13日メインは毎年、お盆恒例となったスプリント決戦「第19回クラスターカップ」(JpnⅢ)。盛岡ダート1200mを舞台にフルゲート14頭で争う。何度か報告したと思うが、今年のJBCは盛岡開催。それを占う意味でも重要な一戦となった。
興味深いデータがある。過去5年とも1番人気が優勝し、5歳馬3勝、6歳馬が2勝2着3回。そしてサイアーライン(父方)・ミスプロ系は過去3年で馬券対象(3着以上)になったのが9頭中8頭!
この条件をすべてクリアーしているのが5歳牝馬スイートジュエリー1頭だった。これまで芝1200m1勝、ダート1200m3勝、ダート1000mで1勝。
まだ重賞タイトルには縁がないが、昨年10月、1000万下(夙川特別)を5馬身差で圧勝。従来のレコードを0秒9も更新し、1分8秒8の驚異的タイムをマークした。
前開催の盛岡ダートはハイタイム決着の連続。加えて今週中間に台風などの影響で激しい雨が降り続け、さらに高速決着に輪をかけそうな予感。しかもノンタイトルホースで牝馬ゆえ52キロの軽ハンデで出走できるのは恵まれた条件。
ここ2戦の二ケタ着順は芝挑戦での結果で度外視。好走条件がそろった今回、自身の全能力を発揮。先日のマーキュリーカップはキングカメハメハ産駒ナイスミーチューがレコードで見事優勝したが、今度はキンカメ産駒スイートジュエリーが盛岡1200m戦を制す。
アドマイヤサガスは芝からダートへ路線変更後、4勝はすべて1400m戦だったが、前走・北海道スプリントカップで豪快なマクリを決めて快勝。初の重賞を手にし、1200mも克服した。ダート1200m最高タイムが北海道SCの1分11秒0が若干物足りないが、勢いに乗ったのは確実だ。
シルクフォーチュンはダートグレード3勝。一昨年のフェブラリーステークスで目にも鮮やかな追い込みで2着など一連の重賞で上位争い。今年8歳馬で展開に左右されるのが気になるが、3ヵ月半ぶりの前走・プロキオンSで8着ながら0秒4差。上がり35秒4の脚を披露した。この一戦を叩かれて上昇必至。
タイセイレジェンドは一昨年の覇者で昨年は59キロを背負いながらラブミーチャンの2着を確保した。今回はJBC金沢以来の実戦に加え、60キロのトップハンデと厳しい条件がそろった。陣営はあえてクラスターカップを選んだのは盛岡で開催するJBCスプリントをにらんでのこと。この過酷条件でどこまでやれるかを図る意味と解釈すれば△評価が妥当。
サマリーズは2歳時に全日本2歳優駿を逃げ切った実力牝馬。プロキオンSの13着が不満だが、スイートレジェンドと同様、52キロの軽ハンデが魅力。
◎(13)スイートジュエリー
○(4)アドマイヤサガス
▲(14)シルクフォーチュン
△(1)タイセイレジェンド
△(9)サマリーズ
<お奨めの1頭>
11R ニホンピロララバイ
今シーズンは徹底して短距離戦のみを使って6戦6勝。けた違いの破壊力が冴え渡っている。レース間隔が開いても適性上位は明らか
真夏を迎えてレースもますますヒートアップ!な岩手競馬ですが、今日4日の次は少しお休みを挟んで次回開催は13日から17日までの5日連続開催となります。"お盆休み"明けの13日は早速ダートグレードレースの『クラスターカップJpnIII』を、また16日は2歳の芝重賞『若鮎賞』、17日は今度は古馬の芝重賞『桂樹杯』が行われます。お盆は大レースの連続。ぜひお見逃しなきよう!
