぶりの実戦がどこまで影響するか。能力はミキノウインクに次ぐが、復調度合いがカギ。当日のパドックの気配と馬体重をしっかりとチェックしてほしい。
アラマサコマンダーは中央1勝を芝2000mでマーク。芝中距離以上をメインに使われ、ダートも短距離も未経験。果たしてスピードについていけるか不安はあるが、実績的には通用して不思議はない。
◎(5)ミキノウインク
○(2)コンプリート
▲(7)カーリーネイト
△(4)ブリリアントロビン
△(1)アラマサコマンダー
<お奨めの1頭>
5R トゥビーウィズユー
転入初戦は4ヵ月半ぶりの実戦も影響したのか、大きく出遅れ。致命傷とも言える不利があったが、直線で一気に突っ込んで2着。ひと叩きされ、今度は首位奪取に出て当然
月曜メインの『府中のスタンドからも岩手に愛を』はファンの皆さんに名前をつけていただいたレースです。
岩手県調騎会騎手部会の協賛レースとということで、このレースでの騎手の騎乗手当の一部を「いわての学び希望基金」へ寄付することになっています。
2011年3月11日に起きた東日本大震災によって、岩手県では計582人もの震災遺児・震災孤児が生まれてしまいました。「いわての学び希望基金」はそんな子どもたちが社会人として独り立ちするまで支える事ができるよう、全国からの寄付を募っている基金です。
この協賛レースを通じて、震災被害に遭った子どもたちの事に想いを寄せていただくきっかけになれば幸いですね。
●10Rの買い目
馬単(6)=(8)、(6)=(5)、(8)=(5)
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今年は各クラスごとに短距離レースが組まれ、ファンの評判もすこぶるいい。実際のところ中距離以上のレースは折り合い優先。特に小回り水沢になるとラスト3ハロンからの勝負。
もちろん騎手の駆け引きもおもしろいが、その中にあって短距離戦はちょうどいいスパイスとなる。前走結果を覆す意外な適性馬が出現し、高配当も続出。改めて適性の重要度を認識する次第だ。
8日メイン「セプテンバーカップ」も水沢1300mが舞台。前走で同距離を使った馬が10頭中6頭。各陣営とも距離適性を重視してエントリーしてきた。
主軸にモンテムーンを指名する。今年4月、南関東から再転入。2戦目の盛岡戦を快勝したが、その後は勝ち切れないレースの連続。堅実に着を拾っているが、最後の伸びの甘さに泣いている。
とはいえ、これまでB1級馬が相手。前走も結果4着ながら、水沢1300m1分21秒6のタイムは優秀。馬場差を考えてもB2・騎手ハンデ戦1着ウイントゥヘヴンより1秒速いのは見逃せない。
あとは内枠がどう出るか。うまく馬群をさばけずにモタつくようなら、脚を余して負けることもあり得る。その点が不安要素となる。陶騎手の手綱さばきに期待したい。
オーバーザレインボは中央未勝利、南関東1勝を経て転入。当初は4着最高だったが、短距離に替わって反撃。ここ2戦を3、2着にまとめて息を吹き返した。前走も内枠有利の馬場をはねのけてロングスパートから0秒1差2着。末脚が冴え渡っている。メンバー的にもハイペース必至。展開も味方にして岩手初勝利まで十分。
ウイントゥヘヴンはオーバーザレインボに先着して快勝。今季未勝利だったうっ憤を一気に晴らした。名古屋時代も8勝のうち7勝を1400mでマーク。折り合いを気にしなくていい短距離で持てる能力をフルに発揮する。ただ前走はうまく内が開いた印象もあり、今回の8番枠が微妙。よって▲評価。
ヤマニンノワゼットは好、凡走の落差が激しく全幅の信頼を置けるタイプではないが、大敗直後の前回2着。加えて水沢1300m2戦2勝。持ちタイム1分21秒7もなかなか優秀だ。
コロニアルペガサスは岩手転入後、すべて3着以上と抜群の安定感を誇っている。相手が骨っぽくなっている上、スペシャリストがそろったが、どんな条件でもきっちり結果を出しているだけにノーマークにできない。
フジノチーターは軽快なスピードと強じんな粘りが身上。今回は逃げ同型がそろい流れは苦しそうだが、人馬ともにそれを跳ね除ける根性がある。
◎(4)モンテムーン
○(6)オーバーザレインボ
▲(8)ウイントゥヘヴン
△(3)ヤマニンノワゼット
△(7)コロニアルペガサス
△(5)フジノチーター
<お奨めの1頭>
4R ファウヌス
岩手初戦を鮮やかに逃げ切って完勝。走破タイム1分20秒7はコースレコードに0秒3まで迫り、スピードの違いは明白