クラスターカップの出走予定馬ですが、この稿を書いている時点では以下のようになっております。
◆JRA代表
アドマイヤサガス
サマリーズ
シルクフォーチュン
タイセイレジェンド
スイートジュエリー
(補欠/アーリーデイズ、ブルーデジャブ、コウユーサムライ)
◆地方他地区代表
アイディンパワー(船橋)
トウホクビジン(笠松)
ヤサカファイン(大井)
コウギョウダグラス(大井)
タッチデュール(笠松)
(補欠/ハイタッチ(金沢))
・岩手代表は5日発表予定
JRA代表では今年の北海道スプリントを勝っているアドマイヤサガス、このレースに過去2年連続で出走しているタイセイレジェンド、岩手初登場でグレード実績魅力なサマリーズ・シルクフォーチュンにここにきての成長急なスイートジュエリー・・・という構図。昨年は笠松・ラブミーチャンが制しましたが、今年はJRA勢が巻き返してきそうです。
●10Rの買い目
馬単(6)=(5)、(6)=(1)、(5)=(1)、(6)→(4)、(6)→(2)
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3日メインは芝2400mを舞台に争う地方競馬全国交流「第36回せきれい賞」。今年は大井から2頭、川崎から1頭が参戦する。
今回も遠征馬は強力だが、それを承知の上でオールマイウェイを主軸に推す。通算7勝はすべて盛岡芝。ダートでは反応ひと息だが、芝になると別馬のようにシャープな切れを披露する。
昨年は3歳・サファイア賞(芝2400m)、B1戦の2勝にとどまったが、体調も本物ではなかった。
今年は早くも2勝。JRA条件交流で鮮やかな直線一気を決め、続くトライアル・かきつばた賞では4番手好位キープから村上忍騎手がゴーサインを出すと、すばやく反応。3角手前で早々と先頭に立ち、そのまま押し切った。
走破タイム2分31秒2も優秀だった。これは過去5年のせきれい賞優勝タイムと比較してもまったくそん色なし。3年前、北海道・マイネルカミカゼが2分30秒6で快勝したが、続くのはコスモヴァシュランの2分31秒5。あくまでも過去5年に限るが、かきつばた賞のオールマイウェイで勝ち負けできる計算となる。
父がサクラバクシンオーでよく2400mが持つなぁと思うかもしれないが、母父がリアルシャダイなら納得できるはず。オールマイウェイの武器はどんな流れにも対応できること。折り合い面でまったく心配ないのが強み。
ところがサクラバクシンオーの血はしっかりと受け継いでいる。良馬場で最大能力を発揮できるが、重馬場、不良馬場になるとからっきしダメ。切れ味が一気に鈍くなってしまうのだから不思議だ。あくまでも良馬場条件だが、オールマイウェイで好勝負になる。
カリバーンは中央ダート1勝後、芝で4勝マーク。2011年のオールカマー3着、アルゼンチン共和国杯でも4着善戦した。
2011年1月から白星がないが、断然の芝実績で久々の美酒を味わうか。
ウインペンタゴンは昨年のせきれい賞でヒビケジンダイコの2着。終始インの経済コースでレースを進め、直線外に持ち出して一完歩ごとに差を詰めた。
盛岡芝2400mで要求されるのは超スローの流れでも掛からないこと。あとはコースロスなく走り、直線でいい脚を使えること。優勝タイム2分32秒4(ウインペンタゴンは32秒7)は平凡だったが、好走条件を満たしているのは間違いない。
ミカエルビスティーは中央芝1800m以上で4勝2着7回。芝重賞を狙ってのトレードで満を持してかきつばた賞に登場。前半はじっくり脚を貯めて3角から徐々に前へ進出。手応えの良さから突き抜けるかと思ったが、伸び案外で3着。オールマイウェイに0秒4差で完敗を喫した。
しかし今回は盛岡芝も2度目。当時は荒れた芝で各陣営とも手こずっていたが、今の芝は高速決着の連続。ミカエルビスティーにとって大歓迎だろう。
レオパルドゥスはかきつばた賞でミカエルビスティーに先着2着。高配当を演出した。ただ思い切った待機策からインにコースを選んだのが功を奏したとも解釈でき、過信は禁物。前崩れになった際の押さえが妥当だろう。
◎(1)オールマイウェイ
○(7)カリバーン
▲(3)ウインペンタゴン
△(6)ミカエルビスティー
△(8)レオパルドゥス
<お奨めの1頭>
9R ブライトライジン
中央未勝利から転入後、5戦とも圧勝で決着。現在C2だが、B級以上でも間違いなく通用する器だ
先週27日に行われた岩手版オークス「第28回ひまわり賞」は7番人気の低評価を覆し、フラッシュモブが鮮やかなイン強襲を決めて優勝した。
圧倒的1番人気に支持されたダンスママは絶好の3番手外をキープ。道中の手応えも上々で直線をむいて先頭。そのまま押し切るかと思ったところ、最内を突いたフラッシュモブがアタマ差抜け出した。
関本浩司調教師「調子的には5、6分だったと思いますが、鞍上(山本政聡騎手)がうまく乗ってくれました。どんなレースでも必ずひと脚を使うのが持ち味ですが、内の経済コースを走り、直線まで脚を貯めたのが勝因。仮に選ばれたら牝馬ダート交流・ブリーダーズゴールドカップへ挑戦してみたい」。その希望がかない、同厩のミキノウインクと2頭が選出された。
今年からブリーダーズGCは牝馬交流へ条件変更。JpnⅠ・JBCレディスクラシックにつながる重要なレースに様変わりした。相手はかなり強力だろうが、善戦を期待したい。
2日メインは青藍賞トライアル「第37回すずらん賞」(盛岡ダート1600m)。1着~3着馬に優先出走権が与えられる。
有力馬が3頭に絞られる。ランドオウジ、コミュニティ、コスモフィナンシェ。
話が脱線するが、ランドオウジとコスモフィナンシェの血統配合が非常に近いのにお気づきだろうか。
ランドオウジは父がゴールドアリュールで母父がフォーティナイナー。一方、コスモフィナンシェも父がゴールドアリュール。母父ガルチ。
そう。フォーティナイナーもガルチもミスプロの直仔。サンデーサイレンス系×ミスプロ系の配合が見事成功した。
タイプも非常に似ており、先行力と強じんな粘りが身上で大きくバテないのも共通している。もちろん調子落ちのときは例外だが、この配合は間違いなく岩手が合う。
本命はランドオウジ。昨年から重賞でも好走を続けていたが、あとひと押しが足りずタイトルに縁がなかった。しかし前々走・早池峰賞で待望の重賞制覇。1200m経験がなく忙しい競馬に不安があったが、好位からアッサリ突き抜けた。
続く岩鷲賞は早めマクリから見せ場を作ったが、直線一杯となって7着。これは反応ひと息の水沢コースだけに仕方なしの結果。盛岡に替わると一変の動きを披露する。
コミュニティは中央未勝利から転入後、年をまたいで圧巻の12連勝を記録。ランドオウジに連勝を阻まれたが、続く一戦を快勝。満を持して伝統のみちのく大賞典に駒を進め、ナムラタイタンの2番人気に支持されたが、スタート直後に落馬のアクシデント。
気を取り直して今度はマーキュリーカップへ挑戦。全国の強豪相手に果敢に逃げの手に出た。さすがに流れが厳しく残り800mで失速したが、結果的にレコードをアシスト。自身もいい経験だったに違いない。今回は地元同士でメンバー有利は明らか。古馬重賞を手にするか。
コスモフィナンシェは昨年の覇者。名古屋から里帰り後は短距離を専門に使ってきたが、マイルはもちろん守備範囲。
前走・岩鷲賞は4番手インを追走し、コスモセンサーの後ろにつけたが、これが災い。思った以上に早く失速したため、直後にいたコスモフィナンシェが一番不利を受けた。それでも3着まで盛り返したのが底力。2連覇も十分。
ウインベルカントは詰めの甘さが課題だが、みちのく大賞典で3着に健闘。基本は三つ巴だが、調子の良さなら引けを取らない。
あとは前が総崩れの展開になった際にトーホクアロー、マムティの台頭あるかもしれない。
◎(2)ランドオウジ
○(4)コミュニティ
▲(5)コスモフィナンシェ
△(11)ウインベルカント
△(7)トーホクアロー
△(3)マムティ
<お奨めの1頭>
9R バイオレントナイト
前走は流れに乗れなかったのが敗因。中央2勝、笠松A級から転入。C1なら巻き返しに転じて当然
今日7月28日をもって西谷泰宏騎手の期間限定騎乗が終了します。
オーストラリア・タスマニアからやってきて2ヶ月間、ここまで6勝。ダート競馬がない地区から来て岩手で初めてダートの実戦を経験して、それも盛岡・水沢と2種類のコースに(盛岡の芝コースも入れれば3種類)に対応しながら・・・のこの成績ならひとまず上々だったのではないかと思います。期間後半になって勝ち星が増えてきたのも日本の競馬に対応してきた証しでしょう。
先日、水沢開催が終わる頃、西谷騎手がこんなことを言っていました。
「盛岡よりも水沢の方が駆け引きが重要で、乗っていて面白いですね。せっかくコツを掴んできたような気がするのになあ。もう一回水沢で乗りたいですよ」
盛岡はどちらかと言えば馬の力量優先。それに対し水沢は展開や騎手の駆け引き、テクニックによって結果が変わる部分があります。
自分も西谷騎手の乗り方を見て水沢の方が合うんじゃないかと感じていましたが、西谷騎手自身も水沢の方が"面白い"と感じたようです。
またいつか岩手で、日本で乗る機会もあるでしょう。その時はまた、水沢で思う存分乗っていただきましょう。Go!Yassy!
●10Rの買い目
馬単(4)=(5)、(4)=(2)、(4)=(3)、(4)=(1)
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